(後藤)
…するという快挙を成し遂げました
まず…
そして…
そんなお2人に刺激を受けたのは…
…した科学大好きな桝アナウンサー
2回にわたりノーベル賞を受賞した研究を身をもって体験します
第1弾は…
大村先生はどのようにして10億人を病から救う薬のもとを発見したんでしょうか?
その研究を分かりやすく説明するため…
(桝)これちょっと…。
桝アナは…
え〜!うわ〜!
ということで今回は…
祝!ノーベル賞受賞スペシャル第1弾
大村先生の研究を分かりやすくお伝えします
(所)まだかな〜?発表はまだかな〜?
(ユージ)・教授〜!・おっ来た来た!
(ユージ)教授〜!どうだった?どうだった…?ノーベル賞の発表がありました!あったか!それで?先生の名前は…。
うん!ありませんでした!え〜!ガクっ。
どうして分かんないかね〜?この干し柿を渋柿に戻すっていうこの研究。
何で分かんないかね〜?他にも研究いっぱいしてるよ〜。
おすぎとピーコの見分け方。
それからお好み焼き食べても歯につかない青のりの作り方。
これノーベル賞取れないかね?君。
何ともなんないかね?何でしょうね〜?今回のノーベル賞で日本人の研究者がダブル受賞しました。
ノーベル賞を取ったことは分かるんだけどその研究ってさちゃんと何か…内容よく分かんないんだけど。
そういう方結構多いですよね。
ほとんどがそうだと思います。
ですから今回分かりやすくお伝えしようと思います。
まずは早速大村先生の功績から振り返って行きましょう。
およそ10億人を救う…
41年前の…
その微生物は放線菌と呼ばれる細菌の一種でそれが作り出す物質こそ奇跡の薬のもとだったのです
大村先生が発見した放線菌は寄生虫を殺す効果がある抗生物質を作り出すことが分かりその物質はエバーメクチンと名付けられ寄生虫が原因の病に対する薬の開発が始まりました
エバーメクチンをもとに中南米やアフリカで流行していた…
この薬は失明につながるオンコセルカ症や足の痛みや腫れを引き起こすリンパ系フィラリア症に効きしかも年に1回の投与で効果があるという画期的なものでした
メクチザンはこれまで…
多くの人を病から救っていて2020年にはこれら2つの病は完全に撲滅されると予想されているんです
大村先生すごいもん発見したんですね!病を地球上から消してしまう薬ですからね。
すごいね!裏側に今日は迫って行きたいんですけども実はこちらが大村先生が発見したエバーメクチンという物質を作り出す…。
…の写真なんです。
こんだけ大きくなるとさパスタみたいだね。
(笑い)実は土の中にはさまざまな細菌がたくさんすんでいますけども放線菌はその中の一種類です。
は〜。
とっても人間にとって役に立つ菌だったことが分かったんです。
例えば不治の病として昔いわれていました結核という病気ありましたけどもその治療薬として開発されたストレプトマイシンというのは実はこの放線菌が作った物質が由来になっているんです。
あっそうなんだ!へぇ〜。
知らないこといっぱいあるね〜。
ホントですね〜。
今回大村先生が見つけたエバーメクチンというのはそれに匹敵するほどの大発見だといわれているんです。
その放線菌というのは主に土の中にすんでいますけどもこれまで発見されたものは全体の1割にも満たないんじゃないかといわれています。
じゃあまだいっぱい放線菌がいるのね?9割以上は未確認ですからまだまだ未知の物質未知の薬が見つかる可能性は十分にあるという。
ただやっぱり簡単ではないということなんですね。
あっそうなの?研究者の方に聞きますと砂漠の中にダイヤモンドの1粒が転がっているのを見つけ出す作業といっていました。
実は今回私達が放線菌探して抗生物質発見にチャレンジしました。
あら無謀だわ。
(笑い)いきなりでも見つかるかもしんないしね。
身近な場所で放線菌を探したいとやって来たのは…
ということでお呼びしたのは…
(浜田さん)こんにちは。
よろしくお願いいたします。
浜田さんが勤める…
浜田さんも日々放線菌の収集保存などを行っているスペシャリストです
先生例えば…。
桝アナが以前から目を付けていた『ZIP!』のオープニングを行っている広場の花壇の土
早速土を採取
あっ先生。
(浜田さん)いつも…。
かっこいい。
マイスコップですねこれ。
…っておっしゃってましたけど。
大村先生も…
浜田さんに土の採り方のコツを教えてもらいます
(浜田さん)そうですね…。
放線菌は紫外線の当たる表面や酸素のない土の中ではほぼ生息できません
地表より深さ5cmから10cm辺りの土が狙い目だそうです
浜田さん土を掘り起こすと不思議な行動に…
先生。
はい。
(浜田さん)分かりますかね?
(浜田さん)いわゆるこう…。
っていうのはあると思うんですけども…。
え〜!知らなかった!
雨上がりに感じる土のにおいも同じです
私達が嗅いでいた土のにおいは主に放線菌が作り出すジオスミンという物質のにおいだったんです
続いて向かったのは日テレ…
においを嗅いでみると…
何かいいですね。
いいかもしれませんね。
こちらの土は先程の花壇の土よりにおいが強く期待大
そして最後に向かったのは…
(浜田さん)そうですね。
3か所目は日テレタワーにあるうどん屋さんの横の土
この土がかなり乾いていて硬く掘るのにひと苦労
しないですね。
しないね。
完全に。
さらに『目がテン!』が今年から放送している「科学者たちの田舎暮らし」企画の舞台茨城県の常陸太田市のサトイモ畑の土も採取しました
全4種類の土この中にダイヤの原石ともいうべき人の役に立つような放線菌はいるのでしょうか?
随分身近な所の土採ったねこれ。
徒歩30秒でロケ費ゼロでございますから。
さぁ続いてこの中から放線菌を取り出す作業です。
まさにここからなんですよね。
実際土には放線菌以外の菌もたくさん入っていますからまずこのたくさんの菌の中から放線菌だけを取り出す作業が必要になって来ますよね。
ものすごく大変なんですご覧ください。
採取した土を持ち込んだのは『目がテン!』スタッフルームにある桝太一研究室
ここからの作業は大きく分けて4つあります
土の中にいるたくさんの細菌の中から放線菌だけを取り分けさらに放線菌を1種類ずつ種類ごとに分けて行きます
この作業でおよそ3週間もかかっちゃうんです
まずは工程1
土の中をできるだけ放線菌のみの状態にしたい
今採って来た…。
(浜田さん)何日か。
でもこれに一体どんな意味があるんでしょうか?
普通の…。
多くは死んでしまうんです。
そんなもんなんですか。
(浜田さん)ですけれども…。
そうすると…。
こちらが放線菌の顕微鏡写真
トゲトゲした塊が胞子です
放線菌は胞子となって殻に閉じこもることで過酷な環境でも生き延びることができる強い菌なんです
土を置いて乾燥させること3日
水分が飛んでパラパラした状態になりました
さらに放線菌以外の菌を殺すダメ押しの作業です
(浜田さん)はい。
普通にいったらいわゆる…。
(浜田さん)そうですね。
はぁ〜…。
なんと…
しかし胞子になることで放線菌だけは100℃の中でも生き延びられるんです
乾燥と熱で放線菌以外の細菌をほぼ殺菌
土の中にはほぼ放線菌だけが残った状態になりました
これにて工程1が完了!
では工程2
過酷な環境で胞子になった放線菌
これを増やして行きましょう
今度…。
ここには…
放線菌だけを増やすことができるんです
しかしここでさらに細かい作業が
うわ〜。
(浜田さん)そうですね。
手で小さな振動を与えて土をそ〜っと培地にまいて行きます
もうほとんど見えないと思うんですけれども。
なるべく土の粒をバラバラにしてまくのが上手に放線菌を増やすコツなんですがこれが本当に難しいんです
しっかり固定して左手の指でこうトントン…と優しくたたいてやると少しずつ落ちます。
固まりをまいてしまいました
土をまいた培地を放線菌が育ちやすい温度28℃の保管庫に入れて10日ほど待ちます
土をまいてから10日後
後藤アナウンサーと訪れたのは浜田さんの所属する…
日本テレビと田舎暮らしの土地の放線菌は無事に増えてくれたんでしょうか?
あ〜!
土の粒に付いていた放線菌の胞子から菌が目に見えるまで増殖しコロニーと呼ばれる固まりを作っていました
コロニーはそれぞれ1種類の放線菌が膨大な数に増え目に見えるようになった状態です
あ〜!うわ〜。
うどん屋さんの横も。
うわ〜すごいやっぱり。
サトイモ。
さらにプレートの中をよ〜くのぞいてみると…
例えばこの三日月のような白いコロニーと横にあるベージュのコロニーこれはそれぞれ違う放線菌の集まりなんです
このように色や形が違えば種類が違う放線菌が集まっている可能性が高いんです
そこで工程3
この…
コロニーの色や形を見ながら顕微鏡で放線菌の形を観察
種類が違う放線菌を探し出して行きます
サトイモ畑の培地を実際に顕微鏡でのぞいてみると…
お〜お〜!あ〜!えっ何?こんなに見えるものなんですか?
バネのような形の放線菌が姿を現しました
次にうどん屋さんの横の土から出て来た放線菌
あっ!あっ!えっ!え〜!わ〜!全然違うね!
明らかに先程の放線菌とは違う別の種類の菌です
ホントだね。
今クルクルとストレートしかパーマとストレートしかないんですけどそれ以外にもあるんですか?ありますよ。
まだまだあるという種類の違う放線菌達
まず色や形を見て…
コロニーを選んで顕微鏡で菌の形を確認
今までにない形のものを見つけるという地道な作業を繰り返します
この中のどれかが薬のもとになるダイヤモンドの原石かもしれません
後藤アナウンサーと40種類さまざまな形の放線菌を選び出しました
そして選んだ放線菌を取り出して行きます
つまようじの先に菌をほんの少しだけ取って4つに区分けされた培地にそ〜っと広げて行きます
そして最後の工程4
取り出した種類の違う放線菌を1種類ずつ増やして行きます
放線菌を取り出してから3日後
この工程で別の細菌が混じっていないかをしっかりと確認し最後に…
そして4日後再びセンターを訪れると
こちらが先日つまようじで拾っていただいたやつをキレイに一個一個に分けたものです。
種類豊富。
色も見た目もさまざまな放線菌達
実際に。
(浜田さん)そうですね。
ここまでに要した期間は実に3週間
地道な作業を経て日本テレビの土と田舎暮らしの土から全部で…
本当に地道だねこれでも結果出るからすごいね。
こっからさその放線菌を薬にするんでしょ?まだまだありますこれから作業が。
そこですよそこポイントはね。
そこですよね。
そもそもなぜ放線菌が薬になるのかということですけども放線菌というのはさまざまな別の細菌と一緒に暮らしていますからほうっておくとこうやって周りの細菌に囲まれてしまいますよね。
ここで放線菌がすごいところが。
おっ。
この周りの細菌に対して…。
放線菌はそういうの持ってるのね。
「どけどけ」っていう物質を出すんですよ。
考え方を変えれば他の細菌を「どけどけ」してくれる物質。
これ人間にとってはまさに薬ですよね。
あっなるほど。
もしかすると人間にとってもどいてほしいばい菌を退治してくれる物質かもしれないということなんですよね。
この物質が抗生物質として現在さまざまな薬に使われているんです。
へぇ〜。
ようやく40種類見つかりましたけれどもここからでございます。
ここからなの?大変なのは。
はい。
実際こうやって見つかった放線菌の中に本当に役に立つ物質を出してるものがあるのかどうかを調べてまいりました。
私達が取り出した放線菌の中に抗生物質を作り出す役に立つ菌はいるんでしょうか?
用意したのは2つのプレート
それぞれに酵母とバクテリアの代表的なものがあらかじめまいてあります
放線菌がこれらの増殖を抑えることができれば何らかの抗生物質を作っている証拠となります
というわけでまずはお皿いっぱいに培養した放線菌を培地ごとストローで打ち抜いてこれまた細かいですよ竹串を使ってポコっと培地から外しましてそれぞれのプレートの上にそっと置いて行きます
2人で手分けして40種類の放線菌を2つのプレートに置いて行きました
全部で80個
くりぬいた培地がプレートの上に並んでいます
これをひと晩置けばいよいよ結果が出るんです
果たしてこの中に私達の役に立つ素晴らしい抗生物質を作る菌はいたんでしょうか?
その結果はスタジオで明かされます
これ結果次第でニュースになるんじゃないの?でもホントにすごい抗生物質が見つかる可能性もあるかもしれませんからね。
そうだよね。
結果発表はこれからですけども見方を先にご説明しておきましょう。
先程プレート全体に菌がいると言いましたけどもこれ増殖してこのようにちょっと濁った感じになりますがもしも抗生物質を作っている放線菌がいればその周りだけ菌の増殖が抑えられますからこのようにバリアーみたいな感じで透明になるんです。
「お前ら来るんじゃないよ」って。
「この野郎」っていうの出すんだ。
「どけどけ」っていうふうに見えるはずなんです奇跡の輪っかが見えていれば…。
抗生物質出してると。
一歩近づきますよ。
あらま。
さぁそれでは結果発表にまいりましょう。
今回ご協力いただいた浜田さんがプレートを持って来てくださいました。
お願いします。
よろしくお願いします。
ありがとうございますホントに。
(浜田さん)よろしくお願いします。
気になりますね結果がね。
気になりますよ。
所さんオープンしていただいてもよろしいですか?ズルズルズル…ズンっと!
(ユージ)おっ!さぁどうでしょうか?あっ輪っかがある!
(ユージ)あっ!出ました〜!
(ユージ)出たね!全部に輪っか出てる。
そうなんですよ何とですね酵母では40種中6種類が黄色球菌では40種中の7種類が実際に抗生物質を出していました。
で中にですね激しく出してるものがいたんですよ1人だけ。
こいつじゃないですか?そうなんですよ!このコです。
このコすごいんですよ。
こいつすごいじゃん。
これ「時計前10号」っていうんですけど時計前の10番目のコだったんで。
散々な名前付けたねこれ。
彼はちょっと有望だということで。
新種かもしれないみたいな?浜田さんに詳しく調べていただいたんです。
ドキドキするねそれ。
この結果は私もよく知らないんですけども。
では浜田さん…。
(浜田さん)えっとこちらが「時計前10号」の顕微鏡でのぞいた写真になります。
残念ながらすでに知られている種である…。
という名前の放線菌に…。
アナンディだったんだこいつは。
アナンディだったか〜。
10号の本当の名前はアナンディでした。
もう名前が付いちゃってたんだ。
ただですね新種ではなかったんですけども物質何か役に立つものはありましたか?この種の放線菌というのはギルボカルシンという名前が付いている抗腫瘍薬だからまぁガンみたいな腫瘍ですね。
そういうのを抑える働きがある物質を作るっていうものがもう報告されている種なんですね。
これは。
非常に役に立つ菌なのかも…。
すごいね身近な時計台の前の土にその種のものがいるだなんて。
すごいですね。
ホントですよ僕もまさか「ZIP!」ってやってる横に抗がん剤が転がってるなんて思わなかったですから。
今回あくまで抗生物質が見つかったというのもありましたけどもここから薬になる物質を見つけることが実は本当の難しさなんですよね?そうですね。
今回やっていただいたように抗生物質を作る放線菌…っていうのは結構簡単に見つかるんですけども実際じゃあここから新しい薬を見つけるまではものすごく高いハードルがいっぱいありまして。
実際は1人の研究者が人生懸けて探してもまぁ薬になったもの1個見つかればいいほう。
1個も見つからない人のほうが多いと思います。
実際大村先生はそんな薬をエバーメクチン以外にも発見されてるんですもんね。
そうですね実際は20種類以上の物質が実用化されてホントに薬として使われていますので。
世界の人が助かってるっていうだけでもやりがいのある仕事だしそれがノーベル賞って誰もが知ってるような賞じゃない。
さぁ次回は何ですか?次回はノーベル賞スペシャル第2弾です。
ノーベル物理学賞を受賞した梶田隆章教授のニュートリノの研究に迫ります。
桝アナウンサーが最先端の実験施設スーパーカミオカンデを突撃取材。
宇宙の神秘ニュートリノの謎を分かりやすく解説しちゃいます。
分かりやすく説明しますんで頑張ります。
また次回。
(山口)今回の『グッと!地球便』は兵庫県とオーストラリアを2016/01/17(日) 09:55〜10:25
読売テレビ1
所さんの目がテン![字]
桝アナがノーベル賞解説SP▽大村先生の生理学・医学賞編▽10億人を病から救う“奇跡の薬”とは?▽薬のもとになる微生物は身近な場所にも!▽桝アナ、新種発見なるか!?
詳細情報
番組ホームページ
http://www.ntv.co.jp/megaten
番組内容
ノーベル賞ラッシュに沸いた日本科学界!その功績を称えるべく…2週にわたり、受賞した研究をわかりやすく紹介!▽第1弾は「生理学・医学賞」の研究を、桝太一アナウンサーが身をもって体験!▽数億人を病から救った“奇跡の薬”のもとを大解明!さらに桝アナ自ら、薬のもととなる微生物を探しだす!▽地道な作業の末…人類の役に立つ新たな微生物は発見できたのか!?
出演者
【MC】
所ジョージ
【実験プレゼンター】
ユージ
後藤晴菜(日本テレビアナウンサー)
音楽
【エンディングテーマ】
「ベクトル」所ジョージ(avex trax)
おしらせ
※日本テレビ、2015年12月13日放送分です。
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 宇宙・科学・医学
ドキュメンタリー/教養 – 自然・動物・環境
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
ステレオ
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32725(0x7FD5)
TransportStreamID:32725(0x7FD5)
ServiceID:2088(0x0828)
EventID:10806(0x2A36)