ニュース詳細
阪神・淡路大震災での火災 「通電火災」の可能性も1月17日 19時08分
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阪神・淡路大震災では、地震直後に加えて、時間がたってからも火災が相次いで発生し、大きな被害が出ました。この火災についてNHKが専門家と共同で独自に分析した結果、地震発生から1時間後以降に発生した火災の40%余りが、電気の復旧に伴って電気器具などから出火した「通電火災」の可能性が高いことが新たに分かりました。
阪神・淡路大震災では、地震発生の当日だけで205件の火災が発生して、およそ550人が死亡しましたが、このうち92件は地震発生から1時間後以降に発生しました。
こうした火災は、当時、電気の復旧に伴って、地震で倒れたストーブなどの電気製品に電気が通って出火する「通電火災」が疑われましたが、大規模な火災の多くは火元の特定ができず、消防は原因不明としていました。
こうした火災について、NHKは、防災が専門の山梨大学の秦康範准教授と、火災が専門の東京理科大学の関澤愛教授と、共同で独自に分析しました。
分析ではまず、秦准教授が入手した地域ごとの電気の復旧時間のデータを地図上に示しました。電柱が倒壊して電気が通らない場所もありますが、電気の復旧がどのように行われたか見ることができます。このうち、兵庫県西宮市やその周辺では、電気が復旧してからおよそ10分で9件の火災が相次いで発生しました。
2人は、電気が復旧してから2時間以内に発生した火災は通電火災の可能性が高いとしていて、分析の結果、1時間後以降の火災の40%余りに当たる39件について、通電火災の可能性が高いことが新たに分かったということです。
このうち6件は、住宅などが焼けた面積が1000平方メートル以上の大規模な火災でした。
通電火災の対策には、地震の揺れを感知すると自動的にブレーカーが落ちて電気を元から止める「感震ブレーカー」の設置が有効とされています。
山梨大学の秦康範准教授は、「大規模な火災の中に通電火災の可能性の高い火災が多く含まれていたことが分かり、対策の重要性が示された。今後、感震ブレーカーの設置など対策を進めていくことが求められる」と話しています。
こうした火災は、当時、電気の復旧に伴って、地震で倒れたストーブなどの電気製品に電気が通って出火する「通電火災」が疑われましたが、大規模な火災の多くは火元の特定ができず、消防は原因不明としていました。
こうした火災について、NHKは、防災が専門の山梨大学の秦康範准教授と、火災が専門の東京理科大学の関澤愛教授と、共同で独自に分析しました。
分析ではまず、秦准教授が入手した地域ごとの電気の復旧時間のデータを地図上に示しました。電柱が倒壊して電気が通らない場所もありますが、電気の復旧がどのように行われたか見ることができます。このうち、兵庫県西宮市やその周辺では、電気が復旧してからおよそ10分で9件の火災が相次いで発生しました。
2人は、電気が復旧してから2時間以内に発生した火災は通電火災の可能性が高いとしていて、分析の結果、1時間後以降の火災の40%余りに当たる39件について、通電火災の可能性が高いことが新たに分かったということです。
このうち6件は、住宅などが焼けた面積が1000平方メートル以上の大規模な火災でした。
通電火災の対策には、地震の揺れを感知すると自動的にブレーカーが落ちて電気を元から止める「感震ブレーカー」の設置が有効とされています。
山梨大学の秦康範准教授は、「大規模な火災の中に通電火災の可能性の高い火災が多く含まれていたことが分かり、対策の重要性が示された。今後、感震ブレーカーの設置など対策を進めていくことが求められる」と話しています。
「通電火災」東日本大震災でも
「通電火災」は5年前の東日本大震災でも発生し、研究者の調査では、東北を中心に45件に上ると推定されています。
このうち仙台市の中学校では、地震から2日後、電気の復旧からおよそ10分後の午後2時半ごろに、美術室の準備室から出火し、およそ200平方メートルが焼けました。けが人はいませんでした。火元の部屋には焼けた電気ストーブが残され、仙台市消防局は通電火災が発生したとしています。
当時中学校の校長をしていた伊藤芳郎さんによりますと、学校は当時被災した人の避難所になっていましたが、この火災がきっかけで、避難所を閉鎖せざるをえなくなったということです。
伊藤さんは「電気がつながってほっとしたやさきに火災が発生したので、ショックだった」と振り返っています。
東日本大震災でも通電火災が発生したことについて、火災の専門家は、阪神・淡路大震災のあと、十分な対策が進まなかったことも要因にあるとしています。
このうち仙台市の中学校では、地震から2日後、電気の復旧からおよそ10分後の午後2時半ごろに、美術室の準備室から出火し、およそ200平方メートルが焼けました。けが人はいませんでした。火元の部屋には焼けた電気ストーブが残され、仙台市消防局は通電火災が発生したとしています。
当時中学校の校長をしていた伊藤芳郎さんによりますと、学校は当時被災した人の避難所になっていましたが、この火災がきっかけで、避難所を閉鎖せざるをえなくなったということです。
伊藤さんは「電気がつながってほっとしたやさきに火災が発生したので、ショックだった」と振り返っています。
東日本大震災でも通電火災が発生したことについて、火災の専門家は、阪神・淡路大震災のあと、十分な対策が進まなかったことも要因にあるとしています。
首都圏は早急な対策が必要
通電火災の対策が早急に必要な地域の1つが首都圏です。
国は、首都直下地震が風が強い冬の夕方に起きると、最悪の場合、火災だけでおよそ41万2000棟が消失し、およそ1万6000人が死亡すると想定しています。
想定では、火災が住宅や工場、店舗など500か所から2000か所で発生し、このうち半分程度は通電火災を含む電気関係の出火としています。
その一方で国は、地震の揺れを感知して建物内の電気を元から止める「感震ブレーカー」と呼ばれる装置の普及など、対策を徹底すれば、火災による死者の数を800人と、20分の1に減らすことができるとしています。
国は、首都直下地震が風が強い冬の夕方に起きると、最悪の場合、火災だけでおよそ41万2000棟が消失し、およそ1万6000人が死亡すると想定しています。
想定では、火災が住宅や工場、店舗など500か所から2000か所で発生し、このうち半分程度は通電火災を含む電気関係の出火としています。
その一方で国は、地震の揺れを感知して建物内の電気を元から止める「感震ブレーカー」と呼ばれる装置の普及など、対策を徹底すれば、火災による死者の数を800人と、20分の1に減らすことができるとしています。
「感震ブレーカー」まだ普及進まず
「通電火災」の対策として、阪神・淡路大震災のあとに開発されたのが、「感震ブレーカー」です。
「感震ブレーカー」は、地震の強い揺れを感知すると、ブレーカーが自動的に落ちて建物内の電気を元から止める装置で、電気が復旧しても、揺れで倒れた電気ストーブや電気コンロに電気が流れないため、出火を防ぐことができます。
ブレーカーがある分電盤に揺れを感知するセンサーが内蔵されたタイプのものがあるほか、簡易型のタイプでは、ブレーカーにおもりを付け、地震の揺れでおもりが落下する力を使ってブレーカーを落とします。
木造住宅が密集する地域が市の面積の12%を占める横浜市では、全国に先駆けて、3年前に感震ブレーカーの設置に補助金を出す制度を設けています。
横浜市中区の自治会では、先月、1個3000円程度で購入できる簡易型の感震ブレーカーを、補助金を利用して、地区の450世帯すべてに無料で配る取り組みを始めました。
道路の幅を広げたり、古い建物を改修したりして、火災の延焼を防ぐ対策が進まないなか、通電火災そのものを防ぐことで、地域を安全にするねらいがあり、専門家もこうした対策が重要だとしています。
豆口台上町会の鈴木静一さんは、「阪神・淡路大震災で多くの住宅が燃えた教訓を生かして、地域から1件も火災が出ないようにしたい」と話しています。
しかし、全国的には補助制度を設けている自治体はまだ一部なうえ、知名度が低いなどの理由で、国の調査では普及率が6.6%にとどまり、対策が進んでいないのが現状です。
「感震ブレーカー」は、地震の強い揺れを感知すると、ブレーカーが自動的に落ちて建物内の電気を元から止める装置で、電気が復旧しても、揺れで倒れた電気ストーブや電気コンロに電気が流れないため、出火を防ぐことができます。
ブレーカーがある分電盤に揺れを感知するセンサーが内蔵されたタイプのものがあるほか、簡易型のタイプでは、ブレーカーにおもりを付け、地震の揺れでおもりが落下する力を使ってブレーカーを落とします。
木造住宅が密集する地域が市の面積の12%を占める横浜市では、全国に先駆けて、3年前に感震ブレーカーの設置に補助金を出す制度を設けています。
横浜市中区の自治会では、先月、1個3000円程度で購入できる簡易型の感震ブレーカーを、補助金を利用して、地区の450世帯すべてに無料で配る取り組みを始めました。
道路の幅を広げたり、古い建物を改修したりして、火災の延焼を防ぐ対策が進まないなか、通電火災そのものを防ぐことで、地域を安全にするねらいがあり、専門家もこうした対策が重要だとしています。
豆口台上町会の鈴木静一さんは、「阪神・淡路大震災で多くの住宅が燃えた教訓を生かして、地域から1件も火災が出ないようにしたい」と話しています。
しかし、全国的には補助制度を設けている自治体はまだ一部なうえ、知名度が低いなどの理由で、国の調査では普及率が6.6%にとどまり、対策が進んでいないのが現状です。