そのサイトに最適なWebプロモーションとは?AISASの法則に沿った考察

この記事は約11分で読めます。

とりあえずリニューアル思考の部下と怒る上司

ひとつのWebプロモーションのみに固執して視野が狭くなってしまっていませんか?

こんにちは。Nj-web(@nj_web)です。

リスティング広告やSEO、コンテンツマーケティングなど、Webプロモーションにはさまざまな手法が存在しています。
それぞれの分野に権威と呼ばれるプロが存在しているわけですが、そんな権威に相談しても、うまくいかないケースというのは必ず出てきます。

こうしたケースに陥った時、取れる選択肢として、そのプロモーションを頑張って継続するか、効果がないと見切ってやめてしまうかということがよく考えられることかと思います。
ただ、そういった決断をする前にもう一つ、「他のWebプロモーションと組み合わせてみる」というアプローチも是非考えていただきたいたいのです。

お客様の状態によって必要なアプローチは異なる

突然成約を取りに行って引かれる男性

AISASの法則は、電通が提唱している顧客の購買プロセス。
ある商品を知ったお客様は、買い物をする際に、以下の心理フェーズを経るという考え方です。

  • Attention(注意喚起)
  • Interest(興味関心)
  • Search(検索)
  • Action(購買行動)
  • Share(共有)

Webプロモーションを行う際には、どうしても「Action(購買行動)」を中心に据えて考えてしまうものです。
しかし、お客様の立場から考えると、「Action(購買行動)」に到達する前に、さまざまな心理状態が存在することがわかります。

「Attention(注意喚起)」が必要なお客様に「Action(購買行動)」を求めるプロモーションを提示しても、コンバージョンにつながる場合は確かにあります。
タイミングがバッチリ合っていたり、どうしても必要に駆られているといった場合はこうしたWebプロモーションでも確かにコンバージョンは発生します。

とはいえ、こうしたWebプロモーションは、タイミングがバッチリ合った少数のお客様以外の大多数には響かない、非効率的なプロモーションです。
効率や予算の問題を考えると、それぞれのフェーズに適したWebプロモーションを起用することが重要です。

この記事では、それぞれのフェーズのお客様に対して、どのような手法を用いてアプローチするべきかを考察しています。
タイトルには「AISASの法則に沿って」とさせていただいておりますが、説明の都合で「Attention(注意喚起)」と「Interest(興味関心)」は一緒くたにして考えています。

なので正確には「ASASの法則」になります。
アスアスの法則です。

個人的に語感はこっちの方が好きです(笑)。

Attention(注意喚起)

コイツはスゲェ…

どんな商品・サービスでも、お客様に知ってもらわないことにははじまりません。
道行く人を捕まえて「これ買いませんか?」と話しかけても、タイミングが合えば別ですが、ほとんどの人に無視されてしまうことでしょう。
Webプロモーションは、少なからずコストがかかってくるものですので、「Attention(注意喚起)」から一気に「Action(購買行動)」につなげようとすると費用対効果が合わず、利益を出すのが難しい状況になりがちです。

このフェーズのお客様に対するアプローチとして効果的なのは、「できるだけ多くのお客様に知ってもらう」ということ。
これが、「広告」と呼ばれるものの本来の目的であったはずです。
ですが、簡単に効果計測ができるインターネット広告が登場したことにより、「広告 → 購買」というプロセスを一足飛びに考えてしまうケースが増えたように思います。

認知がほとんどなくブランディングもほとんどできていないような場合、ピンポイントで攻めるというよりは、広く浅く、かつ出来る限り一人の認知に対してコストがかからない手法を取った方が効率的である場合が多いです。

具体的には、以下の様なアプローチが考えられます。

  • ディスプレイ広告
  • Facebook広告/Twitter広告
  • リスティング広告
  • SEO

ディスプレイ広告やSNS広告

ディスプレイ広告やSNSを利用した広告はその他の広告手法と比較して、安い単価で多くの認知を得やすい広告です。
広く浅く認知を集めると言っても、無差別に広告を打ちまくるよりは、ある程度ターゲットを絞った方が費用対効果は高くなりますので、広告費にかけられる予算と相談しながら調整しましょう。

一度のプロモーションでそれなりに高額な費用がかかる紙媒体やテレビCMと比較して、ターゲットを絞ることで費用対効果のコントロールがしやすいことがインターネット広告の大きな特徴です。

ただし、絞り過ぎるとリーチできるユーザーが極端に少なくなってしまうので注意しましょう。
コンテンツでターゲットを絞るのと違い、プロモーションでターゲットを絞るとそもそもターゲット外のお客様との接点が失われてしまいます。

SEOやリスティング広告

一方で、ビッグワードによるSEOやリスティング広告も、多くの認知を集めやすいという特性があります。
ディスプレイ広告と比較すると、次のフェーズに進んでくれる可能性も高い濃いユーザー層を集めやすいというメリットもあります。

また、スモールワードにおいてのリスティング広告やSEOであれば、集められる認知は少ないですが、ビッグワードに比べて遥かに濃いユーザーを集められる場合があります。
予算が極端に少ない場合、認知を集めるのはそこそこに、こうした細かなキーワードを利用して集客するプロモーションが有効となる場合があります。
(知ってもらえるお客様がそもそも少ないので結果が出るのに時間がかかりますし、ある程度経験やセンスが求められるので敷居が高い行為ではあります。)

戦略にもよりますが、スモールワードについては、最初からスモールワードを狙ったサイト設計をすると言うよりは、あくまでもメインとしてビッグワードを狙い、コンテンツの拡充によって結果的にスモールワードも狙える、といった形にした方が効率が良いです。

ただし、ビッグワードにしろスモールワードにしろ、一般的に、ディスプレイ広告と比較すると、一人の認知を集めるためのコストは割高になります。

Search(検索)

キミに決めた!

「Search(検索)」というと、SEOやリスティング広告のことを思い浮かべる方が多いかと思います。
しかし、前述の通り、SEOやリスティング広告はその前の段階、つまり「Attention(注意喚起)」フェーズのユーザーと親和性が高いプロモーションです。

ここで言う「Search(検索)」では、「Attention(注意喚起)」により認知されていることを前提に、あなたの商品やサービスを直接検索してくれる状態に持っていくことを目的とします。

検索エンジンであれば、商品名・サービス名・会社名など、いわゆる「ブランドワード」「指名検索」を増やすための施策を考えます。
また、「Search(検索)」と言っても、検索エンジンのみならず、お客様のメールボックスやブックマークフォルダから探されることも視野に入れたいところです。

端的に言ってしまえば、あなたの商品・サービスを買う際に、お客様にアクセスしてもらえる状況を作りましょう、ということになります。

これには、「Attention(注意喚起)」の際に、いかに強くお客様の「 Interest(興味関心)」を惹きつけられるか。
また、ファーストコンタクトでブランドネームを覚えてもらえなかったとしても、その後の接触でいかに覚えてもらうか。
こうしたことが重要になってきます。

  • インパクトの強いランディングページでの訴求
  • リマーケティング広告を活用した記憶の定着
  • メールマガジンやSNSによる定期的なお客様との接触
  • 頻繁な更新によるお客様の再来訪の促進

上記のような施策を行うことで、いざお客様が購入したい!と思った時に、スムーズにあなたのサイトに訪れることができるようにしておきましょう。

ちなみに、アフィリエイトの世界では、こうしたブランドネームを利用してSEOやリスティング広告を行うという手法が存在します。
私も一時期実践していたことがあるのですが、アクセスは非常に少ないものの、コンバージョンレートは10%を超えるものも出てくるというケースがザラにあります。

現在はリスティング広告でブランドネームを扱うことが禁止されていたり、SEOにおいても同じような手法をとるサイトマスターが急増したためなかなか上位表示できなかったりなど、ハードルの高い手法となりつつありますが。

とはいえ、このアフィリエイトの例からも、ブランドネームによって検索される状態を作り出すことが、いかに商品購買につながる重要な施策であるかということが伺えます。

Action(購買行動)

このサイトめっちゃ使いやすいやん!

「Search(検索)」で述べてきたとおり、ブランドネームで検索してくれたお客様はかなりの確率で商品購買という行動を取ってくれます。
ただ、そこで問題になるのが、サイトが使いづらかったり、説明が不十分であるため不信感を抱いて離脱していまうということ。

  • 購入に至るプロセスをわかりやすく明示すること
  • EFO(エントリーフォーム最適化)で使いやすいフォームに
  • 商品・サービスについての説明、FAQを充実させお客様の不安を取り除く

こうしたことを徹底し、せっかく指名検索してくれたお客様を逃がさないようにしましょう。

逆に言うと、ここまでの「Attention(注意喚起)」「Search(検索)」がちゃんとできていないのに、サイトの使いやすさを改善しても効果が薄いことがほとんどです。
こうした施策は、既に知名度があり、購入を検討しているユーザーが多く集まっているサイトであれば、コンバージョンレートの劇的な改善が見込める施策であることは間違いありません。
ですが、そうでない場合はまずその前の集客の面を見直すことをおすすめします。

また、指名検索をされたとしても、競合他社のサービスと比較されて購買に至らなかったというケースもありますが、これは商品やサービスの問題である部分が大きいのでここでは割愛します。

Share(共有)

口コミによる共有は効果大!

SNSの台頭によって最近注目されるようになった概念です。
購入してもらったお客様が、口コミやSNSのシェアなどで他のお客様を誘引してくれることで、かなり質の高い「Attention(注意喚起)」を得ることができます。
これは、インターネット上での口コミやSNSのみならず、リアルの世界での口コミも含まれます。

商品やサービスのクオリティが高ければ、自然とこういった「Share(共有)」行動は起こるものですが、Webプロモーションにおいてこのフェーズに移行してもらうためには、以下のような施策が考えられるでしょう。

  • 紹介キャンペーン
  • 口コミを投稿に対して送料無料・QUOカード進呈などのインセンティブを付与する
  • SNSにおいて積極的に活動する

この中でも、インセンティブ付与を前提とした施策は、確かにある程度の効果は見込めますが、お客様が本当におすすめしたいという意思が希薄な場合が多くなりがちです。

そのため、できる限り商品・サービスを購入したユーザーによる自発的な「Share(共有)」を誘発できるように施策を行いたいものです。

「Share(共有)」という行為は、お客様が自分とつながりがある人に自分がおすすめする商品・サービスを紹介するという行為ですから、信頼を勝ち取らない限りあまり効果的なプロモーションには発展しません。

また、商品・サービスの種類によっては、商品・サービスそのものよりも、あなたやあなたが所属する企業の信頼感が重要になるケースも多いです。

常日頃から、SNSを利用してお客様や見込み客と親密なコミュニケーションを取るようにしておけば、こうした「Share(共有)」によるプロモーション効果は高くなることでしょう。

まとめ:その時々に最適なWebプロモーションは何か?を意識しましょう

お客様の状態フェーズそれぞれにおいて、代表的なWebプロモーションを挙げさせていただきましたが、あなたが扱う商品・サービスによって効果が出にくい、もしくはそもそも実行不可能なWebプロモーションであったりする場合もあります。
その商品・プロモーションに割ける予算も限られているというケースも多いことでしょう。
Webプロモーションのソリューションは次々と新しいものが出ていることも考えると、これで正解というようなWebプロモーションは存在せず、商品・サービスごとにアタマに汗をかいて考えるというプロセスが必要不可欠となります。

ただ、ひとつだけ言えることは、Webプロモーションはあるソリューション単体では成果が出にくい活動です。
Webプロモーションを設計するときは、お客様に商品を知ってもらうところから商品の購入、その後の行動までをしっかりと考えて設計する必要があります。
もっと言ってしまえば、商品やサービスを世に出す前の、あなたやあなたの企業の信頼性も重要になります。

この記事では詳しく触れていないのですが、さらに大規模なプロモーションであれば、紙媒体やテレビCMなどのマスメディアと組み合わせることで相乗効果をもたらすことも考えていく必要があるでしょう。

どんなプロモーションを実行する際も、このプロモーションを実施することによって、どんなお客様に向けて、どんな行動を取って欲しいのか、もっと言えばどんな心理状態になってほしいのかを考えながら実行することが重要です。
このことが意識できれば、得意な手法だから、流行の手法だからといったことに左右されず、効果的なプロモーションを実施することができるようになるでしょう。

Facebookページに「いいね!」いただければ、このブログの最新情報をお届けします!