NHKニュース7 2016.01.15


道路脇の斜面から引き上げられたバス。
スキー場へと向かう大学生などで混み合っていました。
14人の命が奪われた事故。
バスの運行会社では、夕方になって、警察の捜索が始まりました。
暗闇の峠を走っていたバス。
何があったんでしょうか。
こんばんは。
ニュース7です。
現場には救助を求めるうめき声が響いていました。
長野県軽井沢町で、バスが道路から転落した事故。
バスは昨夜、東京の原宿を出発し、長野県のスキー場へと向かっていました。
こちらは、現場周辺の模型です。
事故は曲がりくねった道路を登りきり、入山峠から1キロほど下った緩やかなカーブで起きました。
道路下の斜面で横転し、木に当たった状態で、バスは止まっていました。
天井部分はえぐれるように大きくへこんでいます。
乗っていた41人のうち死亡したのは14人。
ゼミや運動部の仲間でツアーに参加した大学生などでした。
長野県軽井沢町の現場です。
事故を起こしたバスは、あちらのガードレールのすぐ外側で倒れています。
事故は午前2時ごろ起きました。
長野県軽井沢町の碓氷バイパスで、バスが反対車線に出て、ガードレールを乗り越え、およそ3メートル下に転落しました。
バスには、乗客と乗員の合わせて41人が乗っていました。
警察によりますと、乗客12人と乗員2人の合わせて14人の死亡が確認されました。
また27人が病院で手当てを受けていて、病院によりますと、この中には意識がない人もいるということです。
ツアーを企画したのは東京・渋谷区のキースツアーです。
バスを運行していたのは東京・羽村市にあるイーエスピーです。
国土交通省は、バスの運行会社に特別監査に入りました。
そして先ほどからは、警察が過失運転致死傷の疑いで捜索を始め、バスの運行や安全管理に問題がなかったか調べています。
亡くなった14人のうち、これまでに身元が確認されたのは9人。
このうち7人は、大学生です。
田原さんは、首都大学東京の2年生で、大学などによりますと、同じ社会福祉大学教室に在籍する4人と、バスに乗っていたということです。
東京・府中市にある東京農工大学の学生は、2人が亡くなり、2人がけがをしました。
4人は、大学のラグビー部の友人どうしだということです。
法政大学によりますと、大学で同じゼミに所属する10人がバスに乗っていて、このうち8人の学生と連絡が取れていないということです。
また、乗員の土屋廣運転手と、補助員の勝原恵造運転手の死亡が確認されました。
では事故で亡くなった人たちの家族などの待機場所になっている、軽井沢町の中央公民館から中継でお伝えします。
軽井沢町の中央公民館です。
ここには午前10時ごろから、警察官に付き添われ、家族や関係者が到着し始めました。
これまでに15人ほどが中に入りました。
ここからすぐ近くに屋内運動場があります。
事故で亡くなった方の遺体の安置場所になっています。
これまでに13人の遺体が運び込まれました。
集まった家族は警察官に誘導され、ここから車で安置場所に向かっていました。
家族の多くは、目に涙を浮かべ、うつむいたまま、車に乗り込んでいました。
また、家族の中にはすでに遺体を引き取り、ここを後にした方もいます。
軽井沢町の中央公民館からお伝えしました。
事故はどのように起きたのでしょうか。
バスには41人が乗っていましたが、一部の乗客については、座席の位置や事故の瞬間の状況が明らかになってきています。
前から6番目の席の男子大学生は、尋常じゃない曲がり方でおかしいと思った。
そして、前から7番目の席の女子大学生は、スピードが出ているなと思っていたらバスが揺れた。
がたがたと音がして、道路から外れたと思ったと、それぞれ証言しています。
右側を下に横倒しになったバス。
亡くなった14人のうち少なくとも5人は、右側の窓際に座っていたと見られることも分かってきました。
前から2列目、左の窓側に乗っていた大学4年生の男性です。
うとうとしたところ、ある声がしたといいます。
事故はその直後に起きたと見られます。
通路の右側の座席にいたこの女性は、その瞬間。
バスは横倒しになり、木にぶつかったと見られます。
現場に駆けつけた救急隊員は、バスの内部の状況について。
亡くなった人のうち、運転手と補助員を含む5人は、右側の窓際に座っていたと見られます。
事故までに何があったのか。
NHKは、バスが走る予定だったルートを示す行程表を入手しました。
それによりますと、東京出発は昨夜11時。
行程表では、バスは関越自動車道に乗って、東松山インターチェンジまで走ったあと、いったん、一般道に降ります。
そして今度は、群馬県の松井田妙義インターチェンジから、上信越自動車道に乗り、県境に近い峠を越えることになっていました。
ところが事故は、高速道路ではなく、一般道の国道18号線で起きました。
バスは行程表と異なるルートを通っていたのです。
運行中に不安を感じたという乗客もいました。
バスはなぜ、予定にない一般道を通ったのか。
国土交通省などによりますと、仮に運転手が会社に報告せずにルートを変えていれば、法律違反に当たるといいます。
行程表を作成したツアー企画会社の代表は、ルートの変更は知らなかったとしたうえで、乗務員が勝手に行程を変更したのだと思うと話します。
またバスを運行する会社は、コースの変更について、本来は社内の管理者の指示に基づいて行われるものだが、恐らく指示はなかったと思う。
詳しくは確認できていないと話しました。
事故はなぜ起きたんでしょうか。
バスの壊れ方から、ある程度のスピードが出ていたと見られています。
現場にはタイヤの跡がありました。
警察によりますと、事故当時、現場周辺の路面に積雪はなく、凍結もしていなかったといいます。
運転手に何かが起きた可能性はないんでしょうか。
バスを運行していた会社によりますと、死亡した運転手ふたりは少なくとも10年から15年ほどの運転経験がありました。
このうち、土屋運転手は先月まで都内の別のバス会社に勤務していました。
社長によりますと、運転は近距離が中心で、今回のようなスキーのツアーバスの仕事はしていなかったということです。
2人の運転手は、往復でおよそ600キロの距離を、交代しながら運転することになっていました。
では警察が捜索を行っている東京・羽村市のバスの運行会社から中継でお伝えします。
バスを運行していた東京・羽村市の会社です。
1時間ほど前に、警察官たちが段ボールを持って次々と建物に入り、現在、過失運転致死傷の疑いで捜索を行っています。
会社によりますと、このバスの運転手は、15年ほど前に大型バスの免許を取得し、昨夜、乗車前の点呼では、異常は見られず、アルコールの検査も問題はなかったということです。
ただ、先月から勤務していたというこの運転手に対して、会社ではこれまで健康診断を行っていなかったということです。
またこの会社では、ほかの運転手に対しても、健康診断を行わないなど、国の規則に違反していたことが分かり、おととい、関東運輸局から行政処分を受けています。
このため国は、バスの運行管理や、運転手の健康管理などに問題がなかったか、詳しく調べることにしています。
東京・羽村市のバスの運行会社からお伝えしました。
では続いて長野県の軽井沢警察署から中継でお伝えします。
軽井沢警察署です。
事故を起こしたバスは、きょう夕方、警察署の裏側にある駐車場に、シートをかけた状態で、運び込まれました。
シートがかかっていても、天井部分が、くの字に折れ曲がり、乗客の荷物を入れるスペースも激しく壊れていました。
事故の衝撃の大きさが伝わってきました。
警察は、バスの破損状況を確認し、どのように事故が起きたのか、詳しく調べることにしています。
さらに警察は、午後6時半ごろ、過失運転致死傷の疑いで、東京・羽村市にあるバス運行会社の捜索に入りました。
捜査員がバスの整備記録や運行記録、それに、運転手の勤務記録など、一つ一つ確認しているものだと見られます。
安全管理に問題がなかったのか、重点的に調べることにしています。
軽井沢警察署でした。
貸し切りバスの事故。
16年前の規制緩和で参入する業者が一気に増加して、価格などで競争が激化した一方で、運転手の居眠りが原因と見られる事故も相次ぎました。
4年前、関越自動車道で起きた事故では、乗客7人が死亡、38人がけがをしました。
大きな事故が起きるたびに、国はバス会社やツアー会社に、安全対策を求めたり、規制を強化したりしてきました。
そうした中でまたも起きた事故に、専門家は。
では次のニュースです。
ビーフカツにチキンカツ、カレー専門店を展開する会社が、廃棄処分にしたはずなのに、横流しされて、スーパーマーケットなどで不正に販売されていた問題。
ビーフカツを買い取っていた食品関連会社の責任者は、きょう、ロースカツとメンチカツも買い取っていたことを明らかにしました。
こう話したのは、横流しされたカツを買い取っていた、岐阜県羽島市の食品関連会社の責任者です。
カレー専門店、CoCo壱番屋を展開する壱番屋が、冷凍のビーフカツに、異物が混入したおそれがあるとして、およそ4万枚の廃棄処分を依頼したのに、愛知県稲沢市の廃棄物処理業者、ダイコーが横流しして、スーパーマーケットなどで販売されていた問題。
その後、別のビーフカツやチキンカツも、横流しされたことが明らかになっています。
さらに、岐阜県はきょう、ダイコーからカツを買い取っていた食品関連会社、みのりフーズの立ち入り調査を行いました。
みのりフーズを実質的に経営している、岡田正男責任者は、NHKの取材に対し、ほかにもロースカツやメンチカツも、同じようにダイコーから買い取っていたことを明らかにしました。
その上で、ロースカツなどはそれぞれ150箱から200箱ずつ購入して、個人や企業に転売したと述べました。
一方、壱番屋は、横流しを行っていた廃棄物処理業者、ダイコーにこれまで6種類の商品の廃棄処分を委託していたことを明らかにしました。
この1年間で廃棄処分を委託したのは、ビーフカツ、チキンカツ、ロースカツ、メンチカツに加え、関連のチェーン店向けのナポリタンソースと、ラーメンスープだということです。
これらの製品は、チェーン店以外に供給していないことから、流通していた場合、ダイコーによって不正に転売されたおそれがあるとしています。
その上で、保存方法に問題があることが考えられるとして、絶対に食べないよう、注意を呼びかけています。
愛知県や岐阜県などは、横流しが繰り返し行われていた可能性もあると見て、実態の把握を急いでいます。
8年ぶりの政権交代となるのか。
注目されている台湾の総統選挙は、中国寄りの政策を取る与党・国民党の候補と、それに批判的な最大野党・民進党の候補の事実上、2人の争いであす投票が行われます。
4年に1度、直接投票で行われる台湾の総統選挙。
今回の最大の争点は、対中政策です。
国民党の朱立倫候補は、中国との交流拡大の継続が、台湾の利益になると主張。
民進党の蔡英文候補は、中国との急速な接近は、台湾の主体性や民主主義を損なうと批判しています。
選挙活動は、日本時間の今夜11時まで続きます。
台湾で取材に当たっている松田記者に聞きます。
松田さん、8年ぶりの政権交代となるのでしょうか。
これまでの世論調査では、民進党の蔡候補が、国民党の朱候補を大きくリードしています。
現場で取材をしていても、蔡候補優勢という声が圧倒的です。
私の後ろでは、このあと午後8時から、蔡候補が最後の集会を開きます。
若者を中心に、大勢の支持者が集まっています。
与党・国民党が実績として強調する、中国との経済関係の強化は、台湾経済に大きな恩恵をもたらしました。
同時に、経済格差の広がりや、中国の影響力の増大が、若い世代を中心に市民の不安や不満となって広がり、それが民進党への追い風になっているとも感じます。
今回の総統選挙は、東アジア情勢や、日本との関係にも影響が及ぶ可能性が指摘されていて、あすの投票結果が注目されます。
さて、大学入試センター試験があすから行われます。
各地の試験会場では、準備が行われました。
受験生の皆さんに注意してほしいのは、持ち物です。
例えば最近、よく見かけるようになったこの腕時計型の情報端末。
試験中の使用は禁止され、使用した場合、不正行為になるんです。
あすとあさって行われる大学入試センター試験。
ことしは全国で56万人余りが受験する予定です。
下見に訪れた受験生は。
注意してほしいのは持ち物です。
大学入試センターによりますと、不正行為を防ぐため、携帯電話やスマートフォンなどの試験中の使用は認められていません。
試験室に持ち込む場合、電源を切り、かばんなどに入れる必要があります。
最近、若者などの間で普及し始めているアップルウォッチなど、腕時計型の情報端末も、試験中は使えません。
ただ、通常の腕時計は、机の上に置くなどして、使うことができます。
ほかにも例えば、定規やコンパスを使うと不正行為となります。
さらに衣服に英文字や地図が印刷されている場合は、脱いでもらったり、裏返しに着てもらったりすることもあります。
受験生の皆さんは、配付された資料や受験票などに書かれた注意点を、よく確認して、試験に臨んでください。
気になるのが天気です。
あすとあさっては、北日本や北陸を中心に、雪が降り、太平洋側では、あすはおおむね晴れますが、あさっては広い範囲で雨が降ると予想されています。
大学入試センターは、時間に余裕をもって会場に向かうよう、呼びかけています。
交通機関に遅れが出た場合は、試験の開始時間の繰り下げなども検討するため、受験票に書かれた電話番号に、落ち着いて連絡してほしいとしています。
次は国会です。
安倍総理大臣は参議院予算委員会の基本的質疑で、憲法改正を巡り、大規模災害などに対応する緊急事態を、憲法にどう位置づけるのかは、大切な課題だとしたうえで、新しい時代にふさわしい憲法の在り方について、国民的な議論が深まるよう努めていく考えを示しました。
民主党の石橋副幹事長は、今年度の補正予算案に盛り込まれた、所得の低い高齢者などに、1人3万円を支給する臨時給付金について批判しました。
一方、参議院予算委員会は、理事懇談会を開き、来週19日午前に、安倍総理大臣の出席を求めて集中審議を行うことで、与野党が合意しました。
ニュースを続けます。
18年ぶりに2万5000人を下回りました。
去年1年間に自殺した人の数。
警察庁のまとめによりますと、全国で2万3971人で、前の年よりも1456人、率にして5.7%減りました。
年間の自殺者は、最も多かった平成15年には、3万4000人余りに上りましたが、最近は4年連続で3万人を下回りました。
国立感染症研究所は、インフルエンザが全国的な流行期に入ったと発表しました。
国立感染症研究所によりますと、今月10日までの1週間に、全国およそ5000の医療機関から報告された患者数は、9964人で、1医療機関当たりの患者数は2.02人と、流行開始の目安とされる1を超えました。
流行期入りの発表が年明けにずれ込んだのは、9年前の平成18年から19年にかけてのシーズン以来です。
1歳の赤ちゃんの足に、火のついたたばこを押しつけてやけどをさせたとして、22歳の父親が傷害の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは、福岡市博多区の風俗店従業員、梶原拓磨容疑者で、警察の調べに対し、火のついたたばこは押しつけていません。
はいはいしたときのけがだと思うと供述し、容疑を否認しているということです。
赤ちゃんの体には、複数のやけどの痕やすり傷などがあるということで、警察は、虐待を受けていなかったか、調べています。
大相撲初場所は6日目。
好調の大関・琴奨菊が今場所、横綱を破っている松鳳山と対戦しました。
琴奨菊は初日から5連勝。
松鳳山とは1年半ぶりの対戦です。
一気に出ました。
琴奨菊は、相手のはたきについていき、6連勝。
しっかり踏み込んでの快勝に、一番いい立ち合いをしようと思ったと、落ち着いて振り返りました。
常幸龍が右ひざを傷めて休場。
千代鳳はきょうから再出場し、初白星です。
高安は力強い相撲で6連勝。
新関脇の嘉風は、きょうもいい動きを見せ、小結の勢に勝ちました。
安美錦が、インフルエンザで休場。
大関・照ノ富士は、右の鎖骨の骨折で休場しました。
気象情報は寺川さんです。
こんばんは。
この土日、大学入試センター試験がありますけれども、雪や雨の所がありそうですね。
まず土曜日から見ていきます。
あす土曜日は、日本海側で雪が降りやすいでしょう。
特に北海道の日本海側では、局地的ですが、雪の強まる所がありそうです。
そして日曜日です。
日曜日も日本海側では雪が降ったりやんだりとなりそうです。
また南の海上は、低気圧による雨雲が広がります。
朝の段階ではまだ範囲は狭いですが、南西諸島から西日本にかけて、雨雲がかかる所がありそうです。
2016/01/15(金) 19:00〜19:32
NHK総合1・神戸
NHKニュース7[二][字]

▼軽井沢スキーバス事故 14人死亡その時何が?▼廃棄カツ横流し チキンカツなども見つかる▼台湾総統選挙あす投票 政権交代は?▼あすから大学入試センター試験

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【キャスター】武田真一,【サブキャスター】松村正代,【気象キャスター】寺川奈津美

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