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おたふくかぜ患者、前回流行以降で最多- 教育施設で集団発生も
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の感染が拡大しており、前回の流行以降で最多の患者報告数を記録したことが19日、国立感染症研究所がまとめた4日から10日までの週の患者報告で分かった。教育施設での集団発生も報告されており、患者が増加傾向の自治体では、うがいや手洗いの徹底に加え、ワクチン接種を検討するよう促している。【新井哉】
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■佐賀が全国最多、3県で注意報発令
4日から10日までの週の全国の患者報告数(小児科定点医療機関約3000カ所)は、前週比2.14倍の定点当たり1.2人を記録。2010年から11年にかけての流行以降では最多の患者報告数となった。
都道府県別では、佐賀が5.0人で最も多く、以下は宮崎(4.23人)、石川(3.31人)、沖縄(3.21人)、山形(2.5人)、福岡(2.46人)、熊本(2.18人)、北海道(2.15人)、千葉(1.77人)、茨城(1.73人)などの順だった。
注意報を発令する自治体も出てきた。定点当たりの患者報告数が注意報の基準値の3.0人を上回った佐賀県は14日、県内全域に注意報を発令した。同県によると、注意報の発令は今年度4回目。石川と広島の両県も同日、注意報を発令し、手洗いなど感染予防の徹底を求めている。
■東京都内の小学校で集団発生、学年閉鎖の措置も
小学校や保育所などの教育施設で、流行性耳下腺炎の集団発生も起きている。昨年9月ごろから定点当たりの報告数が増え始めた石川県では、集団生活を送る保育所などでの集団感染も報告されているという。東京都内の小学校でも集団発生があり、今月14日から16日まで学年閉鎖の措置が取られた。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスの感染によって耳下腺が腫れる感染症で、気道を介して飛沫感染する。潜伏期は2―3週間。物をかむ時にあごが痛むことが多い。合併症としては、髄膜炎や脳炎、膵炎、難聴などがある。発熱には鎮痛解熱剤の投与を行うなど、治療は基本的に対症療法で、ワクチンの接種が有効な予防方法とされている。
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