2016年1月18日の参議院予算委員会で、二次元規制反対派の山田太郎議員が『書籍・雑誌に対する消費税軽減税率が有害図書規制に繋がる懸念』についての質問をしました。実際の質疑のやり取りを文字の形で公開します。
念のため、どうして軽減税率が有害図書規制に繋がるの? という疑問を持った方は、質疑のやり取りを読む前に、以下の記事を参照して下さい。
「激論!クロスファイア」での菅官房長官の軽減税率による有害図書発言-全文 | 参議院議員 山田太郎 公式webサイト
http://taroyamada.jp/?p=8431
この記事を読むと山田議員の考えを知ることができます。
2016年1月18日参議院予算委員会:山田太郎議員の質問の動画
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=23970&type=recorded
(動画の2:48:30付近から有害図書に関する質問が始まります)
山田太郎議員が質疑で使ったパネル資料が、山田議員のHPで公開されています。
併せて参照して下さい。
http://taroyamada.jp/?p=8479
記事について何か問題等あれば、ブログ主のツイッターにご一報下さい→https://twitter.com/YuukiNijino
念のため、どうして軽減税率が有害図書規制に繋がるの? という疑問を持った方は、質疑のやり取りを読む前に、以下の記事を参照して下さい。
「激論!クロスファイア」での菅官房長官の軽減税率による有害図書発言-全文 | 参議院議員 山田太郎 公式webサイト
http://taroyamada.jp/?p=8431
この記事を読むと山田議員の考えを知ることができます。
2016年1月18日参議院予算委員会:山田太郎議員の質問の動画
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/detail.php?ssp=23970&type=recorded
(動画の2:48:30付近から有害図書に関する質問が始まります)
山田太郎議員が質疑で使ったパネル資料が、山田議員のHPで公開されています。
併せて参照して下さい。
http://taroyamada.jp/?p=8479
山田太郎議員
「さて、まずですね、軽減税率に関する質問から行きたいと思っております。ちょっとパネルを見ていただきたいんですが。えー、実は、菅官房長官はですね、えー、さる記者会見、及び、BSの番組で、えー、図書にですね、軽減税率を適用するには、有害図書を指定する必要があると発言されてますが、その真意についてお答えいただけないでしょうか?」
菅内閣官房長官
「えー、まず、書籍、雑誌にかかる軽減税率については、今般の与党税制改正大綱において、『その日常生活における意義、有害図書排除の仕組み、その構築状況等を総合的に勘案しつつ、引き続き検討する』、こういうふうになっています。
今のご質問でありますけれども、私、年末のテレビの番組の中でですね、1つの考え方として、有害図書については、これ、地方自治体、これによって条例で規制している所もありますし、してない所もあります。さらに、これまでの業界の取扱いの慣行。
えー、そうした中でですね、業界の中で自主規制の形で線引きに活用できる全国一律の基準を決めていただきですね。その上で、例えば議員立法等の形できちんと法制化した方がいいんじゃないかという私の考え方を申し上げました。もとより、この表現の自由、これを守ることは極めて重要であるというふうに考えてます。
山田議員
「あのー、まさに、官房長官はですね、一律に線引きは問題があるということも仰られたんですが。例えばですね、長崎県なんかではですね、春画が、あの、有害図書指定されてるんですね。えー、そうなってくると、有害図書というのは誰にとって有害で、また、誰が決めることを念頭に置いているのかと。えーと、非常に難しい問題があると思いますが、この辺りも、官房長官、よろしくお願いします」
菅官房長官
「えー、ですから、私、番組の中で、今申し上げましたようにですね。それは条例が全国一律じゃないわけですから、有害図書に対して。それと同時に、表現の自由、これは極めて重要なものでありますから。いずれにしろですね、この、例えば議員立法の形できちんと法制化するという、も1つだという私の考え方を申し上げた所であります。いずれにしろ、この軽減税率についてのですね、えー、書籍、雑誌、この取扱いについては、先程申し上げましたように与党の税制大綱において…、沿ってですね、これから検討が進めていくんだろうというふうに思っています」
山田議員
「えーと、有害図書と不健全図書というものに関してもちょっと整理する必要があると思うんですが、条例で定められている有害図書または不健全図書というのは、まあ未成年に対して見せないというものなんですよね。で、今回、テイ減税率を雑誌、書籍に、まあそういったものをして幅広く掛けた場合には、まあ成年にまでですね、いわゆる影響が及ぶということだと思いますが、有害図書の概念を、じゃあ成年まで広げるということになるのかどうか。
決してこれはですね、条例を幅広く横並びにしてですね、新たな仕組みを作ろうということとは随分質が違う、ことになると思いますが。その辺り、長官、いかがですか?」
菅官房長官
「まああのー、先程の私の考え方の中でですね、えー、まあ地方自治体によってはそうだと、それと同時に、これはあのー、これまで業界の取扱いの慣行もあるのではないかと、まあ、そういうことも実は申し上げております。いずれにしろ、まあ議員立法のような形で、えー、きちんと法制化することが大事だろうということを申し上げたということであります」
山田議員
「えーとですね、有害図書指定をすると、租税法律主義が、まあ重要な考え方になると思います。あのー、まあ先程から長官の方はですね、議員立法という話もありますが、まあ法律で対処するということになるんですが、これは法制局長官にお聞きしたいんですが、えー、この租税法律主義、どのような原則なのか教えていただけますか?」
横畠内閣法制局長官
「えー、憲法第八十四条は、『あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする』と規定しております。えー、この規定の趣旨は、租税の種類および根拠、納税義務者、課税物件、課税標準および税率といった課税要件並びに徴税手続きを法律で定めることを要するというものであると解されております」
山田太郎議員
「そうするとですね、法律上、有害図書指定というのは出版社等の自主努力ということでは難しいということになると思いますが、その定義を法律に書かないといけないということで、間違いないんでしょうか。長官、もう一度お願いします」
横畠内閣法制局長官
「有害図書排除の仕組みの構築状況等を総合的に勘案しつつ、まあ、引き続き検討すると、いうのが、あのー、与党税制改正大綱の内容であると承知しておりまして、えーまあ、具体的にその、どういう形でその、まあ法律にするのか、なるのか、まあそこの点について、今、この場で、私から申し上げることは、難しいと思っております」
山田議員
「これあのー、まさに菅官房長官が仰ったようにですね、都道府県ごとにも違います。未成年、成年の区分もあると思います。非常にこの定義するのはですね、まあ難しい。誰にとっての有害かって、こういう問題もありますが。これ担当大臣がいらっしゃると思うんですが、あの、どういう形でですね、今後明文化していくことになるのか、そんな辺り、是非教えていただきたいんですが。有害図書指定の担当大臣っていないんですか?」
麻生太郎財務大臣
「あのー、山田先生、ご存じかと思いますけれども、ちょっと昔話で恐縮ですが、当選される前ぐらいに、ポルノコミックを規制する、ポルノコミック規制議連っていうのを作らざるをえんことになって、『お前マンガ詳しいから、お前やれ』って言われて、私、やらされたことあるんですが。ポルノ促進議連の間違いじゃないかって言われて、えらいあっちこっちから色々つつかれながら、テレビでよくやりましたけれども。これ、雑誌社全部呼んで何回もやりました。
結果としてこれはどういうことになったかと言えば、マンガ読まれるかどうかは知りませんが、成人コーナーというのを作りまして、黄色い楕円のマークに黒字で成年(ナルネン)と書いたものを作ると、あそこまでが限度だったんですよ。あれまでが雑誌社と協定して、これ、表現の自由だからものすごくこれはギリギリの話になりますので、これはなかなか難しい話だと思いますんで、今回も新聞と雑誌の話の差が出た時に、雑誌の方はどこを雑誌とするかという規定がない。
おまけにこれは雑誌というものを所管している役所というのは基本的にありませんから、なかなか、今言われた、私どもの申し上げるのは、書籍、雑誌につきましては、これは私どもが、これ税制の話でしかお話ができないということも、ご理解をいただいた上で、これは民間団体と、これ何回もこの話をやったうえの話を申し上げておりますが、いわゆる確認を要件とする仕組みというのはなかなか採用しうるものではな…、に至るまでにはかなりの時間を要する、と思いますし、各団体全部意見が違いますから、すごくものすごく難しいんだと自分で実感しております」
おまけにこれは雑誌というものを所管している役所というのは基本的にありませんから、なかなか、今言われた、私どもの申し上げるのは、書籍、雑誌につきましては、これは私どもが、これ税制の話でしかお話ができないということも、ご理解をいただいた上で、これは民間団体と、これ何回もこの話をやったうえの話を申し上げておりますが、いわゆる確認を要件とする仕組みというのはなかなか採用しうるものではな…、に至るまでにはかなりの時間を要する、と思いますし、各団体全部意見が違いますから、すごくものすごく難しいんだと自分で実感しております」
山田太郎君
「えーと、今、麻生財務大臣が仰ったのは区分陳列の話でありまして、まあ、成人、未成年で分けようという事なんですが、税金の有害図書を指定してしまうと、これはもう成人にも関わるわけなんですよね。そういう意味で、本質的に国家がですね、何をもって有害と決めるのかというのは、非常に表現の自由から見ても私は非常に恐ろしいと思うんですね。
もう一つ気になりますのが、民間団体などが自主的に税区分を決められるのかといった問題もあると思っております。菅官房長官のご発言の中では民間の方でも自主規制をしていただいて云々とあったんですが、ここは重要な問題なので確認しておきたいと思います。租税法律主義の観点、先ほど法制長官からもありましたが、財務大臣としてはですね、えー、これ、民間のほうで税区分を決めることになるというのは問題があるというふうに思わないでしょうか。
麻生財務大臣
「これなかなか難しいと存じますね。あの、しかも、時代とともに変わっていきましてね、多分、山田さん、『チャタレー夫人の恋人』っていう本を読まれてね、これが何で発禁になったか多分あなたには理解できませんよ。しかし、俺たちの世代は、あれは全部発禁だったんだから。あれ、みんな回し読みしたもんですよ。今でも記億ありますね。そういう時代。だから、時代が違ってきてますから、そういったことも勘案して、併せてそういったことも考えないと、なかなか簡単に事は進まぬと思っております」
山田太郎君
「えーと、午前中の時間がこれで終了ということをサイン受けましたんで、午前中、…え? まだありますか? あ、そうですか。じゃあ、一個ですね、もう一つ、えー、出版前に、もしですね、政府機関が書籍の内容を確認して有害図書を指定すると、まあ政府機関における今度は事前の検閲ということにもなる可能性があると思いますが、えー、こういうことは絶対あってはならないと思います。これは総理、大事な問題なのでお答えいただけないですか?」
安倍総理
「まあ、そもそも、これ、えー、検閲はですね、これはできないわけでございますから、それは全くもちろん考えておりません」
山田太郎君
「あ、じゃあ、委員長、えーと、これで午前中の質問を終わりにさせていただきたいと。午後、よろしくお願いします」
【参考リンク】
参議院議員・山田太郎 ニコニコチャンネル
山田太郎議員ツイッター