イラン

2016年1月12日 (火)

論より証拠:アメリカ政府は、人類史上最も完璧な犯罪組織

Paul Craig Roberts
2016年1月9日

地球上の国々の中でも独自に、アメリカ政府は、アメリカの法律と命令が、諸国の主権より優先すると主張している。ワシントンは、外国国民に対する、アメリカ裁判所の権限を主張し、ワシントンや、アメリカの権益団体が認めない外国の活動に対するアメリカ裁判所の治外法権管轄を主張している。ワシントンが、よその国々の主権を無視している恐らく最悪の結果は、ワシントンが、外国国民に対して行使している力は、もっぱら、いかなる証拠も欠ける、テロ行為に対する告訴に基づいていることだ。

いくつか例を考えよう。ワシントンは、まずスイス政府に、スイスの銀行法に違反することを強いた。更にワシントンは、スイスに、銀行の機密法を廃止することを強制したのだ。スイスは民主主義だとされているが、スイスの法律は、スイス国民が自分たちの代表として選出したわけではないワシントンの連中によって決定されるのだ。

どうやらロシアへのいやがらせ目的でワシントンがでっちあげたらしき“サッカー・スキャンダル”を検討しよう。サッカー団体の本拠はスイスだが、だからといって、ワシントンは、FBI職員をスイスに派遣して、スイス国民を逮捕するのをやめるわけではない。スイスが、スイス連邦捜査員をアメリカに派遣して、アメリカ人を逮捕させることをご想像願いたい。

ワシントンの対イラン経済制裁に完全に合致し損ねたかどで、ワシントンがフランスの銀行に課した90億ドルの罰金を検討しよう。ワシントンがイランに経済制裁を課し、他の主権国家にも従うよう要求した事実自体が完全に違法であることを考えれば、外国の金融機関に対するワシントンの支配力というこの主張は、一層厚かましく違法だ。実際、でっち上げで、捏造されたウソの告訴を基に経済制裁が課されたのだから、この場合、三重の違法だ。

あるいは、ワシントンが、フランスの造船会社とロシア政府との間の契約に強権を発動し、フランス企業に、フランス企業には何十億ドルも、フランス経済に対しては、多くの雇用の損失という犠牲を負わせ、契約破棄を強いたことを検討しよう。これは、クリミアで、ワシントンの命令に従わないロシアを、ワシントンが懲らしめる一環だった。

あらゆる国々が、自国の法律の治外法権を主張する世界をご想像願いたい。法的、軍事的戦闘に世界のGDPが費やされて、世界は永久的な混沌になるだろう。

ネオコンに支配されたワシントンは、歴史が、世界に対して覇権を行使するようアメリカを選んだので、他の法律は関係ないと主張している。ワシントンの意思だけが重要なのだ。 リチャード・アーミテージ国務副長官(選出されたのではない職位)がパキスタン大統領に、言う通りにしないと“爆撃して、石器時代にしてやる”と言ったように、ワシントンは、法の命令を置き換えてしまうことが多いので、法律自体さえ不要なのだ。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/south_asia/5369198.stm

ロシアか中国の大統領が、主権国家に、そのような命令を出すことを想像願いたい。

実際、ワシントンは、パキスタンの広汎な地域を爆撃し、何千人もの女性、子ども、長老を殺害した。ワシントンは、戦争状態にない他国におけるアメリカ軍行動を、ワシントンによる治外法権という主張で正当化したのだ。

他国民に対する、あらゆるワシントン最悪の犯罪で、最も法外なものは、アメリカ法にも、国際法にも違反して、ワシントンが他の国々の国民を拉致し、彼らを、キューバのグアンタナモや、エジプトやポーランドなどの犯罪国家の秘密地下牢に引き渡して、拘留し、拷問する場合だ。こうしたとんでもない犯罪が、アメリカ政府が、疑いようもなく、これまで地球上に存在したものの中で、最悪の犯罪組織であることを証明している。

犯罪者ネオコン・ジョージ・W・ブッシュ政権が、アフガニスタン違法侵略を開始した際、国際法のもとでは戦争犯罪となる違法侵略を正当化する口実とすべく、ワシントンの犯罪政権は“テロリスト”がどうしても必要だったのだ。ところが、テロリストなど全くいなかった。そこで、ワシントンは、軍閥指導者の支配地域に“テロリスト”に何千ドルもの賞金を与えるというリーフレットを投下した。軍閥指導者連中は、この機会を利用し、無防備の人物を捕まえて、賞金欲しさから、アメリカに売ったのだ。

“テロリスト”がテロリストだったという唯一の証拠は、無辜の人々が、軍閥指導者によって、アメリカに“テロリスト”として売られたというだけのことだ。

昨日、ファイズ・ムハンマド・アフメド・アル・カンダリが、“自由と民主主義のアメリカ”による14年間の拷問から釈放された。アル・カンダリの代理人、アメリカ合州国将校バリー・ウィンガード中佐は、“拘禁の正当化として、まずい時に、彼がアフガニスタンでイスラム教徒だったこと、見たこともないような二、三の伝聞の供述以外、何の証拠もありません”。まして、ウィンガード中佐が言う通り、犯した罪とされるものを自供するよう強いる取り組みとしてのうんざりするほど多くの長年の拷問に大義なぞありえない。

欧米の売女マスコミが、こうした事実を報道してくれると期待してはならない。こうしたことを知るには、RT https://www.rt.com/usa/328329-kuwaiti-detainee-guantanamo-transfer/ か、Stephen Lendman http://sjlendman.blogspot.com か、このサイトをお読みいただく必要がある。

売女欧米マスコミは、ワシントンの犯罪的作戦の一部だ。

Paul Craig Robertsは元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼 の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the WestHOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2016/01/09/the-proof-is-in-the-us-government-is-the-most-complete-criminal-organization-in-human-history-paul-craig-roberts/
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電気洗脳箱、紙媒体、北挑戦の挑発・暴走をあざ笑い、属国民の恐怖を煽る。

本当に恐ろしいのは、北朝鮮ではない。満州国を完成させようとしている連中だ。連中の策謀を、大本営広報部、別名マスコミ、わかっていながら決して報じない。TPP、緊急事態条項。

売女マスコミは、ワシントンと傀儡属国の犯罪的作戦の一部だ。

売女マスコミではない、自立した人々だけがせまりくる危機を指摘している。

植草一秀の『知られざる真実』2016年1月11日このままゆけば日本版全権委任法制定は確実 

IWJ2016/01/11 岩上安身による升永英俊・弁護士インタビュー ~緊急事態条項について(動画)

2016年1月 8日 (金)

シリアにおけるテロの跡を糊塗するため混乱を狙うサウジアラビア

Finian Cunningham
2015年1月5日
"Sputnik"

シリアへのロシアの痛烈な軍事介入の成功は、このアラブの国家を安定化させ、テロリストによる乗っ取りから救っただけではない。ロシアの作戦は、政権転覆を狙った犯罪的な秘密侵略戦争という外国が扇動している紛争の本質をも暴露したのだ。

選挙で選ばれたバッシャール・アル・アサド大統領政権に対する違法な反乱勢力を支援する上での、ワシントン、イギリスとフランスの様々な共謀の度合いが、ロシアの軍事介入によって暴露された。

それ以上に暴露されたのは、この地域の欧米傀儡政権の犯罪的陰謀だ。レジェップ・タイイップ・エルドアンのトルコが、シリアのテロリスト・ネットワークを支援するため石油と兵器密輸商売にどっぷりつかっていることが、ロシア空爆によって暴露された。

そして、ロシアによって暴露された、もうひとつの政権は、サウジアラビアだ。これこそが、石油豊富な独裁君主国が、一体なぜ、先週末のシーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムル処刑によって、今、地域で、宗派間紛争を煽ろうとしているのかという理由だ。

ニムルは、サウジアラビアの原理主義支配者、ワッハーブ主義として知られている過激版イスラム教を信仰するサウド王家のもとでの圧政に対する勇気ある平和的な抗議ゆえに、地域のシーア派イスラム教徒の間で崇拝されていた。

ワッハーブ派の考え方では、シーア派やキリスト教徒や他の人々は、剣によって殺されるべき "異教徒"とみなされる。アサド政府打倒のためにシリア国内で戦っている、いわゆる聖戦士の多くも、ワッハーブ派を奉じているのは偶然ではない。ダーイシュ(「イスラム国」)や、ヌスラ戦線などのテロ集団が、サウジアラビアのワッハーブ派支配層から資金提供を受けていることを示す明らかな証拠がある。

宗教指導者ニムルの不当な処刑は、寛大な処置を訴えてから、数カ月後に行われた。サウジアラビアの不明朗な裁判手続きと、ニムルの無罪を立証する豊富な証拠ゆえに、中東における主要シーア派大国イラン政府のみならず、いくつかの国際人権擁護団体も寛大な処置を訴えていた。サウド王家が彼の処刑を強行したのは、地域、特にイランで、激情を挑発する意図的な行動であることを暗示している。

在テヘラン・サウジアラビア大使館放火、言葉の戦争や、サウジアラビアとイラン間の外交関係断絶は、爆発的な対応が、周到に準備されていたことを強く示唆している。今やサウジアラビア、バーレーン、スーダン、アラブ首長国連邦というアラブ同盟諸国は、次々にテヘランとの外交チャンネルを断ち切っている。評論家の中には、地域で全面戦争が勃発しかねないと懸念するむきもある。

重要なのは、サウジアラビアによるニムル処刑が引き起こした騒乱が、サウジアラビア支配層を後援しているワシントンや他の西欧列強を苛立たせたように見えることだ。今週始め、オバマ政権にとって "寝耳に水"だったので、"地域をどれほど煽ることになるのかを無視する不注意に対し… サウジアラビアへの怒りを表明した"とニューヨーク・タイムズは報じた。

すると、サウジアラビア支配層は、一体なぜ地域を混乱に陥れることを決めたのだろう? ロシアのシリアへの軍事介入が、諸外国のシリアにおける政権転覆陰謀を酷く損ねたためだ。更に、ロシアが、ダーイシュやヌスラ戦線や連中の様々な分派など一連の違法武装集団を打ち負かして、これらテロ集団と外国政府、特にアンカラとリヤドの、スポンサーのつながりを暴露したためだ。

アメリカ人政治評論家ランディー・マーティンはこう語っている。"現在あらわれているように見えるものは、ロシアが、シリア紛争のカモフラージュを吹き飛ばしたことによる余波なのです。テロ・ネットワークに対するロシアの軍事作戦が、ワッハーブ派サウジアラビア支配者の正体を劇的に暴露したのです。"

この評論家はさらにこう述べた。 "サウド王家は、シリアにおける連中の犯罪的な謀略や、既知のテロ集団とのつながりが暴露されてしまったので、自分たちにとって次善の選択肢は、シーア派イランと、そして、あるいはロシアとさえも、徹底的な戦争をあおり立てることだとサウジアラビアは判断したのです。"

マーティンは、12月25日のロシア空爆が、シリア首都ダマスカス近い東グータにある部隊拠点を攻撃し、イスラム軍としても知られているジャイシ・アル-イスラム聖戦部隊の指導部を殲滅し、指導者ザフラン・アルーシュや他の司令官を殺害したことを指摘した。

四日後の12月29日、サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外務大臣は、ジャイシ・アル-イスラムに対するロシア空爆を公式に非難した。リヤドで発言したサウジアラビア外務大臣は、この殺害で、今月末に、ジュネーブで開催予定のシリア和平交渉が困難になると述べた。アル・ジュベイル外務大臣は、記者団に"ロシアが一体何を考えているのかわからない。"と語り、困惑を表した。

ザフラン・アルーシュや他のジャイシ・アル-イスラムのメンバー殺害に対するサウジアラビアの公式対応が、シリア国内におけるテロ集団に対するサウジアラビアの関与を明らかに実証している。ジャイシ・アル-イスラム武装集団は、アメリカ政府と欧州連合によって、公式にテロ集団として指定されている、アルカイダ系列のヌスラ戦線と、戦士と兵士を共有していることが知られている。

ロシアのシリア軍事介入は、二つのことをなし遂げた。その第一は、欧米と、この地域における同盟諸国が、2011年3月以来、政権転覆目的で、シリアでこっそり、しかけていた秘密のテロ戦争を潰したことだ。この結果、政治的手法が、欧米列強が、長年抱いてきたシリアでの政権転覆という目標の実現を期待できる実現可能な唯一の代案となった。そこで、ジュネーブ交渉というわけだ。

この政権転覆計画に関する地域の強硬派、サウジアラビアは、ロシアが、シリアにおける空爆作戦を開始して以来、アメリカのジョン・ケリー国務長官が過去三カ月間、熱心に推進してきた政治的選択肢に反対している。"サウジアラビア当局は、ケリー長官の取り組みは失敗に終わると、ずっと言い続けてきたが、それも日曜日のイランとの外交断絶前からだ"と、ニューヨーク・タイムズは報じている。

ロシアの軍事介入がなし遂げた二つ目のことは、専門家ランディー・マーチンが指摘している通り、サウジアラビアとテロ集団の関係が誰の目にも明らかにされたことだ。

今週、サウジアラビア国連大使アブドゥッラー・アル・ムアリミは、地域におけるイランとの言葉上の戦争が、ジュネーブにおけるシリア和平交渉へのサウジアラビア参加を不可能にすることはないと主張した。

しかしながら、これは広報用イチジクの葉にすぎない。それが"異教徒"の敵、イランと交渉することを意味し、それは地域におけるイランの政治的評価を高めてしまうことになり、サウド王家が、シリアの大統領アサドは "退陣しなければならない"という最後通告に固執しているため、サウジアラビア支配層は、政治交渉を受け入れ難いものと考えている。

サウジアラビアが先月、シリアを侵略してアサドを打倒するという軍事的選択肢を保持すると主張し、石油豊富な王国が、一体なぜ、テロの脅威" が存在すると見なすどの国にでも侵略することができる、34か国による"対テロ"軍事同盟を立ち上げたのかという"理由はこれだ。

言い換えれば、地域におけるサウジアラビアの好戦的政策と、テロ集団とサウジアラビアの共謀が明らかになったのだ。そして、こうした悪辣なつながりを暴露したのは、シリアでのロシアの断固たる、壊滅的な対テロ軍事介入だ。

それこそが、サウジアラビア支配層が、シーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムル処刑を強行した理由だ。連中が解き放ちたがっている混乱と殺りくは、シリアにおける連中のテロの跡を糊塗することを狙ったものだ。

本記事で表明されている見解は、もっぱら著者のものであり、必ずしもスプートニクの公式な立場を反映するものではない。

更に読む: http://sputniknews.com/columnists/20160105/1032718583/saudis-seek-chaos-terrorism.html#ixzz3wWdDK9NI

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七草粥、特に美味しいものではないが、恒例の食事。七草野菜パックにはシールが三枚も貼ってあった。何とか売るために、価格を何度も変えたのだろうか。

北朝鮮支配層と、この国の支配層が共謀したと思われる核実験も始めは脱兎の如く、最後は線香花火。

常識的に大きく損をするであろう北朝鮮に対して、戦争法制強化、平和憲法破壊推進、戦争予算増加などで、大きく利益をうけるであろうこの国の支配層から、秘密財政支援でもなければ、引き合わないだろう。

大本営広報部で、国会論議を瞬間報じた。

TPPについて、共産党の井上議員が、試算のデタラメを指摘し、今からでも撤退という正論。
傀儡首魁がウソ八百を言いかけたところで、大本営広報部、ウソがばれないよう、バスの民家突入やら、雪不足の話題に切り替えた。

アクセス・ランキングのトップが北朝鮮の核実験だというタワゴト。報道管制しているのだから、TPPがアクセス・ランキングのトップになるわけがない。

大本営広報部の上記番組Twitterで、そういえばTPPがあったという呑気なものが一つ。TPPで雇用が増えて欲しいというお目出度いTwitter書き込みもあった。増えるわけがないだろう。そうならない仕組みなのを知らせない報道管制、驚くほど効果があるのだ。

傀儡政権が中から破壊するTPP、戦争法案、緊急事態事項こそ正しく恐るべきだろうに。

民主党も、連合も、基本的には、自民党補完勢力であるという苦い事実に我々は直面すべきだろう。「本当の野党」が連合しなければ、自民・公明の与党、野党を演じている異神や、日本の未来を破壊する会などの与党夜盗連合に勝てるはずがない。
国政選挙の前哨戦が、宜野湾市長選挙や、八王子市長選挙だろう。こうした選挙での自称野党、自称労組の振る舞いを見れば、国政選挙での連中の行動は予想可能だ。

自称野党、自称労組の振る舞いを確認するという意味で、八王子市長選挙に立候補された五十嵐仁氏のブログ1月7日(木)『日刊ゲンダイ』の記事に私のコメントが出た の一部を引用させていただこう。あの集団、労働組合というより、労働者破壊組合だ、というのが、サラリーマン体験の個人的結論。

民主党議員の中にも「結集すれば、夏の参院選でも勝利する可能性が出てくる」ことが「理解」できる人はいます。民主党の有田芳生参院議員は、私への応援のメッセージを寄せてくださいました。
 しかし、連合が石森現市長と政策協定を結んだために、八王子の民主党は会派として応援する形になっていません。力を合わせて安倍政権と対峙しなければならない非常緊急の時に、どうして安倍側近の萩生田官房副長官の、そのまた「子分」である石森現市長の側に立つのでしょうか。
 このような形で「民主党が頼りにならないから、学者が書斎を抜け出して立ち上がり」、かく言う私も八王子市長選挙に出馬を決意することになったわけです。コメントでも指摘したように、「政党には過去の歴史や利害関係があるから、簡単には一つにまとまれないのかも知れ」ませんが、「でも、国民にとっては政党の都合など、どうでもいいこと」ですから、「アベ政治を許さない」「野党は共闘」の立場から、「ストップ・ジ・アベ」に向けて一緒に立ち上がっていただきたいものです。

2016年1月 6日 (水)

地域における大虐殺挑発を狙った、サウジアラビアの処刑

Finian Cunningham

公開日時: 2016年1月3日 14:19
"RT"

2016年1月2日 イギリス、ロンドンのサウジアラビア大使館前で、著名なシーア派宗教指導者ニムル・アル-ニムルの処刑に反対する抗議行動で、プラカードを掲げる抗議行動参加者  Neil Hall / Reuters

著名なシーア派宗教指導者のサウジアラビアによる処刑に対する中東全体での激しい反応が、処刑は、支配者サウド王家による意図的な挑発であったことを強く示唆している。
この挑発は、サウジアラビアの地政学的権益を推進するために - 既に引火点に近い -地域の様々な国々で、宗派間緊張をあおり、紛争を助長することを狙ったものであるように見える。こうした権益の中心にあるのは、いつも通り、激しいライバル関係にある、地域におけるシーア派大国イランだ。

週末、シーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムルが、46人の他の囚人と共に処刑されたというサウジアラビア内務省による発表の後、地域全体、特に、イラン、イラク、レバノンやバーレーンなど多数のシーア派信者がいる国々で、予測通りの憤激がおきた。イランは、過激なスンナ派サウジアラビア支配者を“犯罪人”と非難し、“軽率と無責任の極み”の行為を実行したと糾弾した

イランの最高指導者、アヤトラ・ハメネイは、サウド王家を、過激テロ集団ダーイシュ、(「イスラム国」、また以前はISIS/ISILとして知られる)になぞらえた。注目すべきは、王国が敵対者を断首刑で処刑するやり方が、サウジアラビア政権とダーイシュ幹部が共有している、ワッハーブ主義として知られるイスラム教のシャリーア法の厳格な解釈によって同様に - 。

元イラク首相ヌリ・アル-マリキは、死刑発動は、サウジアラビア支配者の崩壊をもたらすだろうと述べ、他のイラク政治家連中も、不安定で、宗教的に緊張した地域全体で“地獄への門を開ける”だろうと語っている。

アメリカ合州国も欧州連合も、アル・ニムル処刑には懸念を持って対応し、両国とも、サウジアラビアによる死刑で、宗派間緊張が激化すると警告した。

アル・ニムルは、土曜日に、サウジアラビアにおけるここ三十年で最大の大量処刑とされるもので、46人の他の囚人とともに処刑された。報道によれば、死刑は、12箇所の刑務所で、報斬首または、銃殺隊で行われた。死刑判決を受けていた人々の大半は、2003年から、2006年の間、サウジアラビアにおける、欧米の権益に対する破壊的な攻撃を行ったかどで告訴されていたアルカイダ・テロ集団のメンバーだとされている。

ニムル・アル・ニムルは、週末に処刑された4人のシーア派活動家の一人だった。彼らは政府転覆とテロなど、いくつかの罪で告訴されていたが、この裁判を国際人権団体は、裁判手続きの茶番だとかたづけていた。アル・ニムルは、2012年に逮捕され、暴力的な抗議行動をあおったかどで告訴されたが、支持者は、尊敬されている宗教指導者は公には常に平和的な抗議行動を支持していたと指摘している。彼の発言で、最も良く知られているものは、“言葉の力は、弾丸の轟音より強い”だった。

10月、アル・ニムルは、彼の死刑に対する上訴で敗訴した。その後更にいくつか国際的な寛大な処置への訴えがなされていた。特に、イラン政府は、宗教指導者の命を救うよう呼びかけるいくつかの声明を出していた。

アル・ニムルに対する司法の誤りと、寛大な処置への訴えにもかかわらず、処刑を実施するという恐ろしい判断が、事件を大いに衝撃的なものにしている。

レバノンのシーア派レジスタンス運動ヒズボラは、サウジアラビアの行動を“暗殺”だと非難し、イラン革命防衛隊は、サウジアラビア支配者は“厳しい復讐”に会うだろうと断言した。

2016年1月2日 バーレーン、マナマ西部のサナビス村で、サウジアラビア当局による、サウジアラビアのシーア派宗教指導者ニムル・アル-ニムルの処刑に反対する抗議行動で、 "死は我々にとって当然のことで、神があたえたもうた尊厳は殉教だ" という垂れ幕を掲げる参加者、Hamad I Mohammed / Reuters

サウジアラビアと他のスンナ派アラブ諸国連合軍が、過去9か月、空爆を行っているイエメンでは、主として、シーア派フーシ派反政府派も、アル・ニムル処刑を非難し、彼の死に対して報復すると約束した。週末に、サウジアラビア国境のジザン州へのフーシ派によるロケット弾攻撃で24人のサウジアラビア軍兵士が死亡したことが報じられていた。この攻撃が、アル・ニムル処刑発表の前だったのかどうかは明らかではない。

サウジアラビア政権は、かつてイランとヒズボラを、イエメンにおけるフーシ派にる反乱をあおっていると非難した。テヘランは、武装反抗勢力を軍事的に支援しているという主張を否定した。しかし、サウジアラビアに反撃する方法として、イランとヒズボラが、今後イエメンでの軍事介入を強化するだろうというのは適切な仮説だろう。

サウジアラビアが様々な反政府派民兵、主としてワッハーブ派原理主義イデオロギーを共有する、いわゆる過激イスラム主義集団に資金を提供し、武器を与えてきた、シリアにおける、イランとヒズボラの関与についても同じ反応が予想される。これら集団には、12月25日、指導者ザフラン・アローシュが、ダマスカス近くで、シリア空爆で殺害されたジャイシ・アル・イスラム(イスラム軍)も含まれる。サウジアラビア政権は、やがて行われるジュネーブでの国連が後援する、シリアに関する和平交渉を危うくするとのべて、アローシュ殺害を公式に非難した。

サルマーン王率いるサウド王家は、ワシントンも、モスクワも支持しているジュネーブ交渉に賛成ではないことが知られている。シリアの政治的未来は、選挙で、シリア国民によって決定されるべきだというロシアの姿勢に対し、ワシントンが妥協したように見えることにサウジアラビアは動揺している。和平交渉の前提条件としてシリア大統領バッシャール・アサドは辞任すべきだ、というワシントンによる長年の主張が放棄されたのだ - その結果、サウジアラビア、トルコとシリアの過激派戦闘集団が、アサドは退陣すべきだと要求し続けている唯一の当事者となってしまった。

トルコ大統領レジェップ・タイイップ・エルドアンが、ニムル・アル・ニムル処刑のわずか数日前にリヤドで、サウジアラビアのサルマーン王と“戦略的サミット”を行ったことには、おそらく大きな意味があるだろう。

9月末以来の、ロシアのシリア軍事介入は、バッシャール・アサドのシリア政府を安定化させる上で大成功だ。オバマ政権でさえ、最近、シリアにおけるロシアのウラジーミル・プーチン大統領の戦略的成功を認めた。

この軍事的成功は、現地のシリア・アラブ軍の勝利に貢献した、イランとヒズボラと、イラクの功績だ。

シリアにおける秘密の政権転覆で、最大の敗者は、サウジアラビア、カタールとトルコという地域の同盟諸国とともに、ワシントン、ロンドンとパリが率いる枢軸だ。ワシントンや、他の欧米列強には、シリアでの最終的な政権転覆のため、秘密の反政府活動支援から、遅ればせながら政治的手段へと、戦術を切り替える抜け目のなさがあるが、サウジアラビアとトルコは、依然、秘密の戦争計画に固執しているように見える。

この意味で、ロシアが支援するシリア軍事同盟は、サウジアラビアとトルコにとって、特に不利な一斉攻撃だ。

サウジアラビアの観点からすれば、連中のシリアでの敗北と、イエメンで継続中の挫折を救済するための一つの方法は、地域を、宗派紛争の爆発で吹き飛ばすことだろう。もちろん、多くの人々にとって、そのような賭けは、常軌を逸している。だが、もしサウド王家が、スンナ派とシーア派の間の騒動を挑発できれば、それは、ワシントンとモスクワとを対立させることになり、地域全体で、より広汎な戦争をもたらすことになろう。

シリア政権転覆の権謀術数でわけがわからなくなった、サウド王家が、他国の領土に、混乱と流血の蔓延を引き起こしたがっているように見える。

著名なシーア派宗教指導者ニムル・アル・ニムルの処刑は、全く根拠のない野蛮な殺人なので、結論は一つしかない。死刑という全くの狂気は、地域で騒乱を引き起こすことを狙った病的な計算を徹底的に裏切ることになるだろう。

サウジアラビアは、シリア、イエメン、イラク、レバノンや他の国々で大連敗しているため、独裁者連中はおそらく、いちかばちかやってみても、自分たちにはほとんど失うものがないと判断し、地域における大虐殺を挑発したのだ。

Finian Cunningham(1963年生まれ)は、国際問題について多く書いており、彼の記事は複数言語で刊行されている。アイルランドのベルファスト生まれの農芸化学修士で、ジャーナリズムに進むまで、イギリス、ケンブリッジの英国王立化学協会の科学編集者として勤務した。20年以上、ミラーや、アイリッシュ・タイムズや、インデペンデント等の大手マスコミ企業で、彼は編集者、著者として働いた。現在は、東アフリカを本拠とするフリーランス・ジャーナリストで、RT、Sputnik、Strategic Culture Foundationや、Press TVにコラム記事を書いている。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/327796-saudi-arabia-nimr-cleric-executed/

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2016年1月4日付け記事「権謀術数を巡らしたトルコ、サウジアラビアの自業自得」で、

石油豊富な湾岸諸国に典型的な不労所得生活というサウジアラビア経済の特徴

と翻訳した部分、原文、実は下記の通り。

the rentier nature of the Saudi economy, typical of the oil-rich Gulf states

「不労所得生活」という部分は、rentier ランティエ フランス語。英語でレンテイア。リーダーズ英和辞典3版には、不労所得生活者とある。rent家賃、地代、金利などで暮らす人。プログレッシプ仏和辞典第2版では、「金利生活者」。これは、この場合には、あたらないだろう。

サウジアラビアの対イラン制裁発表後、すぐに湾岸産油国のカタールやクエートなどが続いた。湾岸レンティア国家に関する入手しやすい本、素人は下記しか思いつかない。

湾岸産油国 レンティア国家のゆくえ』松尾昌樹著 講談社選書メチエ

66ページに、こうある。

レント収入は、厳密には石油輸出収入に限定されるものではないが、湾岸産油国に限っては事実上、「歳入の大半をしめるレント収入=石油輸出収入」だ。

192ページ

湾岸産油国の場合、国によっては、自国労働者が全体の10%をわりこむ場合もある

およそ現代の日本にはほど遠い世界と思うが、

194ページには、

経済産業省が2005年に作成した予測によれば、1995年の時点での日本の生産年齢人口を将来的に維持しようとすると、日本の人口増加率を補うために、2030年までに1800万人の外国人を受け入れる必要があるとされている。・・・外国人労働者の割合は60%を越えると推計され、日本人労働者よりも、外国人労働者の数が多い社会が到来する可能性が示唆されている。

とある。

そのころには、地殻変動のおかげで、日本も産油国になっているのだろうか?TPPで丸裸になっている可能性の方が遥かに高いだろう。

妄想はともあれ、近づく選挙、辺野古基地問題の方が切実。

【スピーチ全文掲載】「野党は四の五の言わずまとまるべき!」~「市民連合」大規模街宣で小林節・慶應義塾大学名誉教授が野党共闘の必要性を訴え 「参院選で勝てば暴走は止まる!」

2015年12月29日 (火)

加速する脱ドル化:ドルを使わないイラン-ロシア“新貿易協定”

Timothy Alexander Guzman
Silent Crow News
2015年12月25日

イランに対する戦争の脅威は、天然資源や、イスラエルを守るためと思われる戦略的支配のみならず、石油貿易で利用されているアメリカ・ドルにまつわるものもある。イランは、ロシアとの貿易で、アメリカ・ドルをリヤルとロシア・ルーブルに置き換える方向で動いている。今年1月、イランは“諸外国とドル決済をやめる”という重要な動きをした。

RTの報道によればこうだ。

    “イラン中央銀行(CBI)は述べた。 “諸外国との貿易で、イランは、中国元、ユーロ、トルコ・リラ、ロシア・ルーブルと韓国ウォンを含む通貨を使用する”と、ゴラマリ・カミアブCBI副総裁は国営タスニム通信社に語った。イランとロシアの代表団が新たな貿易協定を話し合うために会合した。イラン・デイリーが、イランとロシアが“二国間で、自国通貨での貿易を促進するため、ロシアと共同銀行口座を設置する”過程にあるという報道をしたばかりだ。イラン中央銀行(CBI)のヴァリオッラー・セイフ総裁は、イランとロシア間の貿易にてこ入れするため、両国の金融部門を結びつける重要性を強調した。セイフ総裁は、あらゆる障害(アメリカ経済制裁)を克服し、様々な信用供与をするには、特別委員会が必要だとのべた。

イラン・デイリーは、イランとロシアの貿易を自国通貨で行うことに関して、1月にイラン大使が述べたことを報じた。

    駐ロシア・イラン大使メフディ・サナエイは、1月末、テヘランとモスクワは、二国間貿易を自国通貨に切り替える計画を進めており、そのため両国は、共同銀行、あるいは相互勘定を設置すると述べた。“両国は、支払いをルーブルと、リヤルで行えるようにすべく共同銀行、あるいは相互勘定を計画しており、[このための]作業グループを設置する合意もできている”とサナエイは述べた。

今年3月、イランとロシアは、“両国の銀行間金融取り引きを監督する”規制委員会を共同で設置する協定を調印した。協定の前向きの成果は、ワシントンと、お仲間の同盟諸国が、敵国に対する金融兵器として利用する将来の経済制裁を避けることだ。イラン・デイリーは、この結果が、長期的に何を実現するかという結論を書いている。

    イランとロシアの中央銀行の間で調印された協定で、具体的には、アメリカが率いる、両国に対する経済制裁の影響を避けるのに役立つよう意図されていると考えられている共同銀行の設立に向かって、両国は更に進んだことになる

これが、一体なぜワシントンが、アサド政府を打倒し、地域における、イランの影響力を弱めようと夢中なのかという理由だ。もしアサドをまんまと排除できれば、イスラエルは、ヒズボラの全面的攻撃に集中できよう。もしシリアとヒズボラが軍事的に敗北した場合、特にもしヒラリー・クリントンやら、大半の共和党有力候補が大統領になれば、イランは、イスラエル-アメリカが共同で率いる核兵器も使用する可能性がある戦争に脅かされることになろう。イランが、ワシントンを神経質にさせているのは確実だ。

産油国に対する通貨戦争: イラク、ベネズエラとリビア

イラク、ベネズエラと、リビアは、石油貿易から、アメリカ・ドルをはずそうとしたが  ワシントンの抵抗にあった。2003年のイラク侵略前に、サダム・フセイン(元アメリカの同盟者)が、石油取り引きで、アメリカ・ドルの代わりに、ユーロを使いたいと決めたのだ。それが、ブッシュ政権が、そもそも、サダム・フセインを排除したがった主な理由の一つであって、決してアメリカのイラク侵略(コード名‘イラクの自由作戦’)の正当化だった、ニューヨーク・タイムズ記者ジュディス・ミラーが書いたでっち上げの“大量破壊兵器 (WMD)”記事のせいではない。アメリカ政府と、アメリカの巨大石油会社は、ドルを“法定”国際貿易通貨として、世界の石油市場を支配しているが、イラクのサダム・フセイン大統領は、アメリカと、ドル支配に対して、ユーロでの置き換えで反抗行した。2006年、元テキサス州下院議員ロン・ポールが、連中のイラクWMDのウソと、ベネズエラのウゴ・チャベス大統領に対する、ブッシュ政権によるクーデター未遂の背後にあるアメリカ・ドルにまつわるワシントンの本当の動機を、アメリカ下院で説明した。

    2000年11月、サダム・フセインは、石油取り引きに、ユーロを要求した。彼の傲慢さがドルにとっての脅威だった。彼には軍事力が欠けていたので、決して脅威ではなかった。2001年、新政権の最初の閣僚会議では、元財務長官ポール・オニールが語っている通り、主な話題は、アメリカにとって、脅威である証拠は皆無だったにもかかわらず、いかにしてサダム・フセインを排除するかだった。サダム・フセインに対するこの深い懸念に、オニールは驚き、衝撃を受けた。

    9/11直後の政権の対応は、侵略と、彼の政権の打倒を正当化するため、一体どうすればサダム・フセインを攻撃に結びつけられるかを巡るものだったことは、今や周知の事実だ。9/11とのいかなる関係の証拠も、大量破壊兵器の証拠も皆無なのに、サダム・フセイン打倒を正当化するための事実歪曲と、あからさまな虚偽によって、国民と、議会の支持が作り出された。

イラク侵略の主要な理由の一つは、イラクの石油輸出で、アメリカ・ドル使用をやめて、ユーロに変えるというサダム・フセインの狙いだったが、それで留まらない。ロン・ポールは、当時ウゴ・チャベス大統領指揮下にあったベネズエラについても触れた。

    2001年、駐ロシア・ベネズエラ大使が、ベネズエラは、石油輸出を、ユーロに切り替えると語った。一年もしないうちに、CIAの支援を得たとされる、対チャベス・クーデター未遂がおきた。世界の準備通貨として、ユーロで、ドルに置き換えようというこれらの取り組みが抵抗にあった後、ユーロに対するドルの急落は食い止められた。こうしたできごとは、ドル支配を維持する上で、大きな役割を演じた可能性がある。

イランは、長年、政権転覆の目標となっている。ところが、ロシアと中国がからんでいるため、ほとんど、おこり“そうにない”ように思われる。ロシアと中国は、ペンタゴン戦争計画者連中にとって、主要な障害だ。アメリカは、ISISが、国境内で、イランを狙うことができるよう、「イスラム国」地域で更なる混乱を生み出すことを望んでいるが、それは成功の可能性の低い賭けだ。イランは、中東で、アメリカ・ドルの他通貨への置き換え攻撃を率いており、ワシントンはパニックになっている。アメリカ・ドルが優位を失う中、シリア、ヒズボラとロシアが邪魔をしている。世界中の益々多くの国々が、アメリカ・ドルを置き換えようとする中で、戦争を要求するワシントンの声は、益々大きくなるだろう。ワシントンは、イラク、ベネズエラや、リビアに対して行ったと全く同様、イランを、ドルを放棄したら一体何が起きるかを世界中に思い知らせる見せしめにしたがっているのだ。リビア指導者ムアマル・カダフィは、アメリカ・ドルとユーロを、アフリカの石油貿易、そして更に他の貿易からも追い落とすであろう、金と交換可能な“単一のアフリカ通貨”を計画していたが、これが、ワシントンが、一体なぜ、アメリカ-NATO軍にカダフィを権力の座から排除するよう命じたかという理由だ。

ワシントンは、イランを、戦争の脅威で恫喝して、石油取り引きでドルを使うよう強制するだろうか? 複数の大国がイスラム共和国を支援しているので、それは実現不可能な課題だろう。益々多くの国がアメリカ・ドルを欲しがらなくなれば、“交換価値”が下落し、ドルは弱くなる。通常、国々が、外為市場で、特定国の通貨を欲しがれば、その通貨の価値は増す。アメリカ戦争機構は、ドルを維持するために、イランなどの国々に、石油貿易で、ドルを使用するよう強制しようとするだろうか? イランとロシアは現在“通貨戦争”を戦っているのだ。一体誰が両国を非難できよう? 世界中がそれに服従する規則を決める帝国の要求に、両国が従わないがゆえに、イランとロシアに経済制裁をして、ワシントンがこの戦争を始めたのだ。今、イランとロシアは、両国間取り引きからアメリカ・ドルを排除するという長年の懸案だった解決策で、通貨戦争を終えようとしている。

記事原文のurl:http://silentcrownews.com/wordpress/?p=4501
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中国の強まる情報統制 ウイグルの状況について書いたフランス人記者が追放された
世界の憂慮が深まっている、と報道する電気洗脳箱。
自国の強まる情報統制 政権のご意向に沿わない発言をする人物が二人一挙に追放された世界の憂慮が深まっている、とは報道しない。

「石油輸出」で思い出した歌がある。 まるで予言?

寒い冬  詞曲:小室等

事実は議事堂の中でねじまげられ
真実は交番の中に 逃げ込む
今日の出来事は窓の向こうでやりすごされ
物語りはテレビジョンの中で踊る

石油の値段で 明日が決められ
なけなしの心 僅かな金で売る
詩人がため息をつき 寒い冬が来る

子供はプラスチックの 箱に入れられ
母親はその箱に 我が身をゆだねる
牧師はうつむき 弁護士は依頼人を待ち
医者は患者を生かさず殺さず

石油の値段で 明日が決められ
なけなしの心 僅かな金で売る
詩人がため息をつき 寒い冬が来る

ほころびた愛を掌で 弄ぶ間に
指の隙間から何かがこぼれてしまった
バーゲンセールの壊れた優しさ大事に抱え
シルバーシートに身を沈める

石油の値段で 明日が決められ
なけなしの心 僅かな金で売る
詩人がため息をつき 寒い冬が来る

2015年11月10日 (火)

もしシナイでの墜落がテロであれば、欧米にとってタイミングは完璧

Dan Glazebrook
公開日時: 2015年11月7日 12:56
Strategic Cultuer Foundation


Maxim Grigoryev / ロイター

惜しまれているアメリカ人コメディアン、故ビル・ヒックスの出し物にアメリカ人将軍の記者会見がある。“‘イラクには信じ難い兵器がある’と将軍は言った。‘どうして、ご存じなのですか?’と質問された。“ああ、そう、うん、領収書を見たんだ。’”

先週エジプトでのロシア航空機墜落を受け、特にイギリスは、墜落は「イスラム国」(以前のISIS/ISIL)がしかけた“テロ爆弾”の結果だと素早く主張した。すると、キャメロンは、一体どうして、彼のシリア政策が生み出したテロリスト集団が、この攻撃を実行するのに必要な訓練、装備や必要な手段を持っていると、それほど確信を持てたのだろう? 彼は領収書を見たのだろうか?

明らかなのは、もし飛行機が爆弾で墜落し、その爆弾をISISがしかけたのであれば、それは、この集団にとって、大きな転換を意味するということだ。

英国王立防衛安全保障研究所のラファエロ・パントゥーチによれば、ISISによるこの種の攻撃は“彼らの爆発物製造や、装置を機内に密かに持ち込む能力の洗練度合いが未曾有のものとなったことを告げる”ものだ。

しかし、新たな技術的技巧であると同時に、そのような攻撃は、戦術の憂慮すべき変化を意味する。タイムズ紙は、こう主張している。“もし飛行機墜落が、シナイにいる「イスラム国」系列のしわざであることが判明すれば、これはまだ民間人に対する大規模攻撃をしかけていなかった聖戦士集団の極めて重要な展開を意味するものとなる。

だから、もし旅客機が実際、シナイ半島でISISの爆弾で、撃墜されたのであれば、テロ集団が突然に驚くべき新技術を獲得したか、あるいは、彼らが突然、戦術を一般市民の大量殺人に変更したことを意味する。後者であれば、一見して、彼らを標的にした一年以上の欧米による空爆を受けながら、ISIS欧米の民間人に対する、そうした攻撃をし損ねていたのに、欧米によれば、彼らを狙ってさえいないロシア空爆作戦には、わずか数週間で反撃できるというのは、いささか奇妙ではあるまいか?

いずれにせよ、欧米の地政学という観点からすれば、墜落のこれ以上完璧なタイミングはあり得ない。4年間失敗した後、欧米によるシリア“政権転覆”(国家の大規模破壊の婉曲表現)作戦は、今やロシア介入のおかげで、差し迫る完全な敗北という見通しに直面している。しかもこの作戦を救済するための選択肢は、実際、極めて限られている。

全面的占領は全く見込みがない。イラクとアフガニスタンの後、アメリカ軍もイギリス軍も、もはや公式にそのような冒険的企てを実施することは不可能だ。地上の暗殺部隊をNATOによる上空援護で支援するリビア・オプションは、常にロシアの反対に会ったが、今や事実上、不可能になっている。しかも多くの対戦車ミサイル携帯式地対空ミサイルシステムが大慌てで現場に投入されているのに、反政府暗殺部隊だけに頼るのでは成功の可能性はほとんどない。結局送り込めたのは、これだけの数のテロリストと傭兵でしかなく、マイク・ホィットニーが言う通り、世界は既に“テロリスト絶頂期”に達しているのかも知れない。

ロシアを追い出し、アメリカとイギリスの空軍力を、シリア国家に対し、あからさま、かつ決定的に振り向けることが、欧米の計画立案者連中にとって主目的となった。しかし、一体どのようにして? 一体どうすれば、ロシア人を介入反対にできるだろう? タイムズ紙はこう書いた。“これまでのところ、シリアでの戦争はロシア国民の広い支持を得ている…。[しかし]もし、戦争で、テロリストが、飛行機に爆発物を隠して、一般ロシア人に対し、復讐をするようになれば、この熱烈な支持姿勢も変わりうる。”これは、少なくとも恐らく、タイムズが望んでいることだろう。


2015年11月5日、ロンドン、ダウニング・ストリート十番地での記者会見で、エジプトのアブドル・ファッターフ・アッ=シーシー大統領と握手するデービッド・キャメロン首相(右) Stefan Rousseau / ロイター

しかも、エジプト領内での飛行機撃墜は、シーシー初のイギリス公式訪問直前ではないか?

エジプトは歴史的岐路にある。1970年代のサダト時代に、社会主義陣営から欧米の“軌道”に移行したが、エジプト指導部は、ワシントンとロンドンの命令を益々聞かなくなっていた。ムバラク支配の後半にこのプロセスは始まり、シーシー支配下でも続いていた。スカント・チャンダンが言うように、欧米のシリア政権転覆作戦で、エジプトはロシアと共に主要な“妨害者”を演じてきたために、こらしめられたのだ。

しかもムバラク政権は、民営化や、IMFが要求する“構造調整”に消極的だった。そして観光は、強欲な国際銀行へのエジプトの依存を引き下げるのに役立つ、昔も今も主要な収入源だ。しかし先週土曜日以来、こうした全てが今や不安定な状態にある。フィナンシャル・タイムズが述べているように、墜落が爆弾によって引き起こされたという疑惑は“苦境にあるエジプト観光産業にとって、壊滅的な影響をもたらす可能性が高い”のだ。

イギリスのフィリップ・ハモンド外務・英連邦大臣はこれに同意した。“もちろん、これはエジプトに対して絶大な悪影響をもたらすだろう”と彼はあっさり表明し、一見ひとかけらの遺憾も無しに、エジプト向けイギリス便を止める決定を述べた。訪問する観光客が大幅に減少することで、エジプトはIMFに頼ることを強いられる可能性は高いが、IMFは、もちろん借金の返済を大規模民営化と“緊縮策”という形で要求する。

ところが、エジプトの欧米への経済依存は、事故のおかげで深化したのみならず、特にイギリスが、エジプト軍と治安部隊に再度取り入るのに、事故を利用しているように見える。第一に、イギリス当局は、エジプトは危険なほど不安定であり、警備業務を欧米に外注するしか安全に戻る方法はないと世界を説得し、あらゆる機会を捕らえ、エジプトに屈辱を与えてきた。今週、シーシーがイギリスに到着した際、タイムズ紙は、“イギリスは、エジプト指導者にあからさまに反論して、彼はシナイ半島を完全に支配しきれていないと示唆し”、エジプト当局者は“シャルム・エル・シェイク空港の警備体制を点検するため6人の職員を派遣したことに‘我々を子供扱いしている。’とコメントした”と報じた。

最後に、もちろんイギリス政府は、シリアに対するイギリスのより深い関与を推進するのに悲劇を利用する好機を見逃さなかった。イギリスのマイケル・ファロン国防長官は、過去二日、もし飛行機がISISによって墜落させられたことが証明されれば強化されることになる、シリアを爆撃する主張の説明に費やしている。暗殺部隊の主要な支援国家の一つが、シリアに更に深く入り込めば、何らかの形で暗殺部隊の威力を低減するようになることは、もちろん説明されない。それが帝国主義の本性だ。

欧米の力が急激に落ち込む世界で、欧米覇権を拡張し、南の発展途上の勃興勢力を弱体化させるため、テロはしっかり、最後にわずかに残る実行可能な選択肢の一つになった。もしこの攻撃がISISによって行われたことが明らかになれば、欧米帝国主義権益の最前線で活動する役を買って出たISISは何と親切なことだろう。また、組織にいる何百人もの欧米工作員が、彼らを止めるため何もしなかったのは、何と好意的なことだろう。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

ダン・グレイズブルックは、フリーランス政治ライターで、RT、カウンターパンチ、Zマガジン、モーニング・スター、ガーディアン、ニュー・ステーツマン、インデペンデントやミドル・イースト・アイ等に寄稿している。最初の著書“Divide and Ruin: West’s Imperial Strategy in an Age of Crisis”は、リベレーション・メディアから2013年10月に刊行された。本は、2009年以降の、経済崩壊、BRICSの勃興、対リビアとシリア戦争と'緊縮政策'のつながりを検討する記事の集成だ。彼は現在、1970年代と80年代の北アイルランドや中米、そして現代の中東とアフリカにおける自立した国家や運動に対する、アメリカ-イギリスによる宗派的暗殺部隊の利用に関する本のために調査をしている。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/321159-plane-crash-egypt-terrorist/

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大本営広報部では、余りこの事件の呆導をみかけない。

翻訳しながら、横目で昼のバラエティ番組を見てみたが、御用評論家と茶坊主のかけあい漫才。電気代がもったいないので相撲に切り換えた。

TPP、電気洗脳箱で、元首相の息子は、黒子と組になった、二人羽織では?という指摘のみ。TPPについての報道がもっと必要とは言ったが、外国では全文がその国の言語で開示されているのに、この属国政府は、ごくわずかの現地語要約しか発表しないことには触れなかった。

「ブラックバイト」を国が調査、ということをしきりに報道するが、TPPで、丸ごとそうなることには決してふれない。

2015年11月 2日 (月)

アメリカは、シリアに侵略の損害賠償をするべきではないだろうか?

Eric Zuesse
Global Research
2015年10月31日

10月30日、金曜日、アメリカのバラク・オバマ大統領は、シリアはアメリカの国家安全保障に対するいかなる脅威でもなく、いかなる国も侵略していないのに、アメリカ特殊部隊兵士50人を、シリア領土に派兵するつもりだと発表した。実際、シリアは、アメリカ合州国やヨーロッパにも脅威となっているイスラム聖戦士に対して戦っているのだ。

アメリカは、シリアの選挙で選ばれた、欧米同盟国の世論調査でさえ、いまでも大多数のシリア国民に支持されていることを示している大統領を打倒するため、シリア(最初は爆撃で、そして現在は、最初の軍隊によって)を侵略している。 2012年、アル-ヌスラ(シリアのアルカイダ)に資金提供しているアメリカ同盟国のカタール政権が、シリアを調査すべく、世論調査会社を雇った際に判明したのは、55%のシリア国民が、アサドにそのまま大統領でいて欲しいと考えていることだった。更に、2015年9月18日に私が報じた通り、“世論調査では、シリア人は圧倒的にISISはアメリカのせいだと考えていることを示しており”こうした最近の世論調査はギャラップとつながっているイギリス企業によるものだ。

ロシアは、アメリカと対照的に、シリアを全く侵略してはおらず、選挙で選ばれた政権から、侵略をしているイスラム聖戦士や、アメリカ爆撃機に対する防衛戦争を、支援するよう要請されたのだ。そして、ロシアは現在要求された支援を行っている。

シリアを侵略し、世論調査では、いまだ大多数のシリア・スンナ派にさえ支持されているシリアのシーア派大統領を打倒しようとしているスンナ派勢力を支援する、一体どのような権利をアメリカは持っているのだろう? 私は皆無だと思う。結果的に、シリア政府は、アメリカ合州国から損害賠償を要求すべきではあるまいか? そういう要求は一体いつ出されるのだろう? そういう要求は一体どのような出されるのだろう? アメリカ爆撃による、シリア・インフラの損害は既に莫大だ。

アメリカは‘民主主義’を支持していると主張するが、実際は、全体主義でも、神権政治でも、王政でさえない、アサド政権を打倒しようとしている、二つの独裁的な全体主義神権王政と同盟している。もっとも、もし彼の父親が作った政党が、シリアの指導者になるよう彼を選ばなかったら、現在の指導者(バッシャール・アル・アサド)は権力の座についていなかっただろう。しかし、それは、絶対君主制で、支配権が、もっぱら聖職者に依存している、サウジアラビアやカタールとは、決して同じものではない。ところがアメリカは、反アサドで、この両国と同盟しているのだ。

アメリカは、もちろん、サウジアラビアのサウド王家、カタールのサーニー王家というスンナ派の諸王家が、シリアにもスンナ派政権を据えつけ、シリアをカタール(あるいはサーニー家)のガスと、サウジアラビア(具体的には、サルマン王)の石油がEUへ流れるパイプライン経路にするのを支援している。アメリカ合州国がこれを望んでいるのは、アメリカ政府が、ロシアの(非常に人気のある)ウラジーミル・プーチン大統領を大統領の座から無理やり追い出そうとしているからで、それを実現するため、ロシア経済の息の根を止めようとしているのだ。ロシアのヨーロッパへの石油とガス輸出を止めるのは、この戦略の重要な一環だ。

アメリカの狙いは、ロシアがそれで同盟国を失うことになる、破綻したシリア国家だ。そこで、10月13日、ブランドン・ターバヴィルは、“ロシアがISISを爆撃するなか、アメリカはシリアの民間発電所を爆撃”という見出しの記事を書いた。アメリカは、シリアを破壊しようとしている。ロシアはシリアを救おうとしている。そこで、ロシアはISISや他の聖戦士を爆撃しているが、アメリカはシリアのインフラを爆撃している。国を一つにまとめるためのインフラがなければ、破綻国家だが、それが、アメリカの目標だ。

アメリカは、これが狙いだとは発表していない。そうではなく、アメリカは単に、バッシャール・アル“アサド・シリア大統領は辞任すべきだ”あるいは“バッシャール・アサド抜きの新政府”を作るべく“アサド大統領が辞任すべき時は来た”と言うばかりだ。これは、ジョージ・W・ブッシュの“イラクでの政権転覆”というしつこい要求と同じだ。様々な国の指導者を置き換え、こういうことをしていると主張しても、ナチスがニュルンベルクで絞首刑になった戦争犯罪、侵略戦争ではないにせよ、武力侵略という国際犯罪にならない権利を、一体誰がアメリカに与えたのだろう?

一体どういう権限で、アメリカはこうしたことを行っているのだろう? 国際刑事裁判所は、一体なぜ公式に(大いに公式に)これを調査しようとしないのだろう?

掲載するようお送りしたのに、そのどれも掲載されなかった、私のニュース報道や解説を受け取ったアメリカのニュース編集者(100人以上だ)の一人でも、是非とも、各自のニュース報道で、公にこの疑問に答えていただけないだろうか? 私はここで各編集者の方々に問いたい。もしもアメリカが、こういうことをする権利を有しているとお考えであれば、公開で、一体なぜなのかをご説明いただけるだろうか?

あるいは、もし説明頂けないのであれは、読者なり視聴者なりの方々に、この疑問をお考え頂けるよう、この疑問を呈しているこの記事を是非掲載してもらえるだろうか?

この記事は、事実上、全てのアメリカ報道機関に送付されている。いずれかが掲載してくれるか、あるいは、彼らが一体なぜアメリカのシリア侵略を支持するのかを説明してくれるかどうか、見ようではないか。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは、新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者

本記事の最初の発表元はGlobal Research

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/shouldnt-the-u-s-compensate-syria-for-invading/5485716

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Global Research 良い記事をまとめて紹介したり、良い新規記事を発表したり、貴重なサイト。

寄付を求めているが、Paul Craig Roberts氏と同様、PayPalなので、皆様が寄付するのは困難かも知れない。代案に、Credit Cardとあるが、対象は北米のみ。なにか他に寄付の方法はないのだろうか?と、裕福ではないメタボ中高年は疑問に思っている。

この文章、そのままこの国の大本営広報部にも言える。

是非とも、各自のニュース報道で、公にこの疑問に答えていただけないだろうか? 私はここで各編集者の方々に問いたい。もしもアメリカが、こういうことをする権利を有しているとお考えであれば、公開で、一体なぜなのかをご説明いただけるだろうか?

あるいは、もし説明頂けないのであれは、読者なり視聴者なりの方々に、この疑問をお考え頂けるよう、この疑問を呈しているこの記事を是非掲載してもらえるだろうか?

本当に重要な真実、大本営広報部は伝えない。両派とも野党風与党別動隊である異神分裂騒ぎについても、TPPについても、郵政株上場についても。

大本営広報部の洗脳情報ではない、自立した個人、組織による下記のような記事・報道こそ、拝読に値する。

日本郵政株式上場に見る売国大国ニッポン

植草一秀の『知られざる真実』2015年11月1日

2015/10/25 SEALDsと学者の会主催のシンポジウムに1500人!山口二郎氏「彼らが新しい政治文化を開いてくれた」

2015年10月29日 (木)

レジェップ・タイイップ・エルドアン: 解き放たれたテロリスト

2015年10月20日
James Petras
dissidentvoice.org

2015年10月12日、127人の労働組合員、平和活動家、クルド支持派や進歩派の死をもたらした、アンカラでのテロ爆発は、レジェップ・タイイップ・エルドアン政権か、ISISテロリストのどちらかのせいだとされている。

エルドアン政権の‘仮説’は、ISISかクルド労働者党(PKK)がテロ攻撃に関与しているというもので、この立場をNATO各国の全政府がおうむ返しし、全ての欧米マスコミが従順に繰り返している。連中の最近の主張は、7月、シリア国境のスルチで、33人の親クルド派活動家を死亡させた前回の爆発で、トルコ政府に犯人とされた弟を‘ものまね’し、トルコ人ISISメンバーが虐殺を実行したというものだ。

もう一つの仮説で、トルコ反政府派の大多数の意見は、テロ攻撃の企画やテロ発生を可能にするのに、エルドアン政権が、直接あるいは間接的に関与していたというものだ。

それぞれの仮説を検証するにあたっては、二つのうちどちらが、殺害に到るまでの事実を上手く説明でき、一体誰が破壊行為で恩恵を受けるのかを検証することが必要だ。

我々の手法は、アンカラでの虐殺前の、虐殺に伴う、そして虐殺後の様々な暴力行為の背後にあるものを検証することだ。犠牲者とエルドアン政権双方の政治と、特に来る2015年11月の国政選挙を考慮して彼らの政治的ガバナンス構想を、検討する。

アンカラ・テロ爆破の前例

過去数年間、エルドアン政権は市民運動活動の暴力的弾圧を行ってきた。2013年、イスタンブール中心部での大規模社会抗議行動を解散させる本格的警察行動で、政府とつながる‘開発業者’からタクシム・ゲジ公園を守っていた抗議行動参加者の8人が死亡し、環境保護や市民運動活動家が8500人負傷した。2014年5月、エルドアン支持者が所有するソマ鉱山の地下爆発で、300人以上のトルコ人炭鉱夫が亡くなった。その後に行われた抗議行動は、国家によって暴力的に弾圧された。2005年、エルドアンによって、元国有の鉱山が民営化されたが、政権取り巻き連中への販売の合法性に疑念を抱く人々は多い。

一般市民の抗議行動参加者に対する、こうした暴力的警察行為の前、あるいは後、合法的なイスラム教社会団体、いわゆるギュレン運動支持者だとされ、何千人もの役人や、有名人がエルドアン政権によって逮捕され、馘首され、捜査された。

何百人ものジャーナリストや人権活動家や出版者や他のマスコミ労働者が、エルドアン内閣高官の賄賂を批判したかどで、エルドアン政権の指示で、逮捕され、馘首され、要注意人物名簿に載せられた。

エルドアン政権は、権力をイスラム主義カルト支配者の手中に集中するため、国内の非宗教的反政府派への弾圧をエスカレートした。政府が何シリアの聖戦への途上、トルコに流入する千人もの過激派外人聖戦士や傭兵支援を強化した後、特にそうなっている。

シリアにおける武装蜂起の始めから、トルコは武装イスラム・テロリスト(AIT)の主要教練場、武器庫、そしてシリアへの入り口となった。北シリアとイラクのかなりの部分を解放し、トルコ・クルド人にとって‘自治の見本’として機能しているシリアとイラクのクルド人を、AIT戦士が攻撃し、立ち退かせ、破壊するよう、エルドアン政権が仕向けたのだ。

エルドアン政権は、残虐なサウド君主制が、AIT集団へ資金提供し、武器供与し、特に、ダマスカスの非宗教的政権やバグダッドのシーア派政権に対する都市テロ戦争訓練を行うのに加わった。彼らは、エルドアンの敵やサウジアラビアの標的、特に非宗教的なクルド人、左翼、労働組合や、イランと同盟しているシーア派が占めている人口の多い場所の爆破に精通している。

エルドアン政権のシリア介入の動機、トルコの影響力拡大(新オスマン主義)の願望と、上手くいっているクルド自治政府や北シリアとイラクにおける運動の破壊だ。

こうした目的のため、エルドアンは四つの政策を組み合わせた。

(1) 彼は、リビアやチェチェンを含め世界中からのイスラム・テロリスト採用に対するトルコの支援を大幅に拡張した。

(2) 彼は、連中のシリア入国を支援し、クルド人地域の町村攻撃を奨励した。

(3) 彼はPKKとの和平協定を破り、戦闘的なクルド人に対する全面戦争を再開した。

(4) 彼は、合法的で非宗教的なクルド派政党、人民民主党 (HDP)に対し、秘密のテロ作戦を画策した。

エルドアン政権は、トルコ社会の‘イスラム化’と、シリアとトルコ内外のクルド地域に対する彼流のトルコ覇権誇示を推進強化すべく、独裁的権力を強固にすることを狙っていた。こうした野望や遠大な狙いを実現するため、エルドアンは、政権からライバルになりうるあらゆる権力源を粛清する必要に迫られた。

非宗教的民族主義のケマル主義軍人の投獄と排除から、彼は開始した。彼はギュレン組織にいる彼の元支持者の粛清に進んだ。

HDPの躍進のおかげで、国政選挙で彼は多数派を獲得しそこねた彼は、組織的テロ作戦を推進した。彼の‘公正発展党’支持者連中を動員して組織した暴徒が、HDP事務所を破壊し火を放ち、活動家たちをめった打ちにした。エルドアンのテロ作戦は、2015年7月、シリアのクルド難民や、エルドアンが支援するISISが支配する、国境の反対側にあるシリアの大きな町コバニで、イスラム主義テロリストに抵抗し、窮地に立っている戦士を支援している左翼活動家のスルチにおける若者集会に対する爆発という結果となった。33人以上の活動家が殺害され、104人が負傷した。爆発の前に知っていた二人のトルコの秘密諜報員、あるいは‘警官’が、PKKに捕らわれ、尋問され、処刑された。国家が支援した虐殺として広く信じられているものに対するこの報復が、エルドアンが、クルド人に対する戦争を再開する口実になった。エルドアンは即座に武装、非武装、両方のクルド人運動に対し戦争を宣言した。

エルドアン政権は、政権のISISとのつながりを無視して、スルチ・テロ攻撃はISIS自爆犯が実行したという主張を持ち出した。彼は大規模な捜査をすると発表した。実際、それはおざなりな一斉検挙と、どうでもよい容疑者連中の釈放だった。

もしISISがこれとアンカラ虐殺に関与していたのであれば、連中は、エルドアン大統領の命令によるトルコ諜報機関の命令と指示で行ったのだ。

スルチ虐殺: アンカラ版の舞台稽古

スルチは三カ月後のアンカラでのエルドアンによるテロ攻撃の‘舞台稽古’だった。

またしても、主要標的は、クルドの野党政党(HDP)や、主要な進歩的労働組合や職能団体や反戦活動家だった。

またしても、ISISと彼のつながりをみとめずに、エルドアンはISISを非難した。いくつかの事実が、トルコ国家の連座を暗示している。

1)   爆弾は、一体なぜ殺りく現場のすぐ近くにある警察と諜報機関本部横でなく、武装していない抗議行動参加者たちの真ん中に置かれただろう?

2)   爆発直後、一体なぜエルドアンの警察は攻撃をし、抗議行動参加者に対する救急医療を妨げたのか?

3)   人気の高い指導者や、独立した調査員や、標的とされた団体の代表が爆発現場を検証するのを、一体なぜ阻止したのだろう?

4)   エルドアンが、極端に愛国主義的な街頭デモ参加者を、合法的な選挙活動を行っていたクルド人に対してけしかけながら、すぐさまPKKの停戦協定提案を拒絶し、大規模軍事作戦開始したのは一体なぜだろう?

5)    警察は一体なぜ事件後、会葬者を攻撃したのだろう?

テロ攻撃で恩恵をうけるのは一体だれか?

テロ攻撃で恩恵を受けるのは、エルドアンの短期的、長期的な戦略的政治目標であって、他には誰もいないのだ!

何よりまず、彼らはHDP党の活動家や反戦左翼や労働組合員を殺害した。虐殺後の政府によるHDPに対する暴力的攻撃は、エルドアンにとって、トルコ憲法を変えるために必要な、独裁的権力を得られるよう選挙で多数派を獲得する可能性を増したのだ。

第二に、それは下記を狙っていた。(1)トルコとシリアのクルド人のつながりを弱めること(2)進歩的なトルコの労働組合、非宗教的な専門職、平和活動家やクルド民主党の間のつながりを破壊すること(3)右翼超国家主義トルコ人暴徒を動員し、HDP選挙事務所攻撃と破壊すること(4)民主主義支持派活動家や進歩派を威嚇し、エルドアンの国内における権力掌握とシリア介入に対する異論を沈黙させること。

テロ攻撃に至るまでの間の、市民運動団体や野党に対する連続的な暴力攻撃や、自立した官僚の追放や逮捕に関与したいたのは誰かという疑問に対する答えは、エルドアンだ。

イスタンブールのクルド人地域や、スルチとアンカラ・テロ攻撃前の各地における暴力作戦と爆発の背後にいたのは一体誰だろう? 答えはエルドアンだ。

結論

最初に我々は、アンカラ・テロ攻撃に関する二つの仮説を対置した。エルドアン政権の仮説、つまり、トルコ政府から自立した勢力としてのISIS、あるいはPKKが、トルコとクルド市民団体主要活動家の残虐な殺害に関与しているというもの。そしてエルドアン政権が黒幕だという、その反対の仮説。

仮説上の二容疑者の動機、行動、得られる恩恵と権益を検討した結果、事実を最も上手く十分に説明し、解釈するのは、諜報工作員を通して、虐殺の企画と組織にエルドアン政権が直接関与していたという仮説だ。

付随する仮説は、実行、つまり爆弾設置は、ISISテロリストによるものかも知れないが、それも、エルドアンの警察機構の管理下でというものだ。

James Petrasは、ニューヨーク州立大学ビンガムトン校社会学名誉教授。

記事原文のurl:http://dissidentvoice.org/2015/10/recep-tayyip-erdogan-terrorist-unleashed/

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大本営広報部電気洗脳箱、南シナ海、宗主国による航行の自由作戦一辺倒。解説者が、お馴染みの元外交官氏や、有名財団の研究員氏の場合、終わるまで音声を消している。

あるいはマイナンパー詐欺。電気洗脳箱は、マイナンバー推進関係者しか、出演させない。連中が言っている、マイナンバーの恩恵、全くありがたみを感じない。嫌悪感のみ。

トルコやシリアの問題については、電気洗脳箱ほとんど触れない。大使館前での事件、電気洗脳箱呆導だけで、事件の背景を納得される視聴者おられるのだろうか。

この爆破事件を含め、トルコ問題、シリア問題についての二時間以上にわたる下記緊急インタビューは必見。この記事が想定する可能性をも大きく越えている。

内藤教授ご自身「テレビ・ラジオではちょっとしか話せないから不満だが、IWJなら話したこと全部伝えてくれるからいい」と前置きされたという。時間的には長いが、内容的にあっという間。

大本営広報と違い、一方的洗脳でなく、貴重な視点を教えていただける。全編を見るには、会員になるか該当アーカイブを見る料金を支払う必要があるが、その価値は十分にある

2015/10/15 「平和」デモへの爆弾テロで大混乱に陥ったトルコ 米国に追従し「対IS戦線」で中東に首を突っ込む日本も同様の「テロの標的」に 〜岩上安身が内藤正典氏に緊急インタビュー!

内藤先生のご本、真面目な読者ではなく、拝読したのは下記のみ。
理由は単に金銭とスペースの欠如。

「シリアの人は、むれない」という趣旨の発言が再三あったと覚えている。それで、最近読んだ「個人主義」大国イラン: 群れない社会の社交的なひとびと (平凡社新書) を思い出した。イランの人々、実に群れない人々のようだ。本気でイラン観光を計画したことがある。ところが、インチキ航空会社のおかげで、No show扱いされ、予定便に搭乗しそこない、観光は夢と消えた。「禁酒がつらいのでよかった」とあきらめるしかない。もう一生ゆけないだろう。

旅行といえば、数日前、数年前購入した『旅は道づれガンダーラ 改版』を読了。松山善三・高峰秀子ご夫妻、最高のお仲間と、タリバンに破壊される前のバーミヤン石仏を見ておられた。うらやましい。同じルートを観光するのが夢だった。これも、治安上、経済上、到底かなわぬ夢。それを言うなら、シリアのパルミラも。

2015年10月24日 (土)

シリア戦争は、シリア、ロシア、イラン対 アメリカ、サウジアラビア、カタール、トルコ、ISISの戦い

Eric ZUESSE
2015年10月23日| 00:00
Strategic Culture Foundation

アメリカの狙いは、ロシアに同盟国を失わせるための破綻したシリア国だ。そこで、10月13日、ブランドン・ターバヴィルは“ロシアがISISを爆撃する一方、アメリカはシリアの民間発電所を爆撃している”という見出しの記事を書いた。アメリカはシリア破壊を狙っている。ロシアはシリアを救いたがっている。だから、ロシアがISISや他の聖戦士連中を爆撃しているのに対し、アメリカは、シリアのインフラストラクチャーを爆撃している。国家を一つにまとめて置くためインフラストラクチャーが無い国は破綻国家だ - それがアメリカの目標だ。

アメリカは、これが目的だとは宣言していない。そうではなく、アメリカはもっぱら、シリアのバッシャール・アル“アサド大統領は退陣すべき”、あるいは“バッシャール・アサド抜きの新政権”が成立させるべく“アサド大統領が辞任すべき時は来た”と言い続けている。これはジョージ・W・ブッシュの“イラクにおける政権転覆”への耐えざる要求と同じだ。ブッシュは、アメリカに国家指導者を置き換える権利を与えながら、こういうことをしても、ナチスがニュルンベルク裁判で絞首刑にされた戦争犯罪たる侵略戦争ではないにせよ、武力侵略という国際犯罪にはあたらないと、いまだ主張している人物だ。

サウジアラビアを所有しているサウド王家と、カタールを所有しているサーニー家は、(同盟者のISISによって)石油とガス・パイプラインを、トルコに、そして更にEUに敷設できるようにすべくシリアを乗っ取りたがっている。パイプラインがアサドのシリアによって阻止されているのだ。シリアにおけるアメリカの狙いは破綻国家であり、そこでシリア経由でヨーロッパまで建設されるパイプラインで、ロシア石油とガス供給を置き換え、現地の軍閥、つまりISIS、アル・ヌスラや他の聖戦士連中が、サウジアラビアやカタールと石油とガスの利益を山分けするというものだ。これがサウド家の王とカタールの首長だけの狙いではなく、この計画で直接、経済的恩恵を受けるオバマの狙いでもある。

2013年8月30日に、偉大な調査ジャーナリスト、ナフィーズ・アフメドは、ガーディアンに、“シリア介入計画をたきつけているのは、化学兵器問題ではなく、石油権益”という見出し記事を書き、2013年10月7日に、もう一人の偉大な調査ジャーナリスト、クリストフ・レーマンは、彼のnsnbcニューズ・サイトに“アメリカとサウジアラビアの高官がシリアでの化学兵器に関与”という見出しの記事を書いた。レーマンの書き出しはこうだ。攻撃の計画者として“証拠は、ホワイト・ハウス、マーティン・デンプシー統合参謀本部議長、ジョン・ブレナンCIA長官、サウジアラビア諜報機関トップのバンダル王子と、サウジアラビア内務省に直接つながっている”。(1945年以来、アメリカはサウジアラビア王家と同盟している。) レーマンはこう論じている。“2013年8月21日の、ダマスカス郊外の東グータ”化学兵器攻撃は、彼自身側のチームが計画した可能性がよほど高いにもかかわらず、バラク・オバマ大統領はアサドが化学兵器攻撃をしたと非難し、アサド打倒のため爆撃攻撃を計画する理由としてあげた。実際、MITによる証拠研究では、オバマと(彼の政権)が明らかにウソを言っていると判明し、“アメリカ政府による、8月21日の攻撃の前と後に収集した技術的諜報情報の解釈はとうてい正しいものでありえない”。

こうした証拠が議論の余地がないものであるため、政権はこの調査に対し何の回答もしていない。サリン・ロケットは実際は、シリア政府軍でなく、アメリカが装備を与えている反政府派が支配している地域から発射されていた。このサリン・ガス攻撃は、自分が攻撃したい相手側に罪をなすりつけるよう仕組まれたものを意味する、諜報界で“偽旗攻撃”と呼ばれるものだ。自国民を国民としてではなく、カモとして扱う手口だ。これがジョージ・W・ブッシュが“きのこ雲”と“サダムの大量破壊兵器”を警告した際のアメリカ政府の手口だった。そしてそれはバラク・オバマがシリアに対処している手口でもある。

2012年12月5日、ニューヨーク・タイムズが、アメリカのリビア爆撃作戦は、カダフィを打倒するために、実際の戦闘を行っている聖戦反政府派に武器を提供したカタールの王家、サーニー家と協力して計画されていたと報じた。そしてカダフィが殺害された後も、アメリカは、これらリビア国内の聖戦士に対する武器供給のためカタールを利用し続けた。ところが、このアメリカによる聖戦士連中への支援が、リビアの非宗教主義指導部の邪魔をしたのだ。“当時リビア暫定政府首相のマフムード・ジブリールは、カタールが新指導部に反対する過激派集団に武器を与えるのを、アメリカ合州国が認めていると、政権幹部に苛立ちを表した。何人かのアメリカ高官によれば…アメリカ合州国は…武器輸出監視をほとんどしていない”。オバマは単に、ロシアと提携していたカダフィを打倒したかっただけなのだ。そして彼はサウド王家とサーニー家と組んでいる。リビアの非宗教主義者ではなく、リビアのイスラム主義者にも供給しており、つまり、シリアのイスラム主義者に対する武器の流れは続くのだ。だから、オバマには、カタール人がそこで行っていることに反対する理由は皆無だ。

実際、2014年4月17日、更にもう一人の偉大な調査ジャーナリスト、セイモア・ハーシュは、オバマがリビア国内の兵器をシリアの聖戦士連中に送るよう手配したが、こうした勢力はアル・ヌスラ戦線や、シリアのアルカイダ支部(オバマは連中を“穏健反政府派”と呼んでいる)ものだと報じた。“合意の条件により、資金は、トルコとサウジアラビアとカタールから出ている。CIAが、MI6の支援を得て、兵器をカダフィの武器庫から、シリアへ輸送していたのだ。オーストラリア企業を装うものを含め、多数のフロント企業がリビアに設立された”。つまり、こういう連中が、ロシアが現在爆撃している戦士なのだ。ロシア大統領プーチンが、アメリカのオバマ大統領に、シリア-ロシア-イラク-イラン連合に加わるよう依頼した際、オバマがノート答えた理由はこれだ。彼は実際、この連合を破壊しようとしている。

これは、ロシアを18回中、17回“侵略”のかどで非難しているオバマの2015年度国家安全保障戦略と首尾一貫している。例えば、トルコやサウジアラビアやカタールやアメリカ合州国自身については、一度たりとも“攻撃的”であるといわず、“侵略”という単語も使っていない。これは、ヒトラーが1930年代に、ポーランドとイギリスを侵略国として非難しながら、平和を求めていると主張したようなものだ。更に一体何が驚くべきかといえば、大半のアメリカ人が依然として、こんな詐欺にだまされていることだ。おそらくゲッベルスの作戦すら、現代アメリカには出し抜かれている。結局、アメリカは今や長年の“プロパガンダ”世界チャンピォンなのだ。FDRの側につくのではなく、現在のアメリカは遥かにヒトラー側だ。ヒトラーの霊が、アメリカのホワイト・ハウスによみがえっているのだ。ヒトラーの“ドイチェランド・イーバー・アレス”、つまり“世界に冠たるドイツ”は、オバマの“アメリカ合州国は、唯一の必要欠くべからざる国であり、そうであり続ける”と化した。ヒトラーは、ドイツがそうだと考えていた。時代だけ異なる、同じ類の国家、同じ国家至上主義だ。

2011年8月18日、またしてもゲッベルスを真似て、アメリカ合州国によるアサド排除作戦開始時、ヒラリー・クリントンはこう述べた。“いかなる外国も彼らの戦いに介入すべきではないというシリア国民の強い願いを我々は理解しており、彼らの希望を我々は尊重する”。しかし、彼女は実際、シリア国民の願いを否定している。アル・ヌスラに資金提供しているアメリカの同盟者カタール政権が、2012年にシリア国民を調査するため世論調査会社を雇った際、判明したのは、55%のシリア国民が、彼に大統領であり続けて欲しいと思っていることだった。更に、2015年9月18日、私が報じたように“世論調査で、シリア国民は圧倒的に、ISISはアメリカのせいだと非難していることが判明”、しかもこうした最近の世論調査は、ギャラップと関連しているイギリス企業によるものだった。欧米はもはや、シリア国民に“アサドが退陣すべき”かどうか世論調査をすることはない。それを実現する唯一の方法は、オバマが行ってきて、今も試みている手法、爆撃と打倒であることを彼らは知っている。シリアが破綻国家になるまで。オバマやクリントンや、彼ら以外のアメリカ支配層にとっては、それが勝利だ。

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調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2015/10/23/syrian-war-pits-syria-russia-iran-versus-us-saudis-qatar-turkey-isis.html

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普通に考えれば、横浜マンション土台問題より、TPP、あるいは、ハフィントン・ポストが報じている年金の大損害問題のほうが遥かに重要だろう。

「施工管理者と話してみて、ルーズだな、事務処理は苦手そうだな」というが、戦争法案の議決とされるデータ改竄場面を電気洗脳箱でみていて、素人の小生、パンチを繰り出したヒゲ・オヤジや、怪しげな委員長らは、ルーズだな、事務処理は苦手そうだな」と確信した。

「マスコミ」というもの、政府が陰険な法制を推進しようとする時に、それと比較すれば些細で全く無関係な事件を集中豪雨的に報じて目をそらすのが本来の使命だと固く信じている。

モンゴルは地政学的に重要ですとのたまう売国オボッチャマ観光旅行が国会を開けない理由の腐敗属国。女優や地方消滅説氏が一億火の玉作戦委員として一億消滅にせいをだす。

更に一体何が驚くべきかといえば、大半の日本人が依然として、こんな詐欺にだまされていることだ。おそらくゲッベルスの作戦すら、現代日本には出し抜かれている。

年金7兆9000億円、運用損で消えていた 証券アナリストが試算 宗主国マスコミが丁寧に報じてくれるのに当の報道機関が一切触れない異常さ。マスコミ、大本営広報部そのもの。

アメリカとナチスの相似については、Paul Craig Roberts氏も何度か触れているが、素晴らしい芝居『マンザナわが町』でも大きなテーマ。紀伊国屋ホール上演は25日まで。25日の切符は売り切れだという。

大本営広報では、決して下記のような記事は報じない。ところが、まともなジャーナリズム活動をしていると、取材機材購入等で資金難だという。ご協力したいのはやまやまだが、年金生活の身では、ままならない。ごくまれにしているアルバイト入金をじっと待っている。

日刊IWJガイド「ウィキリークスが暴いた米国の『愚劣』なシリア政府転覆計画!日本のメディアが絶対に報じないであろうその驚愕の内容とは…?」2015.10.11日号~No.1124号~

2015年10月22日 (木)

アメリカの主要同盟国サウド王朝は野蛮さで世界首位

Eric Zuesse
Global Research
2015年10月18日

世界で最も裕福な人物は、あらゆる国家元首の計算を除外しているフォーブズのリストにある誰でもなく、何兆ドルもの純資産をもつサウジアラビアのサルマン国王だ。彼は様々な資産の中でも世界最大の石油企業アラムコを所有しているサウジアラビア政府を事実上所有している

アラムコだけでも“1.25兆[7]から、7兆ドルの間[8]の価値があり、世界で最も時価総額の高い企業だ。”同社のウェブサイトにはこうある。“1980年、サウジアラビア政府は、その大半を既に所有していたアラムコの参加型持ち分の100パーセントを取得する”。1933年以来、サウジ王家のパートナーは、アラムコを設立したシェブロン社、スタンダード・オイル・オブ・カリフォルニアだ。

当時それはロックフェラーの会社だった。しかし現在誰が同社を支配しているかは誰にもわからない。2013年の時点で (56ページを参照のこと)、シェブロンの、0.002、つまり02%以上、それぞれ約6%を保有している投資家は二社だけだ。ブラックロックと、ステート・ストリート社の両社が基本的に共同で、両者が合意するあらゆることに関して会社を支配していた。しかし2013年のブラックロックの支配株主は、20.8%を保有するPNCファイナンシャル・サービシズだ。PNCは、それぞれ5%以上を保有する、ウエリントン・マネージメント、ブラックロックとヴァンガード・グループによって共同で支配されている。主要株主のウエリントンは、ブラックロック、ディメンショナル・ファンド・アドヴァイザーズ、ロイス&アソシエーツ、T. ロウプ・ライスと、ウエリントン・マネージメント自身によって、共同で支配されている。ウエリントン・マネージメント等、一部の企業は、その所有者を隠している。こうしたもの全てが‘民主主義’と呼ばれる。(あるいは、少なくとも、ファシスト的“資本主義”だ。)

ところが、私的領地として、政府を支配し、彼の政府はアラムコや他の資産を所有しているのだから、サルマン王がサウジアラビア政府を所有していることは比較的明らかだ。ビル・ゲーツ、カルロス・スリム、ウォーレン・バフェットやアマンシオ・オルテガ等の個人は、それぞれ彼の豊かさの、わずか1/20から、1/50しかない。

公式に示されているサルマン王の個人的な資産は180億ドルだが、フォーブズは、彼をひたすら排除してしまっている。(ブルームバーグの億万長者リストも同じことをしている。) 彼らは世界で最も裕福な人々を怒らせたくないのだ。国を丸ごと強奪することで、とんでもなく裕福になった国家首長は強奪の本当の規模を隠しておきたがるものだ。(更に、富の集中は、人の権力ではなく、主として人の能力を反映するという、基本的な資本主義神話が本当であるふりをするため、連中は犯罪や相続でかき集めた富を低めにする必要があるのだ。しかも国家首長の富はこの両方の産物であることが多い。)

10月14日、イギリスのガーディアン紙、“サウジアラビア: 磔刑の判決を受けたサウジアラビア人男性の母親、オバマに仲裁するよう嘆願”という大見出しで、こう書いた。

“斬首と磔刑による死刑判決を受けたサウジアラビア人抗議行動参加者の母親が、バラク・オバマに、息子の命を救うよう仲裁を嘆願した。外国メディアとの、最初のインタビューで、アリ・モハメド・アル・ニムルの母親ヌスラ・アル-アフメドの主張は世界中で大見出しになったが、予定されている懲罰は残忍で‘極端に後進的だ’と述べた。… 息子は、東沿岸の都市カティフで、スンナ派が多数派の国で、平等な宗教的権利を要求するシーア派抗議行動に参加後しばらくして拘留されたと彼女は述べた。… 逮捕後の面会で、彼女は息子が拷問を受けていたと主張した。‘息子に始めて面会した際は、彼とわかりませんでした。これが本当に息子のアリかどうか私はわかりませんでした。額の傷がはっきり見えました。鼻にも傷がありました。連中が傷をつけたのです。 …彼と話を始めると[彼は私に言いました]尋問中に[彼は]蹴られ、叩かれ、もちろん彼の歯は抜けました … 一カ月間、血尿でした。全身に痛みを感じると息子は言いました。体がすっかり駄目になりました。’”

これが息子が平和的な抗議行動に参加したことに対する罰だ。

アリ・モハメド・アル・ニムルの父親“モハメド・アル・ニムルは、息子は極刑に直面している8人の若者の一人だが、彼は犯したとされることには全く無罪だと主張している”とのべた。父親は同様に、イギリス指導者のデービッド・キャメロンに、息子の命を救うべく公的に圧力をかけるよう嘆願している。ガーディアンは、10月8日、父親がこうのべたと報じた。“息子は全く無罪です。彼は彼に対するあらゆる告訴を否定し、法廷でもそう発言しました。息子は穏やかな人間です。連中は、彼が決しておかしていない犯罪の自供に署名するよう彼に強いたのです。”

これはスンナ派とシーア派政治指導者との間の世界戦争の一環なのだ。アメリカとその傀儡諸国(デービッド・キャメロンのイギリスを含め)は、スンナ派が支配する国々と同盟しており、ロシアと協力している諸国は、シーア派が支配する国々と同盟している。

サウジ王家は世界最大のスンナ派勢力であり、シャー後(1979年後)のイランや、シリア等や、強硬派のスンナ派サウジアラビアに、アメリカ兵器を使って絶え間なく爆撃されている隣国イエメンのシーア派フーシ派等、他の全てのシーア派が支配する国々に対して、彼らは長らくアメリカ合州国と同盟してきた。スンナ派集団アルカイダの元簿記係で、この集団に対する全ての資金援助を集めていた人物によれば、アルカイダへの資金援助のほとんど全てが、主としてサウジ王家だけでなく、他のスンナ派アラブの王家からも送られる数百万ドル規模の寄付だった。そして彼らを信奉するテロリストは、彼らに雇われた傭兵で、原理主義スンナ派の熱狂的信者ではあるが、古代カリフ制のグローバル版、スンナ派帝国をもたらす聖戦の‘義勇’兵をつとめるべく、王家の後援者たちから、たっぷり賃金を貰っている。そのようなテロは、聖戦士にとって、大いに実入りが良いものであり得るし、より大きな見返りの到来が来世に約束されているのだからなおさらだ。

サウジアラビアの公式宗教は、ワッハーブ派、つまりスンナ派のサラフィー主義原理主義イスラム教宗派だ。それは古代のカリフ制国家、つまりスンナ派帝国の復興を、今度は世界レベルで(少なくとも、アフガニスタンやパキスタンのようにアラビアから遥か離れた所まで)目指すイスラム教宗派で、そしてもちろん、サウジ王家は(あらゆる古代の征服により)あらゆるイスラム教徒(スンナ派であれ、それ以外の派であれ)が(コーランの“雌牛”、“アル・バカラ”スーラ(章)、142-143の標準的理解により)毎日のお祈りの際、その方向に向かって頭を下げるよう要求されているメッカを所有している。だからサルマン国王は、アラムコが所有する推計2,500億バレルの石油のみならず、全てのイスラム教徒のためのメッカをも支配しているのだ。そして、もちろん彼は、何十年間にもわたるアメリカ合州国政府による軍事支援にも依存している。

もしオバマ大統領かキャメロン首相が、サルマン国王に、アリ・モハメド・アル・ニムルを斬首しないよう公式に要請したとしたら、今年サルマンが(雇った死刑執行人によって)行う予定の恐らく何百もの他の斬首はどうなるだろう? (2015年、これまで既に百人以上が処刑された。この最新ドキュメンタリーに取り込まれている携帯電話で秘密裏に撮影されたビデオでそうした処刑のいくつかを見ることができるが、ビデオではその罪がサウジアラビア国内のシーア派に対する組織的差別を終わらせようとしたことである青年/男性アリ・モハメド・アル・ニムルも紹介されている。女性の情況や奴隷の窮状についても論じている。) オバマにとって、そのような依頼を公的にすると、彼の(そして特にサウジアラビアの) 反シーア派“アサドは辞任せよ”キャンペーンの妨げになる。結局、2015年9月、アメリカ下院は下記の内容を書いた報告書を発表した。

2011年以来、100か国以上の国々から人々が、シリアとイラクの紛争地域に移動して、現在、史上最大のe聖戦士の世界的集中を我々は目にしている。当初は何人かが、シリアの独裁者バッシャール・アル・アサドを打ち倒すべく、反政府集団に参加するため、この地域に飛行機でやってきたが、“カリフ制”集団の一員となり、圧制的な社会を拡大するよう触発されて、今や大半がイラクとシリアのイスラム国(ISIS)に加わっている。少なくとも4,500人の欧米人を含む25,000人以上の外国人戦士が戦場まで旅をし、イスラム・テロリスト集団に入隊した。アメリカ合州国からの250人以上の連中も、過激派と共に紛争地域で戦うことに参加し、あるいは参加しようとした。

シリアにいる5,000人の外人スンナ派聖戦士はチュニジア出身だ。 これがチュニジアがちょっとした民主主義を自国で確立できるだけの十分な人数をまんまと追い出せた方法だ。二番目に大きな外人部隊である2,275人は、19人の9/11テロリストのうち、15人を出した国、サウジアラビア自身からのものだ。しかし、2,275人の聖戦士がサウジアラビアから集団脱出しても、サウジ王家のワッハブ派信仰は聖戦支持に依拠しているので、サウジアラビアで、民主主義が出現するのには十分ではない。サウジアラビア国民の大半は、ワッハブ主義を世界中に広めることに賛成ではないが、サウド王家はそうなのだ。好都合なことに、アラーの威力を広めるための彼らの戦いは、サウジアラビアの力を広める戦争でもある。(王家は、自分たち以外のサウジアラビア国民には権力を広めていない。) サウド王室は、アラーは王家に味方していると思い込んでいる。結局: 神(とサウド王家が国を征服するのを可能にした略奪)が、連中に2600億バレルの石油を与えたもうたのだ!

これらの戦士連中全員が、中東で最も非宗教的(あるいは非宗派的) 指導者(たとえばアメリカ同盟国のイスラエルより遥かに非宗教的な)バッシャール・アル・アサドを打倒するための戦いをしているのだ。彼のバース党の下で、シリア憲法は常に非イスラム的で、聖戦主義でないばかりではない。宗教と政治は厳格に分けられている。対照的に、サウジアラビアでは、“コーランは、イスラム法(シャリア)に基づいて支配されるサウジアラビアの憲法だと宣言されている。”しかも“いかなる政党も国政選挙も認められておらず[2]エコノミストの2010年度民主主義指数によれば、サウジアラビア政府は、評価された167か国中で七番目に権威主義的な政権だ。” (婉曲的な‘権威主義的’に留意されたい。第二次世界大戦で、我々が自称ファシストと戦った際には、我々は、彼らに対し、代わりに正直な用語“独裁制”を用いた。サウド王家は独裁者だ。)エコノミスト誌は、シリアを五番目に“権威主義的”と評価したが、エコノミストはサウジ王家とも同盟しており、アサドが打倒されるのを願っている。そして、7番目に酷いサウジアラビアは、実際は、雑誌がリストに他のあらゆるあげた同盟国よりも遥かに酷い順位だ。(エコノミストは到底信頼できる情報源ではなく、むしろ支配階級の代弁者だ。)

オバマ大統領は2011年以来一貫して主張してきた。“シリアの未来は、国民によって決定されるべきだが、バッシャール・アル・アサド大統領が邪魔をしている。自国民を投獄し、拷問し、虐殺しながらの、彼の対話と改革の呼びかけは空々しく聞こえる。我々は一貫して、アサド大統領は民主的移行を率いるか、退くべきかだと言ってきた。彼は率いていない。シリア国民のために、アサド大統領が辞職すべき時が来たのだ。”我が大統領が、それ程“シリア国民”のことを気にかけ、サウジアラビアのような政権で置き換えようとして、シリア政権を爆撃しているのを知るのは何とも素晴らしいことだ。星条旗は世界中で実に誇らしげにはためいている。(実際はそうではない - 確実に今はそうではない。)

2015年10月2日、オバマはこう述べた。“国民は、政権が子供や村に無差別に、進んで樽爆弾を投下してきたの見ているので圧倒的大多数のシリア国民が拒否している政権に、彼らはてこ入れをしている。”と、彼は厚かましくウソをついた。

欧米の世論調査会社によって、サウジアラビア人や他の戦士による侵略や、アサド軍へのアメリカ爆撃時に行われた、シリアでの世論調査は、一貫して、少なくとも55%のシリア国民が、アサドがシリア指導者であり続けるのを支持していることを示している。サウジアラビアでは、そのような政治世論調査は発表されない。サウジの王家は、そういうものを許さないのだ。しかし、もしそのような世論調査がサウジアラビアで行われれば、サウジアラビアの独裁制の継続を脅かしそうだと見なされた人々は誰でも、いずれすぐさま即座に斬首ことになろう。

こうした類の秩序ある国家を、アメリカ合州国は守ることができるのだ。アメリカ合州国は、2014年2月、ウクライナでの暴力的クーデタすえつけた政権も支持し、クーデターとアメリカが据えつけた政権を受け入れるのを拒否している地域の住民を焼夷弾攻撃することが可能なのだ。(焼夷弾は樽爆弾よりひどい。) 何らかの理由で、こうした物事は、‘わが国の’‘出版・報道の自由’をもってしても、アメリカの政治家や‘報道’機関が語る話題ではない。だから、アメリカ国民にとっては、‘彼らが’‘選んだ’‘民主主義’に関するそのような現実を知らない方が楽なのだ。去る者日々に疎しだ。知らぬが仏だ。このような情況では、国民にとって無知であるほうがより気楽で、アメリカ支配階級は、少なくとも、連中が資金援助する候補者に国民が投票するのに十分な程度に国民が気楽であってほしいと願っている。ジョージ・W・ブッシュが、拷問作業海外でやりたがっていたように、バラク・オバマも、建前上‘民主主義’の恩恵をもたらすため、シリアやリビアやロシア等は“政権転覆”しなければならないと要求しながら、このような政権を権力の座に置いたままにし、斬首等で、アメリカでなくサウジアラビア等、他の国々が名声を汚すことを望んでいる。

アメリカ合州国が最近ホンジュラスやエルサルバドルやグアテマラの国民にもたらした‘民主主義’の恩恵とは一体何だろう? 結果は、リビアやシリアでのアメリカ爆撃作戦による膨大な難民同様、各国からの膨大な難民だ。アメリカと同盟国やその‘報道’機関はアメリカが破壊した国々の難民を非難する。これもこうした‘民主主義’の中で、国民の間で「知らぬが仏」あるいはさらに酷く「欺まんが仏」を推進するのに役だつ。難民問題では、アメリカが引き起こした難民のせいにしている(アメリカとヨーロッパの両方で)。

国際情勢におけるアメリカの堕落は、まん延している。例えば、サウジアラビアに刺激された過激派連中の一部を殺害するというオバマのドローン戦争計画を考えてみよう。これもウソだらけだ。異議を唱えている誠実な主要アメリカ人ジャーナリストの一人の稀な例として、ジェレミー・スケイヒルが10月15日に、ハフィントン・ポストでこう報じた

“ホワイト・ハウスとペンタゴンは、標的殺害計画は正確で、民間人死者は最小限だと誇っている。ところが北東アフガニスタンでの特殊作戦、オペレーション・ヘイメーカーの詳細を記した文書は、2012年1月から2013年2月の間に、アメリカ特殊作戦空爆は、200人以上を殺害したことを示している。もちろん、そのうち狙った標的はわずか35人だった。ある5ヶ月間の作戦期間中、文書によれば、空爆で殺害された人々の約90パーセントが狙った標的ではなかった。” (ところが、こうしたことを知りながらも、オバマは無人機計画を継続している。)

オバマは主に、サウジアラビアが立ち上げたタリバン(彼らは“ムジャヒディン”と呼ばれ、兵器をアメリカに供給されて始まった)のために現地で支援をしている。 自分たちの家族を殺している敵に対する(つまりアメリカに対する)戦いを支持するように追いやるこうしたアメリカ無人機攻撃で、タリバンは無辜の家族を失った村人たちから支持を得ている。タリバンは実際、時に王家の人間が、彼らに手控えるよう説得するのを助けるべく招かれたりしている、サウド王家の同盟者だ。(そして、他の例は、ここにある)。実際、

“1990年代中期の始め、ソ連後のアフガニスタン指導部に対する代理部隊として機能するよう、リヤドはタリバンの勃興促進を支援した。しかしサウジアラビアは、イランに対抗すべく、過激派イスラム教戦士も支援していた。”

だから、アメリカ政府は、アメリカ軍が、主としてイスラム教聖戦士の脅威に対して(ロシアに対してではなく)注力していると、国民を欺こうとしていると同時に、アメリカの政策は、実際は(イスラム教聖戦士を支援する)サウジアラビアの敵に対して向けられている。つまり主導的シーア派勢力であるイランに対して。そして特に、石油とガス市場で、サウジアラビアの主要な競合相手で、アメリカ支配階級による乗っ取りに、依然抵抗している主要国ロシアに対して。

アメリカによる支持の継続が無ければ、サウド王室は、サウジアラビア国民によって、ムアマル・カダフィや、サダム・フセインや、ニコライ2世やペニート・ムッソリーニが扱われたより遥かにひどい仕打ちを受けているだろう。彼ら自身が、サウジアラビアで、何十年も続いている独裁政治に抗議するあらゆる人々を扱っているのと同じよう仕打ちをうけるだろう。サウド王家が共同で統治してきた、狂信的原理主義者の僧連中は、ましな扱いを受けられるだろうか? 穏健派イスラム教の立場からでさえ、帝国サウジ王家独裁のための世界の警察官アメリカが生み出したものよりも、サウジアラビア打倒の結果のほうが、ましな可能性がある。だが、それはサウジアラビアが核兵器を入手する前に実施される必要がある。

最初に変えられるべきはアメリカ政府、サウジアラビアと強固に結び付いている支配階級による支配だ。アメリカの支配階級(特に全員がサウジアラビアとの同盟で恩恵を受けている三つの最も強力な集団、オイルマネーのウオール街、石油とガスの億万長者と、軍産複合体億万長者)を打倒しなければならない。アメリカ人は、(少なくとも、この三つの集団の)アメリカ支配階級のアメリカ政府に対する力をはぎ取る必要がある。報道機関がアメリカ人に現実を伝え始めない限り、これは実現不可能だ。(例えば、共和党や民主党大統領候補討論会のいずれでも、この途方もない問題や、それに関する候補者の立場も、ほとんど触れられない。これが民主的国家、本当の民主主義を反映しているはずがない。)

不正行為の継続は、破滅的状況しかもたらさない。もし誠実さが今始まらなければ、そのような大惨事が避けられなくなるまで、誠実さは始まるまい。誠実さは今始める必要がある。それはここから始まる。さもなくば永久に始まるまい。

調査ジャーナリスト、歴史研究者のEric Zuesseは新刊「彼らは全然違う: 民主党対 共和党の経済実績、1910-2010」および「キリストの腹話術師:キリスト教を生み出したイベント」と「封建主義、ファシズム、リバタリアニズムと経済学」の著者。

記事原文のurl:http://www.globalresearch.ca/the-saudi-dynasty-key-u-s-ally-tops-the-world-in-barbarism/5482614

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外国に遊びに行き、税金をばらまき偉そうなふりをする方が、臨時国会でTPP売国行為を攻められるよりはるかに楽しいのは誰でもわかる。幼稚園児の言い訳。報道ステーションとNews23は、臨時国会を逃げる買弁政府の行動に触れた。強制的に視聴料を徴集する国営放送ニュース番組は見ていないため、この件で一体何を放送したか知らない。期待する方が無理。金をとってウソを言うなら、オレオレ詐欺犯罪と本質的に変わらないのではあるまいか。そういう連中が、野球賭博やマンション基礎工事詐欺を批判しても、本気では聞けない。

大本営広報部、もっぱら野球賭博と、マンション基礎工事。国家に対する犯罪行為として、戦争法案や、TPPほど卑劣な政策推進はないだろうに。いわゆる、マスコミの価値観は、一体何なのだろう。価値観どころではなく、単なるタイコモチ連中としか思われない。ギャンブルにからんでいるヤクザや暴力団が悪いことを、暗に言及しているが、普通に考えれば、与党こそ、ヤクザや暴力団を遥かに越える悪辣集団だろう、とNEWS WEBを聞きながら思う。

筆者Eric Zuesse氏のご意見、全く正論。ただし、

アメリカ人は、(少なくとも、この三つの集団の)アメリカ支配階級のアメリカ政府に対する力をはぎ取る必要がある。報道機関がアメリカ人に現実を伝え始めない限り、これは実現不可能だ。

太字部分が正しければ、先はないと電気洗脳箱や紙媒体を見て思う。TPPなり、シリア問題なり、もう本当に大本営広報部(自称マスコミ)そのもの。

サウジアラビアという国については関心がないわけではないが、基本的にほとんど何も知らない。ネット記事はいくつか訳している。

サウジアラビア―変わりゆく石油王国』という本を昔購入したが読まないうちに行方不明。

全くあたりばったりで読んだサウジアラビアにまつわるミステリーが面白くて、文字通り寝るのも忘れてしまったことがある。なぜ翻訳がでないのか、いまも不思議に思う。サウジアラビアの秘密警察や監獄やひどい拷問描写に辟易したが迫力ある本だった。感想文をかくのは難しいと思っていたので、書評を翻訳した。

その本の中身は、サウジアラビアについて翻訳した古い記事とも、つながっていた。

最近、安冨歩著『満洲暴走 隠された構造 大豆・満鉄・総力戦』 (角川新書)で、今の日本は満州だという説を拝読して、昔からそう思っていたのは素人の妄想でなかったと安心。安冨歩教授は満州の専門書も書いておられる。日本は満州だというのは、例えば下記翻訳記事末尾にも書いた。

強制的に視聴料をとり洗脳する組織の虚報より、独自情報発信の方が意味があるだろう。

2015年10月19日 (月)

プーチンが、シリアで打ち負かしているのはISISだけではない

F. William Engdahl

2015年10月15日
"NEO"

ロシアと、ウラジーミル・プーチン大統領は、僅か一年ほど前の2014年7月には非武装の民間マレーシア旅客機を東ウクライナ上空で撃ち落としたとして、一片の法医学的証拠も無しに非難され、ヨーロッパと北アメリカで焦点の的だった。ロシアは、ウクライナではなく、ロシア連邦に併合するというクリミア住民住民投票に同意して、ソ連を復活するのだと見なされたのだ。ワシントンとEUの両方から、欧米の経済制裁がロシアに対して課されている。人々は新冷戦について語っている。現在構図は大きく変わりつつある。ドイツやEUの広範な場所で、最近の収容所危機を引き起こしていることを含め、シリアと中東全体で行っている犯罪的行為を暴露されて、現在、守勢にたっているのはワシントンだ。

成人としての生活の大半を、国際政治と経済を研究で過ごしてきた者として、プーチンをアドルフ・ヒトラーになぞらえたヒラリー・クリントンのような連中からの品のない人身攻撃に対して、ウラジーミル・プーチンとロシア政府が示した自制は目ざましいものだと、私は言わざるを得ない。しかし我々の世界を、いわば第三次世界大戦の始まりの瀬戸際から救い出すには単なる自制を超えたものが必要だ。素晴らしい、統制された行動が不可欠なのだ。9月28日、ニューヨークの国連総会でのウラジーミル・プーチン大統領の演説からわずか数日間で、何か途方もないことが起きたのだ。

彼が語った内容はこうだ…

彼とロシアが、演説後すぐに行ったことを、はっきり理解するためには、プーチンの国連総会発言に留意しなければならない。なによりもまず彼は、国連憲章の背後にある国際法の意味するところと、ロシアはシリアにおける行動は国連憲章を徹底的に遵守していることを明らかにした。ロシア、アメリカとは違い、正当なシリア政府に、シリアの対テロ戦争を支援するよう正式に要請されたのだ。

国連代表団や国家元首に向かってプーチンは述べた。“国連で議論されたことが決定されるのは決議の形で採決されるか否かです。外交官的に言えば成立するか成立しないかです。この手順を回避して行われたあらゆる行動は違法で、国連憲章と現代国際法の侵害です。”

彼は続けた。“我々は全員、冷戦終結後、世界に唯一の支配の中心が残ったことを知っており、自分たちがピラミッドの頂上にいることに気づいた人々は、自分たちがこれほど強力で例外的なら、自分たちは、他の連中より、物事をうまくやれる"と考えがちで、彼らを、自動的に承認したり、必要な決定を合法化したりする代わりに、障害を作り出すことが多い、言い換えれば‘邪魔になる’国連を、彼らは考慮に入れる必要がないのです。”
プーチンは、これに、あらゆるものが一つに均質化することによるグローバル化で到来するはずの涅槃を奉じる多くの人々が忌み嫌う話題、国家主権の主題で、ワシントンとNATO政府に対する明瞭なメッセージを続けた。“ここ出席している皆様が触れた単語、国家主権の意味は一体何でしょう?”プーチンは修辞疑問的に言った。“それは基本的には、あらゆる人々、あらゆる国々が、自分たちの将来を自由に選べるという自由を意味します。ちなみに、これはいわゆる国家の正統性の問題とつながっています。人は、言葉遊びをしたり、ごまかしたりしてはいけません。国際法では、国際問題は、あらゆる単語が明確に規定され、透明で、誰によっても同じ意味で解釈されなければなりません。”

プーチンは更に言った。“我々は皆違っており、我々はそれを尊重すべきなのです。国々は、誰かが、唯一の適切なやり方だと宣言した同じ発展モデルに完全に従うよう強制されるべきではありません。我々全員、過去の教訓を覚えておくべきです。たとえば、ソ連が社会的実験を輸出し、イデオロギー的な理由で、他の国々に変化を押しつけた際、悲劇的な結果を招き、進歩ではなく、劣化をもたらすことが多かった我々ソ連の過去の例を我々は覚えています。“

このわずかな言葉が、現在の国際秩序において、根本的に間違っているものを関係に指摘している。国々、何よりも自らを唯一の超大国で、決して誤らない覇権国と主張しているアメリカは、主敵のソ連が1990年に崩壊した後、G.H.W. ブッシュが、1991年9月11日の議会演説で、新世界秩序と呼んだ、グローバル全体主義帝国としか呼びようがないものを作り出すべく傲慢に動きはじめました。国境は重要で、異なる文化、異なる歴史経験の尊重は、平和な世界にとって不可欠だと私は確信しています。これは個々の人間と同様に、国々に対しても当てはまります。過去数十年間のあらゆる戦争の中で、この単純な考え方を、我々は忘れてしまったようです。ウラジーミル・プーチンは我々を思い出させた。

そして、ロシア大統領はことの核心をついた。ワシントンが大嫌いな人物、シリアで正当に選出され、最近も再選されたバッシャール・アル・アサド大統領を攻撃するため、シリアや中東で“穏健派”イスラム教テロリストに武器を供与し、訓練するというオバマ政権の本当の行動を、彼は暴露した。

プーチンは述べた。“他の人々の過ちから学ぶのではなく、過ちを繰り返し、革命を輸出し続ける方を好んでいる人々がいますが、いまそれは“民主的”革命と呼ばれているにすぎません。中東と北アフリカの情況をご覧ください…この地域では、長い間に、問題は山積し、現地の人々は変化を望んでいました。しかし実際の結果は一体何だったでしょう? 改革をもたらすのではなく、政府機構や現地の暮らし方を、積極的介入で軽率に破壊しました。民主主義と進歩ではなく、今あるのは、暴力、貧困、社会的災害と、胎児の生きる権利も含めた人権の完全な無視です。”

ワシントンと、アラブの春として知られている連中のNGOカラー革命に触れた発言で、プーチンは、辛辣に問うた。“この状況を生み出した人々に私は質問せずにはいられません。自分がしでかしたことを理解しているのでしょうか?“

プーチンは、具体的に名前はあげずに、テロ組織に対して経済制裁を行うアメリカ財務省の先進的な新部局は、一例だけあげれば、彼らの石油販売をトルコ大統領自身の家族が手助けしているといった、ISIS資金源を完全に無視している奇妙な特異さを的確に指摘して、ISISを生み出す上でのアメリカとNATOの役割に触れた。ロシア大統領は述べた。“…「イスラム国」そのものは、突然ふってわいたわけではありません。当初、好ましからぬ非宗教的政権に対する武器として、育成されたのです。シリアとイラクの一部で支配を確立した後、「イスラム国」は今や積極的に他の地域へと拡大しています。彼らは、イスラム世界や、更にその外部の支配を目指しています…情況は極めて危険です。こうした情況において、テロの脅威について宣言しながら、同時に、麻薬密輸や、違法な石油貿易や武器貿易からの収入を含め、テロリストに資金提供し、支援するのに使われているチャンネルを見て見ないふりをするのは、偽善で無責任です。

そして、プーチンが行っていることは…

ロシアは、過去数週間、極悪非道な連中を完全に出し抜いているが、シリアでのみならず、中東全体でも、そして今やEUで、難民の洪水を解き放ったオバマ政権の狙いは実に極悪非道だ。9月30日のニューヨークでの会談で、ISISを打ち負かすことで協力することへの参加を、オバマに率直に呼びかけた。シリア戦争担当のクリスティーン・ワーマス国防次官が、現在ISISを打破する上でのアサドの不可欠な役割に関するロシアの発言を裏付けている事実にもかかわらず、オバマは、かたくなに、まずアサドが辞任すべきだと主張した。彼女はアメリカ上院で アサド軍は“依然かなりの力を”維持していると述べ、“依然、現地で最も強力な軍事勢力だ。現在の評価は、この政権は、崩壊の危機に直面してはいないというものだ”とも語った。

全米民主主義基金により、アメリカが支援するNGO、民主的革命を輸出する国際共和研究所の所長で、常に戦争の用意ができているジョン・マケイン上院議員等のネオコン主戦論者が抗議で大反対している。オバマ大統領の軟弱な抗議が聞こえる。これはワシントンが、シリアで正当に選挙で選ばれた国家指導者や政府に対するテロリストを支援していることで、世界中の監視の対象に徹底的にさらされていることを理解しているためだ。アメリカの主戦論者連中は、ロシアが“穏健反政府派”や一般市民を攻撃しているといって非難している。

王様の新しい服

ロシアのプーチンは、1837年のハンス・クリスチャン・アンデルセンの古典童話『王様の新しい服』の男の子役を、実に上品に、優雅とまで言えるほどに演じているのだ。うぬぼれの強い王様の宮殿バルコニー前で、何千人もの村人の群衆中で男の子が母親とならんで立っていると、常識を失った王様が新調した素晴らしい服一式を着ていると思い込み、バルコニーに裸で登場して、気取って歩いた。少年は叫んで、王様の服が素晴らしいふりをしている卑屈な国民全員を当惑させた。“母さん、王様は裸だよ!”

私が言いたいのは一体何か? シリア国内の選定した目標に対する最初の四日間の精密照準爆撃で、ロシアの先進的戦闘機が発射したKh-29L空対地レーザー誘導ミサイルは、標的に、2メートルの精度で命中し、主要なISIS司令センターや弾薬庫や、重要インフラを破壊することに成功した。ロシア国防省の写真入り公式報告によれば、Su-34爆撃機が、2014年8月、壮絶な戦いの後で確保された極めて重要なISIS前哨基地である、アル-ラッカ州アル-タブカ近くのISIS特別訓練キャンプと弾薬庫を攻撃した。“弾薬庫が爆発した結果、テロリスト訓練キャンプは完全に破壊された”とロシア国防省広報担当官は述べた。ロシアSu-25戦闘機は、シリア、イドリブの「イスラム国」訓練キャンプを攻撃し、爆発物ベルト製造作業所を破壊した。

モスクワは、ロシア空軍が“違法武装集団の3つの弾薬、燃料および兵器庫を破壊した。KAB-500飛行爆弾は、弾薬と武器を爆発させ”、彼らは、ISIS武装集団の四カ所の指揮所を破壊するのにBETAB-500コンクリート貫通爆弾を使用した。テロリストの施設は完全に破壊された”とモスクワの広報担当官は述べた。過去24時間で、ロシア航空機は20回の飛行を行い「イスラム国」(ISIL) テロ集団施設に対し、10回の空爆を行った。更に、モスクワは、アルカイダ系列のアル・ヌスラ戦線等、他のテロ集団の主要前哨基地も攻撃したは発表した。

マケインやワシントンの主戦派は、このいわゆる“穏健派”に関して嘆き悲しんでいる。ワシントンは、“新”シリア軍(NSF)と呼ばれるものを作り出しているが、それは婉曲的に“反政府派”と呼ばれる“穏健派”テロリストで構成されていると彼らは主張している。徴募の会話が一体どのように行われるか想像願いたい。CIA新兵募集係“モハメッド、君は穏健派イスラム主義者か? もちろんです、CIA募集係さん。冷酷な独裁者アサドやISISとの戦いのため、私を採用し、訓練し、武器をください。私はあなたの側です。本当です…”

9月末に、アナス・オバイド少佐、別名アブ・ザイドが、トルコでのCIA訓練を修了後、訓練し、装備を与える計画から寝返り、即座にシリアに入るアル・ヌスラ戦線(シリアのアルカイダ)に加わったことが報じられた。信じられないことだが、アメリカ当局は、ワシントンは、シリアに入国してしまった後は、手先の聖戦士を追跡したり、指揮統制したりしていないことを認めた。アメリカによって、事前に戦闘技術を訓練された後、寝返ったアブ・ザイドは典型的だ。新シリア軍の他の分子は、9月末、シリア領のアタレブの町に入り、ヌスラに全ての兵器を直接引き渡した。

これら最新の“穏健派”が寝返り、シリア・アルカイダのアル・ヌスラ戦線系列に参加して二週間もしないうちに、アメリカ“対ISIS戦争”のトップ、ロイド・オースティンIII陸軍大将が、上院軍事委員会のシリアに関する公聴会で、年間5,400人の訓練された戦士を生み出す予定のアメリカ軍の計画は、これまでの所、いまも現地に残って、戦闘活動をしているのは、わずか“4人か5人”という結果となっていることを認めた。それ以外は全て、ISISか、アルカイダのアル・ヌスラ戦線、アメリカが支援する“穏健反政府派”や、ISILに加わったのだ。

ロシアの精密照準空爆が実現した成功は、王様の新しい服の醜悪な丸裸の姿の完全な暴露だ。“砂漠をバスケット・シューズを履いて走り回っている過激派の寄せ集め連中”と表現されるISISを破壊するというふれこみで、地球上で最もすさまじいエア・パワーを投入していると一年以上、オバマ政権は主張していた。

奇妙なことに、先週まで、アメリカ爆撃の下、ISISはひたすらその権力の網をシリアとイラクで拡大していた。今や、72時間以内に、ロシア軍はわずか60回の爆撃を行い、72時間で、50以上のISIS標的を攻撃し、ISIS戦闘員を、ロシア国防省の広報担当官が、“パニック”状態というものに追い込み、600人以上が逃亡した。そして、モスクワによれば、戦闘は始まったばかりで、過去三から四ヶ月継続するもの予想しているという。

大いに信用を失ったデービッド・ペトレイアス大将が、オバマの特別ISIS取りまとめ役で、辞任したばかりのジョン・アレン中将と共に、イラクとアフガニスタンでしたように、オバマ政権は、ISISと戦うとされていアルカイダ/アル・ヌスラ戦線のテロリストを訓練しているのだ。アメリカが訓練した“穏健派”テロリストが、現実には、アサドと戦い、ムスリム同胞団によるシリア乗っ取りと、もしそれが成功すれば、世界を大変な暗黒状態に落ちいれる道を開くために準備されていることがもはや、全世界にとって明らかだ。

真実が明らかにされた今、少数のロシア戦闘機の、4日間でのISISに対する目ざましい成功が、アメリカ“反ISIS連合”による一年の成果以上のものを達成し、ワシントンがいい加減な裏表ある行動を取っていることが世界にとっては明らかになった。

ロシアのレーザ誘導Kh-29Lミサイル精密命中で、オバマ政権の偽善的な仮面が吹き飛ばされた。ドイツや他のEU政府が認めているように、ワシントンの強硬な反対に対し、プーチンは、シリア戦争のあらゆる平和的解決において、ロシアが必要不可欠な一部であることを実証している。それは更に、現在のドイツやEUの他の国々における亡命希望者危機に大きく影響する。それはまた、世界平和の展望に関しても大きく影響する。ノルウェー国会のノーベル平和賞委員会は、ジョン・ケリーを検討するより、ウラジーミル・プーチンや、ロシア国防相セルゲイ・ショイグを賞対象に検討したほうが良いかも知れない。

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、オンライン誌“New Eastern Outlook”に独占的に寄稿している。

記事原文のurl:http://journal-neo.org/2015/10/15/putin-is-defeating-more-than-isis-in-syria/
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Paul Craig Roberts氏が、この記事を絶賛しておられることに、翻訳を始めてから、彼のサイトを見て気がついた。至極当然で、驚く理由は皆無。

The Fall Of The Unipower

所要で、早朝から夜まで外出していたので、基礎支柱がひたすら右寄りなため完全倒壊してしまった電気洗脳箱をほとんど見る機会がない一日だった。幸いにも。

全く正論と思うが、twitterで書き込まれたご意見の中に、現首相こそノーベル平和賞を受賞すれば、日本人も目がさめるかも、というような趣旨のものがあった。

ごもっともだが、覚めない人は何があろうと決して覚めない。知人に、わんさかいる。小熊英二氏の最近の論説で「もちろん近隣には、志向が違う人もいる。そうした人とも率直に話せばよい。無理に「中立」を装う必要はない。自己規制で会話もできない社会より、意見が違っても気軽に話せる社会の方がずっと良い。健全な社会、健全な政治は、そんな自己規制を取り払うことから始まる」という正論を拝読した。おっしゃる通り。

しかし、なぜか近隣は志向が違う人だらけ。もちろん、そうした人と率直に話している。結局、口論になる。無理に「中立」を装う意図、始めから皆無。自己規制で会話もできない社会より、意見が違って、喧嘩をしながらでないと話せない社会の方が良い、とはなかなか思えない。

小学校、いや幼稚園時代から、絶対少数派。嫌われものの人生。当たり前だが、幼稚園や、小学校で、異端政治思想で排除されたわけはない。単に、極端に頑固偏屈だっただけ。

体制派に溶け込める性質だったら、どれほど幸せだっただろう。いまごろ優秀な与党党員として、我が世の春を楽しんでいたに違いない。

本題。この記事筆者の毎回の素晴らしい分析に脱帽するが、日本のいわゆる「マスコミ」なるもので彼の記事を拝読した記憶はない。

それでも、筆者本人にインタビューを敢行するジャーナリズムが日本に存在している。

【IWJ特報183・184号発行!】日本を含めたユーラシアの分断をもくろむ「アメリカ帝国」 F.ウィリアム・イングドール氏インタビュー

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