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台湾 総統選で蔡氏が圧勝 議会選も民進党が勝利か
1月17日 0時05分

台湾 総統選で蔡氏が圧勝 議会選も民進党が勝利か
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16日に投票が行われた台湾の総統選挙は、民進党の蔡英文氏が、与党・国民党の候補に大差をつけて圧勝し、初めての女性の総統が誕生することになりました。地元メディアは、同時に行われた台湾の議会・立法院の選挙でも、民進党が初めて単独で過半数を獲得する見通しだと伝えています。
馬英九総統の任期満了に伴って、16日に投開票が行われた台湾の総統選挙は、中央選挙委員会の発表で、日本時間の16日午後11時半現在、民進党の蔡英文氏(59)が689万票余り、国民党の朱立倫氏(54)が381万票余りとなっています。
民進党の蔡英文氏は、日本時間の16日午後9時半すぎに記者会見し、「きょう台湾人は投票によって歴史を作った。政権交代を成し遂げることができ、投票所に足を運んでくれたすべての台湾の人々に深い敬意を示したい」と述べ、勝利を宣言しました。これにより民進党の蔡英文氏が大差をつけて圧勝して、8年ぶりに政権を奪還し、台湾で初めて女性の総統が誕生することになりました。
一方、国民党の朱氏は、これに先だって日本時間の16日午後8時ごろ、支持者の前に姿を現し深々と頭を下げて「私たちは失敗し、国民党は敗北しました」と述べ、今回の敗北の責任をとって国民党の主席を辞任する意向を示しました。

また、16日は同時に台湾の議会・立法院の選挙も行われ、中央選挙委員会によりますと、113議席のうち73議席を占める小選挙区の各党の議席獲得数は、日本時間の16日午後11時半現在、民進党が48議席、国民党が20議席などとなっています。地元メディアは、民進党が、改選前の40議席から大きく議席を伸ばし、国民党にかわって第一党となり、比例代表などと合わせて60議席以上と単独で過半数を獲得する見通しだと伝えています。立法院で民進党が単独過半数の議席を獲得すれば、1992年に議会で直接選挙が全面的に導入されてから初めてのことになります。一方で選挙前64議席だった国民党は、新北市など地盤とする北部の選挙区で現職の苦戦が伝えられるなど伸び悩んでいて、地元メディアは、35議席前後に大きく落ち込むとしています。
このほか、市民や学生が中心になって結成し、民進党との間で候補者調整などの選挙協力を進めてきた政党「時代力量」が5議席前後を獲得すると伝えられており、安定した政権運営を目指す民進党の蔡英文氏にとって追い風となりそうです。

岸田外相 協力と交流のさらなる深化を

岸田外務大臣は「蔡英文氏の当選に祝意を表するとともに、選挙が円滑に実施されたことは、台湾で民主主義が深く根付いていることを示すものとして評価する。台湾は日本にとって、基本的な価値観を共有し、緊密な経済関係と人的往来のある重要なパートナーであり、大切な友人だ。台湾との関係を非政府間の実務関係として維持し、日台間の協力と交流のさらなる深化を図っていく考えだ」というコメントを発表しました。また、中国と台湾を巡る問題については、「当事者間の直接の対話により平和的に解決され、地域の平和と安定に寄与することを期待する」としています。

中国 「1つの中国」を堅持

台湾総統選挙の結果を受けて、中国政府で台湾問題を担当する国務院台湾事務弁公室は16日夜に談話を発表し、「われわれの台湾に対する大局的な方針は一貫した明確なもので、選挙結果によって変わるものではない。われわれは『1つの中国』の共通認識を引き続き堅持し、いかなる形であっても台湾独立活動には断固反対する」と強調しました。そのうえで、「われわれは台湾海峡の両岸がともに1つの中国に属するということを認めるすべての政党や団体と交流を強めたい」として、民進党が「1つの中国」を受け入れる姿勢に転じることに期待を示しました。

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