日経スペシャル 夢織人 〜小さなトップ企業〜 2016.01.16


椅子一筋のメーカーが開いた展示会です
15年間で作った74脚の個性的な木の椅子がずらり!
4万円から5万円台の椅子が中心で中には10万円以上するものもあります
一つ一つ座って確かめているお客さん
でもちょっと待って椅子ってそんなに違いがあるの?
新築したマイホームの椅子を探している夫婦は…
私はこれがいいなと…
見た目だけじゃなくて座り心地も全部違うんですって
全国の椅子好きをうならせる製品を送り出している…
一時は厳しい経営でどん底を味わいました
一度死んでなくなってしまったと思ってたのでもうあのう…人様のためにというよりも自分たちが本当に創りたいモノそれを続けていくことがいいと
国産の家具が安い輸入品におされて衰退し同業者は次々と廃業していきました
どん底から見事復活した宮崎椅子
こだわり抜いた椅子は全国の販売店から高く評価されています
あのこんなこと言っちゃ失礼ですけど…
世界に誇る椅子の製造現場をのぞいてみると…全国から若い職人がたくさん集まっていました
難しそうな工作機械の操作までこなしてますね〜!
機械加工と職人技を融合して作る椅子は受注生産なので数か月待ちの人気です
ああ…これどうやって止める?座面アール全部つけちゃったんですけど途中でおさめるか…
新しい椅子の開発はデザイナーと職人のぶつかり合い
納得いくまで何年かかっても商品化はしません
その様子を見つめる宮崎社長の厳しい目!
(スタッフ)長いときは?
下請けからオリジナルブランドへ
そこには社長の椅子へのこだわりがありました
お〜!
そこへやってきたのは…
あっ!うお〜これまた全然ちゃう〜!すごい!
この会社を取材するフォトグラファー東真子が出会ったのは個性豊かな椅子の数々です!
今回の夢織人は木製椅子のメーカーに気鋭のフォトグラファーが迫る!
廃業の危機から奇跡的に復活した裏には一体何があったのか?
さらに未来の椅子作りを担う若手職人の最高の表情を捉えます!
企業でさまざまな夢を抱き働く人々
それぞれの夢を重ね織り合わせて作られる企業の物語に気鋭のクリエーターが迫ります!
昔からこの地域は鏡台作りが盛んでした
昭和50年代には300社以上の工場でにぎわっていたのです
当時の婚礼家具には三面鏡が欠かせませんでした
懐かしいですね〜
今回紹介する…
以前は大手の下請け工場で三面鏡の椅子をたくさん作っていました
社長の宮崎勝弘さん
鏡台の椅子作りで培った技術を基に新しいモノづくりを始めました
大阪の大型商業施設にあるオシャレなインテリアショップをのぞいてみると…そこには現在の宮崎椅子の主力商品ダイニングチェアが所狭しと並んでいます
お値段は40,000円
50,000円
さらに10万円を超える椅子まで
すべて受注生産なので注文してもすぐに手元には届きません
大阪にお住まいのこちらの家族奥さんたっての希望で40,000円以上の椅子を注文
4か月待って最近やっとうちに届きました
一日の間で…はい
(スタッフ)本当ですか?
ずっと座っていたくなる木の椅子の秘密はいったいどこにあるのでしょうか?
今回宮崎椅子を訪ねるのは…
ファッションの世界を中心に多彩な活動を展開中です
椅子?あぁいいですね
(スタッフ)椅子って好きですか?
ちょっと椅子の種類が違いますが…東さんには1日取材してもらって宮崎椅子のベストショットを撮ってもらいます
(東さん)おはようございます!
(社長)おはようございます
(東さん)よろしくお願いしますお願いしますきょうは寒いところどうもご苦労さまです
(東さん)どうもお世話になりますカメラマンの東です宮崎ですよろしくお願いいたします
(東さん)おぉ〜すごい!匂いも違いますねそうですね
(東さん)木の匂いが
(社長)自然な木の匂いだと思います
(東さん)あぁ表面何か感じますね
(社長)そうですねかわいがってやればやるほどツヤツヤしてくるアハハ…かわいがってやると
さっそく宮崎社長の木の椅子へのこだわりを感じた東さん
気になる椅子に座らせてもらいます
失礼しますあっ!落ち着く!
(社長)そうですかすごい!これやっぱ日本人に合わせた形なんですか?
(社長)そうですねちょうどいいサイズちょうどいい!ピタってここにシュってここにシュってきますね
(社長)そうですかはぁ〜気持ちいいあっ!うわ〜これまた全然ちゃうすごい!あっ!これいいわ〜あとの場所っていうのは比較的シンプルに仕上げて
座り心地とデザインにこだわった木の椅子
「フィンガージョイント」という木と木の継ぎ目を生かした個性的なデザイン
波打つ曲面がおしりを包む削り加工
立体的なカーブでなめらかにつながる脚と座面
すべて細かい部分まで徹底的に作り込まれています
(社長)昔の建物っていうのはすごい造りをしています
社長が椅子の製造現場を案内してくれました
(東さん)あぁ削り出してる
(社長)はい
自動工作機械を使って一気に部材を削る工程
職人の感覚で丁寧に削ったり組み立てたりする工程
それぞれのいい部分を生かした製造ラインになっています
東さん工場に若い女性がたくさんいることに気づきました
(東さん)じゃあまだ1年目なんですか
日本全国から集まる若い椅子職人の皆さん
その半分が女性です
彼女たちは宮崎椅子のオリジナルブランドが知られてからその椅子作りにあこがれて入社してきました
実はオリジナルを作る前の宮崎椅子は廃業の危機にさらされていました
父から地場産業の鏡台製造を引き継いだ宮崎社長は1990年代後半に大手発注元から「近々国内製造をやめる」と言い渡されました
安い輸入モノに仕事を奪われたのです
「潰れるしかないのなら自分の好きな椅子を作りたい」宮崎社長は…
人づてに椅子のデザイナーを探し回りイタリアで家具のデザインを学んだ村澤一晃さんと出会いました
ああでもないこうでもないと2人で試行錯誤を繰り返し会社に寝泊まりしながら完成させたのがこの椅子でした
その後3年間宮崎さんは廃業の不安を抱きながら寝る間を惜しんで自社ブランドの椅子を作り続けました
そして2004年に誕生したこの椅子が初のヒット商品になりました
この椅子のヒットを皮切りに数々の個性的な木製の椅子を世に送り出し国内屈指の椅子メーカーに成長しました
フォトグラファーの東真子さん
機材を持って気になっていた製造現場へ
彼女が見つけたのは黙々と仕事に取り組む女性
大阪出身の…
美大を出て宮崎椅子に就職ことし7年目の職人さんです
椅子のデザインにあった加工の順番を考え適切な刃物を選んで自動工作機械のプログラミングまでこなしています
ぱっと見はおとなしそうな感じですけど聞いてみると…
木の素材が持つ可能性に魅せられたという森本さんの仕事ぶりにシャッターを切ります
仙台出身の角悠一郎さん
この会社の椅子が好きで2年前に入社しました
ここでは若手でもやる気さえあれば椅子の開発にチャレンジできる環境があります
(東さん)今これ何してたんですか?
(東さん)図面を詰める…これある程度かたまったら工場のほうに持って行って…そうですね実際に動かしてみて作ってみたり
角さんはまだ2年目ですが新製品の開発をどうしてもやりたくて手を挙げました
先輩たちが作った椅子を調べて自分なりにどう作ればよいか必死に考えます
非常に参考になるんでいったんこういう形で図面に起こしてみてまあできたら1回それで組んでみて検討したいと思います
先輩の職人にもアドバイスをもらいます
社長が社員を手取り足取り教えるのではなく社員同士で助け合って技術力を高めているんですねぇ
角さんは悩みながらもなんとか締め切りの日に試作品を間に合わせました
宮崎椅子のモノ作りのいちばんの特徴が外部のデザイナーと一緒に行うワークショップです
デザイナーのアイデアを宮崎椅子の職人さんたちが形にして何度も試作を重ねて商品化を目指します
お願いしまーす
角さんの試作した椅子のチェックも始まりました
あぁ…
試作品は少なくとも3回は作り直します
デザイナーと職人の双方が納得するまでこれを繰り返します
(スタッフ)長いときは?逆に…
この椅子は…
今回こだわったのは背もたれの部分
少し下側を細く絞ることですっきりした印象にしました
デザイナーの要望にそってすぐに細かい部分を調整して組み立てます
長かった開発もいよいよフィナーレかと思っていたら…
社長が何やら浮かない顔をしています
(村澤さん)もっとまん丸にしたい?
椅子は再び作業場へと戻されました
いてもたってもいられない社長がみずから削り始めます
いちばん目立つ背中の先っぽをもっとシェイプアップしたいみたいです
素人目にはごくわずかな変更ですがこだわりの椅子づくりには妥協は許されません
さらにもう1回試作品を作ることが決まりました
何かちょっとおこがましいかもしれないですけど…いえいえそうですよね笑顔いいですよねめっちゃ優しい
このあと椅子職人のかっこいい写真を披露します
3枚撮ります!
椅子の下請け工場だった会社をオリジナルブランドで立て直した宮崎社長
数々のこだわりの椅子をつくり全国各地の販売店がそのよさをお客さんに伝えています
…今後楽しみですね
今や数万円の椅子を1万5千脚作る押しも押されもせぬ有名ブランドです
(社長)夢のようです
社長の夢は会社で働く若い職人たちにも受け継がれています
森本さんは5年かけて自分がデザインしたスツールを完成
新製品にラインナップされました
軽くて座り心地にこだわったスツールです
これがずっとつくっててもらえたらなって思います
宮崎椅子とデザイナーが長年かけて築きあげてきたオリジナルのブランド
それが今モノ作りを志す若い職人たちの目標になっています
後日東さんの作品が宮崎椅子に届きました
もらっていいですか?うわ〜
(角さん)すごいですね
(社長)こういうふうに…君がかっこよく見えるなぁ?
(森本さん)うん2割増しくらい2割増し…機械じゃなかった機械じゃなかったやっぱり表情が生きてるよな
(森本さん)すごい…
(社長)すばらしいコツコツと真面目に取り組む彼女なんですけれど出てますよね
(社長)ゴールっていうのはねないんですよねやはりその時どきで精いっぱいのことをしながらたどり着いたところがまた途中経過であってその先にはまた道があるきっと…
苦しい時代を乗り越えて椅子好きをうならせるメーカーに生まれ変わった宮崎椅子
社長の笑顔の奥には「まだまだこだわり抜いた木の椅子をつくりたい」そんな熱意があふれています
2016/01/16(土) 12:30〜13:00
テレビ大阪1
日経スペシャル 夢織人 〜小さなトップ企業〜[字]

「木製イスのトップブランド」廃業の危機乗り超えトップメーカーへ!▽自分の創りたいモノしか作らない!頑固を貫いた男▽
全国から弟子入り希望殺到、魅力の秘密は

詳細情報
番組内容
下請けからイス専業のトップブランドへ!成功の鍵は“自己満足”▽半年待ちの人気の秘密は痒いところに手が届く機能性と独自のデザイン▽日本全国から徳島の工場に入社希望者殺到!▽フォトグラファー東真子
出演者
ナレーション キムラ緑子

フォトグラファー 東真子
音楽
「Cheer Up!」(作詞・作曲)田中雄也
制作
【製作】テレビ大阪 BSジャパン 日経映像
ホームページ
www.tv−osaka.co.jp

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 経済・市況

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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