ロールス・ロイスがインドに投資することに決めたのは合理的な選択だ。世界には人件費が安い国がたくさんある。だが、それに加え高度な技術を持ち、英語がきちんと通じる国は多くない。政権が西欧式内閣制で安定しているのもインドの強みだ。外国企業への規制で朝令暮改が多い中国よりも「政治リスク」が小さいということだ。まだインフラは不十分だが、全長が京釜高速道路の14倍という高速道路が今年完成予定だというくらい、弱点克服のスピードが速い。
年頭からインドの話を書いたのは、上海株式市場が乱高下している影響を受けて韓国総合株価指数(KOSPI)が大きく崩れたのを見て、無力感に襲われているからだ。韓国にとって中国が重要だということは小さな子どもでも分かる。しかし、いつまで「中国がくしゃみをしたら韓国が風邪を引く」状況が続くのだろうか。
中国の成長率に歯止めがかかり始めた。それに合わせて韓国も中国に対する経済的依存度を少し引き下げる時期に来た。関心を寄せるべき対象としてインドほどの国はない。インドの経済規模は2013年の世界10位から、14年は9位、15年は7位と、毎年階段を駆け上がっている。ハーバード大学国際開発センターは、2015年以降の10年間に世界で最も高い成長率を記録するのはインドだと予想した。人口も2022年にインドが中国を上回ると国連は予想している。将来のリスクを分散させるためにも、今年はインドに関心を注ぎ、投資も増やす年になればと思う。