75歳男、殺虫剤入り豆乳を隣人にプレゼント /扶余

7歳児含む3人が腹痛で入院

 韓国西部・忠清南道扶余郡に住むAさん(55)は先月21日、自宅の庭に豆乳1ケース(16パック入り)が置かれているのを見つけた。誰かがプレゼントしてくれたのだろうと思い受け取ったが、2日後にその豆乳を飲んだ7歳の息子が腹痛を訴え、1週間入院する事態になった。Aさんは、豆乳が腹痛の原因だとは考えもしなかったという。

 今月12日午後には、Aさんの自宅から3キロほど離れた場所で葛(くず)を掘っていたBさん(48)=女性=ら男女2人が豆乳を飲んで倒れた。この豆乳はAさんの仕事を手伝ったショベルカーの運転手がAさんからもらい、何気なくBさんたちにあげたものだった。

 入院を余儀なくされたBさんたちは豆乳が腐っていた可能性を疑い、警察に通報。捜査の結果、問題の豆乳には殺虫剤の成分が含まれていたことが分かった。慶尚北道尚州市で殺虫剤や農薬が混入したサイダーを飲んで2人が死亡した、昨年7月の「農薬サイダー事件」で使われたのと同じ殺虫剤「メソミル」が検出された。

 扶余警察署は、Aさんの近所に住む男(75)が先月21日に小売店で豆乳を買ったことを防犯カメラ映像で確認。男は事情聴取に対し「豆乳8パックに注射器で殺虫剤を注入し、こっそりAさんの自宅に置いた」と犯行を認めた。動機について「年下のAさんが自分の悪口を言ったこと、水不足の中で生活用水を農業用に使っていることに腹が立った」と話しているという。警察は、3分の1ほどなくなった液体殺虫剤(500ミリリットル入り)のびんと注射器を証拠として押収した。男はただ「8パックに入れた殺虫剤の量はごくわずか」と主張しているとされる。

 警察は殺人未遂容疑で男の逮捕状を請求したが、男が身柄を拘束された後、肺に水がたまって呼吸困難に陥り、治療を受けていることを踏まえ、裁判所は16日に請求を棄却した。警察は男の容体を見守った上で、近く逮捕状を再請求する方針だ。

扶余=禹正植(ウ・ジョンシク)記者
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