修理依頼受付を一時STOPします。

 修理依頼件数が20件を超えたため、
           受付を一時保留します。


2015年11月29日

依頼が混み合って、3ヶ月以上の待ち時間となるため、受付を
一時保留(中止)します。再開は、2016年2月以降の予定。
2015/11月末までメールでご依頼くださったものに関しては
予約リストに入れております、


※電話での受付や修理記事に対する質問は
    行っていませんので了解願います。

JF3DRI 西村

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2016年1月 9日 (土)

TR-9000, TR-9300修理

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TR-9300出力メーターの振れが悪い、TR-9000 SSBでの送信音が歪むとのことでお預かりしました。

<TR-9300>
9300_01_2 まずはTR-9300。こちらの方はチェックしたところ出力はきっちり10W出ており、受信感度等も問題ないことを確認。メーターを振らせる調整がズレているのみと判断しました。TR-9300のサービスマニュアルは、なぜだか見つからなかったのでちょっと悩みましたが。

<TR-9000>

9000_02

FMは問題なし。パワーもFM/SSB共にちゃんと出る。なのに、SSBの送信音は何を喋っているのか聞き取れない酷い音
まずは、下流から調べていきました。SSBを作っているIF(10.698MHz)が歪んでいないかを。
ゼネカバのHF機でモニターしてみると正常です。では、144MHz増幅のドライバー段をモニター・・・ダメです、酷い音。次に、Mixerした直後をモニター。これもダメ。バリバリガサガサと声になりません。念のため、ローカルOSC(133MHz帯)をスペアナで見て広がっていないかを確認。大丈夫です。

ここまで来ると、Mixerデバイスが不良であると特定できます。

9000_03 2SK61を使ったバランス型Mixerを採用してありますが、手持にこのFETはありません。一般的な 2SK192A と規格を比較してみたところ、Idssと帰還容量が192Aは少し大きいようですが、交換してみることとしました。
(2SK192AのYランク)

9000_04

結果はOK。
ドライブ段まで音の歪は無くなりました。


9000_01

しかし・・・ファイナルのパワーモジュールを付けて10Wまで増幅すると、歪んでしまいます。ALCや保護回路の誤動作を疑って、調べたのですが問題ありません。
パワーモジュールの不良だと断定しました。入手困難なので、オーナー様より修理STOPで良いとの指示をいただきました。
10Wちゃんと出るのにSSBでは、まともに増幅しない・・・。パワーモジュール不良で、こんな現象初めてですが、パワーモジュール内部のバイアス回路が何らかの理由 (熱ストレス) で断線してしまったと考えられ、リニア増幅じゃなくなったためSSBで音が歪むと思われます。

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2016年1月 1日 (金)

新年のごあいさつ 2016

Nenga

あけましておめでとうございます。
無線のアクティビティは、どんどん下がってしまってますので、今年はもう少しQRVするようにしたいと考えてます。修理のペースも下降気味ですが、失敗せぬよう取り組んで参りますのでよろしくお願いします。
de JF3DRI

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2015年12月26日 (土)

HL-1KFX Power MOS-FET破損交換

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東京ハイパワー HL-1KFX プロテクションが働いてパワーが出ないとのことでお預かりしました。

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送信状態にしたところ、アイドリング電流が全く流れません。また、電圧をチェックしたところ、ゲート電圧がゼロ。Power MOS-FET MRF150が破損しています。

MA/COM製のMRF150が付いており、一度交換した形跡があります。ハンダ付けも怪しく、ショートさせた痕跡もあり、そのあたりが破損につながったのでは?? とめぼしをつけました。破損しているので、交換する必要があります。

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オーナー様がMA/COMのMRF150を手配していただきました。このFETは、MA/COM社やMICROSEMI社がセカンドソースとして製造しているので、入手は割と楽です。

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交換完了。4本中、3本がNGでした。交換するにおいて、取り付けビスのトルク不足な箇所もあったので、やはり、前回の交換に問題が有ったものと思料致します。

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マッチド・クアッドを使った訳ではないので、バイアス電流の設定は重要です。前回の該当機種修理記事にも書いたとおり、このアイドリング電流設定VRは非常にクリチカルで、テクニックを要します。ヘタすると、ドカンと電流が流れ、またFETを破損する可能性もあります。
(回路設計が良くない)

その後、10分間の連続出力テスト、エージングテストなどを実施して完了としました。

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2015年12月19日 (土)

IC-820D 液晶交換・・・だがしかし・・・

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アイコム IC-820D 液晶表示ユニットの交換依頼。オーナーさまがトライされたようですが、途中で断念されたようで、ばらばら状態で届きました。

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最低限の配線をして電源を入れてみたところ、このような状態です。これはダメですね。IC-736と共に、このネガ液晶は劣化しやすいようです。

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同梱されていた、交換用ポジ液晶とフィルターしかし、これが悩む結果となるとはつゆ知らず・・・。

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リボンケーブルの配線やコネクター類が多く、結構やっかい。液晶は、異方導電性ゴムコネクタによって接続されており、ハンダ付けは不要なところはGood

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交換したものの、正常に表示されません。FMモードを選択したのにLSBとか、TONEを入れるとLSBCWとか・・・。
施工失敗、間違ってしまったかと再度分解してみるも問題無し・・・悩みまくり・・・。

サービスマニュアルから部品番号を調べてみると、オーナー様が同梱いただいた液晶は IC-821用 のもので、IC-820とは異なっていて、別のところが表示されてしまうというカラクリでした。 (ワタシは間違っていなかった!)

IC-820用 ⇒ FTD-12525AAH
IC-821用 ⇒ FTD-15518ABH


アイコムには、もうこの液晶のパーツ在庫はありません。周波数は正常表示されるので、オーナー様より、このままの状態でOKの了解を得ました。

820d_04

リボンケーブルの接触不良があり、送信にならないトラブル等がありましたが、なんとか解決。その他、リファレンス周波数のズレがあったので、調整し完了としました。

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2015年12月13日 (日)

JRC NRD-72 受信機周波数変わらず

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JRC 船舶業務用受信機 NRD-72 、ダイヤルを回しても周波数が全く変化しないとのことで修理依頼がありました。

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左のMHzダイヤルはちゃんと変わりますが、全く変化しません。コントロール回路はCPUを使っておらず、4000シリーズのCMOSロジックのみで組んでありました。

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メインダイヤルを回してもロータリエンコーダーからパルスが出ていません。受光素子であるフォトダイオードが不良であることを突き止めましたが、代替品がありません。

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オーナー様と相談し、エンコーダー自体を市販のものと交換することとしました。購入したのはコパル電子の1回転50パルスのもの。A相、B相の出力となっています。

このエンコーダー出力を上記配線図のA点、B点に接続することで、すんなりとUP/DWNするようになりました。形状が異なりますが、オーナー様は金属加工が得意で、ご自分で対応するとのことです。その他、調整できるところは再調整を実施し、完了としました。

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2015年12月 4日 (金)

ミズホMX-7S Sメータ振りきれ

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ミズホ MX-7S ピコ7、修理不能だったIC-732と同一オーナー様のもので、Sメーターが振りきれて受信もできないとのことでお預かりしました。

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過去に一度だけ、ピコシリーズを診たことありますが、挿入部品を非常に高密度で実装してあり、表面実装とは別の意味で修理が難しい機種 (私だけかもしれませんが・・・) です。

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回路を追ったところ、Sメーターは、IF段のデュアルゲートMOS FETのソースを見ているようで、RF出力と切り替え無しに兼ねる巧妙な回路を採用していました。Sメーターのゼロ点調整は、ちゃんと半固定抵抗が付いており、大幅にズレていたようで、調整することでゼロ点に追い込むことができました。特殊な半固定を使っており、これは故障すると代替が難しそうです。

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送信は正常動作しました。再調整しましたが2Wに届かないままですが、このパワー計も小さい出力は数値が信頼できるものではなさそうなので、これぐらいなのかもしれません。

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IC-732 修理不能

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アイコム IC-732 初顔です。特別な理由があって、どうしても修理して欲しいとのオーナー様からの依頼。送信/受信共にできないとのことです。

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外観上は IC-736 と同じなので、該当機種から50MHzを削除したものと思っていたのですが、全くの別物。中身は、IC-721やIC-723に近く、PA部の放熱板も同一でした。挿入部品の基板とチップ部品基板が混在しており、ちょうと移行期だったのでしょうか。海外品番はIC-737らしいです。

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何も受信できないというのはローカル発振が停止またはミキサーに加わっていない・・・とメドを付けて調べてみると、なんとDDSユニットのクロックが発振しておらず、出力もありません。カスタムICが不良であってこのDDSモジュールを交換するしか修理方法は無く、誠に残念ですが、修理不能となってしまいました。

これまで多数の修理をやってきましたが、DDSユニットの不良は初めてです。

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2015年11月28日 (土)

TS-830 2台 整備

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久しぶりの真空管ファイナル機、TS-830V(100W改)とTS-830S、同一オーナー様からの依頼です。TS-830V(100W改)は、WARCバンドの開放に間違ったことを実施し、Sメーターが振れなくなったというもの。まず、こちらから。

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オーナー様も理解しておられたようで、間違って青い線を切ってしまったとのこと。このラインはSメーターのラインでまさにそうでした。
コネクタハウジングからピンを取り出してハンダ付けにて対応。Sメータは振るようになりました。

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汚れがあったので、例のごとく洗浄。

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ファイナルボックスも清掃。こちらは、そんなにホコリが溜まっていませんでした。

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パワーは出るのですが、IPが振りきれる勢い、アイドリング電流は120mAを示している・・・。これは電流計の指示が狂っているとスグに判断できた。ファイナルのカソード-アース間に入っている抵抗で検出しているのですが、5Ω(20Ωx4パラ)の抵抗値が大きくなってしまってます。ソリッド抵抗を外して測定してみると・・・倍以上に。これでは電流計が振り切ってしまいます。金属皮膜抵抗に交換で対応。

その他、ボリュームのガリ、接点接触不良を対策することで、品位の良いTS-830に復活できました。

<TS-830S>

830_10もう1台の TS-830S こちらは、パワーは出るが本体のメーターが全く振れないとのこと。また、バンドスイッチの接触不良もあり整備して欲しいとのことです。

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こちらの方は前者と比較して汚れや、ホコリが酷くファイナルボックス内は、相当なホコリが溜まっていました。特に、冷却ファンのところはすごいことに。ツマミ類、パネル洗浄と共に大掃除となりました

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バンドスイッチの接触不良が酷く、IPAで洗浄しているところ。真っ黒になって汚れがこびり付いてます。

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こちらもIP検出抵抗を測定してみると20Ωであるところが24.4Ωに増大して、これでは正確に測れないので交換しました。ソリッド抵抗はダメですね。

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調整中、急にIPが流れなくなりパワーが出なくなってしまいました。いろいろ調べたところ、ドライバー管の12BY7Aが力尽きたようで、交換すると元通りに。
12BY7Aも結構劣化してしまうことが多いですね。IPが流れないとか、ALCが働かない時はたいていこの真空管が劣化してしまってます。

あとメーターが動かないのは、スイッチ類の接触不良。また、VR類のガリが酷く、洗浄で復活しましたが、ホコリによる皮膜が酷いせいで再発する可能性も無きにしもあらずってところです。

ただ、ホコリまみれだった6146Bは非常に元気で、最初の写真の通りALCが振れるまでドライブするとIPが250mAを超えて130W程度の出力が出てきます。これまで、TS-520, TS-820, TS-830を多数診てきましたが、130Wをマークしたのは初めてです。
まぁ、ほどぼとにしないと、タマの負担が大きくてクタバってしまう可能性が高いですが。

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2015年11月15日 (日)

IC-820D 144MHz送信できない

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ICOM IC-820D  144/430オールモード機。144MHzの送信のみNG、その他はOKとのことでお預かりしました。お初にお目にかかる機種です。

IC-736と共に液晶がNGになるとむ交換パーツが無いため、NGとなると対応が難しい無線機ですね。幸い、この個体は大丈夫のようです。

144MHzの送信のみができないとのことで、144MHzに関わる送信系を調べていくと、クリスタルフィルターを通った後の送信IF信号が欠損してます。それで、IF段を調べると144MHz送信時にあるべき電圧が無いことを確認しました。

マイコンが絡んでいて、回路的には相当複雑・・・。まずは、オールリセットをやってみましたが症状は同じ。JAの送信範囲を超えた場合に送信がインヒビットになる機能が働いているのではないかと、CPUまわりを見てもわかりません。ん?? CPUの不良か・・・だったら私では修理できないなと考えつつも、アタマを冷やして再度回路図を追うと、144MHz PAユニットに送信時のみ電源を供給する配線を発見。そこから逆に回路を辿っていくことで、ようやくCPUからの信号で送信時のIF段の電圧をON/OFFしている場所が特定できました。

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CPUからの信号で、シフトレジスタ―BU4094BFの13番ピンが144MHz, 11番ピンが430MHz選択時にそれぞれHighになることがようやく理解でき、そこをチェックすると、デジトラQ45のベースは144MHz送信でちゃんと5Vとなるのに、出力側が9Vのままで、このデジトラが不良であることをようやく突き止めました。


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チップタイプが手持ちに無いので、挿入タイプに交換。拡大鏡を使っての細かい作業です。

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やっぱり表面実装部品はイヤです。気を使うし目がしょぼしょぼして^^


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その他、リファレンス周波数の再調整(100Hz程度ズレてました)、他の確認をして完了としました。

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2015年11月13日 (金)

TS-600 リストア

600_00 TRIO TS-600 FM受信不能、VFO送信できない周波数がある、SSB/CWパワー少ない、プリアンプ動作せず・・・と多機能不全があるとのことでお預かりしました。長期間保管しておいて、SW ONしたところ動かないということです。

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オーナー様は、愛煙家のようで、全面パネルから内部に渡って、タバコのヤニがこびりついています。これだけ、ヤニが酷いと完全修理ができないかもとまずはおことわりしておいた。とりあえず、ツマミの洗浄。茶色の汁が・・・

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筐体も酷い汚れです。取り外して丸洗い・・・。でも、完璧には取れませんでした。

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例のごとく、VFOもローターのアース不良。分解して接触部分の洗浄です。

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リレー接点も、ヤニが入り込んで接触不良。新品が入手困難なので、接点洗浄。

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FM受信不能なのは、IF基板に大量に使ってある2SC460の劣化。足が真っ黒に腐食してしまってます。交換することで、FMのザー音がばっちりと出てきました。他も併せて、2SC460は14本交換しました

その他・・・

・スイッチ類ほぼ全て接触不良。
・ボリューム類ガリ。
・ジェレレーターユニット調整大幅ズレ。


があり、大規模な補修となりました。ジェネレータユニットのIFT不良が原因と見られることでAMの出力が1W程度しか出ないこととなりましたが、対応不能なため、これで完了とさせていただくこととしました。

愛煙家の方、ご注意ください。内部に煙が入ると、ヤニが接点にこびり付いて接触不良を起こし、トラブル発生の原因となりますんで。

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