カンブリア宮殿【新たな価値を地方から発信!最新・体験型ビジネスの秘密】 2016.01.14


今夜の舞台は雪景色に包まれた
大沢山温泉という超マイナーな温泉地に予約が取れない超人気の宿がある。
それがここ。
150年前の古民家をリノベーションした
この日やってきたのは女性のグループ。
趣のある玄関を入るとまず目に飛び込んでくるのが…
見上げると…。
古民家の木組みをそのまま残していい雰囲気
部屋に入ると…
わぁ〜!かわいい!
実はここ1つとして同じ部屋がない
そのすべてでコンセプトを変えているという
だがこの宿の本当の人気の秘密はここでしかできない特別な体験にある
こちらは東京から来たカップル
これはスノーシューという歩行具を履いての
春と夏に続いてここに来るのは3度目だという2人。
この体験を楽しみにやってきた
でも油断すると…
こうした四季折々の体験メニューが客の心をつかんでいる
そして冷えた体を温めてくれるのがこの露天風呂
お湯は江戸時代から知られる
絶景が楽しめるこのお風呂…
決して安くはないがハイシーズンには予約が3か月待ちになるという
この大人気の宿を作った仕掛け人がこのご主人
失礼いたします。
非常にバランスのとれた…。
接客も板についている様子だが実はもう一つの顔を持っている
宿から車で15分。
ここがご主人のもう一つの仕事場。
のぞいてみるとなにやら会議中の様子
机の上にはたくさんの写真。
いったいこれは?
岩佐が作っているのは『自遊人』という雑誌
16年前に創刊した
衣食住から健康働き方まで毎号さまざまなテーマを立て特集を組んでいる
例えばこちらは…
のんびり走るローカル線に乗って車窓の風景を眺めたり見知らぬ駅でふらりと降り立って町を散策する楽しさを紹介
そしてこちらは
佃煮発祥の地東京・佃島の老舗や新潟に伝わるのっぺなどを取り上げ郷土料理のある暮らしを提案している
出版不況のなか『自遊人』は固定ファンをつかみ16年で
何のつながりもないようだが岩佐のなかでは明確につながっているという
つまり里山十帖は雑誌というバーチャルなメディアで提案してきた衣食住など十のテーマを実際に体験できる…
里山十帖では実際に稲作を体験してもらうイベントも開いている
実際にやってみると…
あっ…。
結構難しいでしょ
(スタッフ)こういったことは初めてですか?
農業のあとは…
本当においしいご飯の炊き方を教えてもらえる。
こちらは先ほど稲刈りをしたご夫妻
米を炊くための専用の土鍋を使ってまずは
ジュウジュウ吹いたら火を止めて。
ここで蓋の穴に菜箸をさす。
こうすると中に圧力がかかりおいしくなるそうだ
5分ほど経ったら蓋を取って更に中蓋を取る
この瞬間が「煮えばな」と呼ばれるご飯のゴールデンタイム。
混ぜずに真ん中だけをすばやくすくうと…
ご飯のおいしさがいちばん感じられるそうですが…
食の体験はお米だけじゃない。
料理長は京都の三ツ星料亭出身。
彼が作る夕食はこの地の食の豊かさが体験できるものばかり
豪華な旅館料理ではないが食材の本当のおいしさが体験できる
更にこの里山十帖館内のあちこちに岩佐の目にかなった内外の優れた椅子が置いてある
実はこれも体験の一つ
どんなに言葉を尽くしても雑誌では座り心地は伝えられない。
そこで館内のさまざまな椅子に座ってもらい本当にいい椅子を知ってもらおうというのだ
実際に座っていいと思ったら館内のショップで買うこともできる
いわば里山十帖そのものが心地よい暮らしの
だからあの土鍋をはじめ宿で使っている家具や食器どれも使って納得してから買えるようになっている
そう里山十帖は雑誌『自遊人』の提案を実際に体験できる現実の場として岩佐がつくりあげた宿なのだ
今夜はいやぁ〜里山十帖は本当まさに言われたとおり体験型といった感じで私も温泉行きますけど温泉につかりにいくだけで目的果たしちゃって終わりですけど今見てたらやっぱり行ってみたいなって思ってる方たくさんいらっしゃると思いますね。
ありがとうございます。
リピーターのお客さまも多いそうですね。
非常に私たちとしては嬉しいですね。
なんでこのようにたくさん提供できるものがあるものをつくろうと思われたんですか?雑誌って毎月毎月違うものをやるじゃないですか。
岩佐さんのキーワードがリアルメディアっていう言葉だと思うんですが。
お客さまはどうですか?来客する前と帰られるときとやっぱり変わりますか?体験してみて。
なんとなく旅館とか宿の概念っていうのが昔と変わってきてるような気もするんですけど。
しまなみ海道を望む
去年11月その路地裏に岩佐の姿があった
これこういうの。
ここには古民家を再生したカフェが。
岩佐はこの町の風情に魅了されていた
この日は雑誌『自遊人』の取材。
当然だが岩佐は自分で現地に出向き自分が感動した目線で写真を撮り記事にする
今回のテーマは新しいかたちの宿
取材の対象がこちら
ここはかつての倉庫をリノベーションしたホテルだという
いったいこのホテルのどこが新しいかたちなのか?
一見普通のホテルだが…
岩佐がカメラを向けた先には…。
えっ自転車!?
岩佐と雑誌との関わりはもう30年近くになる
大学4年のとき友人とともに雑誌の編集プロダクションを立ち上げた
多くの雑誌はコーナーや特集を外部のプロダクションに請け負わせている。
岩佐の会社もそんな下請けの一つだった
岩佐が当時作った記事を見せてくれた。
こちらは求人情報誌の特集記事
これ僕ですよ。
これ僕です。
岩佐は女性が好む香りのシャンプーを男性がつけて女性をひきつけることができるのかといったおもしろ企画や暴走族の車の特集といった突撃取材を得意としていた
いくつもの情報誌から仕事が来るようになり売れっ子となった岩佐
しかし数をこなしていくうちにある葛藤が生まれてきた
それは安くてうまい肉の特集をしたときのこと。
地味でおいしい店よりおいしそうな写真といいコピーがつけられる店のほうが本が売れたのだ
極端な話を言うと。
岩佐は思った…
そして岩佐は思い切った決断を下す
それはその後の人生を大きく変えるものだった
1990年代当時売れっ子の編集マンとして雑誌作りの下請けをしていた岩佐。
いいキャッチコピーといい写真さえあれば内容に関係なく雑誌が売れていく状況に疑問を感じていた。
そしていつしかこんな思いが
そんな思いから岩佐は思い切って下請けを脱却。
自ら出版社を立ち上げる
その中身は当時主流の情報誌と比べると画期的なものだった
例えば温泉特集。
情報誌では1つのページにいくつもの宿を詰め込みカタログ的に見せる場合が多かったが『自遊人』は宿に着くところから温泉に浸かって縁側でくつろぐ。
宿で過ごす時間に合わせるようにふんだんにページを割いた
そうした作り方が読者の共感を集め最盛期16万部を売るまでになった
そんな『自遊人』の重要なテーマの1つが
扱うのはもちろん日本の各地でまっとうな方法で作られたものばかり
こうした食材を読者が手にできるよう自遊人は雑誌で紹介した食材のインターネット販売も始めた
例えば5kgで1万543円の米づくり名人がつくったコシヒカリや…
どれもこだわりのものばかり
そのサービスを愛用している相馬さんのもとにこの日注文していた品が届いた
出てきたのは大きなキャベツ
相馬さんが買った食材がこちら。
しめて3万3,000円ちょっと
(スタッフ)みずみずしくておいしそうですね。
そうですねやっぱり
確かに決して安くはないが例えば外食にお金を使わずいい食材を自分で調理して家で楽しむ。
そんな暮らし方の提案でもある
雑誌で紹介した本当にいいものをネットで買って体験してもらう
これも岩佐が考えるリアルメディアの形なのだ
岩佐さんVTRで本を売るだけだったらその店が本当においしいかどうかは関係ないっておっしゃってましたけど結構衝撃的な言葉ですけど。
ちょっとあんまりその…。
ちょうどバブルの真っ盛りみたいなときででなんか日本中が浮かれてたところがあってで雑誌にも広告がバンバン入るっていうような時代で。
でもやっぱりなんか今自分がやってることにちょっと違和感があったり疑問があったりするってことを具体化するためにはこれを作るしかなかったんですね?食が中心っていうかコアな部分になっていくっていうのはどういう経緯きっかけだったんですか?やっぱり体って…。
かつて雑誌『自遊人』はこの町で作られていた
だが2004年東京を離れ雑誌作りには不便な南魚沼にあえて移転してきた。
その裏には岩佐の人生観を変えるショッキングな出来事が…
2004年東京から新潟・南魚沼に移転した自遊人
かつて地元の交流施設だったという一軒家を借りてオフィスにしている
東京の3倍の広さだがその家賃は…
東京を離れると仕事がしにくくなるのではと懸念する意見もあったが…
25日東京泊まって。
はいで26日…。
インターネットがあるから何も不自由しないという
霞んでますけれどもちょっと開けてみましょうか。
ここには東京にある夜のネオンも酒場もない。
だがその代わりに手に入れたのは…
こんな感じの景色です。
更に食事も。
東京時代はファストフードやコンビニ弁当があたりまえだったが今は旅館のスタッフと共同のまかないランチ
地元の野菜を使ったヘルシーな食事のおかげで健康状態までよくなった人もいるという
本社を魚沼に移したきっかけっていうのはずいぶんなご決断だったと思いますけれども。
これはですね…。
価値の変化があったんですね。
それ1900何年頃ですか?1990何年ですか?結構長くやったんですねその不健康な…。
でもそういうのはいつかこれはまずいのかもって思った人が生き延びていくような気がするんですよね。
今町おこしで大人気なのが…
どれも安くてうまい庶民の味
ところで全国にあるさまざまなB級グルメ。
その多くは小麦粉を使ったものだって気づいてました?そんななか…
おはようございます。
岩佐はB級グルメとは別の視点から地元の食材を使った町おこしに取り組んでいた
やってきたのは新潟・越後湯沢にある旅館
ここは地元新潟県産の食材を使ったこだわりの料理が評判だという
こちらは日本海で獲れたあんこうと雲子と呼ばれるタラの白子の香り揚げ
煮物はそれぞれの素材に合わせた味付けで別々に煮てから盛りつける徹底ぶり
岩佐は新潟群馬長野の3県でいい料理や食材を発掘しそれらを雪国A級グルメに認定。
紹介している
認定の基準は米なら100%地元のものを使っていること
その産地も公開
伝統的な製法で作られたものを使用するなどがある
雪国A級グルメのはじまりを機にこの店でも調味料を1から見直しすべて県内産天然醸造のものに切り替えた
仕入れ値は以前より5%上がったが
利益にもつながっている
こちら古民家をそのまま使った欅苑も雪国A級グルメに認定された店の1つ
こんにちは。
いらっしゃいませようこそ。
どうもごぶさたしてます。
ありがとうございます。
中に入ると囲炉裏で焼かれた岩魚がお出迎え
それぞれの地に育まれ受け継がれているいい食材や素朴な料理。
それを残し広めることが地域おこしのきっかけになると岩佐は考えている
ありがとうございます。
このあとは高級食材のキャビアや絶品和牛を生む山あいの町。
そこで岩佐が仕掛けたA級グルメによる町おこしとは?
うまいですよね。
(ナレーター)挑戦は平等で美しい。
挑戦は夢を生み時に挫折も生む。
それでも続けた挑戦こそが新しい世界をつくる。
語り:ネイマールJr.
中国山地に抱かれた
(スタッフ)おはようございます。
おはようございます。
そこに岩佐の姿があった
ここは山の中腹にある
ハーブをテーマにした観光施設だ
岩佐はここである商品の開発に関わった
ここでとれるハーブを使ったハーブティーだ
それぞれの特徴を漢字一文字で表しそれに合ったハーブがブレンドされている
大学教授のお墨付きももらい商品価値を高めた
以前は500円で売られていたが岩佐はパッケージを変え品質に見合うよう値段を3倍近くに上げた。
すると…
町おこしで今や各地からひっぱりだこの岩佐。
そこで伝えているのは地域に自信を持ってもらうことだという
いいものだけを伝え続けてきた岩佐の活動が今地方の人たちの意識まで変えようとしている
岩佐さん決してB級グルメを否定しているわけではない…。
全然そんなことないです。
今の拝見すると。
最近『カンブリア宮殿』はもちろん経済番組なんですけどデザイナーの方のご出演が目立つんですね。
どうしてですかね?なんでですかね?
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2016/01/14(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【新たな価値を地方から発信!最新・体験型ビジネスの秘密】[字]

雑誌を通じてライフスタイルを提案してきた「自遊人」は、実際に体験できるリアルメディアとして旅館を経営している。体験・発見ができるというその宿の成功の秘密とは…

詳細情報
番組内容
新潟県南魚沼市の山間にある、予約のとれない人気の旅館『里山十帖』。この宿は、徹底的に客目線のサービスにこだわる新しい形の旅館だ。他の旅館との大きな違いは、「体験」「発見」にあるという。実は、この宿に泊まった客は、稲刈りなどの農業体験や薪割りなど、普段はやらないであろう様々なことを実際に体験できるのだ。
番組内容続き
また、旅館の中で使われている椅子や食器、タオルなども館内で販売されていて、客が気に入れば購入することができる仕組みとなっている。これまでの旅館にはない“体験”という新しい価値を提案する宿の成功の秘密を探る!
出演者
【ゲスト】株式会社自遊人 社長 岩佐十良
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】
http://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/
【公式Facebook】
http://www.facebook.com/cambrian.palace
【公式Twitter】
https://twitter.com/cambrian_palace

ジャンル :
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
ニュース/報道 – 討論・会談
バラエティ – トークバラエティ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32118(0x7D76)
TransportStreamID:32118(0x7D76)
ServiceID:41008(0xA030)
EventID:49398(0xC0F6)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: