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ビールの出荷量 19年ぶりに増加
1月14日 13時25分

ビールの出荷量 19年ぶりに増加
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価格は高くても味を楽しみたいという消費者を狙って各社が新商品のビールを相次いで投入したことから、去年1年間の「ビール」の出荷量は前の年を0.1%上回り、19年ぶりに増加しました。
大手ビールメーカー各社のまとめによりますと、ビールと発泡酒、それに第3のビールを合わせた「ビール系飲料」の去年1年間の出荷量は537万9519キロリットルで、前の年を0.5%下回り、11年連続で過去最低を更新しました。
一方、発泡酒などに比べて価格の高いビールの出荷量は272万594キロリットルで、前の年を0.1%上回り、19年ぶりにプラスに転じました。
ビールの出荷量が増加したのは、価格が高くても味を楽しみたいという消費者が増えたとして、各社が新しいブランドや、製造方法や原料の一部を変えて味に特徴を持たせた派生商品といった新商品を相次いで投入したりするなど、主力商品の販売を強化したことが主な要因です。
また、ビール系飲料にかかる酒税を巡っては、発泡酒と第3のビールの税率を引き上げる一方で、ビールの税率を引き下げる案などを政府・与党が検討することにしていて、各社が、将来的なビールの値下がりと需要の拡大を見越して販売を強化していることも背景にあります。
ことし、ビール各社は、健康志向を意識した新しいブランドの商品や、主力ブランドから都道府県ごとに味の違う商品を販売する計画で、ビールの販売をさらに強化することにしています。

ことしはビール復権の年に

ビール各社はことし、「ビール復権」を掲げ、発泡酒などに比べて価格の高いビールで新商品を投入するなどして販売計画の増加を見込んでいます。
このうち「サントリービール」は、去年9月、定番の価格帯のビールで29年ぶりの新しいブランド「ザ・モルツ」を立ち上げました。去年の販売実績は当初計画のおよそ1.6倍の324万ケースを販売しました。ことしは730万ケースを販売する計画で、会社の主力ブランドとして定着させたい考えです。
また、「アサヒビール」は、健康志向を意識した消費者をターゲットに新たな需要を取り込むねらいです。ことし3月から、期間限定などの商品を除いて7年ぶりとなる新しいビールのブランドを立ち上げました。「アサヒ ザ・ドリーム」という名前で、発酵技術を高めた結果、市場に流通する標準的なビールより糖質を50%カットしたということです。
「キリンビール」は地域密着を打ち出しています。ことし5月から順次、主力ブランドの「一番搾り」で、47都道府県ごとに味や香りの違うビールを販売します。全国で同一のビールを開発・販売することが当たり前とされてきましたが、コストをかけてでも、地域ごとに特徴のある商品でビールの販売を増やしたい計画です。「キリンビール」の布施孝之社長は「酒税改正の議論の詳しい内容は分からないが、ビールは減税の方向だと聞いている。品質のいいものはきちんと消費してもらえる流れが出てきているので、利益率の高いビールで販売を強化していきたい」と話しています。

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