椿が落ちた、武士の命が落ちる。
死ぬ前に、
この二つは説明しておきたい。
いくら修行してお免状をいただいても行状が正しくなければ、茶道会から追放である。
いくら財産があろうと身内に有名人がいようと関係ない。
茶名返上は師が、
破門廻状は家元が出す。
それほど意味のあるものなのである。
現代までに実際そうなったことがある。
私も今、茶名返上を迫るお弟子さんがいる。
すべてを調査して、あれから五年修道もなく酒浸りなようではやもおも負えないかとも思うが、
50年のこの道で初めてのこと。
胸が痛む。
教えたのは私。
その反省は深いが、病でなんともしがたい。
今も専門医に相談しながら悩んでいる。
再生できるものなら、
茶名はお家元の一字をいただく、名誉あるもの。
それは親先生、師とつながっているからこそ伝統文化の意味があるのである。