サキどり↑「もしもの時の“おいしい”備蓄食」 2016.01.17


(2人)おはようございます。
阪神・淡路大震災の発生から21年がたちました。
そこで今日の「サキどり」は災害時の備蓄食です。
栄養はもちろん今おいしさが重視されるようになっているんです。
いざという時のための食糧の備蓄。
ある調査によると7割以上の方がその必要性を感じています。
しかし食料が確保できればOKというわけではありません。
ふだん食べ慣れない非常食や栄養に偏りのある食事が続くと体調不良や強いストレスの心配が。
そこで今日の「サキどり」はおいしい備蓄食のアイデアを大特集!家庭で保存しやすく味も絶品という注目の食材に…。
災害に備えて町ぐるみで開発したご当地グルメ。
もしもの時もそしてふだんの暮らしにも役立つ新しい備蓄食をサキどります!確かに被災した時こそ心癒やすそしておなか満たすおいしいものが欲しいですよね。
さあ今日のゲスト安めぐみさんです。
(一同)よろしくお願いいたします。
おいしい備蓄食これはどうですか?いやおいしい…。
そもそも備蓄食がおいしいものがあるみたいな考えがなかったので。
そんな安さんがどんな備蓄をしているのか。
こちらがそのお写真です。
これ乾パンのみですか?これ食べ物は。
(安)そうですね。
とりあえず乾パンがあれば大丈夫かなっていう。
子供の時から非常食といえば乾パンというイメージがあったので。
相当今日は見応えがあるという事になりますね。
とても気になってますね。
さあまずご紹介するおいしい備蓄食皆さんはこの食材使った事ありますか?ふだんの料理に使えて備蓄食にもなるある食材を愛用しているそうです。
う〜ん野菜たっぷりでおいしそう!ん?でもどこが備蓄食なの?こちらになります。
(聞き手)ぎょうさんありますね。
常時20種類以上の乾燥野菜をストックしている石松さん。
いざという時の備えにもなりますよね。
乾燥野菜が備蓄食に向いているのは常温でも保存ができ切ってあるので調理道具要らず。
そして水さえあれば簡単に戻せるから。
更に野菜の甘みやうまみたっぷりの戻し汁もおいしいスープになり何かと重宝するんだそうです。
ふだん使いにも備蓄にも便利な乾燥野菜。
新たに参入する企業が相次いでいます。
この熊本の大手青果卸は5年前新会社を立ち上げ乾燥野菜の製造に乗り出しました。
品ぞろえは実に…ゴボウやトマトカボチャなど家庭でよく使う野菜はもちろん中には珍しい野菜も。
こちらは「ロマネスコ」というカリフラワーの一種です。
需要の裾野が広がり取り扱う品目が増えてきました。
この会社では産地に協力を求めより高品質の乾燥野菜作りを目指しています。
乾燥すると水分がなくなるので…。
冨永詩織さんは商品開発の責任者。
契約した農家にはできるだけ農薬や化学肥料を抑えた栽培法に取り組んでもらっています。
いただきます。
どうぞどうぞ。
うん!更にベストのタイミングで収穫する事で旬のおいしさを閉じ込める事を目指しています。
生鮮品とは違う新たな販路は農家にとっても大きなメリットです。
乾燥野菜は収穫したあとの加工にも品質へのこだわりが。
この日取れた小松菜はすぐさま工場に運び鮮度が落ちないうちに加工。
最も気を遣うのがこの乾燥の工程。
小松菜の下からは熱風が吹き出しています。
色や風味を損ねないよう素手で温度や湿度を感じながら仕上げていくのです。
手間暇はかかりますが素材の味を生かすためには必要な手順だといいます。
こうした乾燥野菜をいざという時簡単においしく食べるためのレシピ開発も行っています。
この日試作したのは混ぜご飯。
具材はシイタケにゴボウにレンコン。
水で戻すには一晩かかります。
そこで料理研究家が取り出したのがこの保温ポット。
具材と共に味付けの砂糖としょうゆを入れ熱湯を注ぎます。
こうすると早く戻るだけでなく味もしみこみ3時間後には味付きの具材が完成。
あとは汁ごとご飯の中へ入れて混ぜるだけ。
冨永さん出来栄えはいかがですか?栄養も考えてサンマの缶詰を足す事に。
シイタケやゴボウの香りとサンマのうまみが楽しめる混ぜご飯おにぎりの出来上がりです!こうして考えたレシピはホームページで公開。
乾燥野菜の可能性をアピールしています。
あんな種類があるとは。
いや何かもうそんなに…。
何でしょうほんとに乾燥ひじきとかそういうのを煮物で使ったりはしてましたけど。
一工夫したらまた味もねいろいろ工夫ができて。
いや〜ちょっと驚きましたね。
さあここからはもう一方です。
災害時の備蓄食にお詳しい奥田和子さんです。
お願いいたします。
お願いいたします。
乾燥野菜これ備蓄食かなりメリットありそうですね。
阪神・淡路大震災の時も東日本大震災の時も野菜が不足して大変困ったんです。
それで体調を崩したりですね。
それから食物繊維が足りないという事で便秘になったり。
大変困りました。
ですから今のような乾燥野菜があるというのは大変ありがたいと思います。
しかも日常使いにもとってもよさそうでしたね。
そうですね。
そうですね。
それでまあできたら日頃使ってね慣れておくという事が大事だと思います。
皆さん備蓄食を考えるうえで非常に重要なキーワードがあるんですね。
さあこちら「ローリングストック法」。
これご存じですか?初めて聞きました。
ローリングストック法。
何かちょっとかっこいい感じがします。
何でしょうね?例えばこの乾燥野菜10袋を備蓄しているとします。
じゃ今晩カビラさんいっぱい料理作るわね。
123袋使ったとします。
そのあと買い足すのは新たに3つ。
ポイントは古いものから順番に使っていくという事ですよ。
賞味期限の若い方を先に出してそれでローリングという事ですか?そう。
まさにストックをローリングして。
回転させるサイクルがあると。
なるほど。
結局は賞味期限が切れてしまって捨てなければならないという事が起こらないようにするためです。
それと非常食用というようなものではなくてローリングして使っていくという事が日常のおいしいものも災害食の中に仲間入りする事ができますね。
さてここでスタジオにはさまざまな備蓄食が大集合。
3つのグループに分けてあります。
この仕分けを知っておくといざという時とっても役に立つそうですよ。
さあこれどんなグループ分けなんでしょうか?安さん分かりますか?え?え〜!こちらはチョコとか乾パンとかですよね。
こちらは?ツナとかお肉とかお魚とか。
缶詰。
(安)でも…パンもありますね。
こちらはヌードルとかレトルト的なね。
えちょっと…何だこれ?どう分けてるんですかね。
微妙に違いますよね。
答えはこれ災害のあと時系列になっています。
こちらは災害直後から3日間を生き延びるための備蓄しておくべきもの。
そして4日〜7日まで。
その後8日以降。
このようにグループ分けされているんですね。
これはですね災害が起こりまして3日間ですね。
この間はライフラインが止まっておりますので煮炊きができません。
ですから封を切ってすぐ食べられるもの。
腹の足しになるもの。
それから飲みものと心をいやすもの。
この3点セットになっていますのでご自分の好きなね好物を入れて頂いたらいい。
私ほんとチョコが好きなのでチョコレートを入れたいですし。
でもアメも入れたいですし。
増えちゃいますね。
(奥田)次の3日が過ぎまして7日までのものですけれどもあちらの延長線上でいいのかと言うとそうではなくてですね健康をちゃんと維持できるもの。
そのためにはここにこうご飯系のものですね。
主食になるもの。
それからそのおかずになるもの。
おかずというのは魚や肉のような動物性のおかずですね。
それともう一方で野菜のおかず。
ここが抜けるために栄養が偏ってですね健康を害するという事になるので。
バランスですね。
今度こちら。
1週間たちました。
(奥田)ここでは電気が来ると思いますね。
電気製品が使えますからちょっとした煮炊きができる。
例えばお湯を沸かすとかですねそういうような事ができますから。
そして野菜が乾燥野菜のようなものはここで役に立つと思います。
これ全部しておかなければ駄目ですか?3日で災害が終わるという事はあり得ないんでねきちっと皆さんすぐやって頂きたいと思いますね。
そうですね。
でもこれをどこか袋に入れて閉まっておくというよりは先ほど…あのローリングストックですかローリングストックでこううまく管理しながらという事ですか?
(奥田)そうです。
ではこういった備蓄食をどのように保管すればいいのか備蓄のプロ奥田さんの備蓄術ご覧下さい。
知りたい。
は〜い。
奥田さんの自宅を訪ねました。
よろしくお願いします。
いつ何時やって来るか分からない災害に備えて奥田さん備蓄食の置き場を工夫しているんです。
一番長く過ごすのが書斎。
目に入る場所に備蓄食の包み。
あっへ〜書斎に。
ここは災害に遭う可能性が高いわけですよね。
長く居るんですもんね。
閉じ込められても大丈夫なように災害直後の3日間を生き延びるための備蓄食をこうして用意しています。
同じく災害に遭う可能性が高い寝室。
ここにも3日間生き延びるための備蓄食を用意しています。
工夫されてますよね時間帯別の。
どうぞ。
そして奥田さんが備蓄食の7割を置いているメインの保管庫は…。
こちらに?そう。
ここふだんは使っていない和室なんです。
テーブルの下に備蓄食を並べてらっしゃいます。
すごいぎっしり。
これは一週間分ありますね。
台所など物が多い場所は地震で物が散乱すると備蓄食を取り出すのも一苦労です。
もともと多いですもんね物が。
ここならすぐ取り出す事ができますね。
確かに。
災害が起きるあらゆる状況を予測してもしもに備える。
それが奥田流備蓄術の極意です。
ああ。
私備蓄食食べ物なので台所のキッチンの所にストックしてあるんですがよく考えたら寝室とか長く居る部屋で震災に遭うという事が多いですもんねきっと。
考えてみたら扉も例えば地震で立てつけがちょっとおかしくなって開かなくなっちゃうという事もありえますもんね。
そういう人たくさんいたんですよ阪神・淡路の時は。
閉じ込められて3日というような方とかいろいろいました。
ただ家に十分なスペースがなくて1週間分もちょっと備えておけないという方もいらっしゃると思うんですけど。
まあ命と今置いてある物どっちが大事かという事になりますよね。
ですからきちんと整理をして置く場所を作っていくというのも一つですし。
自分で作る。
ソファーの下とかねその隙間とかいろいろあると思うんです。
ベッドの下とか机の下とかという事ですよね。
ソファーの下とか。
ただこれ忘れちゃうといけませんね。
置いたまんまにして引越しした時に「ああ出てきた」ってこれはもったいないですよね。
絶対ちゃんと把握しないといけないですね。
さあ続いては地域ぐるみでおいしい備蓄食を作り始めた町があるんです。
災害に立ち向かいそして町も元気にするそんな一石二鳥の取り組みご覧下さい。
高知県の西南部に位置する黒潮町は人口1万2,000ほどの港町。
カツオの一本釣り漁の基地として知られています。
4年前この町に衝撃が走りました。
南海トラフ巨大地震が起これば最大で34メートルもの津波が町を襲うと予測されたのです。
災害を恐れる住民の流出や産業の衰退が懸念されました。
そこで町がとった対策はちょっと意外なものでした。
缶詰メーカーを立ち上げたのです。
(従業員)カツオオ−ケーです!目的は災害に備える食料の備蓄。
そして缶詰作りという新たな地場産業を育てる事。
シメジとカツオを下処理から…。
その責任者に抜擢されたのが役場の職員だった濱口無双さんです。
どんな缶詰を作るのか?濱口さんがまず行ったのは気仙沼市への訪問でした。
震災の時何が食べたかったのかを直接聞くためです。
食べ慣れた地元の魚が一番だという声が数多くあがりました。
更に料理の専門家も交え「売れる缶詰」を追求。
たどりついたコンセプトは非常食ならぬ「日常食」。
ふだんでも食べたくなるおいしい備蓄食です。
そうして決まったのがこの5種類。
どれも町ではおなじみの食材を使ったものばかりです。
こちらは一本釣りのカツオを使った缶詰。
地元産のショウガをたっぷり入れた和風の味付け。
煮こごりができるように仕上げました。
中にはトマトを入れて洋風の味付けにしたものも。
ビジネスとして成長するために現代の食生活に合わせた商品も開発したのです。
こちらはサワラの缶詰。
ワインにも合うようにとニンニク風味のオリーブオイルで煮込んであります。
初めて挑んだおいしい缶詰作り。
試行錯誤の連続でした。
缶詰には欠かせない殺菌。
このカマの中で圧力をかけて加熱します。
しかし!例えばカツオ。
加熱しすぎるとかたくなり素材の味が失われます。
逆に低温だと十分に殺菌ができず非常食なのに保存がききません。
素材の味を生かしたい。
殺菌の効果が出る熱と圧力の最適値を求めるため4か月もの時間を費やしました。
試作品が完成すると町の人たちを集めて試食会を開きました。
(従業員)お願いしま〜す。
3年前本格的な生産を開始。
20人いる従業員の多くは黒潮町の住民。
缶詰工場が新たな雇用を生み出したのです。
現在は月に2万個を生産。
町で備蓄するとともに地元の道の駅でも販売しています。
更に味の良さに注目した東京の会社が東京駅構内で販売。
なんとひとつきに900個近く売れた事もあるそうです。
う〜んすごいですね。
思いもすごいですし。
ものすごく手が込んでいてどれもおいしそうでびっくりしましたが。
さあって事ですが。
その缶詰をスタジオにご用意いたしました。
どうぞ召し上がって下さい。
安さんのはサワラと筍のアヒージョ。
(安)アヒージョ。
はいオイルで漬けてあります。
どうぞ。
はい。
うん。
どうですか?おいしい。
う〜ん何かもうほんとにレストランとかで食べてるような。
またお魚もすごくギュッと締まってておいしいですし。
でカビラさんはカツオとキノコのトマト煮。
はい。
フフフフフフ。
うまみ大爆発です。
これはおいしい。
(奥田)これのユニークなところは町の人それから行政がおいしいというところでねやっぱり力が入ってしかも日常に作ってそれを災害食に持っていこうというわけですしすばらしいところだと思います。
だから日常生活の中にどのぐらい取り込む事ができるのか。
まさに先ほど…ローリングストック法盛り上がってますけれども日常にしちゃえばいいという事ですよね。
そうですね。
日常でおいしくないものは災害の時はもっとおいしくないという事ですね。
そうか。
そうですね。
工夫のしがいがここにあるという事ですね。
安さんもどうですか?こういう缶詰を入れておくのは。
何かあった時にとりあえず食べ物をって思ってそれしか思ってなかったですけどあこれすごくおいしいじゃあ常にストックしとこうとか日常的にそういう意識をするだけでいざ災害に遭ったあとも全然変わってくるなというのをすごく今回思いましたね。
驚きました。
う〜ん備蓄大変かと思いきや実は楽しむ事さえできるというそしてもはやグルメになってますね。
ねえ。
備蓄食というとそのために用意するものというイメージだったんですけど。
基本的に我慢というイメージね。
でも全然そんな特別なものじゃないんだなむしろ日常に取り入れておく事で万が一に備える。
勉強になりましたね。
なりましたね。
すぐメニュー会議ですよ。
ですね。
さあ備える時は今という事でエンディングナンバーはEnya「OnlyTime」。
いらっしゃいませ〜。
ご試食いかがですか。
あどうぞお入り下さい。
おじゃまします。
こんにちは。
ようこそ。
わ〜なるほど。
2016/01/17(日) 08:25〜08:57
NHK総合1・神戸
サキどり↑「もしもの時の“おいしい”備蓄食」[字]

災害時に被災者の体調に大きく影響するのが備蓄食の質だ。人気上昇中の乾燥野菜の活用術や、地元の食材で「おいしい」備蓄缶詰を作り地域活性化につなげる動きをサキどる。

詳細情報
番組内容
災害時に命を守る備蓄食。近年、その「おいしさ」が注目されている。食事の質が被災者の体調やストレスに大きく影響するからだ。最近人気の「乾燥野菜」は繊維質の豊富さと野菜の味を凝縮したうまみが魅力だが、これをふだんから使えば非常時にはすぐれた備蓄食となる。その他、「ふるさとの味覚」を備蓄用缶詰にした高知県黒潮町の取り組みなどを通して、災害時のリスクを減らしていく道を、食事の面から探っていく。
出演者
【ゲスト】安めぐみ,日本災害食学会顧問…奥田和子,【キャスター】ジョン・カビラ,片山千恵子

ジャンル :
情報/ワイドショー – その他
ニュース/報道 – 経済・市況
バラエティ – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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