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【大相撲】琴奨菊が全勝ターン 宿敵対策はマエケン体操2016年1月18日 紙面から ◇大相撲初場所<8日目>
(17日・両国国技館) 大関対決で琴奨菊(31)=佐渡ケ嶽=が稀勢の里を寄り切り、全勝を守った。幕内取組で史上最多に並ぶ58度目の対戦で敗れた稀勢の里は3敗目。横綱白鵬(30)=宮城野=も関脇嘉風を寄り切り、自身の持つ最多記録を更新する40度目のストレート勝ち越しとなった。横綱日馬富士は小結勢を上手投げで退け、1敗を堅持。横綱鶴竜は逸ノ城を寄り切り、6勝目を挙げた。大関豪栄道は魁聖の寄りに屈し4敗目。 札止めの館内から大歓声を浴びる琴奨菊の口元が「ヨシッ!」と動いたように見えた。「そういう気持ちでいったからじゃないですか」。自分でも気づかないほどのあふれる気迫でもぎ取った白星だった。 稀勢の里との対戦は武蔵丸−貴ノ浪と並び史上最多タイの58回目。お互いのことは知り尽くしている。この日の朝稽古後は、「もう、出し切るだけ。強いからね。しっかりと対策を練って、それ以上のものを出さないとっていう気持ち」と話していた。 その「対策」ができていた。琴奨菊が今場所よく使う言葉が「接着面」。相手により密着することで、大きな力を伝えるという狙い。そこで取り入れたのが「マエケン体操」だった。プロ野球広島から大リーグのドジャースに移籍した前田健太投手が、ウオーミングアップで取り入れていた運動で、肩甲骨周辺の柔軟性を高めることができる。朝稽古でも行い、この日は出番直前の支度部屋でも肘を曲げた状態でそんきょし、肘が肩の上を通るようにグルグルと回した。 「肩甲骨が柔らかくなるとね、腕を長く使えて密着面が増える」 稀勢の里より横幅のある上半身だけでなく、両腕をうまく密着させて反撃を許さなかった。 2006年初場所の栃東(玉ノ井親方)を最後に10年も遠ざかっている日本出身力士の優勝。そこに最も近い力士と思われていたのが稀勢の里だった。そのことは謙虚に受け止める。 「だって稀勢の里は強いもん。やっぱり打率がいいし、コンスタントに10勝してる。強いから言われる。(自分は)弱いから言われないだけ。明確ですよね」 その「強い」と認める稀勢の里に勝った責任がある。2014年名古屋場所以来、3度目の全勝ターン。ようやく、日本出身力士が賜杯を抱く姿を見ることができるかもしれない。(岸本隆)
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