デジタル未来からの手紙

雇用人口の半分がロボットに代替する未来--2030年への教育

林 雅之 2016年01月19日 07時00分

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 人工知能(AI)を搭載したロボット、ドローン、自動運転車などに代表される自己学習機能を備え、自律的に行動する電子機械である「スマートマシン」の登場により、これからの子どもたちの未来に大きな影響をもたらすことが予想される。

 未来を担う子どもたちの世代がこれから先、どのように変化し、どういう恩恵を受けるのか。2020年に、小学4年生で10歳になる子どもを例に、時代ごとに、未来の世界を予測してみたい。

 2020年は、文部科学省が改定作業を進めている知識偏重から思考力や判断力を重視する新学習指導要領が全面実施される年になる。

 子どもたちの世代で必要不可欠なのが、教育である。人工知能(AI)が学校教育にも取り入れられるようになれば、子どもたちは知識を習得する学習形態から、AIに負けない、人間にしかできない感性や個性、思考力や判断力をこれまで以上に身につけていくことが大切になっていくだろう。

 先生が子どもたちに一方的に教えることから、子どもたちが主体的に学び、問題を解決することへ教育の重点がシフトし、AIに負けない思考力のある人間を育てていくための教育改革の大きな流れの1つとなるだろう。

 AIを搭載したタブレット教材の活用も一部始まっており、これらを活用し、ひとりひとりの学習能力をAIが学習し、個々の学力に適した教育を行う適応学習「アダプティブラーニング」の取り組み、子どもたちの「主体的に学ぶ学習能力」は向上しているだろう。

 新興企業のCOMPASSは、人工知能を用いたタブレット用教材「Qubena(キュビナ)」を提供する。それぞれの子どもたちの解答や解答プロセス、スピードや集中度、理解度などの情報を収集、蓄積、解析して、個人に適応させる教材だ。これにより、子どもたちが理解していない概念や得意不得意を解析し、 最適な問題を出し続けることができ、効率よく学習を進めることができるという。

 2015年10月には、「Qubena」を活用した算数・数学専門学習教室「Qubena Academy(キュビナアカデミー)」を開校している。

 スタートアップ企業のAKA LLCは人工知能を搭載した英語教育用ロボット「Musio(ミュージオ)」の発売を2016年6月ごろに予定している。

 Musioは独自の英語学習エンジン「Muse」を備え、顔認識やウェブ検索、会話内容推測や会話記憶などの機能が搭載されている。音声による会話を通じて、楽しみながら英語コミュニケーションを身につけることができるという。英語でより多くの会話ができるようになれば、英語によるコミュニケーションが苦手とされる日本人の能力の向上も期待される。

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