--クラフトビール醸造事業での今後の事業展開は
「1回の仕込み量は200リットルで、現在の生産能力では自社店舗への供給が精いっぱい。次のステップとして本格的な醸造工場を作り、クラフトビールの提供を希望する店のオリジナルビールを造る事業を拡大することも考えている。クラフトビールを飲んだ瞬間の驚き、新たな発見をたくさんの人に体感してほしい」
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【プロフィル】寺田哲也
てらだ・てつや 専門学校卒業後、1991年にショットバーを1人で開業、鉄板居酒屋やお好み焼き屋、パーティースペースなど8店舗を経営する。川崎商工会議所食品部会理事や川崎駅前仲見世通商店街振興組合副理事長を務める。46歳。神奈川県出身。
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≪イチ押し!≫
■“納得の味”カクテル作る感覚
「T.T BREWERY 中島工場」の“顔”はもちろんクラフトビールだ。同店では常時7種類のクラフトビールを飲むことができるほか、テークアウト(500円)も可能だ。物流費がかからないため、グラスの大きさに合わせて1杯300~900円とお手頃価格なのもうれしい。
クラフトビールの原料であるホップと酵母は多くの種類があり、納得のいく組み合わせを見つけるのに苦労したというが、寺田哲也社長は「クラフトビールの味を決める作業はカクテルを作る感覚に似ていた」と振り返る。
クラフトビールもワインのように時間とともに熟成するといい、「出来たてはボージョレ・ヌーボーのようなフレッシュな味わいなのが、次第にコクや深みが増してくる」と新たな発見も。「最高の一杯」と出会うための試行錯誤は今後も続く。