米国政府と米国内の中国専門家の多くは、北朝鮮による4回目の核実験後も中国は大きく動かないとみている。オバマ大統領は韓国、日本、ロシアの首脳らと相次いで電話会談を行ったが、北朝鮮に最も大きな影響力を持つ中国の習近平・国家主席とは、核実験から10日が過ぎても今後の対応に関する意見交換さえできていないことがそれを示している。米国政府がブリンケン国務副長官を中国に急きょ派遣したことも、中国の協力を引き出すことがねらいだった。
ただし専門家の意見はやや食い違う面もある。戦略国際問題研究所(CSIS)東北アジア担当のクレーザー氏は「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権が突然崩壊し、韓半島(朝鮮半島)統一が実現して在韓米軍が38度線の北側に進駐する状況を北京は最も恐れている」とした上で「そのため中国は北朝鮮に対する決定的な圧力を今なおためらっている」との見方を示した。米国のシンクタンク、スティムソンセンターのユン・ソン研究員も「中国は北朝鮮を戦略的緩衝地域と考えており、急激に支援をやめて北朝鮮を追い込んでしまえば、この地域全体を混乱に陥れる恐れがある。そのため自らが北朝鮮との対話の窓口になろうとしている」と指摘した。
これに対してブルッキングス研究所のポラック上級研究員は「中国はわれわれが考えるほど素早い反応は示さない」「中国はこれまで北朝鮮への制裁に協力してきたし、国連安保理決議にどこまで同意するかももう少し見守らねばわかならない。いずれにしても以前とは明らかに違うはずだ」などと推測した。ワシントンのある外交筋は「今回の核実験は中国に対する全面的な挑戦でもあるだけに、国連以外でも中国国内の北朝鮮系飲食店の営業中止、北朝鮮労働者の派遣受け入れの禁止など、独自に責任を追及する可能性もある」と予想した。