栃木県内で昨年12月中旬から今年初めにかけて、収穫目前のイチゴが盗難被害に遭うケースが相次いでいる。品種はいずれも「とちおとめ」で、8日までに5件が発生した。盗難件数は昨シーズン1件、その前は3件と過去にも散見されていたが、今回のように集中的に発生したのは珍しいという。
被害の多くは週末や年末年始の休み中に発生しているだけに、9日からの3連休中の発生を警戒。栃木県警は県内各署を通じ、栽培農家に注意を促している。
12月中旬には県北地域でイチゴの盗難1件が発生。クリスマスを間近に控えた19日の夕方から20日朝にかけては鹿沼市で、ビニールハウスを破ってイチゴを持ち去る手口の盗難が2件発生した。それぞれイチゴ5キロ(約1万2000円相当)と、20キロ(約4万8000円相当)が被害に遭った。さらに30日夕方から31日朝にかけては30キロ(約5万円相当)が盗まれた。
最も被害が大きかったのは栃木市内の観光農園。営業を休んでいた1月2日夕方から3日朝にかけて、ハウス2棟からイチゴ65キロ(約16万5000円相当)が盗まれた。車を使ったとみられ、ハウス周辺にはタイヤ痕が残っていたという。被害が大量であることから、転売が目的とみられる。
盗難は夜間とみられるが、昼間に周辺を下見していることが十分、考えられるという。このため栃木県警は「イチゴの収穫は当分続くため巡回を徹底し、ハウスの周辺に見慣れない車や人物がいないかなど、地域で連絡を取り合って注意してほしい」と農家に警戒を呼び掛けている。