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【iRONNA発】平和ボケから目が覚める! 一色正春のニッポン自衛論

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【iRONNA発】
平和ボケから目が覚める! 一色正春のニッポン自衛論

衆院平和安全法制特別委員会で可決された安保法案。鴻池祥肇委員長に詰め寄る野党議員ら

 とかく日本の安全保障のために防衛力を強化しようとすれば「日本は世界で唯一の平和憲法を守ってきたから、ずっと平和だった。」「戦後70年間戦争もせず、一人の戦死者も出さなかったのだから、このままで良い。」などと、反論をされる方がおられますが、これらはいずれも事実誤認です。

 「日本国憲法9条は世界で唯一の平和憲法でノーベル賞を受賞すべきだ」などという人もいますが、実際は憲法学者、西修先生の著書「世界地図でわかる日本国憲法」によれば、世界の188か国の憲法典を調べた結果、158か国(84%)の憲法典に何らかの平和に関する条項設けられており、日本国憲法第9条のいわゆる平和条項は、決して日本だけの特異なものではありません。ただ、日本と、それらの国との大きな違いは「国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄する」などと謳う一方で兵役の義務規定を設けるなど、日本のように最小限の自衛力しか持たないとして軍隊の保持を禁じるのではなく、自衛権の行使=軍隊の存在を一切否定していないことです。つまり侵略戦争は禁止するが自衛のための戦争は断固行うということで、それが戦争放棄を謳う条文に対する国際標準の憲法解釈なのです。

 また、多くの国は武力攻撃を受けた場合や大規模災害などの緊急事態が発生した場合、それに対処するための「国家緊急事態対処条項」を設けていますが、日本は東日本大震災のとき津波で流された車や瓦礫が救助活動の妨げとなったのに、所有権等の問題で容易に排除できなかったというような苦い実体験があるにもにもかかわらず、いまだにそのような規定がありません。国家の最大の任務は独立を守り、国民の生命及び財産を保護することなのですが、日本国憲法には緊急事態や国防に関する条文が第9条、ただ一つしかないという現実が、この憲法の性質を如実に表していると言えるでしょう。 

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