ネットフォーラム
高気密健康住宅
船橋市で工事中の1759坪の３階建みやぎ台南生苑
- uno
- 2014/07/03 07:52
完成現場もさることながら、私は工事中の現場が大好き。
延べ面積が1759坪 (約5816��) という、今まで日本で見た木質構造建築では最大規模。
工事現場というのは、物事を隠しだてすることなく本質を教えてくれる。 だが、私だけで質問を独占するわけにはゆかない。 遠慮しながら聞いた内容を報告したい。
施主は社会福祉法人 南生会。
設計・監理は吉高総合設計コンサルタント。所長の吉高久人氏がツーバイフォーに取り組んだのは10年前から。 しかし、今までに九州をはじみ、四国、首都圏て7つの老人福祉施設を完成させてきており、福祉関係ではトップ的な存在に‥‥。
その所長自らが現場を案内してくれた。
施工は京成建設。 ツーバイフォーでは実績がそれほどないはずだが‥‥と考えていたら、案の定建て方は三井ホームが請け負っていた。
でないと、3階建1759坪のツーバイフォーは、簡単に出来るわけがない。
コメント
ツーバイフォーの３階建となると、外壁は206。
今まで見てきた２階建は204で耐火1時間が取れた。 だが、３階建となると40年も前からアメリカでは206。 そんなアパートの建築現場をいやになるくらい見てきた。
そして、R-2000住宅に取り組んだ日本の代表的な地場ビルダーは、20年以上も前から２階建でも外壁は206に。 そうでないと、必要な1.2〜1.4WというQ値が担保出来なかった。
北洲にしろ、新昭和にしろ、マイスターハウスにしろ‥‥。
これは、何も日本に限ったことではなかった。 北米でも常夏以外の地域は外壁が206に変わってきている。
カナダをはじめデトロイトやシカゴ、シアトルなどでは。
それなのに、今年になって三井ホームがやっと206が標準仕様に。 大げさにPR出来るほどのことではないと思うのだが‥‥。
今までの２階建では、ALC厚は35ミリで良いと聞いてきた。
しかし、船橋の建築現場に置いてあったALC厚は、どうみても50ミリ以上。
自分の不勉強ぶりを晒すことになるが、３階建のの１時間耐火については、その延べ�嵜瑤砲茲辰董，匹譴世韻�ALC厚が必要かは 各自で調べていただきたい。
写真では分かりにくいが、遠景の３階建の外壁に、この厚いALC版が施工されているのが見える。
もう一度最初の全体写真を見てもらいたい。
入口は中央で、大きな片流屋根の空間があって、奥がいずれも３階建の特養だということが良く分かる。
そして、片流れの手前の方は事務所などの管理用で、奥の部分が幅10メートル、奥行き12メートル(？) くらいの集会場として、地域にも開放される予定とか。
これだけの幅の空間は、梁では割高になる。
当然、平行弦トラスを採用したはず。
その点を吉高氏に訊ねたら、「その通り。 三井ホームの千葉工場が、２台あるギャングネール打込み機の１台を、現場へ持込んで加工してくれた」 とのこと。
家へ帰って、資料を見たら、この集会場部分に平行弦トラスを架けている写真を発見。 ただし、必要部分を拡大したのでピンボケに‥‥。ご容赦あれ。
この写真をよく見ると、片流れ屋根の一番手前の管理室部分には根太が入っている。 したがってこの部分のトラスは2.73〜3.64メートルで良いはず。 こんなに密に入れる必要はなし。
中央の廊下部分は、吹抜け空間も可。
そして、一番奥の大集会場には、まさに平行弦トラス掛けが行われている最中。 ここには根太が一つもなく、屋根荷重は一切平行弦トラスが受ける。
昔聞いた記憶では、平行弦トラスのセイは、スパンの8％でよかったはず。 もしこの記憶が正しいとするなら、スパンが20メートルだったらトラスのセイは1.6メートル。 10メートルだと80センチでよいはずだから、楽勝もの。
正直言って、私は石膏ボードの２重張りの経験がない。
3〜4階建アパートでは石膏ボードの２枚張りは常識だが、残念ながら経験がないと言うのは弱い。 まして、内壁の1時間耐火だと、15ミリの下張石膏ボードの上に、継ぎ目から火や煙が漏れないように0.05ミリのアルミ箔を施工し、その上に21ミリの強化石膏ボードを施工する。
その作業手間がどれくらいかかるものなのか。
仕上げの強化石膏ボードはどれだけの長さのスクリュークギを、どの程度のピッチで打つべきかを、残念ながら即答出来ない。
この廊下の壁は3X6尺の強化石膏ボードのタテ張り。
そして、上下2尺間隔にボード受材がはいっているようだが、法則性が分からない？
この強化石膏ボードのクギ打ちピッチを見て驚いた。
まさか、スタッドを15センチピッチに入れ、204の平使いのブロッキングを15センチピッチにいれているのだろうか？
これは、とんでもない大きな疑問。
ちょっと呆れて、吉高氏に質問することも出来なくなってしまった。
やはり、ボードを張る前に、スタッド割りはどうなっているか？ ボードの受材はどうなっているのか？
それを、自分の目で確かめるしかない。 しかしツーバイフォーによる特養の建築現場を、都下で探すことは難しい。
私の疑問はしばらく塩漬けにするしかない！
どなたか、分かっている人はいませんか‥‥。
前の写真のクギ打ちピッチの件。 206材を455ピッチに建て、その間に2本の204のスタッドを入れれば、上下、左右に150ピッチのクギ打ちが可能だということを、今になって気が付きました。
それを証明する写真がないかと探していたら、上の206の壁に大きな穴を開けている写真を発見。
これは何の目的で空けられた穴かを聞いていません。驚いたことには、206のスタッドが途中で切られ、206材の平使いがなされていて、それに手すり棒のようなものが取りついている。 不可解なのは部屋側の下部に206を平使いしたものが何枚か取り付けられ、その内側に102のスタッドが取りついている。
これで鉛直強度は支えられるのか？ 何の目的のために開けられた穴なのか？ 何のために部屋側に数枚の206を入れ、廊下側にスタッドを切って206の平使いを入れねばならなかったのか？
どうやら、私も舞い上がっていて、肝心の質問をするのを忘れていました。 面目ありません。
屋内の配管、配ダクト、主要な配線などは、廊下の天井面で行われる。
この天井が1時間耐火で、15ミリの石膏ボード下張りと、アルミ箔を挟んで21ミリの強化石膏ボードだと言う点では構造壁と同じ。
1時間は天井に火が入らないようにしている。
そして、配管やダクト工事が終わると、下がり天井が組まれて、1枚の石膏ボードで仕上げされる。
つまり、いざという時は、20〜25分で下がり天井が抜けて、配管やダクトがいかれてもよい。 本体が焼け落ちないことが最優先。
この考えのために、下がり天井面は各所に点検口が見られる。
１時間耐火のために、クギをどの程度密に打たねばならないか？ その下地作業も踏まえて石膏ボードの２重張りは大変なことだということが、分かった。
それよりも大変なのは、コンセントやスイッチボックスの作成。 今までの12.5ミリの石膏ボードだと簡単に穴を開けることが出来た。
しかし、上の写真のように15ミリと21ミリ、計36のボードとなると、簡単に穴を開けると言う訳にはゆかない。
しかも、本格的に防火対策が必要と言うことになると、一体どのように処置するのか？
質問をしたかったが、あまりに私だけが質問をするのは図々しく感じて、らしくもなく、遠慮をしてしまった。
本当に、とうするのだろうか？
それと、これが防火を兼ねた本格的な配線例だと紹介されたが、経験の乏しい私には、この配線が意味する内容が消化できなかった。
分かったことは、今までの戸建て住宅の知識だけでは、１時間耐火木造はこなせないということ。 とくにドライウォールに関しては、再勉強をする必要があるということ。
もし、この次にCOFIが同じ企画を用意してくれたなら、それまでには勉強しておいて、まともな解説ができるようにしておきます。