「命ある限り」(原題:JAB TAK HAI JAAN)は2012年公開のインドの映画です。ヤシュ・チョプラ監督、シャー・ルク・カーン、カトリーナ・カイフラの出演で、ロンドンを舞台に、運命に翻弄される3人の男女の愛を描いています。
「命ある限り」(Amazon)
監督:ヤシュ・チョープラー
脚本:アディティア・チョープラー
出演:シャー・ルク・カーン(サマル・アナンド)
カトリーナ・カイフ(ミラ・ターパ)
アヌーシュカ・シャルマ(アキラ・レイ)
クリス・カウリン
ほか
【あらすじ】
陸軍で防護服を身につけずに爆弾処理に当たる命知らずの男サマル(シャールク・カーン)と偶然出会ったテレビの女性ディレクター、アキラ(アヌーシュカ・シャルマ)は、ひょんなことから彼の悲しい過去を知ってしまいます。かつてストリート・ミュージシャンだったサマルは、ロンドンで富豪の令嬢ミラ(カトリーナ・カイフ)と出会い、恋に落ちます。しかし彼女には父が決めた婚約者がいました。それでも互いの愛を貫こうと二人は決意します・・・。
一人の男と二人の女の愛、神との約束、記憶喪失といったことがプロットの核となる映画ですが、ロンドンやパンゴン湖などのロケ地をふんだんに活用し、笑いと涙を交えながら、テンポの良い歌と踊りで飽きさせない三時間超の娯楽大作にインド映画の底力を感じます。インドは貧しい人が少なくなく、歌を聞く事が庶民の娯楽のひとつで、歌を織り込み収入を得ることがインド映画のビジネスモデルになっていますが、そのスタイルを極めれば、立派に世界に通用するものになることを実感させる作品です。
ヤシュ・チョープラーは愛を描くボリウッド映画のスタンダードを作ったとも言われるインドの大監督ですが、残念なことに齢80歳での本作が遺作となってしまいました。シャー・ルク・カーンはニューデリー出身の俳優で、1990年代からヒンディー映画界で圧倒的な人気を博し、アジア各国やアメリカ、ドイツ、イギリス、日本にも根強いファンがいます。カトリーナ・カイフは1984年香港生まれインド系イギリス人で、インドを始め、中東でも人気のあるモデル出身の女優です。アヌーシュカ・シャルマはバンガロール生まれのインド人女優で、少しの間モデルの仕事をした後、彼女はボリウッドのトップ女優の一人として確固たる地位を築いています。
シャー・ルク・カーン演ずるサマルは二人の女性にもてるうらやましい役柄ですが、防護服無しで爆弾処理をする軍人です。防護服無しで爆弾処理する理由は映画の中で明らかにされます。カトリーナ・カイフ演じるミラは良家の令状ですが、親の決めた相手と結婚するか、サマルを選ぶか悩む古風な女性です。一方、アヌーシュカ・シャルマ演じるアキラは自由奔放な現代っ子で、ミラとは対照的です。恐らく、新旧入り乱れるインド社会を象徴しているのではないかと思います。
シャー・ルク・カーン(サマル・アナンド)
カトリーナ・カイフ(ミラ・ターパ)
アヌーシュカ・シャルマ(アキラ・レイ)
Saans(シャー・ルク・カーンとカトリーナ・カイフのパフォーマンス)
Jiya Re(アヌーシュカ・シャルマのパフォーマンス)
豊富なロケ地
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