「真冬の避難所で宿泊」訓練…効果実証
北海道・北見
厳寒期の停電を伴う自然災害を想定した「厳冬期避難所訓練」が17日まで1泊2日の日程で、北海道北見市の日本赤十字北海道看護大であった。東日本大震災でも活用された「段ボールベッド」を使い、防寒の有効性を検証。約90人の参加者の大半がきちんと眠れたといい、効果が実証されたという。
2010年から教官や学生らが冬の災害対応研究の一環として実施。簡易なシェルターを作り、床にアルミマットを敷いて就寝するなど試行を重ねてきたが、参加者からは「床からの冷気でよく眠れない」との声が上がっていた。
このため段ボールベッドの有効性を確認することになり、初日の16日夜、訓練が実施された体育館内で、参加者が手順に従って設営、就寝した。屋外の気温が氷点下10度以下となって冷え込みは厳しかったが、「寒さを感じなかった」と好評だった。
同大の根本昌宏教授(寒冷地防災学)は「有用性は確認できたが、組み立てや運搬に手間がかかり過ぎとの指摘もあった。今回の教訓を生かし、寒冷地の避難所対策を実証、提言したい」と話した。【山田泰雄】