ブロウフライ名義で過激な歌詞のソウルやラップ曲を発表してきた重鎮、クラレンス・リードが76歳で亡くなった。
1月17日、末期癌であることがマネージャーによってFacebookで発表された数日後、クラレンス・リードが他界したことが発表された。ソングライターとしてキャリアをスタートしたクラレンス・リードは、マイアミのTK Recordsのメイン・ソングライターの一人として60年代から70年代にかけて、ベティ・ライト、サム&デイヴ、ボビー・バード、グウェン・マクレイ、KC&ザ・サンシャイン・バンドらの曲を手がけたほか、自身もシンガーとして「Nobody But You Babe」などの曲をリリースし、マイアミR&Bサウンドを支えた。ところが彼はそのうち、ヒット曲を下ネタ満載な歌詞に変えたお下劣バージョンを友人のパーティーなどで披露するようになり、70年代初頭にはルチャリブレのマスクとマントを身につけたオルターエゴ、ブロウフライとしてデビューし、ヒット曲を下品にカバーしたアルバム『The Weird World of Blowfly』を自主レーベルWeird Worldからリリースした。その後も、40年に渡って彼はコミカルで露骨に性的な内容の楽曲を発表し続け、カルト的人気を誇ってきた。ブロウフライのダーティーなリリックはその後のヒップホップに影響を与えたのは明白だが、ソウル/ファンク世代のアーティストでいち早くラップという手法を取り入れた人物であるという点でも、ヒップホップの発展において重要な存在である。
ブロウフライはファンへの最期の贈り物として、最終アルバム『77 Rusty Trombones』を完成させており、これは2月にリリース予定。現在、Soundcloudにてストリーミング中。
アイスT、ピート・ロック、スヌープ・ドッグ、レッチリのフリー、フライング・ロータスといったアーティストたちがレジェンドの死を悔やんでいる。
PICK UP