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【大相撲】

遠藤、右足痛悪化で休場 十両陥落 手術も

2016年1月17日 紙面から

休場した遠藤の顔出し看板で写真を撮るファン(神代雅夫撮影)

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◇大相撲初場所<7日目>

 (16日・両国国技館)

 人気力士で東前頭11枚目、遠藤(25)=追手風=が16日、右足首の捻挫で休場した。再出場の予定はなく、来場所の十両転落が確実となった。遠藤の休場は左膝に重傷を負った昨年春場所以来3度目。先場所痛めた右足首を今場所前に悪化させ、6日目まで1勝5敗だった。白鵬は逸ノ城を問題にせず、琴奨菊も碧山を下して7連勝。平幕の高安は初黒星を喫し、勝ちっ放しは白鵬と琴奨菊の2人だけとなった。日馬富士は嘉風に快勝して1敗を堅持。

 人気者の休場に館内がざわつく。「えーっ?」。ブーイングのポーズを取る人も。ただ、幕内下位で明らかに精彩を欠く遠藤を知っていたためか、冷静なファンもいた。

 遠藤は再出場せず、春場所で2013年名古屋場所以来となる十両陥落が確実となった。師匠の追手風親方(元幕内大翔山)は「来場所出られるように頑張りたい。出られなかったら仕方ない。たとえ幕下になろうが三段目になろうが、きちっと治してほしい」と複雑な胸中を吐き出した。春場所全休の長期離脱となれば幕下に落ちる可能性まで出てきた。

 昨年春場所で遠藤は左膝前十字靱帯(じんたい)と左膝外側半月板の損傷で全治2カ月と診断された。患部をかばったため、昨年秋巡業で右足首を痛めた。先場所終盤は痛み止めを服用するほどで冬巡業も休場。7日の朝稽古中に右足首を悪化させたことが決定打となった。今まで動きが制限されるとの理由からテーピングなどを拒否。今場所は初日から右足首にテーピング、2日目から左膝にサポーターバンドを着けるほど重傷だった。

 追手風親方によると、遠藤は6日目の打ち出し後に病院へ向かった。部屋に戻って話し合った結果、休場を決断。追手風親方は「仕方ない。相撲を見ていたら分かるでしょ。決めるまで(遠藤に)葛藤があったと思うけど、休むと決めたら前向きだった」。悩んだ末の結論にも遠藤は気丈に振る舞っていたという。

 昨年春場所の大けが以降、遠藤は手術せずに雄姿を見せてきた。だが、戦える体に戻すべくメスを入れる可能性もある。追手風親方は左膝よりも右足首が重傷と説明した一方で「状態によって半月板は(手術を)やらないとダメかもしれない」と左膝半月板の手術に踏み切ることを示唆した。

 金沢市立西南部中の4学年後輩で新入幕の輝との「石川対決」も持ち越しになった。朝稽古後に休場を知った輝は「えーっ!? マジかぁ」と目が点。「正直やってみたかった。石川の人も楽しみにしてましたし。懸賞15本(手取り45万円)もあったのに…」とショックを隠せなかった。6人だった十両以上の休場者に遠藤まで加わる事態。新年最初の場所が一段と寂しさを増してしまった。 (永井響太)

 

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