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News Up なぜ使えなかった?雪の日の交通アプリ
1月19日 20時14分

News Up なぜ使えなかった?雪の日の交通アプリ
東京の都心にも雪が積もった18日。電車に乗り切れない人が駅にあふれ、入場が制限された事態がクローズアップされましたが、影響を受けた交通機関は鉄道だけではありません。
ツイッターには、「バス3回も逃した」「アプリが使えない」など、バスやタクシーに関する書き込みも多く見られました。
ふだんは大いに役に立つ交通情報のアプリやサイトは、なぜ使えなかったのか。取材を進めると、いくつかの原因が浮かび上がってきました。

バスやタクシーが来ない

週の初めの月曜の朝、積もった雪を見ていつもより早く駅に向かったものの、人があふれてホームに入れない。そこで鉄道を諦め、バスやタクシーを探したが一台も見当たらず、頼みのアプリも役に立たない。そのような経験をした方、多かったのではないでしょうか。
ツイッターには、次のような書き込みが見られます。

(バス)
「アプリに騙されてバス3回も逃した」
「乗る予定のバスがアプリから消えた」
「サイトが重くてつながらない」
(タクシー)
「アプリも電話もパンクしててもうお手上げ」
「タクシーアプリでずっと探してたけど全然ダメ」

なぜ、こんな状況が生まれたのでしょうか。

アクセス集中でつながらず

東急バスでは、18日、バス専用のアプリがつながりにくい状態になりました。原因はアクセスの集中です。
アクセス数は前週の火曜日の3倍。特に午前6時台から11時台にかけてが多く、時間帯によってはふだんの5倍に上りました。このため表示が極端に遅くなったというのです。
原因はまだ特定されていませんが、サーバーへの専用回線がパンクした可能性が考えられるということです。

アプリの表示が変

一方、別のバス会社についてアプリの表示が正確でなかったという書き込みもありました。
バスの運行システムを手がける企業によりますと、バスの位置はGPSの情報をもとに表示されるということです。そして、バス停間の距離だけでなく、そのときの渋滞状況を加味して到着時間を予測しています。
ただ、予測に使うのはあくまでも通常の渋滞データです。大雪の場合、渋滞状況が通常とは大きく異なるうえ、通れない道もあったと考えられます。このため予測が実際とずれた可能性があるというのです。
さらに、「乗る予定のバスがアプリから消えた」という指摘について、この会社は一般論だとしたうえで、「当社の場合、バスが時刻表の時間から一時間以上遅れると、いったん表示を消す機能をつけている。表示があるのにバスが来ないじゃないかというユーザーの不満に対応するために装備したものだが、この制限時間に引っかかって、表示が消えたことが考えられる」と話しています。

タクシーのアプリは

一方、タクシーアプリはどうだったのでしょうか。
東京23区でおよそ4000台のタクシーをアプリで手配できる日本交通では、18日、電話やアプリなどを使った注文がふだんの数倍殺到しました。電話での注文は回線がパンクして受け付けられない状態になりました。
アプリはオペレーターとの会話が不要なことから、ふだんは好評ですが、この日ばかりは一時的に注文に制限をかけざるをえなかったということです。
背景としてまず挙げられるのが、雪で乗務員の出社が大幅に遅れたことです。乗務員の中には通勤に鉄道を使っている人も多く、電車が動いていないため出勤できない人が相次ぎました。タクシーはあっても車を動かせない状態になったのです。
さらに、街で空車のタクシーがあってもすぐにお客さんが乗ってしまい、実車率も高くなりました。注文を受けても、なかなか空車が見つからないという事態も起きていたのです。
日本交通では「対応策を挙げるとすれば、アプリから呼べる台数を増やしていくことが必要。現在2社と提携しているが、提携先をさらに増やしていきたい」としています。

2年前の大雪では影響なし

首都圏では2年前にも大雪に見舞われました。しかし、2年前は週末だったこともあり、取材したバス会社もタクシー会社も、今回ほど大きな影響は出なかったとしています。
いろいろな種類が出回っている交通系のアプリやサイト。非常時には、より正確な情報を求めたいところですが、私たち一人一人も、いざというときの対処のしかたを考えておく必要がありそうです。

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