上質な大人のためのメディアがWebにはない、とよく言われます。
でも、それって無い物ねだりではありませんか!?
そもそもメディアとは“俗っぽい”ものなのです。Webだけでなく、面白いメディアは紙でも放送でも、“俗の極み”に近づいていくものです。
高踏よりも低俗を、大人よりも女子どもを相手にするのが古来メディアの常道です。
さらに今や、専門家の評論よりも、フツーの個人のナマの体験が多数を制するデジタル民主主義のご時世、SNSの時代です。
でも、読みたいメディアがありません。
どうすればいいの?と、考えました。
結論は、わかりやすさに組せず、新しさだけで善しとしない。
美意識とセンスと、極端なまでに偏ったクリティークのコラム・マガジンです。
「Byron」に古強者たちが集まりました。
思い切り偏屈なメディアが立ち上がります。
飽食の時代と言われて、ずいぶんたちます。
西に美味いピザ屋あると聞けば、走り、東に行列のできるラーメン屋があると聞けば、駆けつける、そんな人間になっていませんか。
勘違いしないでくださいね、グルメの話じゃなくて、デジタル空間の情報の話です。
新しければ、美味い。美味いという人が多ければ、美味い。安ければ、よし。
「早い、安い、美味い」は、成長期の人の必要条件であって、成熟した人には、もっと別の価値があるのでは。
鮨屋の魚が美味いのは、新鮮だからではありません。何年もの下積みと修行を積んだ“仕事”をしてるから美味いのです。
情報に価値があるのは、新しいから、早いからだけではありません。研鑽した目利き、クリティークで“編集”してるから面白いのです。
たった数行のコラムに、
ニヤリと苦笑したり、
フムフムと頷いたり、
シタリと膝を打つのは、
熟練の手だれの目利きと技でもって“仕事”がされているからです。
だから、面白いWebメディアは、美味い鮨屋に似ています!?
Byron編集長 斎藤和弘