藤井達哉
2016年1月17日08時04分
高松市の玉藻公園の南東に、複雑な形の交差点がある。2本の市道がことでんの踏切の中で交差しているため、周辺に渋滞を引き起こし、長年の懸案だ。立体交差の都市計画は財政難で頓挫。昨年11月に検討委員会が設置されたが、現実味がなくなった都市計画が残り、「暫定」案しか決められない状態だ。
問題の交差点は高松市本町のことでん本町踏切にある変則五差路。12時間の交通量が1万8千台を超える主要幹線の瀬戸大橋通り(市道高松海岸線)が東西に走り、南北に走るフェリー通り(市道魚屋町栗林線)と踏切の中で交わっている。
交差点に信号はなく、瀬戸大橋通りを東から西へ進む車は、フェリー通りを右側から来る直進車を気遣いながら左折気味に踏切に入り、前方から直進してくる車のタイミングを見て右折しなくてはいけない。
交差点を見ていると、踏切内で右折車と直進車が譲り合ってしばらく立ち往生したり、ときには鉢合わせ気味になったりしていた。
もっとも県警によると、2010年以降、交差点周辺で自動車同士の衝突によって重傷・死亡者が出る重大事故は起きていない。交通企画課は「踏切でもあり、運転者が慎重になってスピードを落とすためだろう」と話す。
むしろ問題は渋滞だ。複雑な交差点であることに加え、基本的に6車線化されている瀬戸大橋通りが、この踏切周辺だけは車線が減り、車の流れが悪くなる。渋滞は常態化し、朝夕は踏切前後の約1キロの通過に7分ほど、日中も6分前後かかる。ことでんによると、渋滞で車が渡りきれなかったり、車の先が踏切に入ってしまったりして、電車を止めてしまう事例も毎年10件程度発生している。
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