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【iRONNA発】
平和ボケから目が覚める! 一色正春のニッポン自衛論
私は第9条のように現実とかけ離れている条文は改正すべきだと思いますが、その一方で第一章の天皇についての基本的な考え方は変えるべきではないと思います。いずれにしても大事なのは我々日本国民が、憲法に対して意思表示をすることです。今の憲法は成立の過程を含めて施行されてから約70年間、一度も国民の意思を反映していません。変えないのであれば「変えない」という意思表示を、はっきりと目に見える形で示すべきであり、自称護憲派の方々は、本当に現行憲法が素晴らしいと思うのであれば、国民投票によって信任すればいいのです。その結果が「憲法は今のまま一字一句変えなくて良い」というものであれば改憲論は後退せざるを得ないでしょう。
それとは逆に「とにかく変えさえすれば良い」という意見は、一応理解しますが、あまりよくない方向性であると思います。それは、憲法を変える本来の目的は、日本国が真の独立国となり、他国に領土を侵略されたり、国民を拉致されたりしない国になることであり、憲法を変えることは、その手段にすぎないからです。違う言い方をすれば憲法が変わっただけで国民が変わらなければ国は変わらないということです。これは、行政の仕組みを変えさえすればすべて上手くいくといった話にも通じるものがあり、形を変えただけで中身が変わらなければ同じだということです。確かに憲法を変えることは単なる手段とは言えないくらい容易ではなく非常に大事なことではありますが、「とにかく憲法が変われば、すべて良くなる」ではなく「より良い国にするために憲法を変える」という考え方であるべきだと思います。一番大事なのは日本人が変わることです。
一色正春
1967年1月3日生まれ。元海上保安官。 2010年11月、尖閣諸島中国漁船衝突映像流出事件において「sengoku38」名で映像をYouTubeへ最初に投稿した。海上保安官退職後は執筆やテレビ出演、講演活動など幅広くこなす。12年、論文「中国の狙いは尖閣だけではない」でアパグループ第5回「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀藤誠志賞を受賞。著書に『何かのために sengoku38の告白』(朝日新聞出版)などがある。