対北朝鮮「実効性ある制裁を」 中国貢献求め
【ソウル大貫智子】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領は13日午前、青瓦台(大統領府)で、北朝鮮の4回目の核実験などに関する国民向け談話を発表した。北朝鮮に影響力を持つ中国に対し「これまで北朝鮮の核は認めないと公言してきた。実際に必要な措置に結びつかないなら、(北朝鮮による)5回目、6回目の核実験も防げないということは中国もよく知っているだろう」と、中国の姿勢を批判。北朝鮮に対する圧力強化や国連安全保障理事会での北朝鮮制裁決議採択に向け、役割を果たすよう求めた。良好な中韓関係をアピールしてきた朴大統領が、中国に強く迫るのは異例だ。
朴大統領は「今回の北朝鮮の核実験に対する国際社会の対応は、以前とは変わらなければならない」とし、実効性のある制裁措置が必要だと強調した。米軍が核搭載可能なB52戦略爆撃機1機を10日、韓国に派遣したことに関しては「(米国の)韓国防衛の決然とした意思を示した」と評価。「米国の拡大抑止力(核の傘)を含めた防衛力強化により、北朝鮮の挑発意思を無力化する」と述べた。これに続く年頭の記者会見で、与党内などで出ている核武装論については否定した。
一方、韓国紙記者が、昨年12月の慰安婦問題に関する日韓合意について「日本政府による『法的責任』が含まれていないが合意したのはなぜか」と質問したのに対し、朴大統領は、政府当局が元慰安婦らと接触したところ、元慰安婦の要求は(1)日本軍による関与認定(2)日本政府の公式謝罪(3)日本政府予算による補償−−の3点だったとし「合意はこの3点を反映した結果だ」と、成果を強調した。
また、ソウルの日本大使館前にある慰安婦を象徴する少女像の移転問題については、日韓外相による共同記者発表の通りだとし「政府がこうしろああしろと言えることではない」と、民間団体の意思を尊重する姿勢を改めて示した。
今後、日韓間の安全保障協力を進めていく可能性にも言及。さらに、安倍晋三首相との首脳会談についても「国際会議などの場で自然に行えるし、機会は多くあると思う」と意欲を示した。