2015年9月30日 (水)

靴を洗いながら走った静岡マラソン

体をかがめて、メダルを首からかけてもらう。
ボランティアの女学生?の方が背が低いからだ。
42km走ったばかりの身体には、キツイ姿勢。
だからと言って大柄な男からかけて欲しくはない。

僕にも1枚!
すっかりあちこちの大会でお馴染みになったフィニッシャータオルを手渡しで受け取る。
今日ほどこのタオルが実用品だと思ったことはない。
続いて、ペットボトルの水をもらう。
すぐに一口飲もうと思ったが、手がかじかみ蓋が開けられない。

みかんをもらう。
だが、かじかむ手で皮を剥き、筋を取る気にはなれない。
すぐ食べられるバナナか、おにぎりがほしかったな。
このみかんは持ち帰り、しばらくお供えしていた。
色は冴えず皮も固い。外観はよくなかったが甘かった。


今回初めて実戦で使ったファイントラック フラッドラッシュスキンメッシュ。
登山家御用達の肌を濡れから守るファーストレイヤー(肌に直接着る)
お陰で水濡れの不快感がなかった。
着ていなかったら、どうなっていたことか。


記録賞の発行ブースは大渋滞。
「16時までやっていますから、着替えを済ませてからお越しいただいても大丈夫です」
アナウンスに従順に従う。
とにかく、早く着替えたい。

「参加者へのご案内」資料で見取り図をみた時から思っていたが、手荷物返却と更衣室の順路が逆だと思う。

●実際の順路
ゴール>女子更衣室>女子手荷物返却>男子更衣室>男子手荷物返却

●希望順路
ゴール>女子手荷物返却>男子手荷物返却>女子更衣室>男子更衣室


特にEブロックは一番端っこで遠い。
待ち構えていたボランティアが僕のナンバー(4桁の数字)をメガホンでがなると、手荷物係のボランティアが遠くからダッシュで持ってきてくれた。
これは一昨年のとくしまマラソンでもそうだったと思う。いい取り組みだ。
各地の大会でも倣ってほしい。


「参加者へのご案内」には、静岡グルメブースが紹介されていた。
この時期は、桜エビの漁がおこなわれている時期。
ゴール会場は清水港に近い。
桜エビのかき揚げを使った料理があったらいいな・・
旅マラソンに出かける前、そんな想像をしていたが、この寒さですっかり忘れていた。
この荒天で店じまいしたらしく、それらしい賑わいは見当たらなかった。


屋内の更衣室は芋を洗う混雑。
どこかの陸上部らしき若者が車座になって語らっている。
その一方で、更衣室に入りきれず廊下で着換えるランナー多数。

ランナーだろうが、サラリーマンだろうが、代議士だろうが、どんな人々にも想像力のない人は居るものだ。
想像力のない人が、違う場面に立つと、他人のバッド・マナーを嘆いている。

Mr.children桜井和寿は「Mr.children Stadium Tour 2015 未完」で「僕は、愛とは想像力だと思う」と言った。
同感である。


更衣室から清水駅は線路をまたぐ高架でつながっていて、とても便利だ。
そのコンコースにも、地べたに座り込むランナーが溢れている。

「参加者へのご案内」にJR清水駅、静岡鉄道新清水駅からのダイヤが掲載されていた。
これは親切だ。
マラソンランナーの帰路のためにJRが清水発の臨時便を出していた。


ぷらっとこだまの飲み物をもらいホームで待つ。
復路はN700X番台(X13)がきた。
往路と同様、復路もD席(2人掛けの廊下側)にはマナーの悪いおじさん。
どうだ見てくれ!と言わんばかりに大股を開いている。
でかい態度したいならグリーンに乗れ。


完走者:9,035人
完走率89%
気温:8度~10度
雨で体が濡れるため、体感温度はさらに低かった。
身体がムリをしないため、心拍数が一度もレッドゾーンに入らなかった。

これでもう4年4大会つづけて自己ベストが出ていない。
来年こそ自己ベスト出さなければ。


翌日、CW-X 柔流 ファイントラックを手洗い。
靴を洗おうと思ったが、湿っているもののキレイそのもの。
雨で靴を洗いながら走っていたようなものだからか。

(おわり)

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2015年9月29日 (火)

暗い写真を撮ってくれたオールスポーツのカメラマンに拍手

39km
自己ベスト(PB)ペースを書いたペースブレスレットとの差異は37分。
35kmからの5km、ゾーンに入ったと思った走りだったのだが。。
さらに借金は7分増えている。
勘違いだったのだ・・
過去の失敗レースの終盤にも同じような経験がある。
脳が錯覚するのだ。
その時は、ジャガーのボンネットでダンスしていて、パトカーのサイレンから逃げるような全力疾走だと思っている。
でも実は全然、走れていない。
マラソンを始めた頃は、レース中に「これ以上ムリ」という全力疾走をしたのに、後で集計したら「キロ8分」ということがあった。


40km
オールスポーツ今年の1枚はレース終盤の1枚を購入した。
最終選考の2枚に残したのは、15km安倍川橋を渡って右折したポイント。
直角の右折なので、身体をコーナーの内側に傾けた躍動的フォームが撮れている。

一方、購入した1枚。
路面に雨による水たまりができている。
決め手は、高感度レンズで撮ったとは思えない"暗さ"
これまでの10レースで見た写真のどれよりも暗く、この日の荒天、暗い気持ちを象徴している。
このカメラマンは、この暗さを出すためにあえて絞りを絞った(F値を上げた)のではないか。
絞りを絞るということはシャッタースピードが遅くなり、スポーツ撮影には向かない。
だが、ここでは低速で走っているランナー(僕)をほぼ正面から捉えているので、さほどシャッタースピードを上げる必要がない。

この写真を撮ったカメラマンの絵心に拍手を贈る。


第15給水 最終給水
ここはパス。
雨を飲んでいるわけではないが、さっきからずっと喉は渇いていない。

上清水町の交差点を右折。
この辺りで雨脚が強まる。
なんとか5時間だけは切りたいと頑張ってきたが、エネルギーが尽きる時がきたようだ。


41km
コースが小刻みに曲がっている。
大きな道があるのに、わざわざ路地に入っていく。
距離を調整しているのだろうか。
コース図にはこんなの書いてなかったぞ。

左手に放送局のマスコットらしき着ぐるみと女子アナがいて、ランナーがハイタッチを求めている。
そうだ、今日はまだ一度もハイタッチをしていない。
これまでの9大会でハイタッチをしなかったのは、初マラソンの「荒川市民マラソン(現:板橋Cityマラソン)」だけ。ここで、1人だけでもさせてもらおうと近寄っていく。

前にいた美ジョガー?に続いて僕の番。
マスコット(着ぐるみ)は何処を見ているかわからないが、女子アナが目を逸らしたのはわかった。
とても切ない。
以前にもこういうことがあった。
共通していることは、調光のサングラスをかけ始めて以降ということだ。
どこを見ているかわからないサングラスおじさんと目を合わせるのは、あまり心地よくないことだろう。


42km あと200m
ゴールが見えた。
最後は颯爽に走り抜けようか?
そう思っても、もう体は動かない。
今日はオールスポーツに撮ってもらっていない。
(この時は撮られた実感がなかった)
ゴール撮影でピンで撮ってもらわないと。

前を走っている黒Tシャツの兄ちゃんとの間に、一定の間隔を開ける。
これで僕がピンでファインダーに収まる。
これでよし!と思った時だ。

黒Tシャツ兄ちゃんがグリコポーズ!
*時間切りといった場面でもないのに、なんでやねん。
後で見た写真では、しっかり僕の顔に手がかぶっていた。


これはいかんよ
これはいかんよ
これはいかんよ

3度繰り返した。
「これ」は雨、そして寒さ。
去年の第1回は雨プラス風に見舞われたと聞いた。
静岡マラソンは3月の第一日曜開催。

3月1日~7日、静岡市の天気出現率は概ね「晴れ」
過去統計では荒天の要素が読めない。
だが、気候は変動している。
変動しているからCOPがあるのだ。
荒天が2年続いたということは、来年もその可能性が高い。
2016年の静岡マラソン第3回開催日は、第一日曜日(3月6日)で変わらず。


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2015年9月28日 (月)

マラソン終盤スイッチが入るきっかけ

35km
右腕にはめているペースブレスレットに書いてある、35kmの予定時間からは30分遅れ。
ということは、このままではネットで5時間を超えてしまう。
(ネット=ロスタイムを含まないタイム)

第13給水 給食 スポンジ
ここは第6関門 12時57分に閉まる。
時計が設置されていて、なにかの数字を表示している。
現在時間ではないし、号砲からのグロスでもない。
数字はカウントアップされているので、関門閉鎖までのカウントダウンでもない。
数カ所あるこれらの数字が、何を意味しているのか最後までわからなかった。

あともう7kmしかない。
せめて、最後はいいイメージで終わりたい。


マラソンをやっていると言うと、素人から聞かれる2大質問は

「ランナーズハイはあるのですか?」
「35kmの壁はあるのですか?」

いずれも、ランニング雑誌・書籍で存在が確定したものとして扱われている。
明快な定義はない。
ランナーの能力、感性によってどう考えるかに大きな幅がある。

今日のレースで言えば、全く持って不愉快。
ランナーズハイがあるわけがないし、35kmの壁ではなく雨が強まった25kmが壁だった。

そういうことを詳細に説明すると、めんどくさいやつと思われるので、一見爽やかに「個人差がありますからねぇ」とさだまさしのような受け答えをするのが無難だ。


36km
コースは長かった海べりを終え、なだらかに左に折れる。
そして、楽しみにしていた町中へ。
やはりマラソンは町中がいい。

「絶景を臨むマラソン」を謳い文句にする大会があるが、絶景ということは即ち、走れども走れども景色が変わらないということ。
絶景の場所に人は住んで居ないので、応援は期待できないと言うことだ。

一方、殺風景でも町中はいい。
そこのカドを曲がる度に、気分が変わる。
周辺には人が住んで居るので、家から出てきて応援してくれる。
足腰が弱くて買い物難民になっているおばあちゃんでも、軒先に椅子を出すくらいはできる。

「応援に力をもらう」という言葉は万人のランナーが言い尽くした陳腐な言葉だが、ばかにならない。
それがなければ、失敗レースには救いがない。


36km
コースが土手を降りて右折
「直角の曲がり角」は、ランナーにとって特別な場所だ。
ウォークマンからは「don't look back(BOSTON)」に続いてサザンの「涙をぶっとばせ!!」が流れて来た。
そこで、一気に気合がはいる。それをスイッチとも言う。

ここに来て、今季最高のフォームだ。
頭が揺れない、肘のリードで足が出る。
ゾーンに入った。
なに一つ不安なく、ありたけの力を出す。
今日の意地を見せる時がきた。


37km
小降りになった柳宮通り
次々に先行するランナーを捉えていく。
できれば、誰かに「ナイスラン」と声をかけて欲しい。

37.8km 第14給水
喉は渇いていないが、念のために水はもらう。
それぞれの時間帯に付いているペースランナーはもう行ってしまったのか?
できれば、なんらかの表示で教えて欲しい。


給水所ごとにランナーへ「ピットサイン」を送る[ピットボード」を置く。
表示は「4:00ペースランナーは12時35分通過」
大半のスポーツウォッチは、現在時刻を表示できる。
頑張ればペースランナーに追いつけるとわかれば、それがスイッチになる。


38km
miCoach SMART RUNのデータを見ると、盛り返していたタイムがここから落ちていく。
再び強くなった雨。
せめて5時間以内と思って走ってきたが、あと4kmとして暗算してみるとかなり厳しい。
ここですべての目標を見失ってしまったのだ。
だからといって、投げやりにはならない。
僕はまだファンランナーではない。どんなに遅くても心はシリアス。
もし、ここで「静岡おでん」のエイドが出ていても並ばない。
(橋本環奈のハイタッチだったら並ぶけど)

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2015年9月25日 (金)

レース中「Missing」を歌って心拍数が50下がる

30kmで折り返してからは、風が追っていて走りやすくなった。
寒さも和らいで感じる。
風船の兄さんは給水所でゆっくり休憩に入ったため置き去りにしてきた。
できれば追いついてきて、また僕を引っ張って欲しい。
今、どこだろうか。対面通行のランナーの中に見つからない。
もしかして、すぐ後ろにいるのか。
振り返りたいと言う衝動に駆られるがそれはしない。
なぜだろう。マラソンを走っている時は後ろを振り返る気になれないのだ。
身体に捻りの動作が入ることで、安定している「前進システム」に変化を及ぼすぞ!
そう考えて脳が止めるのだろうか。


31km
ちょうどこのあたりが、同日に行われた「びわこ毎日マラソン」がスタートした頃。
NHKの生中継では、大雨のなか走るランナーが映し出された。
後日、知人からは「びわこの映像をテレビで見たけど、大変だったね」とねぎらいを受けた。

夜のスポーツニュースを見ていると、あるトップ選手が「寒さで身体が動かなくなった」とコメントしていた。
プロでもそうなんだ!
とても救われた気持ちになった。
だが、走っている今、とてもいたたまれない気持ちに包まれている。

右からは先行するランナー
左からは追ってくるランナー
左右2つ流れのランナーとすれ違うマラソンは、恐らくここ静岡マラソンだけではないだろうか。


32km
32.1km第12給水 給食
ここでも大勢のランナーが立ち止まり、バットに入っている何かに手を伸ばしている。
僕はそれには目もくれず、コップだけを1つ指ではさんでかっさらい、ゴミ箱に捨てる。
しばらくいくと風船の兄さんが追い越して行った。
ということは、ペースが落ちていたと言うことだ。
背後にぴたりと着く。
すぐ着けると言うことはやはり、脚は残っているのだ。


33km
折り返しがやってきた。
これであとはゴールの方角に向かって走っていける。
ずっと後ろについてきた風船ペースメーカーに、ここで着くのをやめた。
1度は暖まったかに思われた身体。
東行きはまたも寒くなり、足に力入らなかった。


34km
雪山で遭難したら歌を歌って元気を出すというのを、昔テレビで見たことがある。
もちろんそれはエネルギーの無駄遣いであり、愚策であると後年否定されたのだが、ここで歌を歌うことにした。
それほど意識が低下していたのだ。

ちょうどウォークマンから流れていたのはELLEGARDEN「Missing」
どしゃ降り極寒の状況と対極にある熱い歌だ。
大声を出すと周りに迷惑なので、自分に聞こえるくらいの声、息も絶え絶えに歌う。

その時異変が起きた。
左腕で心拍数をモニタリングしているmiCoach SMART RUNが「80」を表示したのだ。
マラソンを走っているランナーは通常140~160の心拍数で走っている。
直前の表示は130だった。
それが一気に50下がって80。

これは、運動中の心拍数ではない。
咄嗟に命の危険を感じて、歌うのをやめた。
もしお友達にマラソンランナーが居たら、走りながら歌うのはやめた方がいいと伝えて欲しい。

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2015年8月27日 (木)

海辺の150号線でペースメーカーに付く

26km
寒い
体幹の温度はとうに下がっているが、ここにきて手の指に感覚がなくなった。
指がかじかんで動かなくなっては、運動能力に影響がありそうだ。
両手ぐーぱーをして指を動かし、血液を流通させる。

走路は、国道150号線を東北東に向かい一直線にとっている。
海側の2車線を使い、路幅は十分。
路面にひび割れや補修あとが多い。
東名高速を避けた貨物車両がここを使っているのだろう。
車輪がとおる轍は、深くえぐられていて、水たまりができている。
それを避けながら走るのは骨が折れる。
なかなか、まっすぐ走れるコースがないのは辛いところだ。


27km
さっきまではがら空きだった対抗車線にランナーが見え始めた。
いよいよ、ここから静岡マラソン名物「二重折り返し」が始まる。

まず31kmあたりで一度めの折り返し(第3折り返し)
3kmほど戻ったところで再び折り返し(第4折り返し)
従って27km過ぎから31kmあたりまでは、ランナーが3列「S」字型に走っている。

単なる折り返しは、日本中のマラソンコースにあるが、二重折り返しは静岡マラソンだけだろう。
距離を調整するための策とはいえ、ランナーにとってこれほどつまらないものはない。
20km手前から「インター通り」に入り登呂遺跡を回って「大谷放水路西」に出て来れば、この折り返しはしなくても済む。


ここで後ろから頭に風船をつけたランナーが抜いて行った。
数人のランナーがその周りに群がっている。
ペースメーカーなのか?

この情けないレースに、一矢報いるチャンスだ。
とっさに後ろに付いた。
やはり脚は残っている。
なんとか、そのペースに付くことができた。


28km
雨はさっきよりは小降り。逆風もさほどでもない。
だが、身体が動かない。
冬場の寒い時期に練習を積んできたが、こんな土砂降りの日は走らない。
寒さで身体が動かなくなると言う経験を、今ここで初めてしている。
へぇ、身体って寒さで動かないんだぁ
と自嘲して笑うしかない。


29km 
第3折り返しが近づいてきた。
このあたりはアスファルトのでこぼこが均一で走りやすい。
わりと最近、アスファルトを打ち直したのだろう。

29.1kmの第11給水を過ぎるとややのぼり、すぐに折り返し。
長かった10kmにおよぶ海べりが終わる。
待ちに待った折り返しだ。


30km
この5kmで借金は7分も広がり23分。
ペースメーカーについてペースアップしたと思っていたが、それも焼け石に水だったのだ。
もう目標も何もない。
失敗レースだ。
でも、これは失敗なのか?
この気象条件を凌駕する準備をするのは難しいだろう。

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2015年8月26日 (水)

脚は残っている、強まる雨脚が体幹の体温を奪う

21.1km 中間点
予定していたタイムとの差は14分。
自己ベストという今日の目標は完全に見失った。
雨脚が強くなっていることが、行く先を見通せなくさせている。
脚はまだ残っているはずだから、後半に爆発させる場面をつくろうと思えばできるはずだが、この天候条件では様子を見ざるを得ない。


22km
走路左側、コンビニの前に立ち、飴を配っている女性がいる。
左端を走っていたら、もらいたかった。
今回の静岡マラソンでは、走路全体では5回ほど、このような私設エイドを見た。

私設エイドとは、個人がコース脇で飲み物や食べ物をマラソンランナーに私費で振る舞う行為。
厳密にいえば、主催者が用意するもの以外で、競技者へ援助することは禁止であり、私設エイドを禁止する大会もある。静岡マラソンの主催者は、私設エイドに可否の言及していない。


22.8km
第8給水が見えてきたので、ウェストポーチから「アミノダイレクト5500」1包を取り出し口にふくむ。
それをエイドで「水」をもらって流し込む。
この取り組みは今回で4回めになるが、効果についてはさっぱりわからない。
来年にはやめたい取り組み候補の一つである。


23km
徐々に脚が強くなった雨は、ここで土砂降りとなった。
静岡マラソンでは20km~30kmまで海沿いのストレートを東向きに走る。
去年の第1回大会は、ここが逆風になりランナーを苦しめたという。
恐れていた風は、さほど強くはない。
だが、降りしきる雨がランナーの体力を奪っていく。

この程度の風ならば、ペースアップできるぞ!
と思う反面、この雨で身体が冷えている。
無理をするのは危険ではないか?と脳が運動に歯止めをかける。


24km
24.6km 第9給水 2度目の給食
ここでは近隣の名物「石垣いちご」が案内に載っていた。
静岡マラソンは主催者設置のトイレが24か所もある。
これには、公共施設、コンビニ、公園のトイレは含めていない。
「参加者へのご案内」には、トイレがコースの「左」「右」どちらにあるかまで記載されていた。
これまで他の大会では、ここまで親切なのは見たことがない。
どれだけ、トイレにこだわっているのか。

一方、15ある給水所については「左」「右」の表示がない。
これは逆ではないだろうか。


25km
借金はさらに2分広がり16分。
雨脚は変わらない。
大会前に急遽取り寄せたアシックスのポンチョXTG162は、脱ぐことができず着たままだというのに、容赦無く雨が身体を濡らしていく。
トルソー(体幹)部分は完全に冷え切ってしまった。
ファイントラック フラッドラッシュスキンメッシュを着ておいてよかった。


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2015年8月25日 (火)

アンパンマンがんばって~

16km
土手に上がり、川沿いの道を走る。
土手が大好きというマラソンランナーはいないと思う。
10km程度を走る練習ならば、景色がよくて気持ちいい日もあるかも知れない。
だが、レース本番は事情が異なる。
土手には川を通る風が付きもの。追い風ならば願ったりだが、逆風となれば目も当てられない。
長い時間、逆風に向かって走ることはタイムロスであり、下手するとそのレースを失敗に導く致命傷になる。

幸い、この日はほぼ無風で問題なかった。
すぐに土手を離れて東名高速をくぐる。
すると、前を走っていた男性ランナーが、土手から右手の草むらに消えた。
用を足しに行ったと推察される。

マラソンを始めて以来、レース中トイレに行ったことはない。
トイレに並ぶ時間が惜しいから、そういうことがないよう水分摂取量には気を配る。
それもマラソンの一部である。
トイレに並ぶ時間が惜しいから、そこらで済ませるというランナーは、残念ながら静岡にもいた。
競技注意事項に「トイレについて」という項目はあるが、規定外の場所での小用については記載していない。
記載するまでもない常識ということだ。


17.2km
第6給水
ここと35km(第13給水)の2カ所だけにスポンジがある。
ということは資料を見て知っていたが、散乱する四角い塊を見た時は、なぜここに高野豆腐?と思った。


18km
アンパンマンがんばって~
子供の声がかかる。
その声の先を見やるとアンパンマンのかぶり物をつけたランナーだ。
応援の声がかかるのは嬉しい。
呼ばれるのが自分の名前ではなくてもいい。
日常生活で、見知らぬ誰かが「がんばれ~」と応援してくれることはない。
自分をよく知っている家族や上司でさえ「がんばれ~」とは、なかなか言ってくれない。
それは、スポーツ大会に出場する者の特典と言える。

「参加者へのご案内」
競技注意事項 7.競技について
仮装について禁止する。場合によっては競争を中止させることもある。
とある。

どこまでが仮装かは走路監視員の判断ということだが、頭にかぶっているだけというのは許容範囲ということだろう。
全身着ぐるみや、看護師(白衣)のコスプレという、おなじみの仮装はみあたらなかった。
それから、沿道にもそのような仮装応援は身請けなかった。
見ていて楽しい仮装はよいのだが、気持ち悪いものは、走っていて緊張が解けるので極力見ないようにしている。


20km
2時間22分27秒
「自己ベスト」ペースからは12分の遅れ
この5kmでは、さらに借金が2分増えた。
ここで、2つめのジェル「HONEY STINGER Chocolare」
いよいよ、ここから静岡マラソン名物、海沿いのロードレース区間。

21km
第7給水 初めての給食エイド
今回は給食は一切摂らなかった。
静岡おでんのエイドがあることは、後に「ラン×スマ」で中村優がおでん行列に並んでいる映像で初めて知った。
レース中、おでんに並ぶという選択肢は僕にはない。
映像ではたくさんの人が並んでいた。
マラソンを競技と捉えるのが「レースランナー」ならば、彼らはマラソンをレジャーとして楽しむ「ピクニックランナー」である。

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2015年8月16日 (日)

無理をしないのと、根性がないのはどうバランスを取ればいいのか

10km地点では「自己ベスト」予定タイムより6分遅れ。
この5kmもペースは上がらず、さらに借金は1分増えている。
だが、ここは無理をするところではない
そう言い聞かせている。
今日狙うのは「自己ベスト」であり、それを達成するために不可欠なのはネガティブスプリットしかない。
ネガティブスプリットは中間点までの前半より、ゴールまでの後半のタイムがよくなるレース。
過去には2010年長野、2012年佐倉の2度しか経験がない。

ネガティブスプリットはタイムもさることながら、レースを終えた後の質感が違う。
最後まで足が動きナイスランで終えたレースは満足感が大きいし、タイムも付いてくるのだ。

ここまでの5km、設定ペースは6分30秒
ここからゴールまでの設定は一律6分15秒
計算ではこれで自己ベスト。
レース中は難しい計算はできなくなるので、設定タイムは極力シンプルにした。


10.6km
第3給水 ここもパスして先を急ぐ


11km
コースは駿府城巡りを終えて、本通りに入り南西に向かって長い直線
片側2車線と道幅が広い
他のランナーとの間隔も空いて、走りやすくなった。


13.1km
第4給水 グリップ給水ボトルが終了
ここで、ゴミ箱に捨てさせてもらう。


15km
安倍川橋を渡ると右折、コースは海をめざす
片側1車線 JRと新幹線をくぐる

安倍川橋は、オールスポーツ撮影ポイントの一つ
直角にコースが曲がっているので、斜め45度からのフォームが撮れる。
"今回の1枚"を買う時、最終候補まで残したのが、ここでの1枚だった。
写真を見る限り、まだ空はそれほど暗くなっていない。


「自己ベスト」ペースから10分遅れ
この5kmでさらに借金が4分加算されている
10分はきついんじゃないか?
後半に爆発したとしても、10分を詰めるのはキツイ。
それは2012年佐倉で経験した。
あの時も前半をゆるく入り過ぎて、後半は必死の形相で走り続けた。
そして自己ベストまであと少しというところまで挽回したラスト500m
急な坂を前にして脳が、頑張ることを拒否してしまった^^;)

心拍数は上がっていない
余力は十分にある
これでいいんだ

後で考えれば、なんでこれでいいのかわからないが、とにかく気合いは入らなかった。
そういうのを根性がないというのだろうか。
ずっと自問自答しているが、なかなか結論は出ない。


15.2 第5給水
今日は15km、25km、35km で3回の給食を計画してきた。
初めて使う「TOP SPEED」は◎
ベスパのようで摂りやすかった。
「HONEY STINGER Chocolare」は×
まさにチョコレートそのものであり、運動中に摂るには固すぎた。
ジェルを口に含み、もらった水で流し込み、パッケージはゴミ箱に捨てさせてもらう。

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2015年8月15日 (土)

これまで切れたことのない紐が切れる

5km
第二折り返してからは上り。
それほど苦になる上りではない。
公式計時を見ると、予定のペースよりすでに5分ほど遅れが出ている。
今日の目標は「自己ベスト」
予定のペースより遅れるということは、自己ベストが出ないと言うことだ。

スタート直前に摂ったジェル2つによる胸焼けがひどい。
HONEY STINGER GINSTING
HONEY STINGER GOLD

次回はもう少し粘度の低いものを選ばなければ。
ここで、スタート後1つめのジェルを摂る予定だったが見送った。


5.2km
第一給水所をパス
自主的な給水として今回も「グリップ給水ボトル」を左右に1本ずつ持っている。
合計220cc
これにスペシャルドリンク:OS-1 500ccに対してMUSASHI ムサシリプレニッシュを1包溶かしたものを入れている。

第一給水所が5.2kmというのは遅い。
手酌のスタート前給水で水が飲めなかったとすれば、ほとんどのランナーが整列からここまで100分程度、水を口にしていないことになる。
案の定、水を求めるランナーで混んでいる給水所に巻き込まれぬよう、右端にルートをとって直進する。

 
6km
相変わらず、ランナーが肘をぶつけていく
なんとマナーが悪い大会だろうか。
13人くらいの選手にぶつけられた。
こちらは給水ボトルを持っているので、相手の肘にこつんと当たる。
ぶつけたことに気づかない人はいないと思うが、失礼!と詫びたのは2人だけだ。


7km
後ろから、やたらと大きな声で独り言を言っている女性が近づいてきた。
その独り言に聞き覚えがある
追い抜いていく時に確認するとやはりそうだ
右側でカメラマンが併走して絵を押さえている。
BS1の番組「ランスマ」の中村優だ。

ランスマですよね?
となりに並んだ女性ランナーが声をかける。
カメラマンがそちらにカメラを振る
中村優も左手に持っていた小型カメラでその女性を撮る
世の中にはテレビに映りたいと思う人と、そうではない人がいる。
自分は時と場合によりそのどちらでもあるが、レース中にお愛想を言っている場合ではない。
大量に収録した映像の大半が放送で使われないことも知っている。
だったら、ここは避けていこう
"収録中"の一行を右側によけて追い抜き、カメラのフレームから外れた。
この収録の模様は、3月14日、28日の放送で使われた。

デコ・・・
中村優がオフカメラで独り言を言っていたようだったが、もちろん説明しなかった。


8km
第二給水
ここもパス


9km
駿府城公園を一周。
細い道をくねくね曲がる。走りやすい。
高速アスリートにとっては厄介だろうが、低速ランナーにとっては、先が見通せないコースの方が気分が変わって走りやすい。


10km
静岡市立葵小学校前
1つめのジェル(ショッツ・エナジージェル)を摂ろうと、ウェストポーチをまさぐるが、手が入らない。
雨のためポンチョを着ているのを忘れていた。
胸焼けしないのをまず摂りたい
まずはノンカフェインタイプを探すが、なかなか見つからない。
その時、右手のグリップ給水ボトルが落ちた
このまま捨て行こうかという考えが一瞬よぎるが、やはり貴重なスペシャルドリンクをムダにできない。
慌てて拾う
どうして落ちたんだろうとボトルを見やると、紐が切れていた。
3年前のレースで作ったものだったので、紐が疲れていたのだろう。

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2015年8月14日 (金)

静岡マラソンは1万人が限界

8:20
スタート時刻
miCoach SMART RUN(以下MC)の計時はスタートラインで押すことにしている。

0km(スタートライン)
ロスタイムは3分39秒
MCのスイッチを押下
無理のないペースで走り始める。
すると、大量のランナーに抜かれる。
ほとんどのランナーがはじめから6分30秒より速いペースで走り始めている。
皆さん、たいしたものだ。
とてもハイレベルなランナーが多いのか
それとも、マラソンのスタートはコールドスタートするという基本を知らないだけなのか。


1km
5kmまではキロ7分で行くことにしている。
最初のラップは7分27秒
ちょっと遅いけれど、無理していないということはいいことだ。
心拍数は127
落ち着いた入りである。
1.8km「妙見下」で第一折り返し


2km
曇り空 まだ雨は落ちてこない
気温は8度ほど
このまま天気がもてば、それはとてつもない好天だ。
体調は悪くない
スタート50分に摂った「VESPA PRO」のお陰でグリコーゲン温存。
このあたりは脂肪から使ってくれているはず・・
と思うだけで、本当のことがわかるはずがない。

1袋700円+税で2006年2月から値動きがない
ということは初マラソンから10回連続10回めの使用ということになる。
一度も使わなかったことがないので、使わないとどうなるのかわからない。
マラソンのサプリは、大半がそういう類のものだ。



3km
道幅は狭いが、追い抜きをしないならば問題ない
ただし、抜いていく場合、あまりマージンはない。
追い抜いていくランナーが、肘をぶつけていく。
この1kmだけで3回ぶつけられた。

コース幅に対するランナーの人口密度は適性範囲ぎりぎり。
今回の定員は1万人で、出場者は10,169人
この人数で打ち止めにすれば、来年以降もまぁまぁのレースになる。
ところが、どこの大会も「もう少し行けるんじゃないか?」と欲を出して増員する。
その結果、あちこちでトラブルの多い大会になり、評判を落とすのである。

過去に走った大会では、とくしまマラソンはキャパシティを大きく超えており危険な状態だったし、長野マラソンは2010年に走った時(8,500人)は適正だったが、2014年(10,000人)はとても走りづらかった。


4km
序盤は市街地を何度も折り返して距離の帳尻を合わせている。
第二折り返しまで下り
この時点で既にmiCoach SMART RUNと距離表示がずれ始めている。
アディダスmiCoach SMART RUNはGPSの精度が悪い。
これは致命的なレベルだ。
今回、ゴール地点で43.3kmを計測していた。
前回の長野でも1km多かった。

実際に余計に走っているのではないことは、この時点でずれ始めていることでわかる。
この後、実測とのずれは次第に大きくなっていった。
GPS精度が低いと言うことは、リアルタイムペースの精度も低いと言うことだ。

今、どれくらいだろう
とペースをみやると、とんでもないほど速い表示が出ていることがある。
ちょっと遅いな、6分半くらい?と思って見ると、5分30秒だったりするのだ。
大変困るのは、リアルタイムペースはそこそこなのに、1km毎の自動ラップでは遅いと言うことだ。
6分15秒ペースで走っていたと思ったら、ラップは6分45秒だったりする。
これではレースマネジメントができない。
心拍データは見たいが、GPSとしては厳しい。
だからといって、48,000円を投じた時計をあっさり見切るのは切ない。
なんとか改善できないのだろうか。

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