相棒 season14 2016.01.17


(甲斐峯秋)時間があるのでね近頃お茶に凝ってるんだ。
(杉下右京)そうですか。
さあさあどうぞ。
(大河内春樹)おいしいです。
(甲斐)どうかね?例のお客さんの様子は。
どうと言われましても僕にとって冠城くんはお客さんというよりただの同居人ですから。
別段気にかけてもいませんが。
大河内くんがね君に聞きたい事があるそうだ。
なんでしょう?冠城氏がより高いレベルの情報へのアクセス権を申請してきました。
彼が調べたいのは埼玉県警の情報のようなんですが…。
それは仕事に熱心で何よりですねぇ。
法務省の人間が何を調べているのか気になりましてね…。
冠城氏に何か変わったところはありませんか?変わったところですか。
さあ僕には…。
お話はそれだけでしょうか?では僕はこれで。
あっそういえば…。
(大河内)なんですか?冠城くん最近眼鏡をかけ始めました。
どうぞ行ってください。
では。
ああ…杉下くん。
はい。
お茶を飲んでから帰ればいいじゃないか。
頂きたいところですが一日に摂取出来るカフェインの量は紅茶で足りていますので。
行っていい。
失礼します。
(大木長十郎)いただきます。
(角田六郎)コラッお前らコーヒー淹れてもらうなんて…。
こちらお客様だぞ。
(大木・小松真琴)すいません。
(冠城亘)僕が勧めたんです。
味はどうですか?おお…うまいっすねこれ。
ブルーマウンテン?いや違います。
あまり高くない豆をブレンドしてブルーマウンテンに近い風味を再現してみました。
ぬるいけど濃厚でうまいな。
通常のドリップコーヒーは約10グラムの豆を使い140シーシーのコーヒーを抽出する。
(角田)そうなんですか?僕が好むのは30グラムの豆で70シーシー。
つまり通常の6倍の濃度のコーヒーです。
淹れる際60度の低温のお湯を使いネルドリップで手落としする。
蒸すだけで6分。
抽出に3分。
そうして淹れたコーヒーはまるでビターチョコのような甘さがある!そりゃすごい。
でもまあ俺はいつものコーヒーでいいや。
アンビリーバブル。
(角田)何か?いえ…。
おや皆さんおそろいで。
ああどうも。
(角田)ほらお前ら行くぞ。
(大木・小松)はい。
(小松)ごちそうさまです。
おかえりなさい。
どうも。
ほう本格的ですね。
ええ。
冠城くん靴に土がついていますよ。
あっ…さっき公園で休憩した時についたんでしょう。
そうですか。
失礼します。
いってらっしゃい。

(米沢守)2つの土は成分が違いますな。
全く違う場所の土です。
冠城くんは靴についた土を公園のものだと言った。
しかし調べたところ土の成分は公園のものではなかった。
つまり彼は僕に嘘をついた事になりますね。
えっ?あれ?冠城さんの事を調べてたんですか?いけませんか?いや…やりすぎというかあなたらしいというか…。
冠城さんは何か隠しているという事ですかな?気になりますねぇ。
うっ…!あらら急に飛び出してくるから。
ごめん。
大丈夫か?余計な事は調べるな。
意味はわかるな?余計な事でなければ調べてもいいって事ですか?ハッ…ハックション!すまん季節外れの花粉症だ。
手帳を渡せ。
手帳なんかありません。
何をしてるんです!?大丈夫ですか?ええ…。
右京さん足速くないですか?普通です。
なんでここにいるんですか?街を歩いていたら君と似ている人を見かけたので声をかけようと思っていたんです。
そしたらこんな事に…。
あっ尾行してたわけですか。
まったく警察っつうとこは…。
はい?用事があるんで失礼します。
僕も一緒に行きましょう。
1人で何かをお調べのようですが捜査というのは2人1組で動くのが基本ですよ。
彼らのように。
まあいいでしょう。
僕にはボディーガードが必要みたいなんで。
ところで君弱いんですね。
暴力嫌いなんですよ。
本気出したら大変な事になりますよ。
あっイテテ…。
ああ遅くなりました。
(早田茂樹)冠城さん顔…。
いやちょっと…。
こちらは?警視庁の杉下右京警部です。
警視庁の杉下と申します。
埼玉中央署刑事課の早田と申します。
千原麻衣です。
先日彼女の父親千原純次が亡くなりましてね…。
死因は埼玉県内の山中で首をつって自殺…ですか。
死後重みで枝が折れて遺体は転落した状態で発見された。
それがそちらの判断ですね?
(早田)ええ。
公式にそう処理されています。
でも父には自殺する動機がないと思うんです。
千原は元埼玉県警の刑事でした。
警察を辞めてからフリーのジャーナリストとして週刊誌で活動していた。
仕事は順調でした。
なるほど。
離婚されていたようですが…。
そうです。
私は母と暮らしていますが父とは月に2回必ず会ってました。
最後にお父さんとお会いした時にいつもと変わった様子はありませんでしたか?
(麻衣の声)最後に会った時は…。
おいしい!
(千原純次)だろ?そういえばお前が好きだって言ってた漫画家…。
桃猫先生がどうしたの?知り合いの編集者に頼んで会える事になったぞ。
本当?うん!お父さんすごい!楽しみにしてろよ。
(麻衣の声)漫画家の先生と会う日も約束していたんですけどそのあと父と連絡が取れなくなって…。
不自然と言えなくもないですねぇ。
自殺でないとすれば他殺という事になりますが何か心当たりがおありですか?千原は元警察官という立場を生かして何度かスクープを飛ばしてます。
その中でも古巣の埼玉県警について何かを調べていたようなんですが。
つまり埼玉県警によって都合の悪い情報はもみ消された…。
千原さんの死には県警が関与しているという事ですか?ええ。
(早田)それは…ないと思いたい。
私は本当の事が知りたいんです。
そうですか。
ところで冠城くん。
はい。
君はどうしてこの件に関わっているのですか?あっ…いや…。
僕と千原は中学の同級生なんです。
まあ彼には借りがあって…。
同級生で借りがあるわけですか?ええまあ…。
(麻衣)「何かあったらこの2人に相談しろ」父は生前そう言っていたので協力して頂いてるんです。
なるほど。
ちなみに冠城くん君を襲った彼らが言っていた手帳というのは?はい。
千原の手帳です。
最後に会った日父が忘れていったんです。
彼らはこの手帳を狙っていた。
唯一の手掛かりです。
この手帳には取材のメモと思われる言葉や数字が記してあります。
まあ意味は読み取れませんが…。
ちょっとよろしいですか?あっちょっちょっ…右京さん!この手帳は僕が持っておくのが一番いいでしょう。
どうしてですか?早田さんは否が応でも埼玉県警の人間と接触する機会が多い。
かといって麻衣さんを危険にさらすわけにもいきませんからね。
だから僕が持ってるんでしょう。
あなた弱いですからね心許ない。
僕が適任です。
いやだから僕だって本気で…!わかりましたよ。
ところで先ほどから気になっていたのですが木軸の万年筆でそのサイズは珍しいですねぇ。
それ今関係ありますか?万年筆には目がないもので。
ちょっとよろしいですか?ちょっちょっ…。
失礼。
ああ…素晴らしいですねぇ。
父も同じものを持ってました。
千原と一緒に作ったんですよ。
連続殺人事件を解決して2人そろって本部長賞をもらった記念に。
優秀な方だったんですね千原さんは。
いい刑事でした。
そうですか。
あっこれは女性のお名前ですか?ええまあ。
立ち入りすぎじゃないですか?細かい事が気になってしまう僕の悪い癖。
それ直しません?直せません。
ここが千原が自殺したとされる現場です。
革靴の土はここのものだったんですね。
あなたの靴についていた土を鑑識で調べてもらったところ公園のものではありませんでした。
鑑識まで使って調べたんですか?捜査資料によると千原さんはこの木にロープをかけて首をつった。
死体の重みで枝が折れて落下した。
頭部の損傷はその時についたものという事ですが…。
その事なんですがこの枝にロープをかけて僕が体重をかけてもびくともしませんでした。
僕より小柄な千原の体重で折れるのかなと疑問を持ちました。
なるほど。
断面を見る限り枝は折れたというよりも切断されたかのようですね。
枝が折れて死体が落下したというのは嘘という事ですね。
嘘だとしたら埼玉中央署はなぜそんな嘘をつく必要があったのか…。
どう動きましょうかね?どう動けばいいと思いますか?直接捜査に関わった埼玉中央署の刑事たちに話を聞くというのはどうでしょう?いいでしょう。
(浦上)千原の自殺の捜査に関わった刑事たちに話を聞きたいと?こちらの法務省から出向中の冠城さんがどうしても話を聞きたいと申しまして…。
勉強させて頂いてます。
ああ…勉強ね。
警察というのは勉強だけ出来ればいいって場所じゃないからね…。
いろいろ教えてもらうといいだろうね。
…はい。
現場の連中には話を通しておきましたから。
ありがとうございます。
では失礼します。
ああ杉下警部。
はい。
警視庁の坂之上さんはご存じかな?次期警視総監と言われている方なんだが…。
さあ…ご挨拶をした事ぐらいはあるかもしれませんが組織の事には疎いもので…。
そう。
坂之上さんにはお世話になっていてね…。
そうですか。
では。
ああ私だ。
うん…連中が行くと思うが適当にあしらっておけ。
あの署長の浦上さんから…。
(松木卓也)ゴウエーどうだった?
(清水靖男)モノイカだった。
ちょっと話を聞かせてください。
(松木)調書に書いたとおりだよ。
その調書について聞きたいんです。
終わった事件の話をしてる暇はない。
(清水)悪いが現場に向かわないとなりません。
では最後にひとつだけ。
今お二人が話していた事なんですがゴウエーはエーゴウモノイカはイカモノの事でしょうか?そうですよ。
うちはいつからかひっくり返して言うようになったんだ。
では。
なるほどなるほど。
誰も何も話してくれないですね。
皆さん忙しいんですねぇ。
まあ暇なのは特命係だけですか。
暇だからこそ君の無駄足に付き合えたんですよ。
無駄足ってどういう意味ですか?何か収穫はありましたか?いや…。
右京さんだってなんか訳わかんない質問しかしてないじゃないですか。
冠城くん手帳の謎が解けそうです。
えっ!?なんですか?これ。
言葉は論理です。
一見意味不明の英数字の羅列に見える手帳のメモにも法則性があります。
つまり手帳のアルファベットは数字を意味し数字は五十音を意味するという事ですか。
よく気づきましたね。
どうもありがとう。
初めにアルファベットがAからJまでの10文字しか使われていない事に注目しました。
数字に関しては五十音の母音と子音の関係で仮定を立てると意味が見えてきます。
でも「たいじら」とか「ふらてん」とか意味がわかりませんが…。
先ほどの刑事たちが警察の隠語をひっくり返していたのを思い出してください。
ゴウエーどうだった?モノイカだった。
あれはやっぱ隠語だったんですか。
僕は使う事はありませんが…。
ゴウエーはA号前歴照会の意味です。
モノイカはイカモノ前科のある人間を指します。
じゃあ「たいじら」は「じらたい」ですか。
自動車警ら隊の事ですね。
「てんふら」は?テンプラの事でしょう。
偽造ナンバープレートの事をテンプラナンバーと呼びます。
なるほど…。
僕の知らない世界です。
以上の法則を踏まえて手帳のメモを読み解くと千原さんが何を調べていたのかが推理出来ます。
でも千原は何を調べていたんですかね?埼玉中央署の部署名と個人名担当した案件とその協力者の名前そしてそれに対する謝礼金の金額…。
問題なのは協力者へのキックバックの金額が記されている事です。
はい!謝礼金を受け取る協力側がキックバックをもらうっておかしくないですか?一般的に謝礼金の領収書というのは裏金作りの温床となる事が多い。
領収書を提出しても実際には謝礼金は支払われずプールされる。
また協力者をねつ造するわけにはいきませんからね警察のOBや関係者を巻き込んでキックバックという形で謝礼金の一部を渡す。
…という仕組みが見えてきますね。
千原は埼玉中央署の裏金作りを調べていた。
それで殺されたとか…。
手帳のメモはあくまでも断片に過ぎないでしょう。
千原さんはより詳細なデータを所持していたはずですよ。
(坂之上慶親)甲斐次長。
(甲斐)あっ…今はもう次長じゃありませんよ。
坂之上副総監。
失礼しました。
息子さんの件は大変でしたねぇ。
まあね…。
最近はお茶に凝っておられるとか?時間があるものですからね。
退官後の趣味には最高ですな。
坂之上さんは頂上はもう少しですね。
フフ…ええおかげさまで。
では。
(甲斐)お気をつけて。

(ため息)何か残ってるとすればこのパソコンの中だけなんですがIDもパスワードもわからないので中を見る事が出来ません。
そうですか。
あっ!もしかして右京さんならパスワードわかったりします?なんの手掛かりもなくわかるわけないでしょう。
…ですよね。
どなたかへのプレゼントでしょうかね?麻衣ちゃんは誕生日でもクリスマスでもないから自分のためじゃないだろうって言ってました。
中身なんでしょうね?さあ…。
あっ!ちょっちょっちょっ…開けちゃうんですか!?気になりませんか?どうぞ。
アンクレットですかね?ええ女性用ですね。
確かに麻衣さんにあげるものとは思えませんね。
千原さんは週に数回そちらのお店に訪ねてきてあなたを指名していたそうですね。
(奈々美)千原さんはいいお客さんだけど?もしかしてなんですがね…これに心当たりありませんか?私が欲しがってたやつ!欲しがってた?来月誕生日だから。
付き合ってたんですか?はあ?あり得ない!なんで?いや高価なプレゼントだし…。
千原さんお金持ちでしょ?そう千原さんが言ってたんですか?店にはお金落としてくれるし私の携帯料金とか家賃とか払ってくれたりして…。
そこまでしてくれてるのに付き合ってなかった…。
払いたいって言うから…。
そういう客たまにいるの。
あのさ私なんか悪い事した?千原は死んだんだよ。
何やってんだか…。
千原さんの部屋を見ても金遣いが荒くなっていたのは間違いないでしょうねぇ。
それにしたってさして娘と歳の違わない子に貢ぐなんて…。
表向き正義や理想を語っている人間も裏をのぞけばいろいろと見えてくるものです。
金銭問題女性関係…。
千原のプライベートを調べて何になるんですか?突き止めるべきは千原の死の真相でしょう。
被害者の身辺を洗うのは捜査の基本ですよ。
そうかもしれませんが…。
(ため息)僕は帰ります。
知りたくないんですか?お友達の事を。
早田さんに会って報告するだけです。
そうですか。
僕は捜査を続けます。
そうですか。
失礼します。
ああ…いつも鞄を置きっぱなしのようですが不用心だと思いますよ。
同居人について少しお話があるのですが。
冠城氏は埼玉中央署の不祥事を調べていたんですか…。
しかも脅迫まで受けているとは…。
大河内さんにはぜひお話ししなければと思いました。
あなたが協力的なのは不気味ですが。
大河内さんには大変お世話になっていますからねぇ。
ああそれからもうひとつ耳寄りな情報が…。
なんですか?冠城くんですが帰りました。
では僕は捜査がありますので。
どうぞごゆっくり。
千原はそちらの署の裏金作りについて調べていたようです。
それで殺された可能性が出てきました。
そうですか…。
こういうでかいヤマは慎重に動く必要がありますね。
(携帯電話)ちょっと失礼。
(携帯電話)もしもし。
冠城さん私ヘルメットした2人組につけられてるみたいです。
キャッ!大丈夫だった?何もされてないし勘違いかも…。
怪我してるじゃないか。
転んだだけです。
何かあったらいつでも呼んでください。
ありがとうございます。

(早田)冠城さん…。
うちの署の人間だな?早田さんそろそろ潮時だと思いませんか?息子さん6歳だそうですね。
かわいい盛りでしょう?お前ら…!手帳と捜査資料を渡して全て忘れろ!
(角田)はあ…。
おお!お疲れさまです。
課長。
(角田)ん?冠城くんは一度戻ってきたんですか?ああ…さっき戻ってきてまたすぐ出ていったね。
鞄は持っていましたか?ああ持ってたと思うよ。
そうですか。
杉下警部!失礼します。
頼まれていた鑑定結果お持ちしました。
僕は何もお願いしていませんが…。
ん?いや…冠城さんに特命係で調べてる件で鑑定してほしいと頼まれたんですけど…ご存じなかったんですか?おや?フッ…皆さんおそろいで。
いろいろ学ぶ事も多かったんじゃないかね?警察がどんな組織かよくわかりました。
直接千原に手を下したのは誰ですか?それはノーコメントだ。
ここから先は立ち入り禁止にさせてもらうよ。
本当の事を知りたい…それだけなんですがね。
知らなくていい事もあるんだよ冠城さん。
資料渡してもらおうか。
浦上さんもうこれで終わりという事でいいですね?手帳がない。
手帳は杉下警部が持ったまんまです。
それなら問題ない。
ハハッ。
私と副総監の坂之上さんは大学の先輩後輩でね。
もう話はついてる。
あの杉下とかいう男も言う事を聞くだろう。
ハハハハ…。
そういうもんですかね?
(浦上)警察官は警察官を守る。
外部の人間にはわからないだろうがそれが警察という組織だ。
…と言ってますがどうなんですか?右京さん。
なんだ?どういう事だ?いや…僕警視庁からもマークされてて。
盗聴器まで仕掛けられてるんです。
(盗聴器を踏み潰す音)やりますか?やりすぎじゃないですか?ここから運べるのか?可能です。
遅くなって申し訳ない。
おっ!人手を集めていました。
何しろ冠城くんの要求を処理しなければなりませんからねぇ。
警察の人間は話が早い。
協力して頂けるんですね?喜んで協力しましょう。
あなた方の愚行を止めるために。
フッ…。
(浦上)坂之上さんと話はついてる。
それがどうかしましたか?君も組織の人間だろう!?組織の事には疎いと申し上げたはずですが。
(伊丹憲一)警部殿我々は仕事に移らせて頂きますよ。
ええ。
伊丹さん芹沢さんお願いします。
(芹沢慶二)松木卓也清水靖男暴行と脅迫の疑いで逮捕する。
(松木)証拠は?証拠?フフフフ…。
証拠は冠城くんのこの眼鏡です。
これ撮影録音機能付きですね?ええ。
完全アウェーの警察で内部捜査するにあたって自分の身を守るための手段でした。
つまりヘルメットで頭突きをした男の声も記録されている。
声紋は刑事事件の証拠になる。
相手にしてくれないだろう刑事たちにわざわざ会いに行ったのは照合する声を録音するためです。
米沢さんの鑑定結果ではヘルメット男はあなた方2人だという事がわかりました。
言うまでもありませんがあなた方のやった事は立派な傷害事件ですよ!
(浦上)おい!同じ警察官だろ?一緒にしないで頂きたいですね!あんたらみたいな警察官大嫌いなんだよ。
この場の会話ですが冠城くん眼鏡に記録されていますか?もちろん。
大河内監察官証拠になりますか?
(浦上)監察官だと!?十分な恐喝の証拠になると思いますよ。
しかし問題はなんの目的で恐喝が行われていたかという事です。
杉下警部の捜査により埼玉中央署の会計に不自然な点が見つかりました。
端的に言って裏金作りの証拠です。
県警の事に警視庁は関与しない。
君らの捜査も中止させると副総監の坂之上さんと話はついてるんだ!何度も申し上げますがそんなおまじない僕たちには通用しませんよ!あなた方の不正は放置出来ない!県警の監察官室に報告させて頂く。
いや…!あっ!そういえば冠城くん千原さんのパソコンのIDとパスワードがわかりました。
本当ですか?千原さんの手帳の筆跡を見ると万年筆で書かれたものである事がわかります。
万年筆といえば早田さんとともに作った万年筆ですねぇ。
現物はすでに処分されてしまっているでしょうが万年筆に刻まれた文字の事が気になってしまいましてね職人さんに問い合わせてみました。
早田さんの万年筆に刻まれていたのは岩崎玲奈という名前。
一方千原さんの万年筆に刻まれていたのは白石亜矢子という名前でした。
2人の女性に共通するのは千原さんと早田さんが県警本部長賞をもらった時の連続殺人事件の被害者である事。
そうですね?千原が言ったんです。
事件を解決して賞をもらったが我々の捜査がもっと早ければ2人の犠牲者を出さずに済んだ。
その事を忘れないように戒めとしてずっと仕事で使う万年筆にそれぞれの名前を刻もうと。
千原さんはお二人の名前を忘れていなかったようですねぇ。
パソコンのIDとパスワードにはそれぞれ2人の女性の名前を暗号で数字化したものが使われていました。
裏金のデータあったんですか?残念ながら何者かによって消去されていました。
何者か…。
IDとパスワードに気づき得る人物はたった一人。
あなたですよ早田さん。
千原さんを殺害したのもあなたですね?
(荒い呼吸)
(銃声)お前ら何もわかってない!わかってないんだ!!千原さんが警察を辞めた理由はなんでしょう?俺が先に出世した…それが納得出来なかったんだと思います。
記者になって生活が荒れ経済的に首が回らなくなっていた千原さんは埼玉中央署で行っていた裏金作りに目をつけたわけですね?あいつは元同僚たちのすねの傷を熟知してましたからそれをネタに裏金作りの詳細な情報を引き出したんです。
そして浦上署長たち幹部に裏金作りの事を記事にされたくなければ3000万渡せと言ってきたんです。
やはり千原は正義感で不正を追及したのではなくて裏金そのものを狙っていた。
浦上署長に頼まれて自分が説得に行ったんです。
(千原)お前ら現場の刑事に作らせた裏金でおいしい思いするのは幹部だけだろう。
だからって昔の仲間を裏切るのか?このままじゃ俺も上を抑えきれなくなるぞ。
お前が俺を脅すのか?元相棒のよしみでお前の事は脅す気はなかったんだけどな…。
お前のカミさん主婦売春の常習者だぞ。
お前じゃ俺は止められない。
(早田)うう…うわーっ!殺す気はなかった…。
あなたは仲間たちに連絡をし組織ぐるみで偽装工作を行ったのですね?みんなは悪くない。
自分を助けてくれただけです。
そうでしょうかねぇ?彼らが守ったのはあなたではなく組織だと思いますがね。
だとしてももともと悪いのは千原です。
そうかもしれませんが千原とはずっと…組んでいた仲でしょう?上司の命令でたまたま組まされただけです。
どんな言い訳も人殺しの理由にならない事ぐらい警察官ならばご存じですよね?あなたに残された道はひとつ。
生きて罪を償う事ですよ。
約束どおり本当の事伝えたよ。
本当は…父は最低な人間だったっていう事ですよね?俺にとって親友なのは変わらない。
君にとってはいい父親だろ?悪いのはお父さんだけじゃない。
警察という組織そのものだ。
でも冠城さんを助けてくれたのも警察の人ですよね?ハハハ…まあね。
ありがとうございました。
麻衣ちゃん。
(汽笛)
(甲斐)着任早々お手柄だったね冠城くん。
ああ…杉下さんのおかげです。
今回の一件で警察がどういう組織なのか知る事が出来てよかったです。
また何かあったら今度は我々になんでも相談したまえ。
ああ…ありがとうございます。
ただあまり張り切りすぎるとね途中で潰れてしまう事もあるから気をつけなさい。
はい。
冠城くんは僕の出したお茶口に合わないのかな?あっこれは…失礼しました。
申し訳ありませんが一日にとれるカフェインはコーヒー1杯ですので。
僕の出したお茶を飲まなかった人物は君で2人目だよ。
まあ1人は想像つきますが…はい。
じゃあもう行きたまえ。
では…。
(冠城・杉下)失礼します。
うん。
(ドアの開閉音)
(大河内)あの冠城っていう男ただのお客様と思わないほうがいいかもしれませんね。
外の人間は使いようだよ。
それより坂之上みたいな男が警視総監にならなくてよかったじゃないか。
今回の件で隠蔽に加担した坂之上副総監は失脚した。
そのためにあの2人を利用したんですか?そういえば君千原さんに借りがあると言っていましたねぇ。
どのような借りだったのですか?フッ…恥ずかしい話ですが中学の時トイレに間に合わず漏らしてしまったんです。
中学生にとってバレたら人生が終わるような出来事でした。
ええ。
その時不良だった千原に見つかって俺は終わったと思った。
でも千原は誰にも言わずにジャージーを用意してくれて僕はバレずに帰る事が出来たんです。
素敵な思い出ですねぇ。
ずっと昔の話です。
僕が千原さんの事をいろいろ調べて後悔していませんか?いや…自分にとっていい人間でも他人にとってはそうとは限らない。
逆に信じられないほどひどい人間という事もある。
本当の事とはそういうもんでしょう。
では最後にもうひとつだけ。
最初から僕を利用するつもりだったんですね?気づいてましたか。
気づいてくれと言わんばかりでしたからねぇ。
眼鏡や靴についた土そして置きっぱなしの鞄。
細かいところが気になるのが悪い癖…そういうあなただけわかるシグナル送ったつもりです。
最悪の事態を想定すると盗聴されたほうがよかったですし。
そう思って大河内さんにも伝えておきました。
24時間態勢で君のボディーガードをするのは無理ですからね。
あとは警察官のあなたが警察官を摘発するか…それは賭けでした。
もし僕が裏切ったらどうするつもりでした?僕に何かあったら法務省の日下部事務次官に情報が届くように手配はしてありました。
僕はただのお客さん。
警察には愛着はない。
あなたごと摘発してしまえばいい。
なるほど。
あなたは必ず警察官を摘発すると思ってました。
なぜですか?あなたは自分の相棒も逮捕した人ですから。
今回お世話になりました。
ありがとうございました。
どういたしまして。
お礼にコーヒー淹れます。
いや結構。
スリランカの良質なセカンドフラッシュの茶葉を飲んでいますから。
…ですね。
2016/01/17(日) 15:25〜16:25
ABCテレビ1
相棒 season14[再][字]

水谷豊×反町隆史
杉下右京(水谷豊)と法務省キャリア官僚・冠城亘(反町隆史)の異色のコンビが、難事件に挑む!
毎週水曜よる9時!!

詳細情報
◇番組内容
第2話「或る相棒の死」
首席監察官の大河内(神保悟志)が、峯秋(石坂浩二)を通じて、右京(水谷豊)に亘(反町隆史)の様子を問い合わせてきた。秘密裏に不穏な動きを見せる亘に興味をひかれた右京は、周辺を調べ始める。するとそこには、元刑事の謎の自殺と、ある巨大組織の闇が潜んでいた…。
◇出演者
水谷豊、反町隆史、石坂浩二
川原和久、山中崇史、山西惇、六角精児、神保悟志
【ゲスト】宅間孝行
◇スタッフ
【脚本】真野勝成
【監督】橋本一
【エグゼクティブプロデューサー】桑田潔(テレビ朝日)
【ゼネラルプロデューサー】佐藤凉一(テレビ朝日)
【プロデューサー】伊東仁(テレビ朝日)、西平敦郎(東映)、土田真通(東映)
◇音楽
池頼広
◇おしらせ
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【ツイッター】https://twitter.com/AibouNow
【フェイスブック】http://www.facebook.com/AibouNow
【ウェブ】http://www.tv-asahi.co.jp/aibou/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
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日本語
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