実はこんなにすごかった!!日本国籍パスポートの実力
日本のパスポートは「非常に強い」と世界から評価されています。ビザ(査証)がなくても渡航できる国の数がとても多いからです。世界でも上位クラスである日本のパスポートについて、その実力や歴史を見てみましょう。
143か国はビザなしで渡航できる
日本のパスポートで、ビザなしで渡航できる国や地域は、2015年3月の時点で143か国です。国連に加盟している193か国と台湾などの6地域のうち、約7割ということになります。その実力は、世界の中でもトップクラスです。
パスポートは、持っている人の身分と国籍の証明書で、ビザは入国許可証です。本来なら身分証明書だけでは海外の国には入れず、許可を受けなければならないのですが、それが免除されているわけです。パスポートに押されるスタンプやステッカーが、ビザの代わりになります。ただし免除されている国でも、観光のような短期間の滞在ではなく、仕事や留学で渡航するときには、専用のビザが必要になります。
ビザを取得するのはなかなか大変
観光のためのビザを取得するためには、日本にある、渡航したい国の大使館や総領事館に、写真を貼った申請書とパスポートを提出して申し込みます。他にも職業や旅行のスケジュールを証明する書類などが必要になることもあります。
ビザは、発行するのに時間や手数料がかかります。しかもパスポートと違って有効期限が短いので、観光用のビザなら旅行のたびに取りなおすことになります。受け付ける国の事情によっては、手続きの方法が突然変わることもあるのです。ビザなしでいろいろな国に入国できる日本のパスポートは、非常に海外に旅行しやすいお得なものなのです。
パスポートの「強さ」は国の状態を映し出す
パスポートで渡航できる国が多い上位には、ヨーロッパの国々が多いです。それはシェンゲン協定というものを結んでいる国がたくさんあり、シェンゲン圏内では国境を審査なしで通ることができるからです。
またアメリカのように、世界で認められている大国も高い位置にいます。
日本のパスポートもトップクラスなのは、経済力や治安の良さ、外交力などが総合的に評価され、入国させても大丈夫だといろいろな国が考えてくれている結果なのです。逆に政情などが不安定な国は、渡航できる国の数が少なくなっています。パスポートの実力はずっと同じではないので、現在のその国の状態が反映されたものといえます。
日本のパスポート第1号は手品師が取得
日本のパスポートは4種類あります。一般旅券である有効期限が5年の青色パスポートと10年の赤色パスポート、そして国会議員の公務や海外ボランティアなどで使用される緑の公用旅券、皇族や総理大臣の濃茶の外交旅券です。
パスポートの色は国によって違い、表紙のデザインは国章など、その国を表すシンボルが印刷されることになっています。
日本のパスポートは、1866年に発行されたものが最初です。パリ万博に出演するために、手品師の隅田川浪五郎が取得しました。曲芸団として行ったので、パスポートの第1号から30号までは全員曲芸師などの芸人となっています。当時、渡航のための旅券は手帳ではなく1枚の紙で、写真がないので人相の説明書きがありました。手帳型になったのは1926年で、1995年から10年間有効のパスポートが発行されています。
期限ぎりぎりまで放っておいてはいけない理由
パスポートの有効期限は5年や10年でも、その期間すべて使えるとは限りません。入国の規定に「有効期限が半年以上あること」と、残存有効期間を記載している国がたくさんあるからです。日本のパスポートも例外ではないので、有効期限が半年を切ったら切り替えたほうが無難です。
期限が切れる前に切り替えれば、最初の申請では必要だった戸籍謄本や抄本はいらなくなるため、前の発行のときより手続きは楽になります。有効期限が1年未満になれば切り替え申請ができるようになるので、旅行の直前になってあわてることがないように、期限に注意して適当な時期に交換しましょう。