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【iRONNA発】
平和ボケから目が覚める! 一色正春のニッポン自衛論
普通に考えれば、国家はそのような事態に陥れば、ありとあらゆる手段を用いて全力で事に取り組むのが当然で、そうあらねばならないのですが、そのような危急存亡の秋においても国家国民を守るための自衛権を制限しなければならないのは何故なのでしょうか。憲法をまもるためですか? いざというとき、彼らは国民に対して「憲法の制約により、あなた方を守れません」とでも言うつもりなのでしょうか。
おそらく彼らの理屈は、集団的自衛権は「必要最小限度の実力行使」の範囲を超えるから憲法違反だということなのでしょうが、本来は自衛権に個別とか集団の区別はなく「最小限」にこだわるのは、敵を利し自国民の不要な犠牲を増やすだけの結果しかもたらしません。もっと言いますと「必要最小限」の実力行使では、まともに国を守れないのです。いったい自衛隊の実力を、どれだけ高く評価しているのでしょうか。
自衛隊は他国を侵略する能力はなく、その能力を制限しながら日本を守ることなどできません。だから日本は日米安全保障条約を結んでいるのです。そもそも昔とは違い、これだけ兵器の発達した現代では一国のみで自衛することは難しく、世界一の軍事大国と言われるアメリカでさえ各国と同盟を結んでおり、集団的自衛権を否定し自国のみで防衛している国などスイスくらいのものでしょう。ではそのスイスのように国民皆兵制度を導入し、各家庭に銃を配るのかと言えば、それは否定する。では憲法を改正して「自衛隊を軍隊にして防衛力を強化しましょう」と言っても反対する。そして日米安保については何も言いません。本来、集団的自衛権を否定するのであれば、日米安保や集団的自衛権の行使を肯定している国連も否定するのが筋なのですが、不思議なことに彼らは、その問題に触れようとはしません。