学生さんが文章を書く際に、よく「こんなサイトを使えば便利」と紹介することがあるのですが、一度まとめて教えてほしいという要望があったので、お気に入りなどに入れて実際に使っているものをまとめました。改めて集めてみると、少ないですね。「こんなの使っているよ」「あれは使わないの?」という情報をお待ちしています。
まずは、作業用・勉強用BGM youtube にたくさんあります。私はカフェの音がするのが好みです。
- 漢字使用率チェッカーhttp://akind.dee.cc/kanjiritsuchk-input.html 「一般的に、漢字の文字数の割合と文章の読みやすさは以下の通りといわれています。20%以下:締りがない文章。30%前後:最も読みやすい文章。40%以上:硬い感じの文章。」ということで、30%前後に調節するときに使います。ちなみに片仮名は10%以下に抑えた方がいいといわれています。
- ちょっとひらがなに直すだけで、文章はこんなにプロっぽくなる
http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/01/tarareba-tips_n_7481856.html 内容はタイトル通り、Twitterで話題を呼んだ たらればさん @tarareba722 のTweetをThe Huffington Postが紹介した記事です。
- 法令における漢字使用等についてhttp://www.clb.go.jp/info/other/houreiniokerukanji.pdf 法令の文章を作成する機会がなくても、1つの目安として参考になります。
- 常用漢字チェッカー http://joyokanji.info/ 常用漢字以外に振り仮名を付けるときなど役立ちます。
- グリフウィキGlyphwiki http://glyphwiki.org/wiki/GlyphWiki:%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8 ややこしい漢字もこれで出てきます(明朝体)。
- 「異字同訓」の漢字の使い分け例(報告)平成26年2月21日文化審議会国語分科会 http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/hokoku/pdf/ijidoukun_140221.pdf 質問の多い異字同訓漢字の使い分けについて、以下のように具体例を挙げて説明しています。
はじまる・はじめ・はじめて・はじめる 105
【初め・初めて】ある期間の早い段階。最初。先の方のもの。
初めはこう思った。秋の初め。年の初め。初めて聞いた話。初めてお目に掛かる。
初めての経験。初めからやり直す。初めの曲の方がいい。
【始まる・始め・始める】開始する。始めたばかりの段階。物事の起こり。主たるもの。
懇親会が始まる。仕事を始める。書き始める。手始め。仕事始め。始めと終わり。
国の始め。人類の始め。校長を始め,教職員一同……*。
* 「校長をはじめ,教職員一同……」などという場合の「はじめ」については,多くの人や物の中で「主たるもの」の意で「始」を当てるが,現在の表記実態としては,仮名で書かれることも多い。
- 外来語の表記 平成3年内閣告示 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19910628002/k19910628002.html
外来語はどんどん増えているので、知りたい具体例がないことも多いですが、目安になります。商品名などサイトがあるものはそれで確認するとよいでしょう。 - 送り仮名の付け方 文部科学省 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k19730618001/k19730618001.html
文化庁バージョンは平成22年の改正の記述あり。http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/okurikana/index.html
- 文化庁 国語に関する世論調査
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/
文化庁が国語(日本語)施策の参考とするため、「現代の社会状況の変化に伴う、日本人の国語意識の現状」について、平成7年(1995年)度から毎年実施している世論調査。調査結果がよくメディアで取り上げられています。 - ことば食堂へようこそ!
http://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kokugo_shisaku/kotoba_shokudo/
「平成12〜24年度に文化庁「国語に関する世論調査」において取り上げた慣用句等に関する調査結果を基にして,コミュニケーション上の齟齬(そご)が生じる場面や,慣用句等の本来の意味,本来とは異なる意味の生まれた背景等を4分前後の動画で紹介しているもの」。全部で20語あり、このURLから動画・台本・文化庁月報に掲載された「言葉のQ&A」のうち取り上げた慣用句等について説明しているバックナンバーを見ることができます。 - 文化庁国語シリーズ
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/series/index.html
ちょっと古いですが、「国語問題問答」(第1集~第6集)で国語に関する世論調査以前の具体例を探せます。第6集に総索引あり。 - みんなの知識 ちょっと便利帳 http://www.benricho.org/
文字や記号などの様々な変換ツールが役立ちます。研究機関によるものではないとのことですので、最終的には自分で確認する必要があります。私は、旧字体(旧漢字)と新字体(新漢字)を相互に変換する http://www.benricho.org/moji_conv/13.html しか使ったことがありませんが、語尾を変換する 《だ調 ⇔ です調》http://www.benricho.org/moji_conv/19.html しきさいじてん・日本にほんの色いろJIS・日本工業規格が「物体色の色名」と規定している慣用色名
http://www.benricho.org/colors/wa.html など、レポートに役立ちそうなものがいろいろ揃っています。
- 少納言 http://www.kotonoha.gr.jp/shonagon/
大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所と文部科学省科学研究費特定領域研究「日本語コーパス」プロジェクトが共同で開発した『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ:Balanced Corpus of Contemporary Written Japanese)のデータを検索できます。中納言は登録が必要ですが、少納言は誰でもすぐ使えます。2つの言葉のうちどちらが一般的かを判断するときに、Googleでどの程度hitするか検索する人が多いようですが、コーパスを使うとより正確に判断することができます。 - テキスト比較ツール difff《デュフフ》ver.6.1 http://difff.jp/
書き直したファイルなど、どこが違っているかわからなくなったときに便利です。使い方を説明した動画 http://togotv.dbcls.jp/20130828.html
もあります。 - 横書き句読点の謎 渡部 善隆
http://yebisu.cc.kyushu-u.ac.jp/~watanabe/RESERCH/MANUSCRIPT/OTHERS/YOKO/ten.pdf 横書きの句読点をどうするか考えるとき、この資料がよくまとまっていて参考になります。
- 公用文作成の要領〔公用文改善の趣旨徹底について〕昭和27年4月4日 内閣閣甲第16号依命通知
http://kokugo.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/sanko/koyobun/pdf/yoryo_ver02.pdf
公用文を書くためのものですが、参考になります。 -
Jess:日本語小論文評価採点システム http://coca.rd.dnc.ac.jp/jess/demoa.html 私はまだ使っていませんが。
- 日本の古本屋 入手しにくい古書はAmazonより安いことが多いです。
明らかな誤用でない限り、それぞれの表現の個性は尊重されるべきですが、より読みやすい文章を書く心がけは大切だと思います。
文化庁の資料などは、数人で1つの書類を作るときなどの基準として用いるとよいでしょう。
国語辞典の付録や編集者のための辞典なども役立ちますが、パソコンを使うと用例の検索が楽で、能率がよくなります。