(着信音)・もしもし俺やけど電車に会社のお金が入ったかばん置き忘れてもうて。
・もしもし俺やけど友達の借金の保証人になってもうたんや。
・俺やけど株で失敗して。
・愛人が妊娠してもうた!・もしもし俺やけど。
・もしもし俺やけど。
・もしもし。
・もしもし。
(莉紗)お願いします。
お金貸してください。
銀行の窓口が開いてる時間に間に合わなかったんです。
どうしても今晩のうちにお金が必要なんです。
(坂上竜一)あぁ〜明日銀行休みですもんね。
口座にいくらかは入ってるんですけど全額は引き出せなくて。
何でそんなに慌ててるんですか?それは…身内に不幸があってううっ…すぐに用意しないとまずいことに。
はぁ〜…それ何やようわかれへんけど大変ですね。
であのいくらほど必要なんでらっしゃいますですか?あと100万円用意しないといけないんです。
萬田さんは誰にでも貸してくださるんですよね?
(萬田銀次郎)利息はトイチ。
貸した金は何があっても返してもらいます。
ほんまに助かります。
ありがとうございます。
(藍)い…今の人もしかして振り込め詐欺に引っかかってるんじゃ?えっ?そんなことひと言も言ってなかったで。
(藍)最近の手口やと喪服を着て銀行に行けと指示したり自動車のカタログを持っていかせたりするって聞いたことがあるんです。
何でそんなめんどくさいことすんの?銀行側に怪しまれず高額な預金を引き出させるためです。
はぁ〜いろいろ考えてはんねんな。
そうやとしても何の問題もない。
俺は貸してくれいうやつに金貸すだけや。
・
(自動ドアの開閉音)・こんにちは〜。
い…いらっしゃいませ。
(花岡時男)藍ちゃん注文してたお客さんの誕生日ケーキ出来てます?あっ…。
もうちょっとやと思います。
えぇ〜何何?ちょっと〜。
えっ藍ちゃん彼氏?こんにちは。
違います。
時男さんは国家試験合格という崇高な目標を抱いた同志です。
あぁ〜ということは藍ちゃんと一緒の弁護士志望?いえ俺は公認会計士を。
ふ〜ん。
痛い痛い…。
ありがとう。
大学行ってる間専門学校へ通う余裕がなくて今この先の居酒屋で働きながら浪人してます。
時男さんは勉強に打ち込むために携帯も解約したんですよ。
えっ?ええ根性してるやないですか。
ねぇ。
ほんまは前回の試験で合格するはずやったんですけど。
次回は必ず全科目合格してみせます。
おやじのためにも。
おやじのため?時男さんのお父様昨年お亡くなりになったんです。
いいおやじでした。
子供の頃に母親が病気で亡くなってから男手一つで俺を育ててくれました。
(回想)ただいま。
(花岡)あぁ!Aおかえり。
今日の夕飯俺作るって言うたのに。
久しぶりの休みやろ?たまにはゆっくりしときぃや。
ええねんええねん。
そんなことよりお前は勉強して夢をかなえることだけ考えろ。
でも俺高校卒業したら働くつもりやし夢やなんて…。
(花岡)何言うてるねん。
大学までは行かせたる。
母さんとの約束やから。
でも…おやじを早く楽にしたいんや。
あほ言うな。
どんなに苦労したって息子の力になれるほうがうれしいんや。
おやじ。
ははははっ。
おやじの面倒を一生見られるような仕事にって公認会計士目指したんですけどね去年の3月に突然心筋梗塞で。
う〜ん。
あっでもほら遺産とかないの?ほら保険金とかははっ。
いった…えぇ〜?いやそういうのは…。
すいません。
貧乏でしたから生命保険も入ってませんでした。
負債は?おやじは借金が嫌いやったんで1円も。
そうか。
俺が夢かなえるの楽しみにしてたおやじのためにも1日も早く公認会計士にならんとって。
友達や仲間も公認会計士なってから作ればええって。
はぁ〜。
いや若いのに真面目やねトッキーは。
トッキー?トッキー。
あっそれぐらいしか取り柄ないんで。
・銀次郎知識は武器になる。
せやからしっかり勉強せぇ。
しっかり勉強するのはええこっちゃ。
社会の仕組みをどれだけ知ってるかそれで人生の勝負が決まるともいえる。
そうですよね。
はい萬田。
あぁまいど。
1,000万わかりました。
お貸ししましょう。
ほな後ほど。
行くぞ。
はい。
ほなまたなトッキー。
はい。
いってらっしゃい。
あの人たちもしかして闇金?ただの闇金じゃありません。
誰にでも貸す代わりに取り立てはどこまでも追いかける。
たとえそれが1円でも。
(藍)あの人のことをミナミの鬼って呼ぶ人もいます。
それからミナミの帝王とも。
ミナミの帝王。
ピッピピッ!萬田銀次郎。
うわさほどの男じゃないわね。
簡単に信用してお金を貸して。
ばかな男ふふっ。
えっ?何で俺らをつけとる?すいませんまかれました。
どうしましょう?あれ?
(立石)しかたない署に戻る…。
浪速南署の立石やん。
何でつけさしてたんですかね?でかい事件の容疑がかけられてんねやろな。
えっ?せやないとわざわざ立石が顔出すとは考えられへん。
てことはまた兄貴と離れ離れ?嫌やもうそんなん絶対嫌やもう離れとうない離れとうないわもう〜。
ねえ兄貴…。
う〜ん冷た〜い。
(沢木)沢木や。
おぉ〜銀ちゃんか。
ちょうどこっちから連絡しようと思とったんや。
東京で荒稼ぎしとった振り込め詐欺グループが大阪に移ってきた。
そこにミナミの闇金業者が加担したとか?そのとおりや。
何でわかったん?浪速南署の生活安全課が俺に見張りをつけたもんでね。
あいつら俺を疑ったんでしょ。
何考えとんじゃふん。
沢木さんその詐欺グループの正体ちょっと探ってもらえませんか?
(沢木)わかりしだい連絡するわ。
よろしく頼んます。
・
(足音)
(莉紗)あの〜すみません。
えっ?黒門市場までの行き方教えていただけませんか?ご案内しまひょ。
ほら乗りぃな。
ありがとうございます。
ただいま。
「学生保護機構」?何やろ?「支払」…。
「奨学金」「返還」?「一括返済」。
220万円!?えっ奨学金ってことは大学の学費借りてたってことか?そんなんおやじから聞いてへん。
支払い期限…。
1カ月のうちに全額返済なんて無理や!えっどうしよう。
えっどないしよう。
どないしようどないしよう…。
どないしようどないしようどないしよう…。
あっ!何…どけ!おら!何…ぼけ!おっ痛ぇなおら!・あっあっ…あぁ〜!あぁ〜!はぁはぁ…。
そない逃げんでもええがな。
兄貴がちょっと話聞かしてくれ言うてるだけなんやから。
俺は何も…。
東京から移ってきた詐欺グループに加担したんは己やな?よそもんに庭荒らされんのは好きやないねん。
すんませんすんません!最近取り立て率が悪うてつい…。
はぁ〜。
警察がえらい目ぇつり上げて捜査してるもんやからもうこっちは仕事しづらぁてしゃあないですわ。
ねぇ兄貴。
どんなやつや?どんなやつや!?あっあぁ〜あぁ〜…。
それがちょっと妙なんです。
ボスが表に顔出さないんですよ。
だからいまだに正体がわからんくて。
えぇ〜?えっミナミの鬼怒らしてまでそんな東京もんかばうん?うわ怖っ。
いやいや…ほんまですって!ボスは電話で指示するだけみたいで取り引きんときも顔出しませんでした!ほなその場を取りしきってんのはどんなやつや?ボスに心酔してるって感じでした。
ボスを必死に守ってるような。
心酔?お疲れっした。
(根津)お疲れ。
お疲れさんです。
(根津)はいお疲れお疲れ。
今日の営業も無事終了しました。
5件ヒットしました。
さすが看板女優だった社長の台本はすばらしい。
う〜ん。
このとおりに電話をすれば今月は100件いけるかもしれません。
ひひひひっ!そう。
そういえば今日ミナミの要注意人物2人に会ってきたわ。
心配する必要はないわね。
私の敵にはならない。
あの〜。
あのすんません。
奨学金一括返済しろって手紙来たんですけどどういうことですか?そういう相談は電話で受け付けてますんで。
携帯持ってないんで直接伺ったほうが早いかなって。
奨学金担当やないんで詳しいことはわかりませんがその手紙に書いてあるとおりですよ。
あのおやじが借りた奨学金やのに息子の俺が返さんとあかんのですか?・いや親御さんが借りたんじゃありません。
あなた自身が借りたもんです。
えっ?俺が?そもそも奨学金いうんは学校に通う学生の方が学費や生活費の足しにできるよう本人に貸し付けるもんなんです。
学校の先生にご自分で書類をもらって提出したと思いますが?
(花岡)そや; ̄CK。
奨学金の申込用紙学校からもろてきてくれ。
奨学金?
(花岡)うん。
時男ぐらい成績が良かったらもらえるはずやから手続きせんとな。
そうなんや。
わかった。
あのときの…。
でも奨学金ってもらえるものなんじゃ?・いいえ。
当機構の奨学金は貸与です。
低利子で貸しただけなんで卒業したら返してもらわなあきません。
とにかくこれ以上滞納すると法的措置を取ることになりますんで。
法的措置?裁判起こされるってことですか?簡単に言うたら。
それだけは勘弁してください。
公認会計士目指してるんです。
裁判沙汰なんかになったら資格取っても就職先見つけられません。
それやったらすぐに返済することですね。
失礼。
あっえっ…。
(心の声)まずい。
どうにかせんと。
おいトッキー?どうもおはようございます。
何してんの?こんなとこで。
あっいやちょっと。
おいちょ…。
何かあったんすかね。
では内藤理事長まとめをお聞かせいただけますか?
(内藤)私たち学生保護機構というのは次世代の社会を担う人材育成に貢献するために存在をしております。
大学やそれから大学院に学ぶ人たちを対象にいたしまして生活費そしてまた学費が補填できるようにと奨学金を貸与しております。
ですから経済的な理由で進学を断念することになってしまう学生もですねこの奨学金を使うことによって教育を受けることが可能になるわけです。
意欲があり能力がある若者たちに高等教育を受ける機会を平等に与えなければいけません。
そうしなければここ日本の成長も止まってしまいます。
返さんと…。
公認会計士なられへん。
おやじとの約束守られへん。
(内藤)我が国の人材育成について当機構はどこよりも真摯に考えているとは自負いたしております。
・あぁ〜もう徹夜のたこパはもうきついですわ手首がね。
ちょ今度兄貴一緒にやりましょよ。
・
(自動ドアの開閉音)ねえ兄貴〜。
あっあのお客様がお待ちです。
あら吉江ばあちゃん。
どうしたん?喪服なんか着て。
(吉江)萬田さん100万円貸してもらわれへんかしら。
えっ?あっそれってまさかオレオレ…。
お孫さんのためですか?とにかく困ってるんです。
(吉江)お待たせしました。
これで孫を助けてやってください。
お願いします。
(山本)確かに。
では失礼します。
(吉江)お願いします。
どういうことや?ブラックリスト載ってるって。
・
(根津)何か返済を滞納してませんか?あっ…でも奨学金です。
学生保護機構の?はい。
あぁ〜あの奨学金ね〜。
3カ月以上返済を滞納すると個人信用情報機関いわゆるブラックリストに登録されてしまうんですよ。
ちょっと待ってください。
そんなたった3カ月で。
今の君はクレジットカードも作れないし使えない。
住宅ローンも自動車ローンも無理。
融資もしてもらえない。
つまり社会的信用がないってことなんですよ。
そんな…。
それやったらどうやって奨学金返済しろって…。
働くしかありませんね〜。
仕事を手伝ってくれる真面目そうな若者をスカウトしてるんです。
勤務時間はフレックス日給は1万以上保証します。
どうですか?うちで働いてみませんか?仕事はとっても簡単ですから。
今から来てくれるというのなら今日のバイト分も出しましょううん。
はい。
うちで働けば奨学金もすぐに全額返済できますよ。
ん?これ以上滞納すると法的措置を取ることになりますんで。
よろしくお願いします。
じゃあ行きましょか。
はぁ〜ここがアジトか〜。
(莉紗)後ろ見て。
何か変なやつがいる。
バレた。
い〜やバレてないバレてない。
でも目ぇ合ったよな。
どうしよどうしよ。
(根津)ここです。
えっ?今のって…。
どうぞどうぞ。
はい。
(根津)はいお疲れ〜。
(山本)お疲れさまです。
・お疲れっす〜。
(根津)新人だ。
次の取り引きは2人で行ってくれ。
(山本)はい。
お願いします。
おう。
(根津)はいご苦労さん。
あのさっき社長から電話かかってきて。
うん。
下で怪しいやつが…。
(根津)ばか野郎!ちっ気を付けろよ。
(山本)すいません。
(根津)花岡君詳しい仕事は彼が教えてくれるからねっ。
ははっ。
それからその服装じゃまずいな〜。
スーツに着替えて。
スーツ持ってないんですけど。
あっ心配いらないよ。
会社の着てればいいから。
ありがとうございます。
うんうん。
うん。
(山本)はい。
じゃあこっち来て。
てかお前こういう仕事初めて?はい。
ヤバいときは自己責任でよろしく。
はい。
着替えたらすぐ出発すんで。
兄貴!はぁはぁ…。
トッキーが…。
どないしてん?オレオレ詐欺グループのアジトに入っていったんです。
あの様子やと仲間かもわからへん。
そんなわけないじゃないですか。
時男さんは何もかも捨てて公認会計士を目指して努力してるんです。
真面目な人なんです。
それやのに詐欺に加担するはずがない。
誰にでも踏み外すことはある。
やったら教えてあげんと。
きっとわかってないんです自分が詐欺グループに加担してるなんて。
そんなこともわかれへんねやったらそれまでの男や。
手助けをする価値もない。
ほっとけ。
お前が口挟むことやない。
あっここや。
よしほんならあっちにおって。
見てるやつおったら俺に連絡入れてくれ。
えっそれって見張りですか?てことやな。
よろしく。
ピンポーン!・
(ドアの開閉音)あの封筒は。
では失礼します。
(石井)はい。
よ〜し仕事終了や。
戻んで。
あのそれ現金ですか?細かいことはどうでもええねん。
行くで。
(着信音)
(根津)お疲れさまです社長。
どう?今日の進行状況は。
新しい人間を1人雇いました。
ちゃんとお金に困ってる若い子にした?もちろん。
社長のご指示どおりローン会社の前でスカウトしました。
(莉紗)さすがね。
最初にしっかりお金を握らせて逃がさないように。
裏切るようだったらすぐに片づけちゃって。
はい。
じゃあ後よろしく。
あぁ〜ほんとに連絡くださったんですね沢木さんうれしい。
(根津)ご苦労さん。
あの〜ちょっと…。
ん?この仕事なんですけど違法行為じゃないですよね?ははははっ…。
んんっ。
入社祝いです。
えっ?明日からの日当も5万円にしましょう。
不足ですか?ほんまですか?いや〜あなたみたいな真面目な青年はほんと珍しい。
応援したいんですよ。
とりあえず少しの間頑張ってみたらどうですか?はい。
(根津)ははははっ。
・
(自動ドアの開閉音)
(藍)い…いらっしゃいませ。
これは立石さんお久しぶりです。
まだ大阪におられたんですね。
痛い痛い痛い。
萬田詐欺グループと手を組んだ闇金業者が誰かタレこんだのはお前だな?そんなことして俺に何の得があるんですか?それはこっちが聞きたい。
お前の狙いは何だ?詐欺グループについてどこまでつかんでいる?そんな事件が起きてるなんて初耳ですけどね。
何のうわさも回ってきてませんし。
東京で荒稼ぎしていた詐欺グループが大阪に移ってきたことまではわかってる。
が上層部の正体が一向に割れない。
最近の振り込め詐欺は手が込んでるらしいですからね。
役割分担も進んでるとか。
(藍)電話をかける人間に金を受け取る人間見張り役それを取りまとめる人間。
(立石)更に金をかき集め数えるだけのやからもいる。
ほんまにひどい話や。
捕まるのは実行部隊の下っ端ばかり。
上のやつらはヤバくなったら拠点を変えまた同じことを繰り返す。
結局一握りの悪党が左うちわでのさばり続ける。
何十年も働き続けてやっと一息つける人間を地獄に落としながら。
だまされるほうにも責任がないとはいえない。
これだけ報道されてるにもかかわらずどうして簡単に…。
(藍)異議あり。
そういうだまされた人間を非難する目が更に被害者を苦しめるんです。
今の発言を撤回してください。
ただ純粋に子供を助けたかったそれがもとでだまされてこつこつためてきたお金を失ってしまった。
そのことを親類や知人に非難されて情けなさとつらさから命を落とした人もいらっしゃるんですよ。
発言を撤回してください。
うん藍ちゃん…。
発言を撤回してください!わかった藍ちゃん藍ちゃんちょっと…うんわかった。
(藍)撤回してください!うんうんちょ…。
撤回して!落ち着こなっ。
まあとにかく何か情報が入ったらお知らせしますわ。
ひとの舞台に勝手に上がって芝居を打つようなやつら許されへんのでね。
はぁ〜。
返済せんと合格したって無意味や。
今は必死に働くしかない。
奨学金返済せんと…。
・息子のことよろしくお願いします。
奨学金返済せんと何もできひん。
ありがとうございます。
金。
(山本)お預かりします。
金。
ありがとうございます。
金。
2829…30万円。
この調子やったら何とか返済できる。
今日も働きにいかんと。
(莉紗)根津新人の男の子どんな具合?
(根津)金で罪悪感も薄らいだみたいです。
うんそう。
うんうん。
じゃあ第2段階ね。
今日からあの子にやらせてみて。
わかりました。
ではそのように指導します。
え〜っとおいあの花…花岡君ちょっと。
はい。
何でしょうか?今日回収があるんだけど今回は君が担当して。
回収ですか?うんそろそろ独り立ちしてもらわないとな。
それとこれもそろそろ覚えてもらわなきゃならないかな。
何ですか?これ。
台本だよ社長が作った。
電話をかけるときの。
・もしもし俺やけど事故起こしてもうて今警察。
警察の人に代わるわ。
・もしもし私警察の者ですが…。
(根津)回収よりも度胸と技術が必要だけれどその分リスクは低い。
リスクってど…。
まあとにかく仕事をうまくやり遂げて。
またこのうちの人から?ここのじいさん完全にだまされてるから。
ピンポーン!
(インターホンの音)ほなよろしく。
あっちょ…。
・
(ドアの開閉音)
(石井)ご苦労さまです。
あぁ…。
何度もすいません息子のせいで。
いえいつもお世話になってますから。
ほんならこれ。
あっ…。
いくらあるんですか?どうにか50万円もうこれ以上はさすがに厳しいと息子に伝えてください。
年金暮らしでそんなに蓄えがなくてね。
お恥ずかしい話ですが250万円で限界です。
あの…このお金ほんまに頂いていいんですか?ええええ。
どんだけ苦労しても息子の力になれるほうがうれしいんです。
どんなに苦労したって息子の力になれるほうがうれしいんや。
いやあのですねやっぱり…。
わかりましたお預かりします。
必ず息子さんにお渡ししますので。
では失礼します。
よろしくお願いします。
花岡!お前金を返そうとしたそうだな。
何考えてんだ!俺にはできません。
すいません無理です!明日今まで頂いたお金持ってきますんで辞めさしてください。
(根津)何寝ぼけたこと言ってんだ一旦足を踏み入れたら簡単に抜け出せるわけないだろ。
ここのことは誰にも言いません。
何をしたかも絶対に言いません。
だからお願いします辞めさしてください。
辞めさせるぐらいなら殺す。
いっ…。
明日も必ず来いよ。
お前の家はわかってんだ。
もし来なかったら家丸ごとなくなってるっていうこともあるかもしれないな。
(根津)おい。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
俺ほんまに殺されるかもしれん。
どないしよう。
(石井)息子の力になれるほうがうれしいんです。
せめてあのおじいさんには返さんと。
でもあと20万円足りひん。
ミナミの帝王。
はぁはぁ…。
(藍)いらっしゃいませ〜。
時男さん。
居酒屋のバイト休んでるんですって?病気?大丈夫ですか?いやあの…。
ごめんなさい。
俺だめな人間です。
藍ちゃんの同志になんて恐れ多いです。
藍ちゃんミナミの鬼に取り次いでもらわれへんかな?萬田さんに?はい。
(沢木)わしは今からひとと会わんといかん。
今日はここまでや。
今夜はごちそうさまでした。
ほんと楽しかった。
私大阪に引っ越してきて良かった。
プレゼントや。
私に?うれしい〜ありがとう。
今日はこの車で帰り。
おう送ってくれ。
(莉紗)ほんとありがとう。
沢木さんまた。
惜しいな〜。
わしが面倒見たるのにのう残念や。
(メール着信音)で俺に何の用や?お願いします。
お金貸してください。
お前俺がどういう人間かわかって頼んでんねやろな?はい。
ミナミの鬼…ですよね。
何に使うねん。
オレオレ詐欺の被害者にお金返したいんです。
今まで関わった人全員に返すことはできません。
せやからせめて今日俺が受け取った分だけでもって。
何でオレオレ詐欺なんかに手ぇ出したん?奨学金一括返済せんとあかんようになって焦ってこんなことに。
知らん間にブラックリスト登録されててどうしてもお金用意できんくて。
学生保護機構の奨学金か。
はい。
確かに奨学金はおやじさんの名義やない。
お前自身の借金や。
全然知らんかったんです。
引っ越ししたし携帯もなかったから連絡もつかへんかったみたいで。
突然バイト先に郵便来て支払われへんかったら法的措置取るって。
それはきついな。
公認会計士になるっていう俺の夢はこのままやと終わってまう。
どうにかせんとって焦ってお金作ろうとして。
そんなときアルバイトせぇへんかって声かけられたんです。
ヤバい仕事かなって思ったんですけどつい目先のお金に目ぇくらんで。
なんぼ必要やねん。
ここに30万円あります。
あと20万円お願いできれば。
金を返したところでお前の罪は消えん。
お前はもう一線を越えてもうたんや。
そのへんきっちりわかっとんのかい!わかってます。
それでも返したいんです。
よ〜しほんならお前を雇いたい。
かなり危険やがその分ギャラは弾む。
あいつらは闇金業者の顧客リストをオレオレ詐欺に利用した。
その利用料を取り立てさしてもらう。
お前にそれを協力してもらいたい。
おい。
はい。
わかりました。
俺にできることやったら何でもさせてもらいます。
その詐欺グループってどんなやつらかもうわかってはるんですか?ボスは元舞台女優や。
まあ女優としては全く売れへんかったらしいが。
まとめ役はその女優の昔っからのファン。
後はその辺で金に困ってる若いもんに声かけて仕事手伝わしとる。
舞台女優?そういうたら詐欺するための詳しい台本渡されました。
でも俺ボスとは1度も顔合わせてないんです。
ふだんは別の場所で金を管理してるだけやからな。
高見の見物っちゅうわけか。
いけ好かんやつやで。
ミナミは萬田銀次郎のひのき舞台や。
そこに勝手に上がって一芝居打ったこと後悔してもらおか〜。
ピッピッピピッ監視カメラ異常なし。
さて今日は新しい台本でも作ろっかな〜。
お〜れ俺…。
エリさすがや。
うまいこといったわ。
・お待たせいたしました。
・立石さん。
こちらにおられましたか。
何の用だ?実は受け子の1人の身元がわかりまして。
そいつを引き渡してもらえるのか?まあすぐにというわけにはいきませんがこいつをうまく使えば元締めをあぶりだせるかと。
条件は?1週間休戦してもらいたい。
しかたない。
交渉成立だ。
ほないろいろ情報交換しときましょうか。
1件当たりの被害額はどんなもんですか?
(立石)少ないところで50万多いと1,000万。
詐欺グループは電話何時頃にかけてきよるんですか?
(立石)10時ぐらいから午後2時ごろまでが多かったが最近ではいろんなパターンがある。
なるほど。
しかし立石さんこれええ服着てますね。
これどこで買うたんすか?
(立石)東京だ。
はぁ〜。
あぁそうここに。
ここに手錠隠してはんの。
触るな。
痛い痛い。
お前逮捕されたいのか?すいません。
今日はいろいろ話聞かしてもらいましょう。
あっあの大阪府警の刑事さんですよね?はい。
引っ越しのバイトしてるんですけど今日担当した所がオレオレ詐欺グループのアジトっぽくて。
場所は?案内します。
このビルです。
ちょっと様子見てきます。
わかった。
大変です!警察がここガサ入れするって!何?彼女がバーでアルバイトしてるんですけどそこの常連に浪速南署の刑事がいるんです。
あなたたちが捕まったら俺も巻き添えを食う。
そんなわけにはいかないんです!俺には公認会計士になるっていう夢があるんです!
(根津)ちょっと待ってろ。
お金ってあなたどういうことなの?母さん僕はとても困っているんだ!うんそうしよう。
お金で…。
プルルル…
(着信音)はぁ〜はい。
(根津)大変です。
こちらに警察がガサ入れするという情報が。
この男です。
同じ男がアジトの前にいる。
ガサ入れは明日やって言うてます。
台本を全て処分しなさい。
(根津)はい。
台本を処分だ。
そのパソコンのハードディスクも破壊して!証拠になりそうなものは徹底的に壊しなさい!あの証拠になるものは全部処分しろ!
(着信音)
(立石)アジトの表にいる者だ。
ガサ入れが決まった。
延期するなら1,000万。
どうだ?それは恐喝かしら?金庫にHN245801Fから246000までの札束あるだろ?全て把握している。
そっちの場所もわかっている。
逮捕されたいのか?部下に金を渡せば交渉成立だ。
どうだ?・ピンポーン!ピンポーン!わかったわ私の負けね。
まいど。
ちょっと!靴脱ぎなさいよ。
はぁ〜。
警察も随分資金繰りに困ってるみたいね。
よし。
これナンバー控えてるやつやんか。
こんなもん受け取れるわけないやろ。
使ったら足付いてまうんやから。
あんた俺らナメてんのん?確かに。
まいどおおきに。
またのご利用お待ちしてます。
根津。
証拠はそのままにして大丈夫。
刑事を買収しておいた。
もうしばらくここで稼げそうよ。
ふふふふっ。
はぁ〜。
お待たせしました〜。
いや〜さすがに夜中にこんだけの大金運ぶのもうドキドキしましたわ。
今回のギャラや。
これをどう使おうがお前の勝手や。
もちろん詐欺の被害者に返してきます。
ありがとうございます。
少しだけ心が楽になれました。
萬田さんほんまにありがとうございます。
・コンコンコン!
(ノックの音)
(山本)はいはい。
礼状が出てる調べさせてもらうよ。
は〜い動くな!そのまんまそのまんま。
・騒ぐな!
(根津)えぇ〜何?何?何で?
(莉紗)30分後ぐらいにお願いできる?ははっそう良かった。
それじゃあ。
一文字莉紗だな。
あなた昨日の刑事でしょ。
どういうことなの?約束が違うじゃない。
何を言ってる。
俺がお前と何の約束をしたっていうんだ。
あなたの目演技してない目だわ。
どういうことなの?何訳のわからないこと言ってる。
(莉紗)あっ!んっ。
見つけた。
振り込め詐欺の被害者が捜査に協力してくれてね。
被害者は詐欺師に渡した札の番号全部記録していた。
それがどうしてここにあるのか。
(立石)説明していただきたい。
元舞台女優さん。
・ウーー…
(サイレンの音)喪服よりその格好のほうがよう似合うてますわ。
萬田銀次郎最初からわかってたの?沢木さんから頂いたバッグも気に入ってもうたみたいで。
これなかなか高性能ですねん。
ピッピピッ監視カメラ異常なし。
さて今日は新しい台本でも作ろっかな〜。
お〜れ俺…。
俺やって…。
何から何まであなたが仕掛けたのね。
何のことでしょう。
あぁ〜確かにオレオレ詐欺に加担してもうた青年から相談は受けましたけど。
とはいえ俺が聞いてもしゃあないんで立石さんに相談するようにとアドバイスはしましたが。
昨日の夜なんかえらい長いことしゃべってはったみたいです。
今日の引っ越しは中止になりました。
今やと中には人はいません。
明日の朝になったら受け子や掛け子が集まってきます。
わかった。
そういうことだったら明日の朝ガサ入れさしたほうがいいな。
すぐに計画を立てる。
協力に感謝する。
(立石)ガサ入れが決まった。
延期するなら1,000万。
(立石)多いと1,000万。
逮捕されたいのか?
(立石)そっちの
l=jもわかっている。
逮捕されたいのか?部下に金を渡せば交渉成立だ。
ひとを全く見ずに一人芝居してたようですね。
元舞台女優が…ねぇ?どうしてここまですんの。
あなたに何の関係もないじゃない。
ミナミという俺の舞台に横入りして素人芝居を上演した。
死んでも見逃せませんわ。
(立石)おい。
はい行くぞ。
(莉紗)痛い!放して触んないでよ!休戦期間は守る。
がそれが終わったら元の関係だ。
お好きなように。
俺にはもう一仕事残ってますんで。
ここが最後の1軒。
ピンポーン!・
(石井)は〜い。
金…返ってきたんだ。
ははっはははっ。
はぁ〜。
記者さんこれで終わりです。
これから自首します。
後はよろしくお願いします。
俺みたいなあほなことする人間増やしたくないんです。
・最後に1つ。
もし奨学金の一括返済を迫られなかったら?もちろんオレオレ詐欺の受け子になんかなりませんでしたよ。
焦ってたんです。
どうしても公認会計士の夢諦めたくなかったから。
奨学金返済せんとって。
どうやったら返済できるんかわかれへんかった。
パニックになってこんなことに手ぇ出してしまったんです。
・来たぞ。
内藤理事長記事はご覧になられましたか?何かお言葉を!
(内藤)保護機構としては何も皆さんにお話することはございません。
我々は法にのっとって事務手続きを進めております。
失敬。
・学生保護機構の理事長さん。
この書類受け取っていただけませんか。
この記事で有名なった青年の自己破産を証明する書類です。
破産手続きが終了したことお知らせにきました。
突然学生保護機構から奨学金の一括返済を迫られて人生を踏み外してもうた青年に代わりまして。
ご存じですか皆さん。
たった3カ月奨学金の返済を滞納しただけで学生保護機構はブラックリストに載っけて社会的信用を奪う。
更に9カ月滞納した場合借りてる奨学金がいくらであろうが一括返済を迫る。
まあ大概900万になりますわ。
そもそも経済的に余裕がない人間が奨学金を利用しているにもかかわらずそんな額返済できるはずがないわ。
(内藤)9カ月も滞納していたということであればそれもしかたのないことでしょう。
悪徳滞納者に対するやむをえない措置です。
当機構の奨学金制度というのは返還金を直ちに次世代への…えぇ〜貸与するというそういう仕組みになっております。
ですから返還が円滑に行なわれなければ次世代への貸与に重大な支障を来すことになってしまうんです。
確かに借りたもん返すのは道理や。
けど契約当事者がまだ成人にもなってないまだ社会にも出てない高校生やということを考慮されてへんのとちゃいますか。
この不安定な経済状況の中で一方的に返済計画だけを押しつける。
これはいかがなもんでしょうね。
とは言うものの学生保護機構があるからこそ経済的に恵まれない生徒が高等教育を受けることができたんじゃないんですか。
大学生の3人に1人はこの奨学金を使っているというのが現状です。
貸与人数は130万人を超えました。
そして年間事業費も1兆円規模にも上っております。
ほんならおたくの減額返還や返還期限の猶予といった救済制度を周知徹底したらどうでしょう。
奨学金返還者の半数以上が返済猶予制度の存在を知らんそうやないですか。
しかもこの返済猶予制度は延滞している分には利用することができない。
より払われへん状況に追い込んでおいてそれを救う方法は用意しない。
更に返済滞納者からは年率5%もの延滞金を取っている。
これが人材育成を掲げた組織がやることですか。
今の奨学金はただの学生ローンや。
日本に留学してきた外国人学生は手厚く保護して日本の学生は見捨ててるそう言われてもしゃあないんちゃいますか。
日本国憲法26条にこうあります。
全ての国民は法律の定めるところによりその能力に応じて等しく教育を受ける権利を有する。
国は国民に教育を受ける権利を与えてる。
それは人材が国を支える財産やからや。
それをおたくらはちょっと芽が出るのが遅かったというだけでその種全部取り除いてる。
そう思いませんか?書類確かにお渡ししましたんで。
(内藤)何者なんだね君は。
おたくと…同業者かもしれませんわ。
・「愛の花」・ちょっと待ってください!・理事長!
(ざわめき)
(藍)ううっううっ…。
ううっううっ…。
どこ行ったんや。
ちょちょちょ…あのうちの兄貴見てない?うちの兄貴。
知らんっすよ。
知らん?なあなあなあうちの兄貴見てないかな?もしもし。
俺や。
どこにおんねん?俺?俺ってまさかオレオレ詐欺か!・あぁ?ちょ…兄貴もうどこ行ってたんすか。
これ時男に差し入れたってくれや。
えっ?何すか。
こんなん絶対喜ぶ…。
兄貴東京行ってたんすか?えっ?えっちょ…何で言ってくんないんすか俺かて行きたかったわそんなん。
兄貴待ってくださいよ。
ガン!痛たたた…ってこれあかんやつや。
兄貴…息止まるやつや。
ちょっと待って兄貴!2016/01/17(日) 16:00〜17:25
関西テレビ1
新・ミナミの帝王[字]【千原ジュニア主演“ミナミの鬼”が詐欺集団と騙し合いの戦い!】
奨学金返済で追い詰められた青年を巻き込むオレオレ詐欺!“ミナミの鬼”銀次郎(千原ジュニア)が元舞台女優のボス・莉紗(東風万智子)の悪事に大芝居を打って暴き出す!
詳細情報
出演者
千原ジュニア(千原兄弟)
大東駿介
赤井英和
姜暢雄
奥村佳恵 ほか
【ゲスト】
東風万智子
尾上寛之
大堀こういち
大石吾朗 ほか
番組内容
大阪ミナミで「鬼」と恐れられる金貸し・萬田銀次郎(千原ジュニア)のもとに喪服姿の女・一文字莉紗(東風万智子)が現れた。身内の不幸で金が必要だと涙ながらに借金を申し込むが、すべては銀次郎の眼力を試すための芝居で…。莉紗の正体はオレオレ詐欺グループのボス。元舞台女優の経験を活かした巧妙な手口を使って東京で荒稼ぎをし、銀次郎のシマであるミナミに移ってきたのだ。同じ頃、銀次郎は居酒屋で働く花岡時男(尾上寛
番組内容2
之)に出会う。時男は亡き父の恩に報いようと、公認会計士を目指して勉強に励んでいた。そんな時男に突然、奨学金の返済を迫る督促状が届く。差出人は内藤康博(大石吾朗)が理事長を務め、苦学生に学費などを貸し付ける「学生保護機構」。1カ月以内に奨学金220万円を一括返済しなければ裁判を起こすという。慌てた時男はローン会社に走るが、すでに学生保護機構から滞納者として金融機関のブラックリストに登録され、融資を受
番組内容3
けられない。途方に暮れる時男は、高額な報酬があると声をかけられ、犯行を手伝わされてしまう。一方、銀次郎は、舎弟の坂上竜一(大東駿介)とともに詐欺グループを調査。時男が詐欺とは知らず荷担させられていることを知る。やがて詐欺の実態に気づいた時男は、騙した被害者に金を返したいと銀次郎に借金を懇願。罪の意識にさいなまれる時男に金を取り返す大胆な作戦を持ちかけた銀次郎は、莉紗の鼻を明かす大芝居を仕組んで…。
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
ドラマ – その他
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