第22回 「ひゃっほーい! ひゃっほーい! ひゃっほーい!」と鞘師里保(モーニング娘。'15)は言った。
【アイドル現場日記#11 ライブビューイング編】2015年12月31日(木)「Hello! Project COUNTDOWN PARTY 2015 〜GOOD BYE & HELLO!〜」(中野サンプラザ)第1部ライブビューイング@MOVIX宇都宮 3900円
ハロヲタの1年はカウコンで終わる。
というか、2013年末からそういうことになって、今回で3度め。大晦日のカウントダウン・コンサート、「Hello! Project COUNTDOWN PARTY 〜GOOD BYE & HELLO!〜 」ですね。「ジャニーズカウントダウン」のハロー!プロジェクト版みたいなお祭り。
ただし、ハロプロの場合、21時以降出演できない18歳未満のメンバーがたくさんいるので、夕方と深夜の2プログラム制を採用。23時にスタートして年をまたぐカウントダウン本番の第2部の前に、16時スタートの第1部がある。
今回の会場は中野サンプラザ。もちろんFC先行でチケットを申し込んでたんですが、当然のように抽選にハズれたので、前回と同じくライブビューイング(LV)を選択。映画館でコンサートの生中継を観るという、最近はやりのライブ鑑賞法。福山雅治とかEXILEとかももクロとか、いろんなアーティストが実施してますね。コンサートに行くより安く、最寄りの劇場の大画面で、ゆったり座って観られるのがメリット。ペンライト振ったり、コールしたりもある程度認められているので、会場によってはけっこう盛り上がる。映画観るのとは気分的にかなり違います。実際に行くまでは「LVなんて何が楽しいの?」と懐疑的だったんですが、前回の「COUNTDOWN PARTY 2014」のときにLVを初体験して、これはこれでなかなかいいんじゃないかという結論に。寄りの映像が多いので表情まではっきりわかるし、椅子がいいからとにかくらくちん。雰囲気はダイレクトに伝わるので、現場に行きかねている中年ドルヲタには、わりと積極的にお薦めしたい。
ほんとは1部2部通しで観たいところですが、なにしろ大晦日なので、家族持ちとしてはそうもいかない。ちなみに前夜は下北沢の本屋B&Bで年間回顧トークイベントに出演したあと、深夜24:30からロフトプラスワンで開かれるハロプロ楽曲大賞発表会を見物しての朝帰りだったので、今夜くらいは、家族と一緒に「紅白歌合戦」を見るというミッションをクリアしないと。家族は栃木県芳賀町の妻の実家に泊まることになっているので、ひとりで先乗りして、宇都宮のシネコンでLVを観ることに(LVのチケットは事前にチケットぴあで購入済み)。
14時半ごろ宇都宮駅に到着し、駅前の宇都宮餃子館で健太餃子を食べてから、15時発の無料送迎バスでMOVIX宇都宮へ。福田屋百貨店が開発した超巨大商業施設、インターパークFKDタウンの一画にあるシネコンです。研修生のオープニングアクトがあるというので、20分前に劇場に入ると、場内はほぼ満席。親子連れ、若者数人のグループ、中年夫婦、20代女性や40代男性のおひとり様など客層は幅広い。ペンライト所持率は2割くらいですか。第1部は、鞘師里保のモーニング娘。最後のステージになることもあり、LVのチケットも売り切れ続出だったらしい。ちなみに新宿バルト9で今回のカウコンを観た西田藍さんは、ギリギリにチケットをとった結果、劇場の座席は第1部が3列目、第2部が4列目。ライブと違って、画面に近いと目が疲れるので、終わったときはぐったりだったとか。LVの席も、どうせ行くなら早めの手配が重要です。
2015年のハロー!プロジェクトは、新生アンジュルムとカントリー・ガールズの活動開始、こぶしファクトリーとつばきファクトリー結成、Berryz工房活動停止、カントリー・ガールズのうたちゃん(島村嬉唄)フィーバーとそのうたちゃんの電撃脱退、福田花音の卒業、アンジュルム3期加入と田村芽実卒業発表、カントリー・ガールズの増員、こぶしファクトリーのレコ大最優秀新人賞受賞......と、いろんなことがあったわけですが(つんく♂がハロプロ総合プロデューサーの座を降りていたことが明らかになったのも大きなニュースのひとつ)、その最後が大晦日の鞘師里保卒業。
2011年に9期メンバーとしてモーニング娘。に加入してからまる5年。2012年の「One・Two・Three」「The 摩天楼ショー」以降ずっと、グループのエースとして重圧に耐えてきた孤高の天才。僕が本格的にモーニング娘。にハマった2013年秋にはすでに鞘師が不動のエースだったので、彼女のいないモーニング娘。は想像しにくい。卒業と加入をくりかえすのがモーニング娘。だとはいえ、9期で最初に卒業するのが鞘師里保だとは......。
5月に卒業を発表したアンジュルムの福田花音が、半年のあいだに着々と各種のイベントをクリアし、ラストシングルで作詞家デビューまで果たしたのち、武道館で完璧な卒業コンサートを実現したのと対照的に、鞘師里保は10月29日のブログで卒業を発表してからわずか2カ月で今日のラストステージを迎えた。本来なら横浜アリーナぐらいの大箱で卒コンを開いてしかるべきところですが、初披露以来、たぶん100回以上立ってきたホームグラウンドの中野サンプラザを最後のステージにするというのも鞘師らしい。
第1部の前半では、和田彩花とのユニット、ピーベリーとしてステージに立ち、「キャベツ白書--春編--」で絶妙のハーモニーを披露。休憩をはさんだ後半のトリは、もちろん、モーニング娘。'15。ラストシングルの2曲に続き、2015年のシングル6曲をメドレーでやってから、鞘師メインの「女と男のララバイゲーム」。途中で溜めるのが見せ場なんですが(もとは高橋愛の代表曲)、「だーーーーーーけど」の「だーーーーー」を史上最高に溜めて溜めてドヤ顔キメすぎた結果、オケと合わずに「けど」を飛ばすことになり、思わず照れ笑い......という場面のりほりほがたいへんキュートでした。
新しい始まりを高らかに歌う熱い応援ソング「OK Yeah!」と、代表曲「One・Two・Three」で締めたあと、鞘師ひとりがメンバーカラーの赤のドレスに着替えて、モーニング娘。'15が再登場。手紙朗読による卒業セレモニーに続いて、鞘師の卒業をテーマにつんくが書いた「ENDLESS SKY」で客席の涙を誘う。
モーニング娘。'15『ENDLESS SKY』(Morning Musume。'15[ENDLESS SKY]) (Promotion Edit)
そして、最後の最後は、ハロメン全員参加の「Go Girl 恋のヴィクトリー」で明るく終了。「Go Girl」は鞘師が幼稚園のときお遊戯会で踊って、モーニング娘。をめざすきっかけになった思い出の曲だとか。
「鞘師最高!」の大合唱によるダブルアンコールでは、武道館ラスト公演のときと同様、鞘師がひとりでステージに戻ってきて、客席に思いきり手を振り、「ありがとうございましたー!」とマイクなしで叫ぶ。そして、おなじみの挨拶、「ひゃっほーい! ひゃっほーい! ひゃっほーい!」を何度も客席と交換し、名残りを惜しみつつ去っていった。5年間、お疲れさまでした。
というわけで、5時間におよぶ長丁場も、映画館だとあっという間。ハロプロDDには至福の大晦日でした。
カントリー・ガールズの新メンバー2人(船木結と梁川奈々美)とアンジュルム新メンバーの上國料萌衣は今日が初舞台。思えば1年前のカウコンでは、カントリー・ガールズが(とくに島村嬉唄が)鮮烈なデビューを飾ったんだよなあ。
ともあれ、これにて2015年のハロプロ現場も行きおさめ。そして2016年1月2日には、同じ中野サンプラザで、鞘師里保のいないハロコンが幕を開ける。
アイドル現場を追いかけてきた1年が終わり、また新しい1年が。あと20年くらいはこんな日々が続けられるといいなあ。