今日の記事はネタバレ注意で~す。
昨年、日本でも公開されたディズニーピクサー映画『インサイド・ヘッド』。
主人公は、11歳のライリーっていう女の子の「5つの感情」なんです。
<ストーリー>
ミネソタの田舎町で明るく幸せに育った少女ライリーは、都会のサンフランシスコに引っ越してきます。新しい生活に慣れようとするライリーを幸せにしようと、彼女の中の司令部では「ヨココビ」「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」の5つの感情が奮闘していました。ところが、ある時、雷がライリーの大切な思い出を悲しい思い出に変えてしまいます。慌てて思い出を元通りにしようとしたヨロコビでしたが、誤ってカナシミと一緒に司令部の外に放り出されてしまいます。ヨロコビは急いで司令部に戻ろうと、ライリーの中を駆け巡るのですが・・・
11歳のライリーちゃん、けなげなんですよ。新しい生活が始まり、お父さんも新しい町で仕事をしようとしてて、お母さんも新しい生活に馴染もうとします。だから「私がグズったりしてちゃいけないわ」ってことで、一生懸命に心の中のヨロコビをフルに動かそうとするんですね。
このヨロコビちゃんは女の子で、黄色いひまわり色。基本的にチアリーダーで、いつも「元気で行こう!」って言ってるんですよ。
でも、カナシミちゃんっていうブルーは、いつも暗くてネガティブなことばかり言ってるんですよ。「こんな町、嫌だわ」とか「友達なんかできないわ」とか。
イカリっていうのは、なぜか中年のサラリーマンで(笑)。怒ってばっかり。
ムカムカちゃんはグリーンで、緑は英語では嫉妬の色なんですね。「嫌だわ」とか、不快の感情。人をうらやんだり。
最後の1人はビビリ。恐怖心なんですね。
この5人がライリーちゃんの感情をコントロールしながら動かしているという設定。
さて、ライリーちゃん、頑張るんだけど、新生活の出だしでつまづいちゃうんですね。
で、それを何とか解決するためにヨロコビちゃんが大冒険するっていうお話なんです。
これ、実話を元にして作られたアニメだそうです。
映画監督が実際に映画会社ピクサーに入社する時に、11歳の娘さんを連れて引っ越してきたのですが、転校した時に溶け込み損なっちゃって。
困った監督は、脳と感情の問題をいろいろ勉強して。で、これをアニメにした方がいいんじゃないか?ってことで、精神医学者とか脳科学者たちのアドバイスを受けながら作ったんですって。
この映画の凄いところは、観てると感情の構造が分かるようになってるんです。
ただ、11歳の女の子とお母さんがこの映画を観たら、お子さんは「この映画って何が何だか全然、わからない!」って言うかも。感情の構造とかって考えたことないでしょうからね。「潜在意識」とか、専門用語も出てきますし。
だから始まる前にお母さんが、主人公の5人は「人の5つ感情(気持ち)」なんだってことを説明して、映画が終わった後にも説明してあげるといいと思います。
「インサイド・ヘッド」ちょっと本編:ライリーの思い出
あと、人格って一つじゃないんだってのも観せてくれます。人格って、会う人とか場所によって変わりますよね。その場所や相手にふさわしく、とかって。
たとえば「ひょうきん」の人格とか出て来るんですが、常に「ひょうきん」だけだったら変な人でしょう? 真面目な人格もあるし、友だちと懇意に話す人格も。そんな人格が「島」という姿で登場します。で、その島、知識とか体験というものを積んでいかないと、みすぼらしいものになっていくんですね。
トラウマなんてのも出てきて、ライリーちゃんもその寸前まで行っちゃたり。
◆ ◆ ◆
なかでも感動したのが、人格形成の中で「悲しみ」が出てくるのですが、心に受けた傷っていうものは、涙でしか治せないものがあるという話。泣きたい時に泣かないと、やっぱりおかしくなっていくんですね。無理に、頑張れ!とか、元気出せ!とかやっても、おかしくなっていっちゃう。
カナシミという感情は、心の傷を治すためにあるんだよ、って描いているんですね。
そして大事なのは、悲しみを克服しようとして、何かの工夫をすることだって。そのためにはイカリもある程度は必要だと。「負けちゃいけない」って気持ちがないと、状況を改善する力がなくなっちゃうから。
そして、カナシミが必要なもう一つの理由として、困っている人とか悩んでいる人、苦しんでいる人、辛い人に対して、悲しみの気持ちがないと、その悲しみが分からない。共感できない。だから傲慢な人間になっちゃって「頑張れよ!お前もできるだろ!」なんて言っちゃったり。
そうじゃなくて、悲しんでいる人にはただ、その人の肩を抱いて、一緒に泣いてあげることの方が大事だと教えます。
悲しんでいる人がいたら、それを自分のことのように悲しむことができるから、差別をなくそうとか、戦争をなくそうとか、貧しさをなくそうっていう気持ちになる。
もう、このあたりは見てて涙ボロボロになっちゃいます・・
邦題ではわからない原題の真のメッセージ
邦題の「インサイド・ヘッド」は、頭(ヘッド)の内側(インサイド)という意味なのですが、英語ではふつう「inside head」という表現はしません。「inside of the head」とかになると思います。だから和製英語だと思うのです。
原題の「Inside Out」は、まったく意味が異なるんですね。「ひっくり返し」「裏返し」「表裏」っていう意味です。それに邦題のヘッド(頭)のインサイド(内側)だと表層的で薄っぺらさを感じますが、決してそんな映画ではありません。作品も「裏返し」「裏表」が重要なテーマになってるんです。
1つは、ライリーちゃんの裏表。
2つ目は、感情の裏表。物語がすすむにつれて、喜びと悲しみは表裏一体とかいうことに気付かせてくれます。
3つ目は、とても哲学的な命題で、「主体は誰なのか」という問題についての裏表。ヨロコビやカナシミって、時に意に反した裏表な行動をとること、ありませんか? どうして感情はそういう行動をとってしまうのか。それは感情が人を動かしている主体なのではなく、主体が別のところにあるからではないのか。
そう。この映画、5つの感情が主体だと思わせておいて、結局のところ、実は主体はライリーの側にあるという、ひっくり返しなんですね。ライリーの理性と感情。これもまた表裏一体。常にinside outし続けているものとして存在していると。
邦題に惑わされず、原題の意味でこの映画を観ると、作品のメッセージがもっと深く読み取れるように思います。
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今日は、大変お世話になっているブロ友さんのお嬢様の、
ちょうど11回目のお誕生日なんです。
その方と、そしてお子さまを育てておられる、すべてのママたちへ
Happy 11th Birthday Girl!
☆*゚ Hope your BIG BRIGHT STAR keeps on shining. HAPPY BIRTHDAY♪ ゚*。☆
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