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 英国のキャメロン首相が18日、配偶者ビザで入国する移民に対して、一定期間内に英語の習得を義務づける方針を打ち出した。イスラム教徒の女性の社会進出を促し、過激派の伸長を抑制することが狙いという。 18日付の英タイムズ紙への寄稿文でキャメロン首相は、一部のイスラム教徒の女性が夫の管理下におかれて外出が自由にできないなど「性に基づく分離や差別、英国社会からの隔離にさらされている」と指摘。英国に長年住みながら英語がほとんど話せないイスラム教徒の女性が19万人にのぼり、その子どもらが過激思想に傾倒する隙を与えるとしている。

 首相官邸などによると、英国は10月にも配偶者ビザで入国する移民に、入国から2年半の間に英語の習得を義務づける方針で、英語教育の普及に2千万ポンド(約33億5千万円)の予算をつける。英語力が向上しない場合、ビザ更新や永住権を認めない可能性がある。

 ただ、イスラム教団体などからは「ごく少数の過激派を挙げて300万人いる英国のイスラム教徒を不名誉な型にはめるものだ」と批判も出ている。(ロンドン=渡辺志帆)