【Gファーム情報】河野元貴捕手インタビュー「阿部さんのように周りから信頼される選手に」
- 13年9月23日、バッテリーを組みプロ初勝利の今村を祝福する河野(右)
- 春季キャンプで練習に励む河野
- 13年8月25日、DeNA戦の9回1死一、二塁、右越えに1号3ランを放つ河野
- 13年1月、グアム自主トレで、スローイングの練習をする阿部と河野(左)
入団7年目を迎える巨人・河野元貴捕手(24)が18日、スポーツ報知のインタビューに応じ、今季に懸ける胸の内を明かした。
扇の要には長らく阿部が座り続けていたが昨季から一塁に転向。だが13年ドラフト1位で小林誠が、昨オフにはFAで相川が入団するなど競争は激化。今季もドラフトで宇佐見、松崎の2捕手が加入し阿部が再転向するプランも浮上している。かつて「阿部2世」とも言われ期待された河野が改めて「ポスト阿部」への譲れない思いを示した。(聞き手・安藤 宏太)
―2009年育成ドラフト2位で入団。12年7月に支配下登録され、13年8月25日のDeNA戦(横浜)では、プロ4打席目で初アーチを放った。当時の原監督に「すでに100本くらい本塁打を打っているような打撃。見事だった」と言わしめたが、1軍出場はその年の11試合だけ。「ポスト阿部」と期待されたが、ここ2年は1軍出場がない。
「この2年は本当に悔しい思いをしている。今年は7年目。年齢的な問題もあるので危機感を持ってやらないといけないと思っている。もう若くない」
―今年もドラフトで2人の捕手を獲得。小林誠、相川ら毎年のように捕手のライバルは増えていく一方だ。
「自分がもっと結果を残していればこういうことにはならなかったというのはある。自分自身に対してふがいない、だらしないと思う気持ちでいっぱい」
―ここまで2軍生活に甘んじている要因をどう分析しているか。
「守備だと思う。キャッチャーなのでまずは守備をしっかり信頼してもらわないといけない。去年も2軍で(捕手として出場した50試合で)4失策。ファームの中ではチームの捕手で一番多かった。バッティングで結果を残せればインパクトも強かったと思うけど2割7厘しか打てず、それもできなかった」
―1軍に上がってプレーするためにアピールしていくことはどのようなところか。
「やはり守備。昨年までと同じではいけない。集中力を持って、一つ一つのプレー、1球1球を大切にして、正確性、試合の中での対応力を上げないと。2軍にいる時間が長かったのでその分、若手の投手は近くで見ているのでよく分かっているつもり。去年だったら田口。2軍にはまだ平良とか今村とか若い投手がいる。そういう投手と一緒に1軍に上がってバッテリーを組んでみたい」
―現状を打破していくためには。
「キャンプの紅白戦やオープン戦に呼んでもらえたなら実戦の中でアピールするしかない。とにかく今は結果を求めている。打撃でも守備でも結果が欲しい」
―11年1月から4年連続で参加していたグアムでの「阿部組」の自主トレに昨オフから行かなくなった。
「わざわざ連れて行ってもらっていたけど、思うような成績を残すことができなかったので阿部さんから『お前は一人で考えてやれ』と言われ、昨オフからは一人で東京に残ってやっている。また周りに認められるような結果を残してから、阿部さんにお願いしたい。いろいろ聞きたいことはあるのでまた一緒にやりたい」
―昨年のドラフト以降、新人の宇佐見が「阿部2世」としてメディアで取り上げられている。もともとは河野の「代名詞」だった。
「巨人に入った頃から阿部さんは主将もやっていて、捕手としての姿を見ている。阿部さんのようにキャッチャーとしても人間としてもオーラや威厳があり、周りから信頼される選手になりたい。プロでは自分の方が経験もありますし絶対に負けたくない」
―今季の目標は。
「ただ1軍に上がるだけではダメ。必死に食らいついて1年通して1軍に入れるようにしたい。1試合でも多く出ることを目標にしてやっていきます」
◆河野 元貴(かわの・げんき)1991年6月14日、福岡県生まれ。24歳。捕手。福岡・九州国際大付から2009年育成ドラフト2位で入団。12年7月に支配下登録された。180センチ、83キロ。右投左打。年俸670万円。
巨人・村田善則バッテリーコーチ(河野の課題について)「肩は小林(誠)にはかなわないし、打撃は阿部には及ばない。ただ全体的な攻守のバランスはいい。全ての面でワンランクアップさせてほしい」
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