スマートフォン(スマホ)に押されてやや影が薄かった据え置き型ゲーム機のソフトが、今年は久々に脚光を浴びそうだ。「ファイナルファンタジー」(FF)、「ドラゴンクエスト」の二大ロール・プレイング・ゲーム(RPG)の最新作が発売される予定で、ともに100万本以上のヒットは確実だ。臨場感が売り物のバーチャル・リアリティー(VR)機器に対応するタイトルも相次ぎ登場する見通し。今年はゲームの世界に夢中になりたい。
「ファイナルファンタジー」と「ドラゴンクエスト」。二大RPGの本編ともいうべき“ナンバリングタイトル”が、今年そろって発売される見通しだ。
ファイナルファンタジーの新作「ファイナルファンタジーXV」は、プレイステーション4(PS4)とXbox Oneの2機種で発売される予定。開発には実に10年もの時間を費やしたという。
要因の一つはバトル(戦闘)システムの変更。XVはアクションRPGとなり、コマンドを選ぶ従来の方式ではなく、キャラクターを操作して戦う。プレーの難易度がやや上がるため、従来のファンの賛否は分かれる可能性もあるが、アクションゲーム好きの取り込みを狙う意欲作になっている。
ドラクエシリーズの新作「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」は、PS4とニンテンドー3DSで同時発売される。基本的なストーリーは同じだが、それぞれのハードの特徴を生かした内容になる。
PS4版は高画質のCGで緻密に描かれたゲーム世界が売り物だ。3DS版はデフォルメされたCG、懐かしい印象の「ドット絵」いずれかを選択でき、すれちがい通信など携帯ゲーム機ならではの機能が搭載される可能性もある。
昨今、据え置き型ゲーム機のソフトはやや勢いがない。しかし今年は100万本以上の売り上げが確実な強力ソフトのそろい踏みで、ゲーム機本体の売り上げ増にも貢献するだろう。
今年のゲーム業界には、もうひとつ明るい話題がある。VRの本格普及だ。昨年12月発売のサムスン電子「ギアVR」に続き、オキュラス「オキュラスリフト」、ソニー・コンピュータエンタテインメント「プレイステーション VR」など、プレーヤーの頭部に装着するVRヘッドセットが次々発売される。
ユーザーの動きに合わせて映像の画角が変わり、その場にいるかのような没入感を得られるVRは、ゲームの楽しみ方を根本から変える可能性がある。例えばホラーゲーム作品では「振り向くと背後から迫るゾンビがいる」といった、これまでにないスリルが味わえる。
さまざまなメーカーがゲーム開発に着手しており、今春予定されるプレイステーション VRの発売時には、数十の作品が投入される見込みだ。
VRが盛り上がるのはゲームだけではない。VRヘッドセットの普及で「360度VR動画」にも注目が集まる。すでに米ウォルト・ディズニーが「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の世界観を取り入れたムービーを公開するなど、米ハリウッドはVR動画に積極的。ゲームとの相乗効果も期待できる。
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今年はホラーゲームの人気作「バイオハザード」シリーズが20周年を迎える。第1作は1996年に登場。今年は21日発売の「バイオハザード0 HDリマスター」や、オンライン対戦シューティングゲームも発売予定だ。2017年にはフルCG映画も公開される。
「ポケットモンスター」も96年のゲームボーイ用ソフト「赤・緑」発売から20年。今年は全地球測位システム(GPS)機能を利用し、街なかに現れるポケモンを歩いて探すスマホゲーム「Poke’mon GO」が配信予定だ。
(日経トレンディ2月号の記事を再構成。文・羽田健治)
[日本経済新聞夕刊2016年1月16日付]
ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、RPG、Xbox One、ゲーム、ソニー・コンピュータエンタテインメント、サムスン電子
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