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西アフリカのエボラ出血熱 WHOが終息宣言
1月15日 4時11分

西アフリカのエボラ出血熱 WHOが終息宣言
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西アフリカで過去最悪の規模で感染が拡大したエボラ出血熱について、WHO=世界保健機関は、最も大きな被害を受けたリベリアでも一定の期間、新たな感染が確認されず、2年余りにわたって続いた今回の感染はすべて終息したと発表しました。
エボラ出血熱は、2013年の12月から西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネの3か国を中心に過去最悪の規模で流行し、WHOによりますと、世界全体で1万1300人以上が死亡しました。このうち、死者が4800人余りと最も大きな被害が出たリベリアでは、去年5月、西アフリカの3か国で初めて終息宣言が出されたものの、その後、再び感染が確認され、現地の保健当局などが対応にあたってきました。
スイスのジュネーブに本部を置くWHOのブレナン部長は14日、記者会見し、「リベリアで新たな感染は確認されず、西アフリカでの感染はすべて終息したことを宣言する」と述べ、2年余りにわたって続いてきたエボラ出血熱の感染は、すべて終息したと発表しました。その一方で、WHOは「再発の懸念も依然としてあり、予防や監視態勢の確立が必要だ」として、今後も警戒を緩めないよう求めています。
西アフリカの3か国では医療態勢の立て直しをはじめ、偏見にさらされたり仕事を失ったりした元患者への支援が急務となっており、引き続き国際社会からの支援が必要となっています。

親など失った子ども 2万3000人近くに

エボラ出血熱の終息宣言が出されたことを受けて、ユニセフ=国連児童基金も声明を発表しました。この中で、エボラ出血熱によって親や保護者を失った子どもは、西アフリカの3か国で2万3000人近くに上るとしています。
また、エボラ出血熱から回復した子どもたちは1200人以上いるものの、周りから偏見や差別にさらされることも少なくないと指摘しています。そのうえでユニセフは、緊急事態が収まったあとも、こうした子どもたちに継続的な支援が必要だと訴えています。

国境なき医師団「将来に備えを」

西アフリカでエボラ出血熱の流行が終息したことについて、現地で医療支援を行ってきた国際的なNGO「国境なき医師団」は、得られた教訓を生かして将来、起こりうる新たな感染の拡大に備えるべきだとする声明を発表しました。また、声明では、「感染が拡大した地域に速やかな支援を行うという政治的な意思が欠如していた。エボラ出血熱への対応が制限されていた」と指摘していて、WHO=世界保健機関を始めとした国際社会の対応の遅れが過去最大の感染拡大につながったとしています。さらに、「支援のニーズは依然として残っている」と強調していて、感染が拡大したリベリア、シエラレオネ、ギニアの3か国での活動を今後も続け、元患者の経過を観察する医療機関の支援などを行うとしています。

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