メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

慰安婦合意、履行へ日本に協力要請 年頭会見

 【ソウル大貫智子】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は13日、青瓦台(大統領府)で開いた年頭の記者会見で、昨年12月の慰安婦問題に関する日韓合意の成果を強調したうえで、着実な履行に向け、日本側の協力を求めた。13年2月の就任以来、3回目となった年頭会見で、初めて日本メディアの質問を受け、安倍晋三首相との首脳会談開催にも前向きな姿勢を示すなど日韓関係改善への強い意欲を表明した。北朝鮮核問題への対応が急がれるためで、当面は日米韓3カ国の連携を前面に押し出す方針とみられる。

     会見で、韓国紙記者が慰安婦問題について「日本は法的責任を認めていないのに合意したのは韓米関係が影響したのか」などと質問。これに対し朴大統領は、政府当局が元慰安婦と接触を重ねた結果、元慰安婦の要求は(1)日本軍による関与認定(2)日本政府の公式謝罪(3)日本政府予算による補償−−の3点だったと、韓国政府の対処方針を初めて公表し「合意は3点を忠実に反映した結果だ」と成果をアピールした。

     一方、ソウルの日本大使館前の慰安婦を象徴する少女像の移転問題については、(昨年12月の)「韓日外相の共同記者発表で発言した内容、それ以上でも以下でもない」と述べ、誤った報道が合意の履行を難しくすると不快感をにじませた。

     元慰安婦らとの意思疎通が不足していたと批判されており、朴大統領は、元慰安婦と面会する意思を表明。複数の韓国政府関係者によると、日本政府関係者による元慰安婦訪問などを期待しており、合意への理解が深まるよう日本の協力が必要との立場だ。その上で朴大統領による元慰安婦との面会を実現させたいとの思惑があるようだ。

     また、朴大統領は安倍首相との首脳会談について「国際会議などの場で自然に行いうるし、機会は多い」と意欲を見せた。3月31日からワシントンで開かれる核安全保障サミットなどが念頭にあるとみられる。

     この日、ソウルの少女像の近くでは保守系団体が日韓合意の受け入れを主張する集会を開催。そのそばで合意に抗議する集会を開いていた元慰安婦支援団体を「北朝鮮寄りだ」と批判しており、北朝鮮の4回目の核実験を機に日韓協力を急ぐべきだとの声も出ている。

    あわせて読みたい

    制限なく記事をお読みいただく方法はこちら

    毎日新聞のアカウント

    のマークについて

    話題の記事

    編集部のオススメ記事