北朝鮮が寧辺の核施設で建設を進めている実験用軽水炉(ELWR)が、稼働段階に迫りつつあるという。
米国ジョンズホプキンス大学高等国際関係大学院(SAIS)韓米研究所が運営する北朝鮮専門ウェブサイト「38ノース」は14日「北朝鮮は過去6カ月間、特に今月に入ってから、寧辺核施設の原子炉冷却水ポンプ場とつながるタンクに水を供給する水路2本を完成させ、昨年10月に完成した変電施設に変圧器2基を追加設置した」と伝えた。核実験後の11日に撮影された商業用衛星写真を分析した結果、建設中のELWRの工事はほぼ終わり、すぐに稼働できる段階になったという。
ただし、38ノースは「建物内部の工事がいつ終わって軽水炉が稼働するかは、予測が難しい」と付け加えた。昨年10月に外装工事が終わったが、衛星写真の分析だけでは、内部の工事が終わったかどうかを把握するのは困難で、軽水炉の稼働に必要な核燃料棒装置の組立に成功したかどうかも確認できないからだ。軽水炉が稼働すると、北朝鮮は年に5-6個の核兵器を作ることができる30-40キログラムのプルトニウムを追加で生産可能、と米国科学者協会(FAS)では見込んでいる。
米国の科学国際安全保障研究所(ISIS)も、11日に撮影された衛星写真を分析して「北朝鮮は、寧辺核施設にある既存の5キロワット級黒鉛減速炉を低出力、もしくは断続的に稼働させている」と結論づけた。ISISのデビッド・オルブライト所長は「昨年撮影された衛星写真には、原子炉から温排水が出ている様子が写っていたこともあったが、最近の写真にない。これは、北朝鮮が断続的に原子炉を稼働させているから。遠心分離器建屋と補助建屋2棟の屋根には雪が積もっていないので、ウラン濃縮のための遠心分離器は稼働が続いているものと見られる」と語った。