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独裁政権崩壊から5年 民主化と過激派のジレンマに
1月15日 8時47分

チュニジアで市民が抗議デモによって独裁政権を崩壊に追い込んでから5年がたち、民主化が着実に進む一方で、かつては力で抑え込んできたイスラム過激派が活発化するというジレンマに直面しています。
チュニジアでは1人の若者の焼身自殺をきっかけに広がった抗議デモによって、5年前の1月14日、ベンアリ大統領の独裁政権が崩壊に追い込まれました。この「ジャスミン革命」を成し遂げた日を祝って、首都チュニスでは14日、大勢の市民が国旗を振りながら行進し、民主化をさらに進展させようと誓い合っていました。この日、演説を行ったカイドセブシ大統領は「革命によって国民は『自由』という何より大切なものを得ることができたと実感している」と述べました。
チュニジアは「アラブの春の唯一の成功例」と呼ばれ、民主化の過程で対立する政治勢力に対話を促してきた団体が去年、ノーベル平和賞を受賞するなど、中東の民主化のモデルとして期待が集まっています。
一方で、去年3月と6月にチュニスの博物館と観光地スースのリゾートホテルが襲撃を受けて、日本人を含む多くの観光客が犠牲になったほか、11月には大統領警護隊の12人が殺害されるなど、過激派組織によるテロが頻発しています。チュニジアは民主化の一方で、かつての独裁政権のもとで力で抑え込まれていたイスラム過激派が、混乱する隣国リビアなどでの勢力の拡大に伴って活発化するというジレンマに直面しています。

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