【国防最前線】米国の“言い値”軍事品提供脱却へ 希望の光は国産機開発 (2/2ページ)

2016.01.16


ステルス戦闘機開発に向けた試作機「先進技術実証機」(防衛省技術研究本部提供、開発途上のため画像の一部がモザイク加工されています)【拡大】

 そういえば、航空自衛隊にFMSで無人偵察機「グローバルホーク」3機が導入されるという。これは高度約2万メートルから情報収集できる優れものであるが、その情報を送るための国内通信容量は十分でない。運用には膨大なデータの解析、それに携わる多くのエンジニア(=米国でも人手不足だという)などが必要である。

 中国や北朝鮮を監視するならば、そのための機能付与など、インフラ投資含め3機の配備に1000億円は下らないと見込まれる。それら機能は米国に担ってもらい、日本は飛ばすだけということもあり得なくもない。

 こうした、まるで屈辱を買って出るような調達の傍らで、実は間もなく飛び立とうという国産機がある。「先進技術実証機」だ。

 同機は「国産ステルス戦闘機開発に向けたもの」と非公式に言われている。また、難産ながら次期哨戒機P1、次期輸送機C2、そして、救難飛行艇US2など、輸出につなげたい国産機もある。

 こうした希望の光を静かに、かつ戦略的に見守りたいものだ。 =おわり

 ■桜林美佐(さくらばやし・みさ) 1970年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒。フリーアナウンサー、ディレクターとしてテレビ番組を制作後、ジャーナリストに。防衛・安全保障問題を取材・執筆。著書に『日本に自衛隊がいてよかった』(産経新聞出版)、『自衛隊の経済学』(イースト新書)など。

 

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