【寄稿】南北統一の好機、ファン・ジャンヨプ氏の予言

【寄稿】南北統一の好機、ファン・ジャンヨプ氏の予言

 2013年2月に北朝鮮は3回目の核実験を強行し、その後も核兵器の小型化、多種化、大量化を実現したと主張している。また12年4月に長距離ロケット「銀河2号」の発射に失敗したが、同年末には成功し、米国本土にまで到達するミサイルと核弾頭を持つに至ったと内外に印象づけた。これによって12年の故・金日成(キム・イルソン)主席の誕生100年に合わせ、故・金正日(キム・ジョンイル)総書記が北朝鮮住民にプレゼントしようとした強盛大国の目標のうち「軍事強国」は達成できたことになる。北朝鮮住民も「軍事強国は完成したが、後は経済強国だけが残った」と考えている。

 北朝鮮の情報機関、国家保衛部はこのような住民の動向を金正恩(キム・ジョンウン)第1書記に報告し、金正恩氏を経済政策に集中させようとしている。その一方で2014年10月の仁川アジア大会には黄炳誓(ファン・ビョンソ)朝鮮人民軍総政治局長、崔竜海(チェ・リョンヘ)朝鮮労働党書記、金養建(キム・ヤンゴン)同書記(故人)の3人を突然仁川に派遣し、南北の「大通路」開通を提案した。大通路とはその言葉通り首脳会談を意味する。北朝鮮が韓国との大通路について最大の関心を示した背景には、金正恩氏の権威を一気に高めたいという事情があった。

 1990年代中盤に北朝鮮で数百万人の餓死者が発生した際、金正日総書記は体制崩壊の危機に追い込まれたが、韓国の金大中(キム・デジュン)大統領(故人)からの支援で崖っぷちから起死回生を成し遂げた。その一方でこれらの支援を「韓国が降伏したため」などと宣伝し、北朝鮮住民はそれを信じた。

姜哲煥(カン・チョルファン)北朝鮮戦略センター代表・朝鮮日報客員記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【寄稿】南北統一の好機、ファン・ジャンヨプ氏の予言

right

関連ニュース