児童が犯罪に巻き込まれるのを防ぐために必要な議論とは
さっきnippon.comを読んでいて、ちょっと困った。
小さな子供が狙われている!—犯罪件数がアップ
http://www.nippon.com/ja/features/h00076/
これ、ミスリードだとまでは言わないんですが、犯罪件数がアップと言いながらも、今回の事件のような殺人はどこにいっちゃったんでしょうか。少年犯罪データベースドアでは、09年までのグラフが掲載されておりますが、殺人については件数としては横ばいになっています。
子どもの犯罪被害データベース
幼児殺人被害統計グラフ
http://kodomo.s58.xrea.com/gsatujin.htm
平成24年度は警察庁のほうで出ております。
平成24年1~12月犯罪統計(確定値)
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001045968&cycode=0
まあ、要するに結論から言えば「昔から幼児は狙われます」という話であって、件数ベースで昔と比べてより重要になったかと言えばデータ上は「昔はもっとひどかったが、いまも犯罪に巻き込まれないようにしたいのであれば充分に子供の安全には家族や地域が目を配るべき」という当たり前の議論になるわけでありまして。
先週、BLOGOSに弾道さんこと団藤保晴氏がうなき稚魚の豊漁報道のトリックを書いておりましたが、このnippon.comの「犯罪件数アップ!」も似たようなアプローチではないでしょうか。
ウナギ削減のウソ、近年稀な豊漁から2割だけ
http://blogos.com/article/94763/
何しろ、今回の女の子殺害事件自体が異常なものであって、一般的な市民生活での安全管理では防ぎようもないところもあるのは事実ですから、そこから牽強付会に日々の暮らしに役立つような教訓はあまり引き出せないんじゃないかなあと思う次第です。
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